このブログではICU入試対策に役立つ、国際基督教大学入試最新情報をお伝えしています。

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2024年度ICU祭について

2024年度ICU祭のイメージ画像。ICU祭実行委員会X(Twitter)アカウントより

2024年度のICU祭は、10月13日(日)10月14日(月)に開催されます。ICUへの進学を考えている受験生の皆さんに向けた特別なイベントが多数用意されていますので、ぜひこの機会をお見逃しなく。中でも特におすすめのイベントをご紹介します。

お早めの予約をおすすめします。人気のイベントは定員に達する可能性があります。特にELA。

アカデミック企画(受験生向け企画)

◎ELA体験授業【特におすすめ!予約を急げ!】

  • 日程: 10月13日(日)、10月14日(月)
  • 時間: 13:00-
  • 場所: 理学館E202
  • 内容: ICUの誇る英語教育プログラム「ELA」の授業を特別に体験できます。

○キャンパスツアー【おすすめ!】

  • 日程: 10月13日(日)、10月14日(月)
  • 時間: 11:00-、15:00-
  • 集合場所: 学生食堂前
  • 内容: 在校生がガイドとなり、ICUの広大なキャンパスを案内します。

受験生向けトークセッション

  • 日程: 10月13日(日)、10月14日(月)
  • 時間: 11:00-
  • 場所: 理学館E203
  • 内容: ICUでの勉強や生活について、在校生から直接話を聞くことができます。

その他の企画

<キリスト教企画>
○公開キリスト教概論【おすすめ!】

  • 日程: 10月13日(日)のみ
  • 時間: 15:00-
  • 内容: ICUで唯一の全員必修授業である「キリスト教概論」を体験できます。

新企画:ICU自然ツアー

  • 日程: 10月13日(日)、10月14日(月)
  • 時間: 11:00-、13:00-
  • 内容: 環境団体や教授がガイドとなり、普段は入れないICUの自然を紹介します。

特におすすめの「ELA体験授業」と「キャンパスツアー」は、ICUの特徴的な教育と環境を直接体験できる貴重な機会です。これらのイベントを通じて、ICUでの大学生活をより具体的にイメージすることができるでしょう。ただし、現在アナウンスされている情報ではELA体験授業は各日程で1回のみで、大ホールでの実施ではないため、予約が早期に埋まる可能性もあると思われます。早めに予約することをお勧めします。また、公開キリスト教概論は、ICUのモデル授業に相当すると思われますが、キリスト教概論はオープンキャンパスでもあまり実施されておらず、貴重な機会です。2024年10月13日、14日の2日間、ぜひ複数のイベントに参加して、ICUの魅力を存分に感じてください。受験生向け企画は予約は必須ですので、ICU祭実行委員会のSNSアカウントからQRコードを読み込み、予約フォームから早めに手続きを行ってください。

予約方法について

ICU祭は予約なしで参加できますが、受験生向け企画は事前予約が必要です。予約方法は以下の通りです:

  1. ICU祭実行委員会のX(旧Twitter)もしくはInstagramアカウントにアクセス
  2. 各アカウントに掲載されているQRコードを読み取る
  3. 表示された予約フォームから希望のイベントを予約

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『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』

今回は『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』という本について紹介します。この本は、ICUの教授たち(伊東先生、森島先生)が執筆した、リベラルアーツ教育の魅力と可能性を探る一冊です。ICU入試受験生が読むべきかどうかという視点からレビューしたいと思います。

伊東辰彦・森島泰則 編著、『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』、学研プラス、2019

1. リベラルアーツ主義の提唱

本書は、「リベラルアーツ主義」の提唱から始まります。著者たちは現代社会における大学教育の使命について深く考察し、幅広い知識と柔軟な思考力を養うリベラルアーツ教育の重要性を説いています。

2. 高校生からの問いかけ

特に興味深いのは、「大学教授、高校生のチャレンジを受ける」という章です。ここでは、高校生からの深遠な問いに大学教授が答えています。「過去のことはなぜ美化されてしまうのか?」「人間には生きる目的があるのか?」といった哲学的な問いかけに対する教授の回答は、リベラルアーツ的思考のプロセスを体現しており、皆さんの知的好奇心を刺激するでしょう。

3. 卒業生の声

リベラルアーツ教育の効果を知るには、卒業生たちの声を聞くのが一番です。本書では、教員として活躍する卒業生や、様々なキャリアを歩む卒業生たちの座談会が収録されています。

