志願者数・受験者数

ICU 2011年度一般入試志願者数

ICU国際基督教大学の2011年度一般入試の志願者が本日確定しました。

一般入学試験:1,602人
ICU大学入試センター試験:966人

昨年比 一般 152人減, センター50人増

センター利用の志願者増加や、このサイトのアクセス統計などを見ても、ICUの人気・知名度自体は上がっている感触があります。一方で、一般入試の志願者数は昨年に続き減少しました。一般入試の志願者数の減少には様々な要因が考えられますが、少なくとも本年に関しては、下記事項が大きく影響しているように見えます。

1.明治大学の全学部統一入試、法政大学のT日程(全学部統一日程)との試験日の重複
2.他大学と比較して短く、かつ早期に終わる出願期間

まず1です。受験者数日本一の明治大学における、全学部統一試験(昨年度受験者数約18,000人)、及びその明治をある意味でライバル視している法政の T日程(今年度受験者数11,600人)と被ったのはいかがなものかと思います。大学受験の知識が少しでもある担当者ならば、この日程での実施は避けるで あろう日程であり、複数学部ならともかく、単一学科入試であるICUが入学試験日をこの日程に持ってくる理由がよくわからないというのが正直な感想です。

2011年2月5日実施の大学入試の志願者数

明治大学 全学部統一試験 16,673人(2011年度速報値)
法政大学 T日程 約11,600人(2011年度)
ICU 一般入試 約1,600人(2011年度)

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(明大を一気に志願者数日本一に押し上げた「全学科統一試験」。2011年は同一日程にICUの一般入試が実施される…source:明治大学Webサイト)

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(法政大学T日程(全学部統一日程)。ライバル明治大学に対抗しており、同じく全国で受験可能。A日程(一般入試)より科目数が少ないなどの特徴がある。source:法政大学Webサイト)

*両大学入試は全国各地で受験可能であることから、東京での滞在を短くしたい地方からの受験生などは、2月5日の試験は地元で受け、後日東京に出てくるというケースも多々あるようです。

ICUは学期中に行うため、月-金の試験実施は講義を休講しなくてはならず、また学内にあるICU教会での日曜礼拝のため日曜日の実施はなく、近年は土曜日に実施されています。

しかし、かつては金曜日の入試実施もありました(2005年度他)。単一学科で、試験が一度しかないので、他校の動向を見て柔軟に試験日を設定してもよいと思います。

つづいて2の出願期間です。ICUはもう少し前から願書を受け付けるべきで、また受付の締め切りも後ろにずらせるでしょう

ICU出願期間(試験日2月5日)  2011年1月6日(木)-1月18日(火)

早稲田大学           2011年1月5日(水)-1月26日(水)
明治大学(全学部統一試験)  2011年1月4日(火)-1月21日(金)
(法学部)       2011年1月4日(火)-2月2日(水)
法政大学(T日程)  2011年1月5日(水)-1月21日(金)
(A方式)       2011年1月5日(水)-1月27日(木)

受験者数日本一位の明治、二位の早稲田より出願開始が遅く、また締め切りが早いというのは事務的に改善すべき箇所です。

オープンキャンパスや広報など、ICUはなかなか頑張っている感があります。しかし肝心の入試実施日が、最も避けるべき日程であり、かつ出願期間が短く早いというのは、受験の専門家の視点からみて、仏作って魂入れずというか、画竜点睛を欠くといいますか、苦心しているわりに肝心の部分が抜けている感があります。

結論として、明治・法政の大型試験があり、各校が避けている2月5日に試験を持ってきている部分には検討の余地があるように思われます。また出願期間は事務的にもっと早くでき、また締め切りももう少し遅くできるようにも感じられます。

一般選抜,ICU入試統計倍率偏差値,志願者数・受験者数

一般入試での眞子様効果は?

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2月6日に実施され、2月12日合格発表のあった2010年度ICU一般入試は上記のような結果となった。志願者数は昨年度より113人少ない1752人であった。一方、合格者は40人増え、504人となったため、倍率は3.48倍となった。試験タイプ別の内訳を見ると、社会科学の倍率が3.14倍、自然科学の倍率が4.86倍となっており、自然科学選択者には厳しい結果となった。BUCHO.NETの調査において、過去10年間で自然科学選択者の倍率が社会科学選択者の倍率を上回ったのは初めてのケースである。

昨年11月に秋篠宮家の長女眞子さまがICUに合格されたという報道があったが、志願者数は前年度比約マイナス6%となった。しかし後述のように、難関私立大学は志願者数が減少傾向にあり、そのような状況化ではまずまず志願者数が踏みとどまり、一定の報道効果を発揮したとの見方もできる。来年度以降様々な形でICUの報道がなされると予想されるが、今後どのように志願者が推移するかが注目される。

国公立志向を反映、センター利用は増加

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同じく12日に合格発表の行われたセンター利用入試においては、志願者数は前年度比15人増の906人となり、倍率も2.84倍に上がった。ICUでは6教科7科目の国立型試験を課しているが、1月実施のセンター試験では昨年度より9387人多い55万3368人が受験、2月上旬時点でも国公立志願者数が大幅に増加している。この国公立志向の受験生の増加が、センター利用受験者の増加につながったものと考えられる。

他の難関私大の傾向

2010年度の早慶上智の受験者数は上記の通り。早慶は3年連続の減少となっており、長引く不況による国公立シフトを反映した結果と言える。一方、上智は3年連続で志願者数が増加している。早慶受験回避者の受け皿となった形だが、同じくミッション系難関私立大学のICUとしては参考にしたいところである。2010stat032