ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2006(4)-KACHO(編入)-
1. お名前、プロフィール
<お名前>
KACHO
<プロフィール>
名古屋の私立高校→浪人→青山学院大学(文学部)
2. 合格年度、学科、第1志望、第2志望学科
形式:転入本科(ICU編入)(ICU編入(トランスファー))
年度:2006年
合格:語学科
第1志望:語学科
第2志望:人文科学科
センター方式:受験していない
3.予想得点
一般能力得点 = 5〜6割
人文得点 = 8〜9割
社会科学OR自然科学得点 = 7.5〜8割
英語リーディング得点 = 8.5〜9割
英語リスニング得点 = 7〜8割
4.併願校
ありません。
5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
「好きな英語が学べる大学」として上智の外語や早稲田の国際教養などをリストアップしていき、ICUに絞り込んだというわけです。今では英語以上にいろいろな部分にICUの長所を見出しています。
6.ICUに期待するところ
学生と教授の質の高さ
ELP
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>
ES細胞の論文偽造問題、地球温暖化、イスラエル・パレスチナ問題など、現在世界をとりまく諸問題を深く理解し、自立した視点を養うためには専門に特化した教育だけではなく教養教育が不可欠であると感じました。また、村上陽一郎先生の著書『やりなおし教養講座』を読み大変啓発され、「人間の成熟」と「知的成熟」の二つを両立し得る人間形成を目指した教育が理想的であることを学びました。ICUがまさにそれらの教育理念を実践していると感じたのが志望した理由です。
<2.ICUで何を学びたいかを志望学科と関連して簡単に述べ、また将来の志望とその理 由を述べてください。>
三歳の頃、アメリカに四年間在住したことがあり、その時は英語の習得を無意識に行うことができました。しかし、帰国して日本の中学、高校で「英語教育」を六年間受けたが、幼少期の「無意識に行った言語習得」とはどこか違う、という違和感を覚えたことがあります。その経験から、“Language Acquisition(言語習得)”の分野に興味を持ちました。日本を含めた世界中の人々がどのように母国語と母国語以外の言語を習得し得るのか、また年齢や性差、環境などの諸条件が言語習得においてどう影響するのか、を語学科で学びたいと思っています。将来はそれらの研究を、英語教師として「非母国語を教える側」に立ったときに活かしたいと考えています。
<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>
四歳からピアノを習っています。好んでいる作曲家はモーツァルトとショパンです。また中学、高校では六年間野球部に所属していました。
b. 一般能力考査
<傾向>
4つの考査の中で唯一心残りの試験でした。今年はかなり難解だったのではないでしょうか?トフルゼミナールのICU模試を受けて「難しいな」と思いましたが、それに匹敵する難易度でした。ただ(医学→サレルノ大学)やベクトルの問題など去年と全く同じ問題も出題されていました。
個人的な感想ですが、SATを「パズル的」な感覚で捕らえている人がいますがそれは違うと思います。もっと「学術的」です。つまり知能指数がものをいうのではなく中学、高校での基本知識を踏まえていれば誰にでも解けるということです。
<対策>
特に力を入れて対策していません。模試などの復習をしたくらいです。しかし、いろは歌、つきの異名、n進法、数列などの基本中の基本的な知識は完璧にマスターしておきました。
c. 人文科学考査
<傾向>
昨年度よりかなり易化していましたね。テーマは久米邦武の『米欧回覧実記』に関するもので、その中で「音楽」にスポットが当てられていました。本文の内容はというと、岩倉家遣欧使節に参加した久米邦武が欧米を回りながら回覧実記に色々なことを記述していくわけです。音楽の専門家ではない久米が欧米の音楽を独自の視点で分析し、記述した。そのことを評価し、それが教養人のあるべき姿だ!というのが筆者の主張です。
知識問題で覚えているのは
『野ばら』は誰が作詞した?→ゲーテ
武家出身ではない人物は?→岩倉具視
昌平坂学問所の設立者は?→林家
ぐらいですね。こう見ると日本史選択者が有利な気もしますねぇ。
<対策>
過去問を18年分解いた。
毎日必ず新聞(朝日新聞)を読む。(特に国際面)
読書をする。
d. 社会科学考査
<傾向>
「社会科学はこんな学問ですよ〜」という紹介みたいな感じで文章がスタートし、ちょっと例年とは違うなと感じました。「演繹」と「帰納」というのが本文を読む上で重要なキーワードで、この単語を理解しているのといないのとではかなり違うと思いますね。自分はたまたま大学の授業で「演繹」と「帰納」について勉強していたので、しめしめという感じでした。何が役に立つのかがわからないのがICU入試ということです。
知識問題は時間が余ったので数えてみたら11、12問ありました。日本史、世界史それぞれ満遍なく。その中の6割くらい合っていれば万々歳です。
<対策>
人文科学とほぼ同じ。
e. 英語学習能力考査
<リスニング>
<傾向>
英語がいちばんの得意分野だったので、英語までいかに大怪我せずにもっていくかが勝負だと考えていました。その意味では余裕を持ってこの考査に臨めました。 リスニングは例年通りですねぇ。そうそう、ひとつ気になったのがメールアドレスを聞き取らせる問題(jellybeans@なんらたかんたらだっけ?)がありました。
<対策>
大学のパソコンルームでCNN、BBCのニュースが無料で聞けたのでそれを活用した。
過去問を18年分解いた。最後のほうではやることがなくなってしまい、TOEFLの教材を解いた。
<リーディング>
<傾向>
何か今年は難しいという噂ですが、去年ほどではないでしょう?
最後の穴埋め問題(蠍の進化について)は文章は難解でしたが、文法知識がしかっかりしていればほとんど解けます。
<対策>
過去問を18年分解いた。(ときに全和訳)
大学の図書館で英字新聞(Daily Yomiuri)を毎日読む。
f.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)
社会科学、人文科学、英語の読解が苦手な人は筆者と対話する気持ちで読んでみてはどうでしょう?文章に対して受動的になるのではなく、「ははぁ、つまりあなたはこういうことが言いたいのねぇ」と常に頭の中で(あくまで頭の中で、です)話しかけていると、文章の論点を見失いませんよ。現に自分も本番のときかなり口をパクパクさせながら解いていました(笑)。あと決してフィーリングで解かないでください。正解の答えにはちゃんとした根拠が文中にあるはずです。
あ、そうそう、このサイトの掲示板で『小論文を学ぶ—知の構築のために』という著書を紹介された人がいましたが、自分もその本を試験2週間前くらいに読み、とてもためになりましたねぇ。
8. 最後に一言
過去問の分析は大事です。 特に社会科学考査の過去問は読んでいるだけでも勉強になります。 例えば世界銀行について知りたければ1993年の問題。 マルクスやアダム・スミスなどの経済学者について概観したければ1999年の問題。 というようにわざわざ政治経済の教科書を開かなくても基礎知識を学べる過去問はたくさんあります。 特に自分は日本史選択者だったので重宝していました。