4 ICU入試「ATLAS」

ICUが導入した「ATLAS」(総合教養)についても解説されています。日本語のリスニング試験を行う理由や、その背景にある教育理念が説明されており、大学入試の新しい形を知ることができます。

5. グローバルな視点でのリベラルアーツ

最後の章では、世界のリベラルアーツ教育の動向が紹介されています。日本だけでなく、グローバルな視点で教育を考えることの重要性が強調されています。

ICU創立のいきさつ:印象的なエピソード

特に印象的なのは、ICU創立のいきさつに関する記述です。戦後間もない1949年、日本の民主化と平和構築に貢献する人材を育成するという理念のもと、ICUが設立されました。この創立の精神が、現在のICUのリベラルアーツ教育にも脈々と受け継がれていることがわかり、大学の理念と実践の一貫性を感じることができます。

リベラルアーツとは?

リベラルアーツの定義は一概に言い表すのが難しいのですが、ICUで実践されている教育は以下のように捉えることができるでしょう。それは、多岐にわたる学問分野を横断的に学ぶことで、幅広い知識を獲得し、同時に物事を多角的に分析する批判的思考力や、新たな発想を生み出す創造性を育むことです。つまり、特定の専門分野に特化するのではなく、人文科学、社会科学、自然科学などの様々な領域を学ぶことで、柔軟な思考力と豊かな教養を身につけ、複雑な現代社会に対応できる総合的な能力を養成することを目指しているのです。この内容はICU入試にも反映されています。

本書を読むと、ICUのリベラルアーツは、単なる知識の習得を超えて、未知の課題に立ち向かい、未来を切り拓くための学びを目指しているように思われました。

おわりに

『リベラルアーツという波動』は、大学での学びや入試について考えるきっかけを与えてくれる本です。ICUについて詳細に書かれた貴重な資料であり、ICUの教授陣が執筆しているため、通常の大学案内では触れられないような深い洞察や内部の視点が含まれています。カリキュラムの背景にある教育哲学、教室内での具体的なディスカッションの様子、さらには卒業生たちの座談会などの内容も盛り込まれています。

これからICUを目指す高校生にとっては、一読の価値がある本です。ICUに興味がある、あるいはリベラルアーツ教育について詳しく知りたいと考えている学生にとって、参考になる一冊だと思います。ただし、入試に際して読まなかったからといって不利になるようなものではありません。

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台風7号の接近に伴い、ICU(国際基督教大学)が8月16日(金)と17日(土)に予定していたオープンキャンパス2024の開催方法を変更したとの発表がありました。以下、ICUの公式発表内容をまとめてお伝えします。

ICU公式サイト NEWSより


台風7号の接近に伴い、ICU(国際基督教大学)が8月16日(金)と17日(土)に予定していたオープンキャンパス2024の開催方法を変更したとの発表がありました。以下、ICUの公式発表内容をまとめてお伝えします。

8月16日(金)の変更点


16日(金)は完全オンライン開催に変更されます。
エントリー済みの方は、開催時間になりましたらタイムテーブルより各プログラムに参加可能です。
参加詳細は8月15日に公開予定とのことです。
※16日のエントリーを17日へ振り替える場合は、オープンキャンパス専用ページより17日へ再エントリーが必要です。

8月17日(土)の開催判断基準


17日(土)の開催については、以下の基準で判断されます:

午前7時時点で東京都三鷹市に「暴風警報」または「大雨警報」が発令されていない場合:
12:00より三鷹キャンパスにて通常開催

警報が発令されている場合:
中止(オンライン開催の代替なし)

受験生の皆さんへ

今回の変更は参加者の安全を第一に考えての判断だと思われます。

オンライン開催となる16日(金)は、遠方の方も自宅から参加できるチャンスです。
オープンキャンパス専用サイトでのエントリーをしていない方はこれを機会にエントリーを済ませておくとよいでしょう。

また、17日(土)には台風は通過していそうですが、開催可否については、当日朝の天候状況をしっかりと確認しましょう。最新情報は随時更新される可能性がありますので、ICUの公式サイトやSNSをこまめにチェックすることをおすすめします。

当サイトでも状況が変わったら再度情報をUPさせていただく予定です。

2024年夏オープンキャンパス|国際基督教大学(ICU)
https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/event/oc/24sm.html

