一般選抜,自然科学,編入・転入本科

<A・B併願 ICUトランスファー(自然科学)RHさん 第2回>

(それではICU(国際基督教大学)の一般入試対策に関して伺います。自然科学(数学・物理)はどのように対策されましたか?)

現役の時は数学物理で受験をして、主にMARCHの過去問などをやっていました。また、ICUの自然科学は難しいと聞いていたので、難度の高い問題集に取り組んでいました。結果的にはこの勉強法はICUの入試問題とは大きく傾向が異なっていました。

(具体的にはどのような部分が違いますか?)

例えば他の私大では教科書、チャート式等の問題集を解法を含めていかに暗記しているかという問題が多いのですが、ICUの場合そういう問題はそういう問題ばかりではなくて、教科書には登場しなかった式や記号、概念などがよく登場します。

それらの新しい式や記号はリード文で詳しく説明され、ステップを踏めば解けるようになっています。しかしこの部分は他の私大の問題集だけをやっても難しかったですね。

(すると1回目の受験の一番の反省点はどこでしょうか?)

自然科学に関しては、文章を読んで理数系の問題と解くという練習をしていなかったことですね。

一般的な私大の理系は国語がいらないというか、普通の理工系の問題は数式が解ければまず解けます。

ICUの場合、リード文が大事になる。リード文を無視して数式だけで解くのは厳しいです。

ICUの場合はいかにリード文を読み、未知の概念に数学的な知識を用いて挑んでいくかという問題ですね。

自分の場合、そのような文章をちゃんと読んで理解するということは他大学で出題されないのでやっていませんでした。

単純に私大のハイレベルな数学が解ければよいというものではないことを知らなかったという点が反省点ですね。

(具体的な出題傾向はどのようなものですか?)

数学だと微分積分は最頻出で、毎年のように出ています。
それに加えてもう1題というパターンが多いですね。

(2回目のICU受験では具体的にはどのような対策をされましたか?)

数学は得意だったのでまずは教科書レベルの問題を復習した後に、ICUの過去問に取り組みました。これは同じ問題がでるからやるというよりは、むしろ、未知の問題、初見の問題が出た際に、資料の文章をよく読んでステップを踏んで答えていくというICUの入試の形式に慣れる上でとても役立ちました。

自然科学対策は、ICUの自然科学の過去問をやるのが一番よいです。文章を読んでプロセスを理解して、それを出題された問題で再現できるか、という力が問われているように思いました。

(ICU入試の数学に関しては市販の教材に似たような問題は出ていないのですか?)

市販の教材では無いですね。強いて言えば国立や私大の筆記問題が方向性としては近いかも知れません。いずれにしてもICUの入試ほど文章の理解が求められる数学の問題は珍しいと思います。

(ICUの物理に関してはいかがでしょうか?)

出題の仕方は数学のイメージに近いですね。高校物理の範囲を超えて、大学で取り扱うようなテーマがよく出題されているのですが、文章をよく読むと高校物理の知識で十分に解けるようになっています。ただし、出題される分野は数学のような偏りはあまりなく、物理の諸分野から主に2分野に分けて毎年出題されるというイメージです。ここでも

個人的には物理の場合は分野や出題によって得意不得意があると感じていたので、公式や解法を覚える上で問題集を仕上げました。問題集は『入試物理良問と要点』というものをやっていました。この問題集は各分野を網羅している上に、解法と発想が見開きで書いてあってとても使いやすかったですね。ちなみにこの本はブックオフでたまたま見つけた少し前に出された本なので、今書店に行くと同じ筆者の新しい参考書も出ています。個人的には苦手分野を含めて一気に問題を解きながら解法や公式等を学びたかったので、相性がよかったと思います。

ICU独特の入試問題に関しては、数学と同じく、ICUの過去問をやるのが一番よいです。物理は問題集で解法や公式を覚えながら、ICUの過去問で文章題や発想の方法を学んだという感じです。

(実際の試験を受けてみて、感想はいかがでしたか?)

