<編入生 High Endeavor奨学金受賞者インタビュー Aさん 第2回>
(人文・社会科学に関してはどのような対策をされましたか?)
まずはオンレクで過去問を解いてみて、出来映えは年度によると感じました。
特に自分は理系で世界史をあまり勉強していなかったので、世界史重視だと厳しいという印象を持ちました。
なのて、全部に対応するよりは頻出分野で勝負しようと思った。
理系というハンデもあり、これで高得点狙いではなく、及第点をとればよいという作戦ですね。
具体的な勉強法としては、まずは過去問で傾向を把握した上で、必要に応じて背景知識をつけるというイメージでした。
人文・社会科学分野というとあまりに広すぎるので、過去問から絞っていくことが大切だと思いました。
(具体的にはどのような分野ですか?)
一例として、多くの文化や学問のベースとなっている古代ギリシアに関連した内容や、あるいは直接または間接的にキリスト教史に関連した論文も見受けられるように思いました。
いずれの年度も元ネタといいますか、参考文献等が書いてあるので、それらのキーワードを拾いながら、元ネタを軽く読んでおくとよいと思いました。
例えば、個人的にはキリスト教史はおさえておきたいと思ったので、『よく分かるキリスト教』という本をみました。
また西洋古典も、人文科学を勉強する上で必ず通る部分なので、これも必要に応じて物語や登場人物等を押さえておくとよいと思いました。一例として『オデュッセイア』などはとてもよく出ていますので、このような分野に関しては、過去問を解きながら、簡単でもよいので、ちょっと調べておいて損はないですね。
まとめると、傾向を把握した上で、ソースとなるような資料に随時できる範囲で当たっていくという勉強法をしていました。
実際の試験では人文・社会科学が一番心配だったのですが、入試では手応えがあり、この教科がうまくいったことで、これはいけるという気持ちになりました。
(ATLAS(総合教養)対策はいかがでしょうか?)
ATLASに関しては対策を立てるのは難しいですね、完全な過去問も公開されていないので、オンラインレクチャーの問題をやるべきだと思います。
(オンレクの問題はいかがでしたか?)
問題の再現度は高く、やっておいて損はないです。
特に時間の配分などが身につきます。
第1問のリスニング対策などは他の教材などでは非常に対策しにくいです。
放送される講義のメモの取り方が重要なのですが、慣れない内は、放送中のメモのムラができていました。設問に関係ないところを細かくとってしまったり、逆に取るべきところをとっていなかったり。この点に関して予想問題・過去問演習はとても有効ですね。英語等には市販教材を活用しましたが、ATLASに関しては市販のテキスト等では厳しいです。
Part 2,3は人文・社会科学の傾向に近いと思いました。
読解が中心ですので、人文・社会科学の過去問演習を行っておくとよいです。
Part4に関しては、元理系なので概ね取れました。
文系の人は全部捨てたらまずいが、解けそうなやつを解く、拾う、捨てても合格点は取れる、というくらいの気持ちでよいと思います。
例えば物理の衝突や化学反応式係数合わせなど、理系では常識的な問題だが、文系の人が勘で当てるというのは相当厳しい問題だと思いました。
基本的に、ATLASは分かるところだけ解けばよいという試験です。
全体にボリュームが多くて、時間も足りないので、理系パートに時間を使うよりかは
文系なら前半の読解パートをきっちりといて行くというのも手だと思いました。
理系の場合、Part 4に関しては有利さを感じたので、まずはPart 4をきっちり解くというのが大切だと思いました。
<実際の試験に関して>
今年はリスニングが難しかったですね、
スピーカー音声になれていなかったというのもあったのですが、問題自体も例年よりやや難しかったと思います。
自分はトランスファー用の試験教室だったのですが、多くの受験生から、
英語が終わってからは「これはリスニングがやばい」という声があちこちから聞こえてきました。全体の会場の雰囲気として難しい感じだった
(トランスファーの教室は別会場?)
同じ会場ですが、本館の1部屋に集められているという感じでした。
今年の場合本館1階の階段教室でした。
また、トランスファーも理系(自然科学)と文系(人文・社会科学)は別の教室です。
私は人文・社会科学を選択したのですが、その教室にかなりの人数がいたので、理系のトランスファーの受験生は少ないのだなという印象を持ちました。
いずれにしても全体としての出来映えは、リスニングが不安要素で、
その他リーディングなどはいつも通りで、勉強の成果が出たという印象でした。
(受かってみての感想はいかがですか?)