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ICU(国際基督教大学)のオープンキャンパスの入場には予約が必須です。受付は体育館のエントランスで行われます。

案内に従って、バス停からICU教会方面に向かい、途中で左折して体育館のエントランスで受け付けをします。

受付ではスマートフォンでオープンキャンパスの予約画面を提示します。受付が済むとオープンキャンパスのプログラムやICUのパンフレットなどの見学セットがもらえます。

受付が終わったら案内に従って学内を移動します。今年度は本館が改装工事中であるため、主要なプログラムはT館と理学館で行われています。まずは案内に従ってT館方面に進むとよいでしょう。理学館はT館の裏にあります。

ICUのキャンパスは広く、オープンキャンパスでも学内を移動する必要があるので、暑さ対策は必須です。

写真左の白い建物が理学館です。入試説明会や、入試個別相談会、学生相談のコーナーなど、入試関連と個別相談はこの建物で行われます。

「入試制度説明会」と「新しい一般選抜説明」の会場はN館220教室(N館ホール)で行われます。N館に入って階段で2階に上がってから会場に入る形です。ちなみに、N館ホールはT館のホールができるまでは、ICUで唯一の階段大教室でした。「新しい一般選抜説明」では、一般選抜に関する新しい情報もあったので別の記事で紹介します。

N館2Fでは、ICUの職員から直接入試の説明を受けることができる「入試の個別相談コーナー」が設けられていて、保護者の方が多く来場されていました。

N館ではこの他にも来場者した受験生がICU生に相談できる教室が用意され、1Fの「学生相談コーナー」では4人程度でテーブルを囲んでディスカッションのような形で会話を進めていました。2Fには総合型選抜に特化した「総合選抜の部屋」もあり、こちらは総合型選抜に合格したICU生に相談できるようになっていました。

個別相談が充実しているのは少人数制のICUならではの魅力でしょう。

N館は昨年度全面改装が行われ、各教室には本館にあったタブレット椅子が設置されており、内装がきれいになっていました。

今年度の入試会場にはN館とT館が用いられると思われますので、試験会場を見ておく意味でも、オープンキャンパスには参加しておいた方がよさそうです。


もう一つのメイン会場のT館では、主にモデル授業が行われていました。モデル授業は受験生のみ参加が可能で、事前予約が必要です。

T館の売店イリオンでは、新作のICUオフィシャルTシャツが販売されていました。デザインは昨年度に学生団体からICUが引き続いたものですね。Tシャツはオープンキャンパス限定販売で2,200円。グレーが人気で一部サイズは売り切れになっているとのことでした。また、今年の初めにICUの広報マスコットに選出されたはちろうの公式キーホルダーも販売されていました。

その他、新D館では今年からコンビニのファミリーマートが出店していて、オープンキャンパスでも利用できました。

なお、学食は例年以上に混雑していて、昼時を過ぎても満席の状態が続いていました。猛暑の影響や参加者の増加もあってか、昼の時間限定で営業している学食に人が集中していまっている印象があったので、オープンキャンパスでは無理に学食を使わずに、食事を済ませてから参加した方が効率的に回れるかもしれません。

受付でもらえるICUの資料を入れる袋には、バッグ型のクリアファイルが採用されていて、手提げバッグとして使用した後はミシン目で切り取ればA4のクリアファイルとして使用できるようになっていました。

なお、これから8月のオープンキャンパスに参加するICU入試受験生は、モデル授業を中心に回る事をオススメします。ICU見学の機会はオープンキャンパス以外にもありますが、モデル授業に参加できるのは基本的にオープンキャンパスだけです。モデル授業は事前予約制なので待ち時間等もなく、効率的に回ることができます。ICU入試は大学の授業への適性を見るという側面があるため、モデル授業に参加することはICU一般選抜、総合型選抜の入試対策にも有効です。

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ICU(国際基督教大学)の公式Webサイトが更新され、2024年夏のオープンキャンパスのエントリー受付開始が開始されています。

