ICU 授業 白熱教室

NHK教育テレビの白熱教室JAPANシリーズで、ICU(国際基督教大学)の毛利勝彦教授の国際関係学特別研究IIIが放送されています。

HNKオンデマンドの画面です

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先日放送されたICU(国際基督教大学)の白熱教室の第二回の講義では「NGO 生き残り策を考える」と題して、代表的な国際NGOであるアムネスティ・インターナショナルのケースが取り上げられていました。

様々な要素(なぜかヨウ素と変換される 汗)を持った授業でしたが、団体のブランディングなどをテーマにしたHarvard Business Schoolのテキストを底本に学生がしっかり勉強してきている点などはさすがICUですね。社会経験がないはずの学生によるロールプレイで、机上の空論に終わりそうな雰囲気もありましたが、アムネスティ・インターナショナルの日本の代表の方が授業の最後に登場するなど、座学にはとどまらないICUの授業のおもしろさを感じました。

超有名な国際NGOですらブランドイメージ戦略を用い、生き残りをかけて活動しているという部分には見応えはありました。また、ICUの学生の多くがかなりの事前準備をして授業に臨んでおり、この手の授業は、座してみるというよりは、自分で事前の勉強をして、議論に積極的に参加してこそ意義があるのだなぁと再認識したり。

いずれにしても1000人のハーバード生を相手を相手に、その場の発言で臨機応変に授業を展開するサンデル教授もすごいのですが、やはりICUの少人数制の講義はいいですね。あの人数なら確かに参加型の「白熱教室」っぽい講義になりますなぁ。一方で、人数に関係なくアムネスティの代表の方が来て下さっているところなどもありがたいですね。今までにOB・OG、ファカルティが築いてきたブランドの上に成り立っている授業だなと思ったり(いずれにしてもこの講義の放送がICUのブランドイメージ構築に貢献することは間違いなさそうだったり)。

ICUの白熱講義の1,2回の講義の放送は終了しましたが、第4回の本放送と第3,4回の再放送が残っております。

NHKオンデマンドでも視聴可能です。

NHK教育テレビ「白熱教室JAPAN」でICUの授業を放送(ICU国際基督教大学Webサイト)

http://www.icu.ac.jp/info/hakunetsu/

(追記)

ICUの魅力がすばらしく伝わる番組であり、特に受講生のほとんどが臆せず積極的に発言しており、それを巧みにまとめていく教授も素晴らしい。ここまで活発に発言、議論できるのは1年次から積極的に授業参加が求められるICUならではだと思った。

一方で、このような「参加して意義のある授業」は、「番組としておもしろい授業か」というとそうではなくて、視聴者が傍観者として眺める番組の形式にはマッチしておらず、退屈だなと感じた部分は否定できない。サンデル教授のような政治哲学という抽象的概念ではなく、現実の国際NGOを取り上げる部分において、実地経験のない学生たちによる現実味のかける議論に映る場面も多々あった(もちろん国際NGOは題材にすぎず、理論構築のトレーニングの一環としては意義があり、そちらが本旨なのかもだが、見ている側にそれが伝わるかは疑問)。

「国際NGO」という題材を通して、議論の構築や提示を学んでいく授業だが、番組では前者の深い解説がなく、後者は授業に参加し、積極的に発言するなどしないと得られない内容かもしれない。少なくとも番組はどちらかにフォーカスをおいてきっちり解説した方がよいと思った。また「授業」そのものではなく「番組」に感じた問題点だが、参加して意義のある授業をなるべくそのまま流すというのは「授業参加者・関係者の思い出ビデオ」になってしまっている部分があったかも。

(すんません、かなり関心を持って視聴したOBながら、番組としておしいなぁと思える部分があったので、不躾ながら一応書いておきますです)