やはり数学は微積分・関数ですね。これらはガッツリやっておいてよかったです。

物理は波、熱など課題としていた分野も多少は出ましたが、全体として苦手な問題が出なくて運がよかったです。問題集と過去問をやったことが本番でいかされたと思います。物理やしっかり勉強したので、本番では自信を持って完答することができました。

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(見せていただいた受験時愛用の物理問題集)

(次回に続きます)

自然科学,留学・語学研修

Rさんインタビュー6

(ICU国際基督教大学のSEAプログラム 海外英語研修(一年次夏期の語学研修)に参加されたのですね?)

ええ、私はニュージーランド(NZ)に行ってきました。

一応赤ん坊のころに渡米したことはあるのですが、実際にはほとんど初めての海外でした。

ICU(国際基督教大学)のSEAプロは行く先によって雰囲気が違うそうですが、NZはのんびりしていました。
エクスカーションがよくありまして、キーウィーバードを見に行ったりとか。

(印象的な出来事などはありましたか?)

コロマンデルという岬というか埠頭に行く機会がありまして、その際にロッジハウスに泊まったのですが、その日すごい嵐で停電になり、朝まで復旧せず、翌朝も電気がこないまま、ロッジハウスに閉じこもっていました(笑)。

日本とは違ってNZは電気依存社会で、暖房から調理器具まで全て電気なのです。
停電すると凍えるしかないということを身をもって知りました。

(クラスの印象はいかがでしたか?)
のびりした雰囲気や観光面などはとてもよかったのですが、

NZの学校のクラスそのものは少し簡単すぎたかもしれません。

ICUのELPではやらないようなかなり簡単な内容が中心でした。

海外に行っての刺激は、NZの地元も人々よりも
むしろNZに来ている外国人から受けました。

NZは観光国で、また留学生の受け入れにも力を入れているので、
様々な国の人に会う機会があって、ネイティブじゃなくて、共通語としての英語を感じることができました。

サウジアラビア人の発音がめちゃくちゃだとか
ベトナム人がデンジャラスをデンゴロスと言っていたとか、
そういった英語の多様性を知ったというのは大きいですね。

またそのような多国籍の環境では少しサバイバル能力も試されるような感じもします。
NZ自体も移民の国ですし、
日本とは違って本当いろんな人がいるのを実感しました。

全体として多様性を感じたというのが最大の印象ですね。

(ありがとうございました。次回より社会人入試合格者インタビューをお届けします。)

一般選抜,自然科学

(ずばりICU国際基督教大学入試の勝因は何でしょうか?)

当日解けたというところが大きいです。
うまく裁けたというか、ちょっと迷ったらすぐ次というような、
かといってあまり飛ばしすぎてもいけないわけです。
その当たりの問題裁きが非常にうまくいきました。

例えば

数学の出題で手がかかりそうだから問題を飛ばしますよね。
しかしほんとうに分からない大問が出ると全部飛ばしそうになってしまいます。
その場合加点できる問題を的確に解いていく必要があります。

そういう見切りをいかに付けるかがうまくいきましたね。

ICUの自然化学は時間との戦いでもあるので、問題さばく能力は非常に大切です。
タイムマネージメントですね。
ある程度場慣れや過去問演習が大切になります。

ただし出題の仕方が教授によるので、例えば化学だといつもパート4つという訳ではなく、パート分けをしていない年度があったりもします。

また最初に長い説明文を書く年もあるし、その都度書いてくれる年もあります。
いろいろな状況に対応できるようにしておくことが大切です。

長文の中にヒントはあるものの、読まなくてもよいという教授の出題もあります。

また読まなくては解けない問題でも、定義がどこにあるかが分かればよいという年度が多いです。
後でどこに戻ってこればよいかをわかるために一度読んでおくのですね。
自然科学の問題文は、1回で全文を理解する必要はありません。

これはICUの人文科学にもにも通じる考えで、長い文章の中から自分に必要な情報を拾っていく技術ですね。

アレと同じ能力です。

もっとも人文ほど厳密にやる必要はありませんが。

(やはりICUの自然科学の長文は最初に目を通すべきでしょうか)

一読はすべきだと思います。

読んでおけばすぐに解けていたのにという問題で、時間をロスしてももったいないです。

ちらっとでも読んだ方が経験上絶対よいです。
読みながらといてもそれほど時間は変わらないですし。

(専攻の化学に関しては何か特徴はございますか?)