概要

開催日は7月20日(土)8月16日(金)17日(土)です。

主な内容は、モデル授業、キャンパスツアー、各種説明会、個別相談会です

来場には事前エントリーが必要です。

ELAなどのモデル授業の参加にはプログラムの事前予約が必要で、先着・定員制で、受験生のみが参加可能です。

説明会等への参加には予約は必要なく、保護者も参加できます。

2024年度オープンキャンパスの特徴

2024年度は本館が改装工事中であるため、広いICUのキャンパスの各所で異なるイベントが開催されます。

例年より分散しているので、プログラムによっては移動が間に合わないものもあります。事前にどのプログラムをどのように回るか考えてから行動した方がよいでしょう。

どのプログラムに参加するべきか

モデル授業はオープンキャンパスでしか公開されておらず、受験生に参加が限られるので、受験生の方は複数のモデル授業に参加することをオススメします。ICUの入試問題はICUの授業をベースとしている部分があるため、ICU入試対策のヒントにもなり得ます。

キャンパスツアーも内容が充実していて好評です。

個別相談会が充実しているのもICUの特徴です。入試、奨学金、留学等でICUの担当職員から話しを聞きたい場合はこちらに相談会に参加するとよいでしょう。ICUの学生に相談できるコーナーも用意されています。

保護者の方が参加する場合は、受験生がモデル授業に参加している間に、各種説明会などに参加するとよいでしょう。

事前エントリーはこちらから

公式サイトから事前エントリーが可能です。特にモデル授業は先着・定員制なので、早めに予約をしましょう。

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/event/oc/24sm.html

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ICU(国際基督教大学)の入試関連の公式サイトが更新され、2025年度総合型選抜の要項が公開されています。

スケジュール

スケジュールなどは昨年から大きな変化はありません。夏休み明けに出願で、10月に1次合格発表と二次面接、11月1日に合格発表です。

2025年度ICU総合型選抜スケジュール:英語外部試験利用の場合
Web出願期間:2024年9月2日(月)10:00 ~ 9月10日(火)23:59(日本時間)
出願書類提出期限:2024年9月11日(水)当日消印有効
第一次選考(書類選考)結果通知:2024年10月11日(金)
第二次選考(オンライン個人面接):2024年10月19日(土)
合格発表:2024年11月1日(金)【入学手続締切:2024年11月11日(月)】

必要書類

ICUの総合型選抜で応募者が作成し、選考の重要な要素となるのが以下の2つの書類で、文字数等は例年通りです。

1.小論文(1500文字)
2.学校内外における自己活動歴と自己分析(800文字)

また、要項を確認して、以下の書類などをそろえる必要があります(外部英語試験利用の場合、詳しくは入試要項を参照)

入学願書、推薦状2通、高等学校調査書、英語の能力を証明する書類、その他要項が定めるもの

小論文の課題が一部変更される

総合型選抜の英語外部試験利用では小論文のトピック(3)が探求型学習に関する内容に変更されています。

ちなみに2023年度以前のICUの小論文は応募者の経験を問う出題でした。2024年度から応募者の見解を強調した内容となり、2025年度はさらにそこに探求型学習が加わった形です。

<2025年度>
以下からトピックを 1 つ選び、1,500 字以内の小論文を書いてください。
小論文の冒頭にはタイトルを付け、自分自身の見解と具体的な事例を含めてください。
(1)社会的または国際的に関心が高まっている時事問題
(2)あなたが感銘を受けた芸術作品(絵画、文学、音楽など)、歴史的エピソード、科学的業績など
(3)古典探究、日本史探究、世界史探究、理数探究基礎、あるいは総合的な探究の時間などの探究型
学習で取り組んだ課題とその成果の要約

<2024年度(参考)> 
以下からトピックを1 つ選び、1,500 字以内の小論文を書いてください。
小論文の冒頭にはタイトルを付け、自分自身の見解と具体的な事例を含めてください。
(1)社会的または国際的に関心が高まっている時事問題
(2)あなたが感銘を受けた芸術作品(絵画、文学、音楽など)、歴史的エピソード、科学的業績など
(3)あなたがこれまでに直面し、克服した困難な課題
<2023年度まで(参考)>
以下の課題について1,500 字以内で書いてください。
課題:初対面の人(複数)に、自分の特長を深く、かつ正確に知ってもらおうとする時、あなたは自分の経験を、どのように伝えますか。以下からテーマを一つ選んで書いてください。選んだテーマにチェック
をしてください。
(1)あなたに深い感動を与えた人物との出会い
(2)あなたの人生の転機となった経験
(3)あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験
「経験」は、体験、人との対話、芸術との出会い、その他広く考えて構いません。

2025年度ICU総合型選抜 小論文より

トピックの方向性の変化

2023年度から2025年度までの小論文のトピックの変化をみると、以前は応募者の経験を問う「エッセイ」の要素が強かったのですが、現在は応募者の見解を問う「小論文」へとシフトしているように見えます。

