| こんにちはSS07のheeです。 受験者さんはICU入試に役立つ本を探しているということですが、 以下の本が役に立つと思います。
「小論文を学ぶ―知の構築のために」 長尾達也(著) 山川出版社
アマゾンのレビューも参考になりますが、ここでは個人的に思うことを書きます。
まずこの本は3部構成になっていて、1部では小論文に必要な文章の作法が書かれています。2部では、現代において我々が直面している様々な問題(環境問題等)を生み出す原因となっている近代の考え方について、ポストモダンの立場から批判、検討を行い、第3部では実際に大学の小論文の問題を2部の内容を受けて解説しています。
この本を薦める理由はこの第2部の内容が優れており、ICU入試の、特に社会科学考査に役立つと思われるからです。 第2部の具体的な内容はデカルトを中心とした近代の知(物心二元論や中心主義)の批判ですが、僕の場合この部分が社会科学考査で必要な、現代社会に対する問題意識、世界観を形づくる上で非常に役に立ちました。この部分を読めばおそらく、社会科学考査で出てくる文章が何を言っているかわからない、ということは無くなると思います。
ただし注意点があります。それは内容に極端な偏りがあることです。この本に書かれていることが現代社会を解釈するただひとつの見方ではありません。あくまで、数多くある考え方の一つに過ぎないです。
僕はまたこの本は、現代社会に対するひとつの見方を提示していて、受験生が物事を深く考え、自分なりの考え方、世界観を作るきっかけになると思っています。事実僕はそうでした。ICUの社会科学考査に役立っただけでなく、ICUに入った後も自分の考え方に多かれ少なかれこの本が影響を与え、そのことがすごくプラスになっています。
長文になりましが、受験者さんのご参考になれば幸いです。
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