化学に関しては2年ごとに先生が替わっているような気がしますね。
つまり2年ごとに出題が変わっている感じがします。

ICUの自然科学はパート分けに出題者の癖が出ます。そのあたりは解いて感じて欲しいですね。
とにかくICUの理系は本当に情報がありませんが、あの問題は普通に勉強するしかないです。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,人文・社会科学,一般選抜,自然科学

Rさんインタビュー4

(ICU国際基督教大学の人文科学の勉強はどのようにされていましたか?)

勉強を始めた当初はICU人文科学はかなり苦手としていました。
「オスマン帝国が出てきたらどうしよう」とか。

最初は世界史の教科書をやろうなどと思いましたが、
しかし理系なので文系の勉強までやっていく時間はなくて、
結局ICUの過去問やっていくと知識をつけていきました。

実際にICUの問題は様々な分野の論文が出されますし、読みごたえもありますので、
人文の過去問から相当量な知識を付いたと思います。

(過去問をやりながらその内容をまとめたりはしましたか?)

なるほどと思ったところといいますか、「へぇ、そうなんだ」という風に納得のいった箇所や、
新しい分野の知識などは随時を覚えるようにしました。
またオンレクの解説等で印象的な所は特に記憶するように心がけました。
過去問以外に新書を読んだりということはしていません。

(理系なので現国の勉強はされていませんね?)

予備校の授業や参考書などでは全くしていないですね。しかしセンターのプレ模試をの現国結構やりました。

(文系模試をわざわざ受けるのですか?)

いえ、各種模試でついでに、選択肢方式の国語を受けたりしたということです。
つまりセンター模試だと国語が含まれているので、ついでに受けてしまうわけです。
模試をその場で受けて解説を読んで、という感じですね。
模試だけでも多少練習になりました。分量や内容などはICU入試は違いますが。

(試験を受けてみてのポイントはどこにありそうでしょうか?)

ICUの人文で何が問題か、話が終わるまでが長いです。
よって過去問の練習を繰り返して、実際の試験でも人文を20分前後で読めたのですが、そこが大きかったと思います。
あれを読み切れないと、理系だからと言って有利とはいかないので。
理系受験なら、人文が結構大きいかもしれませんね。

(そのほかの社会などはやっていないですね?)

やっていません。理系3教科に絞った人は、下手に社会に手を出さない方がよいと思います。
理数を固めることに労力を費やした方がよいでしょう。
無理に文系の学習をするより、自分のアドバンテージ(理数)を活かすべきだと思います。

(次回に続きます)

一般選抜,自然科学

Rさんインタビュー3

(それでは実際のICU国際基督教大学入試での自然科学の出来映えはいかがでしたか?)

自然科学はほぼ全問を取れたと思います。問題も取っつきやすく、化学は普通に全問できる前提であったようです。手応えはありました。数学の方も見直す時間がありました。

(時間的にも余裕があったということですね?)

余裕はそれほどでもないが時間はちょうどぐらいでしたが、解いた後に後に不安が残らず、やりきった感がありました。

(オンレクの過去問は役に立ちましたか?)

そうですね、ICUの過去問から傾向と対策は見えてきた感じがします。
過去問を解いて取りこぼさないことがが大事だと分かり、そのような姿勢で勉強を進めていました。

自分は英語が勝負だと思っていたので、特に直前期は英語中心の学習でしたが、英語に飽きたら、数学をやるなど、息抜き代わりに自然化学を勉強していました。

気持ちを切り替える上で、このような勉強の区分けはうまくいったと思っています。

(ICU社会科学との比較になりますが、ICUの自然科学は試験範囲が明確にされており、得点しやすいように思われます。その点はどのようにお考えになりますか?)