トピックを変更した事で、いわば一般的な「小論文」の内容に近づけて入学試験としての整合性を図り、さらに最新のカリキュラムにも対応しているように見えます。

その上で、実際的な目的として、トピックを書きやすくして応募者を増やすという狙いがありそうです。

2023年度までのICUの総合型選抜の小論文は、高校時代に顕著な経験・活動をしてきた学生であれば充実した内容が書けるが、そうでない人は書く事がほとんどないという「経験」を重視したものでした。現在のICUの総合型選抜の小論文は、とりあえず「見解」を書かせる事で、提出書類は書くだけなら誰でも書けるものにして、より多くの受験生を確保したいという意図もあるのかもしれません。

2025年度入試からICU総合型選抜の募集人員が増員されているので、大学としては一人でも多くの受験生を確保する事が重要であることは確かでしょう。

「探求型学習」が加わった理由は?

日本の高校では「総合的な探究の時間」は2023年度から必修となり、2025年度の大学入試を受ける現高3生は1年生の時から探求型学習に取り組んでいます。そして2025年度のICU総合型選抜から小論文で選択可能なトピックに「探求型学習」が含まれるようになりました。この変化は2025年度の文科省の「大学入学者選抜実施要項」の変更点に対応するためのものと考えられます。

文部科学省 令和7年度大学入学者選抜実施要項について(通知)第6-5より

また、ICUはアカデミックな意識が高い大学ですので、高校での研究成果という視点からも学生を評価したいという意図もありそうです。実際にIB認定校対象の総合型選抜では、以前から課題論文(Extended Essay、卒業論文に近い形式で独自に行う課題研究)の内容と成果の要約を提出させていました。

同時に、すでに述べたように、小論文のトピックを書きやすくして、より多くの高校生に総合型選抜を受験をして欲しいという意図があるのかもしれません。「探求型学習」は「必修」であるのですから、日本の高校生なら全員が経験しています。そのような意味では誰でも書けるトピックと言えます。

一方で、この「探求型学習」のトピックを選択した場合に、応募者は、全員が経験している必修の授業に事に関して書く事になるので、よほど充実した内容でなければ、平凡な内容になってしまうかもしれません。

「学校内外における自己活動歴と自己分析」は変化なし

「学校内外における自己活動歴と自己分析(800字)」は従来と変わらず提出が求められています。他大学の総合型選抜で提出が求められている「活動報告書」に相当するものです。

2025年度ICU総合型選抜 学校内外における自己活動歴と自己分析より

他大学の総合型選抜では、指定された項目の枠の中に入賞歴などを記載するケースが多いのですが、ICUの総合型選抜の場合は、全て文章で記載する必要があります。実際には800字以内で全ての活動実績を述べることは困難なので、多くの受験生は小論文の中でも活動実績を書いていく事になります。

入試要項

入試要項は下記URLから確認できますので、総合型選抜を受験する予定の方は早めにチェックしておきましょう。

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/exam/special/

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2024年度に編入でICUに合格したこくさいさん(以下Iさん)インタビュー後編

–ICU入試、編入試験の実際–
(ICU入試では編入生と一般生は区別なく同じ試験を受けるが、編入生は試験教室が違う?)

周りの机には編入生用の受験番号が貼ってあったので、編入生同士は近くで受験していたと思います。編入生専用の教室であるかどうかは分かりませんでした。一般の受験生に混じる形だったかもしれません。

(実際に編入でICU入試を受けてみた感想は?)

現役で受験したときより全体によく解けたという感じはありました。過去問演習をこなして慣れていたのが大きいと思います。知識問題などは答えられない問題もありましたが、読解は解きやすい問題が比較的多いと感じました。

–外部英語試験利用、二次試験の面接に関して–

(面接をしたのはどんな先生で、どんな質問をされた?)

生物学と経営学の先生でした。経営学の先生は私の所属していた経済学部に学問領域が近いので、学術的な踏み込んだ質問もありました。

(ICUでは現役生も編入生も同じ試験を受けるが、面接で聞かれる質問は、編入生であることが前提の質問?)

はい、編入希望であることは面接官の先生はご存じでしたね。なんでわざわざ編入するのかということは詳しく聞かれました。

(編入したい理由としてはどう答えた?)

