2026年度のICU(国際基督教大学)一般選抜の入試要項が公開され、2025年度からいくつかの変更点が明らかになりました。今年度の主な変更点や特徴を詳しくまとめます。
「去年受験していない自分には関係ない」と思われるかもしれませんが、入試要項の変更点を確認することで、大学が受験生に何を求めているのか、どのような方向性を目指しているのかを読み取ることができます。

1. 科目名称の変更:「自然科学」→「数理・自然科学」(P2他)
これまで「自然科学選択」と呼ばれていた選択区分が、「数理・自然科学選択」へと名称変更されました。
試験内容自体は従来と同じで、数学、物理、化学、生物の4分野から2分野を選択して解答する形式に変更はありません。
2. AI利用に関する大学の方針(P7)
2026年度の入試要項では、提出物に関する注意書きの中で、生成系AIの利用について本学の考え方が別途Webサイトで公開されていることが追記されました。
ICUでは主要大学の中では珍しく、一般選抜でも全員が以下の志望動機を書くことが求められています(出願時にWebフォームから記入)。
・ICUを志望した動機または理由を述べてください。あわせて、ICUで何を学びたいか、その理由も含めて述べてください。(400字以内)
・学内外を問わず、技能、諸活動等自分の最も得意とすること、好んで行っていることを述べてください。(200字以内)
ICUでは、学生が自ら考え、自分の言葉で表現することを重視しており、志望理由の作成などにあたっても、生成AIに全面的に依存しないことが望ましいと理解しておくとよいでしょう。
学部 教育方針 > 学生の生成系AIの使用に関する本学の考え方(ページ一番下のリンク)
https://www.icu.ac.jp/academics/undergraduate/policy/
3. 入試日程:2月7日(土)実施(P2)
2026年度の一般選抜は2月7日(土)に実施されます。ICUは伝統的に2月の第1土曜日を試験日としており、今年は第1土曜日が7日にあたるため、2025年度(2月1日実施)より6日間遅い日程となりました。
合格発表は**2月13日(金)**で、試験から1週間後という点は昨年度と同じタイミングです。
4. 時間割の微調整(P18)
試験時間自体は変更ありませんが、最後に実施される「数理・自然科学」の開始時間が5分遅くなりました。
わずかな変更ではありますが、昨年度入試のフィードバックを踏まえての変更だと思われます。
5. 英語外部試験スコアの有効期限明記(P10)
2025年度までは「出願期間開始日から遡って2年以内に受験したもの」という表記でしたが、2026年度からは**「2024年2月1日以降に受験したスコア」**が有効と、具体的な日付で明記されました。
提出可能な英語外部試験(IELTS, TOEFL, Cambridge, GTEC)自体に変更はありません。
6. 試験会場に本館が復活(P32)
2025年度は本館の改修工事のため使用できませんでしたが、2026年度は本館が試験会場として復活します。
例年通りであれば、「数理・自然科学選択」および「人文・社会科学と数理・自然科学の併願」受験者はICU高校が試験会場、それ以外の受験生は本館が使用されることになるものと考えられます。

7. High Endeavor奨学金の給付が拡大、条件を満たす全員に給付(P28)
2026年度入試から、ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金が大幅に拡充されました。
これまでは入試成績が特に優秀な受験生のみが対象でしたが、2026年度からは一般選抜で合格し、収入要件などの条件を満たす応募者全員に給付されることが入試要項にも明記されました。入学金全額と学費の3分の1が免除され、例えば2026年度入学の場合、4年間で免除されるのは総額約237万8千円となります。
8. 寮の申し込みに際してのエッセイ提出の事前明記(P30)
ICUの各学生寮への入寮希望を申し込む際に簡単なエッセイを書く必要があることが、入試要項でも明記されています(寮申し込みのエッセイ自体は以前から必要でした)。
合格発表から申し込み締め切りまでの期間が短いため、あらかじめWebフォームを確認してエッセイを書く準備をしておくとよいと示されています。
ただし、2026年度4月入寮募集要項(PDF)やWebフォームは11月現在は閲覧できず、12月下旬にICUハウジングオフィスのWebサイトで確認できる予定です。例年通りなら年末にPDFが公開され、PDFの中に申し込みフォームへリンクが貼られています。
まとめ
2026年度のICU一般選抜は、科目名称の変更、AI利用方針の明記、試験会場本館の復活、奨学金制度の大幅拡充などの変更がありました。
特にHigh Endeavor奨学金の給付拡大は、経済的理由で進学を諦めることがないようにするという大学の強い意志の表れといえるでしょう。ICU一般選抜を受験予定の方は、2026年度のICU公式の一般選抜入試要項をよく確認し、最新の情報に基づいて準備を進めてください。