そうですね、比較的対策を立てやすいので、理系でICUに入りたいという人に取っては有利な科目です。
特に文転したい理系にとってはいい試験かもしれません。

ただし理系にとっては人文科学がかなり勝負になると思います。
人文がある程度できないとこのメリットをいかせないかも知れません。

(次回理系の国際基督教大学人文科学学習法に続きます)

一般選抜,自然科学

<ICU国際基督教大学の数学に関してはいかがでしょう?>

ICU自然科学の数学は結構手のかかる計算問題が多い印象です。しかし全体の難易度は高くないですね。

ポイントとして言えるのは、13問と問題数が少ないので、1問あたりのウエイトが大きく、検算や見直しを確実にすることが大切です。

また4択という問題形式で、予め答えが出されている試験形式なので、抜け道が用意されています。

つまり計算に時間を要する問題でも、完答する必要はありません。概算で絞れる場合が結構あるのです。

例えば最初の符号が分かれば4問の内2問が消えます。正確に答えを出さなくても答えが出るというわけです。

実際の試験でも数学は若干不安を残して当日を迎えましたが、最後まで答えを出さない問題が多かったです。つまり最後まで解かないスタイルで、時間を節約できたということですね。四択だという事実は活用すべきでしょう。

なおオンレクのICU合格体験記を見る限り、4教科の中でも数学は比較的作り込んである問題が多く、数学を含まない方でやった方が得点が伸びるかも知れません。

理科を2教科やっている方は数学以外の選択を考えてもよいでしょう。
なお国際基督教大学の入試では、当日試験問題を見て、4教科の内の2教科を決めることができます。

(次回に続きます)

自然科学

今回は自然科学でICU国際基督教大学に合格したRさんにインタビューさせていただきました。

(化学をご専門にされているので、化学の質問からさせていただきます。
ICU国際基督教大学の自然科学の化学の印象はいかがでしょう)

まず取らなくてはいけない問題が多いが多いですね。難しい問題が少ないです。
予備校の先生に見せたら10分で解けるくらいのレベルだと言われました。

化学は基本的に化学Iからの出題で、IIの範囲が出題される場合には、注釈的なものが用意されています。出題範囲を誤解されている方も多いのですが、入試要項にも書いてある基本事項です。

(問題の特徴はありますか?)

まず全体に問題が簡単で、正直過去問を見ているとセンターよりやさしいと思われる年もあります。理系でIIまでやった人間なら満点を狙うくらいの勢いが必要でしょう。

自然科学の他教科にも言えることですが、ICUの自然科学は「取捨選択」ではなく、「いかに全問を解くか」の勝負になります。

その他化学に関しては、他の大学とは問題になる箇所が違う場合があります。
例えば中和の大問があった場合、大問の最後に酢酸の濃度を聞くという私大理科のおきまりのパターンがあるですが、ICUの場合、おきまりのコースではない場合があるわけです。
また大問といっても全てが関連しているわけではなく、小問の集合になっている問題もあります。いじわるな問題も少ないですね。いつもならここでひっかけられるのに、という問題も素直に出題している印象を受けます。

(理Iの出題とのことで、文系でも対応できそうですが、国際基督教大学の自然科学の試験ではやはり理系の方が有利でしょうか)

化学という科目の性質からIだけを知るより、IIを知っていた方が有利です。
Iの段階では暗記しかやらないが、その理由や背景ををIIで学ぶという化学の特性があります。しかしそのために文系が化学IIをやるのはあまりに範囲が広すぎでしょう。

もっとも記憶に長けた方で、基本事項をどんどん暗記できるならIだけでも問題はないと思います。しかし自分の場合機械的暗記ができないタイプだったので、IIの理解があって初めてIの範囲が覚えられたように思います。

いずれにしてもICUの自然科学は一応文系で理Iだけを学んだ方でも解ける問題になっているわけで、それを数理をやり込んでいる自分が取れないわけはないという気持ちで臨みました。