前の大学で自分なりに色々な分野の勉強をしたり、活動をしている中で、お互いに高め合えるような環境に身を置きたいと思うようになった、という事を具体例を交えて答えました。

(本音で答えた?)

本音で答えました。自分の場合はこの学問がやりたいというのはまだはっきりとは決まっていなくて、勉強するための環境を求めてICUに入った感じです。

(面接の雰囲気は?)

前半は踏み込んだ質問などもありましたが、途中から和やかな雰囲気になって、最後は雑談のようになっていましたね。サークルの話などをいろいろ聞いて下さった事が印象に残っています。学生の素の部分を見てくれているのかもしれませんが、落とすための面接ではないのかなという印象は持ちました。

ICU入試合否参照画面(Iさんご提供) 編入生は受験番号のアルファベットが異なる

(オンライン面接だが、面接は自宅の部屋で受けた?)

はい、自分の部屋で受けました。事前に接続テストがあって、その際に音声やカメラのチェックがありました。面接時は必ずイヤホンを使うように言われたと記憶しています。

–ICU入学後の様子–

(実際にICUに入学した印象は?)

ICUは学問に対する意識が高くて、その点は前の大学とは全く違うと感じています。

前の大学の経済学部で、大学院に行く学生は少数派でした。100人いて1人か2人という感じです。効率的に単位を取って卒業すればよいと割り切っている人が多かったと思います。

ICUでは全体で20%、理系は70%の学生が大学院に進学しているそうなので、アカデミックな意識がとても高い大学だと思います。学生同士で話しをしていても、今はどんな領域に関心を持っていて、将来はどんな研究を進めていきたいとか、そういう会話が普通に出てきます。前の大学ではほとんどなかった雰囲気ではありますね。

(授業の違いは?)

ICUでは授業に出席して当然、というのは大きな違いですね(笑) 前の大学ではどれくらい休めるかということを確認してそれに合わせて出席したり自主休講したりという雰囲気があったのですが、ICUの場合は少なくともELAは全部の授業に全員が出て当然とみなされています。

また、ICUは学部の垣根が無く、どの授業も履修できるというのはよい所ですね。前の大学では経済学部にいたのですが、企業でインターンをする機会があって、経済よりは経営の方に興味が出てきました。しかし法政大の場合、経済学部と経営学部は全く別の学部でキャンパスが50kmぐらい離れているので、特に必修の多い1年生や2年生が別のキャンパスで授業を受けるのは難しいです。

ICUは学部の垣根なく授業を受けられて、入学後に興味関心を持った内容をメジャーにできるので、そこは魅力ですね。

2024年度 ICU ELA Reader(Iさんご提供)

(編入してからは3年で卒業できそう?)

自分の場合は前の大学から編入できる授業をあまり履修していなかったので、編入できる単位は最大で20単位ぐらいになりそうです。授業を多めに取っていけば3年で間に合う計算ではありますが、実際にどうなるかはまだ分からないですね。

(編入生同士はコンタクトを取っている?)

はい、編入生はICUの入学式で一番前の方に座っているのでそこでLINEを交換したり、後から紹介してもらったりして繋がりができています。編入生もいろいろな方がいるなぁという感じです。やはりオンレクを受けていた人は多いですね。

(これから編入する人にアドバイスはある?)

編入生であってもICUでは最初は授業を取り過ぎない方がよいと思いました。

ELAは基本的に対面授業で、課題が多いです。私は授業を目一杯入れてしまい、通学時間が倍になった事もあって、入学後に体調を悪くしてしまった時期がありました。オーバーワーク気味だったと思います。前の大学に1年間通って慣れていたつもりですが、それでもきつく感じました。

また、入学当初は自宅から2時間かけて通っていましたが、6月からより近いエリアに引っ越して一人暮らしを始めました。ICUは1年生の間は1限目から(8:50~)の授業が週に何回かあるのですが、家が遠いと朝の授業に出るのが大変です。また、帰りの通学時間を考えると、勉強やサークル活動などでも遅くまではいられません。時間をかけてICUに通学している学生も中にはいるので、実際に通ってみて考えるべきところだとは思いました。

後はサークルですね。編入生は体育の実技など、新入生が取る授業の一部が免除されている事が多いと思いますが、その分、積極的に知人を増やしていく必要があります。居場所を作る意味でもサークルには入った方がよいと思います。

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今回は2024年度ICU入試でICUに編入で合格したこくさいさん(以下Iさん)にお話を伺いました。2024年度のオンラインレクチャーを受講し、外部英語試験利用を編入で合格されました。

注:*外部英語試験利用は、3教科型と併願する学生が多く、併願で合格が確定している受験生が二次面接を辞退するため、最終合格者が少ない。記事の最後に説明図あり

(高校はMARCH附属出身?)

