ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2023(11) がわさん

2月 23, 2023

1.お名前、プロフィール

<お名前>

がわ

<プロフィール>

出身高校:横浜F高等学校(神奈川県)
予備校:河合塾、関東地方の予備校
趣味:アニメや映画を見ること、音楽を聴くこと
部活:美術部
特技:スキー、テニス

2.受験形態

総合型選抜

5.ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

高校1年生の頃、母親からの紹介でICU を初めて知りました。
ICU を第一志望校に選んだ理由は、リベラルアーツ教育と、国際的かつ開放的な校風、そして緑豊かなキャンパスに憧れたからです。
また、距離が遠く、自宅からは都内の大学に直接通うことができないので、学生寮が多くある点からも選びました。

6.ICUに期待するところ

リベラルアーツ英語プログラム、サービスラーニング、メジャー制度、留学プログラムなどで実践的な学びを深めることを楽しみにしています。

7.受験対策

願書-1<1.ICUに入学することを強く希望する理由を述べて下さい。>

要約すると、自身の家庭環境から得た気づきを元に、日本社会の家族観をより多様なものにするための学びを、リベラルアーツを標榜する ICU で深めたい、と書きました。
以下、本文です。

願書-2<2.ICUで何を学びたいかを簡単に述べ、また将来の志望とその理由を述べてください。>

要約すると、イギリスでの短期留学の経験が、日本での同調圧力の強さや、自己主張を大切にする西欧の価値観を教えてくれた点で、私の人生に大きな影響を与えた、と書きました。

願書-3<3.あなたを学生として受け入れることがICUにとって重要であると思われる理由を述べて下さい。>

要約すると、日本の家族観をより多様なものにするという私の活動は、キリスト教の愛と平和、豊かな価値観を広める、という ICU の理念を社会に実現できる点で貢献できる、と書きました。

b.エッセイ

「(3)あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験」を選びました。

要約すると、「私には実父と養父の二人の父親がおり、普通とは異なる家庭環境を後ろめたく感じることがあったが、日本の従来の家族制度を疑問視するようになり、家族制度について調べていく中で、家族も人為的な制度に過ぎず、それを絶対視する必要はないと気づき、普通の家族に関する固定観念から解放されて、普遍的な価値観を相対化して見ることができるようになった。自身の家庭環境をもとに家族制度や制度について考えた経験が、私が物事を相対化して見ることができるようになった点で、私の物の見方に大きな影響を与えた」と書きました。
以下、本文です。

c. 学校内外における自己活動歴と自己分析

要約すると、「所属していた美術部で、部員内で意見が二つに分かれ不和が生じたが、私が自主的にその橋渡し役を務め、サーバントリーダーとして指導力を発揮したことで部員間の意見の衝突を解決に導くことができた」と書きました。

d. 推薦状2通

学校の担任の先生と、母親の知り合いの会社の社長の方に書いていただきました。
担任の先生からは、部活動で指導力を発揮したこと、英語の成績、ボランティア委員会での活動などを書いていただきました。
知り合いの社長の方からは、妹へのテニスの教え方がユニークであること、課題解決能力、英語の能力などについて書いていただきました。

e. 成績書類

英検準一級
トフル iBT 85

評定平均 = 4.1

f.一次試験(書類審査)のポイント

ICU の総合型選抜(英語外部試験利用)での合格は、一次試験で書類をどれくらい仕上げるかにかかっていると思います。
自分や、自分の経験がいかに特別であるか、というよりかは、物事に対して自分がどのような考えを持ったのか、あるいはどのように考えが変わったのかなど、経験を受けての、その後の自分なりの深い思考が、書類審査では求められているように感じました。
例えば、エッセイを書く上で、私は始め、従来の家族制度の問題にしか触れていませんでしたが、塾の先生からの指導を受け、制度そのものにも目を向けて、より普遍化して書くようにしました。
また、書類を書く上で、 ICU の教育理念やアドミッションポリシーなどに書かれてあったことを、言葉を変えて、書類の随所随所に入れるようにしました。
例えば、自分の強みをアピールするところでは、主体的な問題解決能力、批判的な思考力といった言葉を入れたりしました。
他には、自分の主張したいことを全て入れるのではなく、話題を絞って主張を一貫させ、話題があちこちへ飛ばないように意識しました。
ちなみに、書類の内容には盛った部分があります。部活動で部員間の不和を解消した、と書きましたが、実際には完全な和解には至りませんでした。書類を盛った私が言うのもなんですが、盛り上がりに欠ける場面では、ある程度盛っても良いと思います。

g.面接 (二次試験)

