ICU新館建設計画、国際基督教大学新館2022年完成へ(予定)

以前から計画されていたICUの新館計画ですが、つい来年3月から工事が始まりそうです。ICUから新館建設および既存校舎の改修工事の予定が公表されていましたので、学内の情報も踏まえて図説を作ってみました。

新館建設とN館、本館の改修の手順

今回の新館建設計画は3段階に分けられます。

1.新館を建設し、理学館(以後N館)にある自然科学系統の研究施設や研究室を新館に移転。

2.N館の改修工事。改修後は現在のような自然科学専用の施設ではなく、多目的に使われる設備となるようです。

3.本館の改修工事。この間は新館と改修した理学館を活用して授業を行います。本館は2024年春から利用再開される予定です。

よって2021年度入学生は、入学後、2年次に新館が完成して利用できるようになり、3年次の本館改修工事を経て、4年次からは改修された本館も利用できるので、一通りの施設が使える事になります。

ICU入試への影響

現在のICU入試は基本的にICUの本館が試験会場です。ICU入試的に、2023年度以降に新館が入試会場として使われる可能性もあると予想されます。特に現在のICU入試はATLAS、英語リスニングの2教科が放送科目であるため、新館の各教室に一斉放送が可能なオーディオ装置があれば、受験環境がより整う形になると思われます。いずれにせよ計画通りなら2024年度は本館は工事中なので、少なくともその間はICU入試で新館を活用する形になりそうです。

また、新館は理系の新しい研究拠点であるため、理系の受験生には大いにアピールできるものとなりそうです。そのような意味で自然科学受験者が増える可能性は考えられます。情報科学など、文系の学生が興味を持つ理系科目の専攻を希望するICU受験生も増えるかもしれませんね。

大教室と新館ホール

新館は機能面から見ると理系の研究拠点+大教室がメインです。大教室は300人規模のホールが1つ、180人規模の教室が4つできる予定です。特に300人規模のホールは、現在ICUで一番大きな教室であるN館ホール(N220)はおよそ200人収容であることから、一回り大きなホールができることになります。また、理学館の改修が終われば現在のN館ホールも併用できるので、カリキュラム編成が柔軟になるというメリットもありそうです。180人規模の教室も4つでき、改修期間中の本館の機能を代替できるようになっています。文系の学生は、新館ホールと大教室を利用するために新館に行くという事になりそうです。

新館の建設が計画されている理由

上図にあるように、N館は1967年完成ながら本格的な改修は行われていなかったので、いずれかの段階で全面改修が必要な年代にさしかかっていました。NS専攻の学生からN館はボロい古くなってきている箇所があるという話はよく聞きます。一方、本館は中島飛行機の研究棟であった経緯もあり、丈夫にできていて、2000年代に外壁等の改修もされています。一方、給排水や空調等の更新は必要であるため、新館の完成を機に改修工事が行われるようです。

よって、新館を建設することで、N館と本館の改修が可能になります。完成後はそれらを複合的に利用可能にするという、1手で3つ以上の効能がありそうな計画ですね。

ICUの本館は取り壊すという計画もあったのですが、最終的には本館を存続させた上で新館を建てる形に落ち着いたようです。

経緯などを読みたい方はこちら

取り壊し計画は中止され、ICU本館は存続

本館(N館も)は計画が取り壊しから改修に180度転換されたという経緯があります。2016年に突然発表された計画は、本館を完全に取り壊した上で、その跡地にさらに大きな建物を、隈研吾事務所の設計で建てるとういものでした。貴重な本館を壊して、隈研吾事務所の建物をありがたがって使うというのは、ICUの校風とは違うと思った方が多かったのでしょう、ICU生、ICU OG・OBからは反対署名運動等も起きていました。

さらに、当初は耐震性の問題から本館を取り壊すと言っていたのに、本館存続の方向性が出てきた後の耐震性調査では耐震性には全く問題がないという結果に変わるなど、計画の推し進め方そのものにも疑問が出ていたように思います。

ICU本館は戦時の中島飛行機の研究所時代を経て、ICU開学から現在にいたるまで、全てのICU生の学びの場として存続し続けてきました。第1期生から現在の学生にいたるまで、1つの建物で全ての学生が学んだ体験を持つという歴史的経緯は、他大学にはないもので、ICU関係者にとって本館はとても大切な存在です。

ICU新館には文理融合的なコンセプトもあるようで、学生同士の交流拠点を含め、新館を利用できるようになる今後のICU入試受験生にとってはうれしいニュースですね。