はい、法政大学の付属高校に通っていました。法政の付属校の中では新しい学校で、全体の8割ぐらいの学生が法政大学に進学しています。

(現役の時も一般選抜でICUを受験しているが、法政大学には一般選抜で進学?)

いえ、推薦で進学しました。私の出身高校の場合は、法政大学への推薦資格を保持したまま、他大学を受験することが認められていました。

(法政大学に進学後、サークル活動を複数やっていた?)

はい、9月ぐらいまではサークル活動を普通にやっていました。映像制作や音楽サークルを掛け持ちしていました。

(授業やサークルに加えてICU受験を両立させるのは大変だったのでは?)

私のいた学部では、英語で一定以上のスコアを持っていると、英語の授業が免除になる上に、単位ももらえるという仕組みがあったので、他の学生よりは授業時間が少なかったです。

進級するためだけならあまり授業を多く取らなくてもよかったので、履修には余裕がありました。仮面浪人をする上ではありがたかったですね。

(仮面浪人では何の勉強から始めた?)

まずは英語外部試験のスコアを確保しようと思って、TOEFL iBTの勉強から始めました。英検は持っていましたがICUの英語外部試験では使えないというのもありました。

(英検との違いは?)

英検はやはり語彙ですね。TOEFLはアカデミックな英語にどう対応するかだと思いました。英検は語彙が特殊とも言われますが、語彙力さえあればある程度得点できる試験ではあるので、今思うとTOEFLでスコアが出せたのもその時の貯金が大きかったと思います。

(TOEFL iBTは何点で提出した?)

89で提出しました。2回目で出たスコアです。初めてTOEFL受けた時のスコアは73でした。

*IさんのTOEFL iBTのスコア

(TOEFLはICU対策として役立った?)

TOEFLはやってよかったと思います。ICU入試の英語の形式に似ているという点で一般選抜でもオススメですね。大学生になると模試を受けて成績を確認するということは基本的にはないので、英語のスコアが出ることは自信にも繋がりました。

(総合教養ATLASなど対策は?)

ICUの入試科目の対策は基本的にオンレクでやっていました。

ATLASに関してはICU以外には同じ問題がないので、オンレクで過去問をやるのが一番だと思います。

特にメモを取る練習はやっておいてよかったですね。今年は講義の細かい箇所まで問題で問われていましたので。

(ATLASは講義形式であるが、前の大学で受けた講義がICUの入試で役立った所はある?)

ICUの入試とは講義の内容が全然違うので、直接は役立ってはいないです。経済学部の授業は1年から専門的でしたし、教養が広く問われるICUの入試科目とは方向性が違うと感じました。これは学部にもよると思います。

(周りに仮面浪人や受験志望の人はいた?)

滑り止めで入学したという学生は結構いますので、仮面浪人もそれなりにいたのではないかなと思います。しかし仮面浪人をしている事は周りには言わないものなので、実際にどれくらいいたかということまでは分からないですね。

(TOEFLのテキストで役立ったものはある?)

Z会のTOEFL iBT TESTリーディングのエッセンスとリスニングのエッセンスはオススメです。収録されている問題量が多いので、1冊買って演習をたくさんやりたいと思っていた自分には合っていました。

(参考)

外部英語試験利用は3教科型と併願する人が多く、3教科型に合格した受験生は外部英語試験利用の1次にも合格しているパターンが多い。このため、外部英語試験利用は二次面接辞退者が多く、最終合格者が少ない。

併願合格者が外部英語試験利用の二次面接を辞退するパターン

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ICU(国際基督教大学)の入試関連の公式サイトが更新され、6月8日(土)にICUオンライン・オープンキャンパス 2024 in Japaneseが開催される旨が告知され、事前登録も開始されています。人気のELAのモデル講義も含まれており、ICU入試対策としてぜひ参加しておきたいところです。

(ICUオンライン・オープンキャンパス 2024 in Japanese )