面接時間は25分で、二人の男性教授から交互に質問されて話しました。
はじめの5分間は、志望理由や小論文に関する質問でしたが、残りの時間は全て、私が学びたいこととは直接的に関係なく、また想定していなかった質問をされました。
学びたい分野に関する専門的な質問はされませんでした。
(私が学びたいことは里親制度と養子縁組でしたが、答えの中で障害者の教育について一度触れて以降は、それに関する質問をずっとされました。)
私の答えに対して補足をつけたり教授が意見を話したりなど、実際の授業中の会話のようでしたが、圧迫されているような感じは一切なく、私の答えにうなずいてくれたりと、温かい雰囲気でした。
また、合否に関係あるか分かりませんが、最後に教授の一人から「またこんな話ができるといいですね」と言われました。

以下、実際の質問です。
・自己紹介をお願いします
・志望理由は?
・学びたいことは?
・将来どんな形で活動したいか?
・部活動から学んだことは?
・そのリーダーシップを果たす自分は好きですか?
・社会が不寛容であることの他の例は?(ここでインクルーシブ教育について触れてから、以降はずっとそれに関する質問でした。)
・どうやって解決できると思いますか?
・それに関して大学ができる解決策は?
・どうやって実施していくのか?
・コミュニティとしてできることは?
・資金はどうするの?
・最後にこういった形で話してみてどうだったか?

二次試験ポイント

面接で、私が答えに窮したときも、「正解はありませんから」と言っていたので、正しい答えをいうよりも、自分なりに考える姿勢を見せることや、自分なりの答えを出すことが大事なのだと改めて思いました。
質問の多くを想定していなかったので焦りましたし、だらだらと話して文法が崩れがちでしたが、黙らず何かしらの結論を出すことを意識しました。
面接前に、自分の学びたい分野について深く調べることと同時に、自分が小論文に書いたこととは異なる、他の具体例や社会問題、それに関する情報を集めていくことも、対策として行うべきだったと思いました。
(里親制度と養子縁組に関する社会の不寛容の例は用意してあったのですが、他の具体例は深く考えていなかったです。)
面接前に行ってよかった対策は、質問されそうなことをリスト化しその答えを用意すること、ニュースをチェックすること(面接の二日前に YouTube で見たインクルーシブ教育に関するニュース動画の内容を、実際に面接で役立てることができました)、家族や先生を相手に模擬面接を行ったことです。実際に答えを口に出す練習をすることが、本番での緊張を緩和させてくれたと思います。

8.最後に一言

私は、6月頃に評定平均の計算を間違えて出願を諦めかけたり、7月頃に書類の多さを知り慌てたりなど、事前の入念の確認を怠ったために痛い目を見ました。なるべく早いうちから、出願条件や入試要項、懸念事項をしっかりと確認することが本当に大切だと思います。
また、私の高等学校の制度上、ICU に提出できる評定平均は、高校2年生までのものでしたが、1年生の成績がそこまで良くなく、6月頃まで評定平均に関する不安が常にありました。(6月頃に、評定平均が高校2年生までのものしか出せないことがわかりました。)結果的に出願することは出来ましたが、評定平均は4.1でギリギリでした。提出できる評定平均が何年生までのものであるのかの確認も含めて、高校の早い段階から評定平均を意識していくことも大切だと思います。

書けるようなネタがないと、私は元々公募推薦での受験を考えていませんでした。しかし塾からの勧めで、一般受験と公募推薦の準備を並行して行うことを決めました。その中で、どちらも落ちるかもしれないという不安が常にありました。しかし、家庭環境という自分の個性を発掘することができ、結果的に公募推薦を受験して良かったと今は思っています。公募推薦を受験するかどうか迷っている方がいらっしゃったら、思いがけないところから自分の強みを発見したり、考えを深めることができるかもしれないので、自分と向き合う時間を確保して考えてみると良いかと思います。
皆さんの武運長久を心からお祈りしています。

<追加の質問>

追加の質問:
願書3でICUのキリスト教の精神に関して触れられている点に関して、キリスト教校出身、あるいはクリスチャン家庭の方は、書類の中でICUのキリスト教主義に関して触れるべきかどうか迷う方もいると思うのですが、志望理由の一つであるならば総合型選抜であっても書類の中で言及すべきでしょうか?

他に志望理由が十分にあれば、志望理由の一つに、あえてICU のキリスト教主義を入れる必要はないと思います。(私は、 志望理由の中には、ICUのキリスト教主義は入れませんでした。)しかし、ICU の教育理念がどういったものかを自分が理解していると ICU に示すために、書類のどこかしらでキリスト教主義について触れることは良いと思います。(私が願書3で、ICU のキリスト教主義について触れた理由も、 ICU の理念を自分が理解していると示すためには、ICU の理念を具体的に別の言葉で言い換える必要があると思い、 そのためにはキリスト教の考えを含めることが不可欠だと思ったからでした。)