とにかく安心しました。やっと受験が終わった、1年間の成果が出た、よかったという感想です。
(入学金免除の上、授業料及び施設費の3分の1相当額が給付されるHigh Endeavor(ハイ・エンデバー)奨学金も受賞されたということですが、その通知は合格と同時ですか?)
はい、合格証などと一緒に封筒に入っていました。ちなみにHigh Endeavor奨学金は申請しないと審査対象にならないので、興味のある方は事前に準備しておいた方がよいです。特に、所得の要件があるので、所得証明書等の書類が必要になります。この書類だけはすぐにはそろわないので、入試要項が出たらすぐに用意しておいた方がよいでしょう。
ちなみに400万円規模のピースベル奨学金は、トランスファーは応募できません。
一般の入学であればもちろんピースベル奨学金も応募できるはずです。
(合格後の周りの方のリアクションはいかがでしたか?)
まちまちでしたね、ふーん、というぐらいの人から、めちゃくちゃ驚く人まで
授業は終わっていたので、残念ながらあまり友人らに会う機会もありませんでしたが。
ちなみにICUの入試の時期は、前の大学の期末試験の時期の直後で、ICU入試の前の週まで期末試験を受けていました。
(直前まで普通の大学生活を送っておられたのですね、今回の合格の勝因はどのあたりにあったと思いますか)
大学での勉強があったので、受験にかけられる時間が限られていたが故に、配点や最終的な結果を意識した勉強が効果的だったと思います。最後まで配点を意識して勉強していました。
例えばICUの英語はリスニングを含みますし、全般に内容が難しいとはいえ、他の教科と比べると癖がないです。よって、ここには時間をたくさん投下して、高得点を狙うという姿勢で、一番時間を割いて勉強しました。
逆に、人文・社会科学などは、全部とるのは無理なので、頻出分野を意識しつつ、過去問を中心に及第点をとるイメージで挑みました。未知の問題はその場で頑張るつもりで受けました。
ATLAS(総合教養)に関しては読解の部分は人文・社会科学の過去問が有効でした。
ATLASの講義パートはとにかくメモの取り方に慣れることです。
日本語のリスニング試験はないので、オンレクの問題を解き、どこが問われるか、どのようなメモを取るべきか、あるいはその他のPartを含め全体の時間配分をどのようにするかなど、実践的なトレーニングを行うとよいと思います。
(その他メッセージ等があったらお願いいたします。)
トランスファーの人は出すときに編入か一般かを迷うと思うのですが、
実際合格水準は変わらないはずだと思います。
ただし現役生と大学生では受験勉強に当てられる時間が全然違うはずです。
現役生・浪人生はフルタイムで受験勉強をしているので有利です。
倍率ではなく受験生の質ですね。
よって、迷うかもしれないが、もし大学にきちんと通っているのであれば、編入の試験にチャレンジすべきだと思います。High Endeavorもいただけましたし。ピースベルは取れませんが(笑)。
後は、実は意外に重要な事なのですが、他大学からICUに編入を考えている方は、できれば在学中に体育を2単位とっておいた方がよいです。
ICUは3学期制ですが体育の実技は1学期に1/3単位しかとれず、卒業に必用な2単位を取るのに最低2年(1/3*6学期)かかります。2学期制の他大学で体育実技を取っておけば1年(1単位*2学期)で取れます。
体育の時間が空くといろいろな授業が入れやすいですし、前の大学の感覚からすると、1/3単位というのは時間単位の効率が悪いです。
トランスファーに限りませんが、ICU入学時に体育が1単位でも編入できたら、他大学に在籍していたメリットの一つになり得ます。
(なるほど、いずれにしても希望していたICUに合格し、奨学金も受賞されて、前の大学より学費まで安くなったので、オンレクを受講されてよかったですね 笑)
オンラインレクチャーにはとても感謝しています。特に奨学金を得たことで海外留学を実現できる可能性が高まり、また大学を移るという自分のわがままにもかかわらず、両親に経済的な負担をかけずに編入できた点はありがたいと思っています。
(ありがとうございました)