ICU公式Webサイトより

オンラインオープンキャンパスは日英両語で開催され、日本語のプログラムは午後に行われます。

PartⅠ13:20-13:50 ICU教授による ICUの紹介
PartⅡ13:50-14:00 ICU生によるプレゼンテーション
PartⅢ14:00-14:15 Q&Aセッション
PartⅣ14:30-15:20 リベラルアーツ英語プログラム(ELA)特別講義

全部で2時間程度で終わりそうなコンパクトなプログラムでよいですね。

本日5月17日に詳細が告知されましたが、開催まで約3週間しかなく、夏休み期間でもないので、少人数精鋭で開催されるような気がします。

ちなみに、コロナ禍の2021, 2022年も6月にも同様なオンラインオープンキャンパスが行われた事がありましたが、その際は海外生向けの英語開催でした。日本語のプログラムを6月に行うのは新しい試みです。このため、今回の日本語のプログラムは「ICUオンライン・オープンキャンパス 2024 in Japanese 」と表記されているようです。

特にELAのモデル授業はキャンパスで行われるオープンキャンパスでも人気があります。ICU ELAのモデル講義をオンラインで受講できるのはチャンスはめったにないので、ICU入試対策として講義に参加してみるとよいでしょう。

事前登録制になっているので、参加希望の方は下記URLから早めに申し込んでおきましょう。

6月8日(土) ICUオンライン・オープンキャンパス 2024 in Japanese
https://www.icu.ac.jp/en/admissions/undergraduate/event/oc/online24en.html

ICU Cherry Blossom奨学金,ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜

<後半>

引き続きCherry Blossom奨学生のカンサイジン(K)さんにお話を伺います。

—一般選抜英語外部試験利用について—

(一般選抜の英語外部試験利用で課される総合教養(ATLAS)の対策は?)

基本的にはオンレクで演習をやっていました。過去問をやっていると時間が足りなくなる年度もあったので、オンレクで事前演習できた点はとても有利だったと思います。時間配分はとても大事ですね。

(口頭試問用の対策として想定問答は作成した?)

志望理由などは説明できるようにしていましたが、この質問がきたらこう答えるみたいな事を細かく用意するような事はしませんでした。実際に面接で出たのも予想のできないような質問が多かったですね。

(英語外部試験利用は面接重視?)

必ずしもそうだとは感じませんでした。その場で出た先生方からの質問の中には、答えがすぐには思い浮かばないようなものもあって、でもとりあえずその場で言えることはちゃんと言おう、という感じでした。たぶん総合型選抜に比べるとそこまで面接を突き詰めてやる感じではないのかなと思いました。

(二次試験のオンライン個人面接はどこで受験した?)

自宅の自分の部屋で受験しました。背景に何もない場所を選びました。

試験の何日か前に、Zoomで接続チェックをする事になっているので、カメラやマイクなどはその時に確認できます。

(受験生と試験官の比率は?)

1:2でした。

(一般選抜の外部英語試験利用で合格できた勝因は?)

特にはっきりしたものは無いと思うのですが、総合型選抜を受験していたので、志望理由などはきちんと書けたと思います。

また、総合教養(ATLAS)は必須ですが、オンレクで事前演習できたのと、高校の授業は理系を含めきちんと聞いていたことは役立ったと思います。

後は英語のスコアですね。元々は総合型選抜を受験するために取ったものですが、一般選抜の外部英語試験利用で使う事ができたので、英語のスコアは取っておいてよかったです。

(提出した英語の外部試験のスコアは?)

IELTS 6.5を提出しました。

—合格後の手続きなど—

(一般選抜の外部英語試験利用で合格後、Cherry Blossom奨学金に関する手続きは?)

入学手続きの際にCherry Blossom奨学金の誓約書にサインをして提出しました。それ以外は特にありませんでした。

(受験生にアドバイスをお願いします!)

私は関西からだったのでICUを見学する機会は限られていましたが、平日のキャンパス個別見学(Campus Visit on Week Days)に参加して、ICUの様子がよく分かったのはよかったです。ICU生の方にとても丁寧に学内を案内をしてもらいました。

また、Cherry Blossom奨学金に関しては、Peace Bell奨学金に課せられているような式や報告会などは無く、採用されると授業料が2/3免除されるとてもありがたい奨学金なので、対象となっている地域の方は募集要項を確認してみて下さい!

桜の咲くICU学内の様子 Kさんご提供

<参考>

ICUの新入生向けの奨学金。Cherry Blossom奨学金では入学金と1,2学期の授業料が免除される。

ICU入学生向けの奨学金の例。ICU Webサイトより