ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2025(7) ちゃちゃまる!さん

1.お名前、プロフィール

<お名前>

ちゃちゃまる!

<プロフィール>

偏差値70程度の地方私立高校出身
総合型対策に関しては学校の先生を中心に指導していただいた。
ニュージーランド(半年間)、アメリカ(二週間)の留学と研修経験あり

2.受験形態

総合型選抜

5.ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

ぼんやりとICUいいなぁと思い始めたのが高2の夏頃、ICUは私が学ぶべき場所だと確信に変わったのが高3の春でした。このような急激な気持ちの変化の理由は高3の遠足がきっかけです。高校最後の遠足が何故か大学見学だったという謎すぎる出来事が、意外にも私が進むべき道を教えてくれました。私のクラスはICUに見学に行くことになったんです。その日はとても天気が良くて、外で学生さんや教授が対話をしている光景が広がっていました。その瞬間、そこだけ時間がゆっくり流れているように感じ、自由に広大な自然の中で思考を巡らすことができるICUの環境が「あ、私が行く大学、ここだ。」と直感的に、しかしとても強く思わせてくれました。

6.ICUに期待するところ

多様な価値観、異なるバックグラウンドを持ちつつも、ICU Loveな共通の気持ちを持つユーモアあふれる面白い仲間たちに出会って、勉強を頑張りながら、ICU Lifeを存分に満喫したい!^_-

7.受験対策

願書-1<1.ICUに入学することを強く希望する理由を述べて下さい。>

私は、将来、サードカルチャーキッズ(TCK)を支援するためのサポートを立ち上げたい。TCKとは、複数の文化を背景にアイデンティティを形成する子どもたちを指す。留学中、友人から「帰る国があるのが羨ましい」と言われたことをきっかけに、TCKについて興味を持ち、彼らが自分の居場所がわからないという悩みを抱えていることを知った。私はTCKが帰属意識を持てるような場を提供するとともに、彼らが自己を構築する多様な要素に目を向け、対話を通じて、深い自己理解を促していきたい。このように認知度が低い問題へアプローチしていくため、貴学の「平和教育の理念と実践」、「青年心理学研究」などの授業を受講し、学際的にアイデンティティの形成について学ぶ必要性を強く感じている。また、コミュニティ・サービス・ラーニングに参加し、このようなマイナーな課題に対してどうアプローチしていくかについて、実践を通して考えていきたい。以上の理由から、異文化圏で生きる子どもたちの心に平和をもたらすため、「平和」を建学の理念に掲げるICUで学びたい。

願書-2<2.ICUで何を学びたいかを簡単に述べ、また将来の志望とその理由を述べてください。>

私は、英語力の向上のみならず、異なる考えを持つ世界各国の人々との対話を通じて、自分の考えを更新していきたいという思いで留学に臨んだ。しかし、実際は自分の意思を相手にわかりやすく伝え、相手の気持ちを理解することの難しさに直面し、友人との交流や参加を希望していた日本語のボランティア活動にも不安を抱くようになった。それでも、限られた半年間を無駄にしたくないという思いから、思い切ってホストマザーに相談したところ、「私はあなたの英語に興味はないの。あなたが一生懸命伝えようとしていることが純粋に嬉しいのよ。」との言葉をもらった。この一言に背中を押され、ボランティア活動への参加を決意した。そこには、年齢、性別、国籍を超えて、日本語を学びたいという共通の思いを持つ人々が集っていた。彼らは不慣れな日本語を使い、日本で訪れたい場所や好きなアニメの話を笑顔で話してくれた。その姿勢に感化され、私も次第に間違いを恐れなくなっていた。
帰国後、駅で道に迷っていたイタリア人男性に自ら声をかけ、目的地まで案内することができた。お互いに英語が第一言語ではなかったが、伝え合う姿勢を持った結果、彼は笑顔で「Grazie」と握手を求めてくれた。言語の壁は伝えようとする努力、勇気、そして行動力で十分に乗り越えられることを実感した。以上の経験を通じて得た気づきやホストマザーの言葉は今でも私の人生観に影響を与え続けている。

願書-3<3.あなたを学生として受け入れることがICUにとって重要であると思われる理由を述べて下さい。>

私は、人のために役に立ちたいという強い思いを持ち、相手の抱える問題を解決へ導くために行動することができる。私は留学中に日本語クラスのアシスタントを務めていた。日本への留学を控え、大きな不安を抱いていたクラスメイトのために、彼らを主人公にした物語風のゲームを作り、日本の学校生活を疑似体験してもらうことで、彼らの不安に寄り添った。このことから私は主体的に問題解決に取り組み、世界へと貢献する貴学の理念を全うすることができると信じている。また、私は、中学生の頃からUC Davis主催のグローバル・エンゲージメント・プログラムやアメリカ研修に積極的に参加してきた。この経験から、異なる文化背景を持つ人々とのディスカッションを通して、自分の固定観念を打ち破り、相手の意見を理解することができる。そして、貴学に入学後も多様なバックグラウンドを持つ学生や教授との対話を重ね、私が研究していきたい「TCKのためにできること」についての考えをブラッシュアップし、彼らのためにできることを実行していく。私は、ICUの多様性と共生の理念に沿って、居場所がないと感じている世界の子どもたちが安心して学び、成長できる環境を作ることに貢献していきたい。

b.小論文

小論文では、国際化が進む社会における日本文化の重要性を書道を例に論じた。また、自分が今までしてきた探究活動で得られたアンケート結果を根拠にしたり、他の書類と一貫性をもたせることを意識して書いた。「社会的」に関心が高まっている時事問題は、社会的、国際的な時事問題と言ったら「ウクライナ侵攻」とかニュースでよく耳にする問題だけでなく、個人が置かれている環境によって見える問題は変わるのではないかと思ったので、小論文の冒頭では、このトピックの定義付けを行った。事実、私は代々続く書道家系に生まれ、日頃から書道のニュースを耳にすることが多かった。しかし、同じクラスに書道のニュースを知っている人はほぼいなかった。ここが他の受験生の文章と差別化できたポイントなのではないかと個人的には思っている。

c. 学校内外における自己活動歴と自己分析

高校二年生から三年生にかけて活動した協働探究活動について書いた。ここでは、探究活動の「内容」の成果ではなく、グループで議論を進めていくうえで、議論を円滑に進めるために自分はどのような役割を担ったかということについて述べた。「自分は」・「相手は」何を主張したいのかを立ち止まって考えることができる人の存在の大切さと、今のグループには何が足りないのかという視点で自分の役割を見つけたことで、ICUが求めるクリティカルシンキングがあること、人の意見を尊重することができることをアピールした。

d. 推薦状2通

担任(英語科)
私が在籍していた国際コースのコース長(英語科)

e. 成績書類

英検準一級(CSE score 2451)

評定平均 = 4.7

f.一次試験(書類審査)のポイント

(1)とにかくいろんな人に見てもらう
私のこと、私がしてきた活動をよく知っている両親、先生方、友達、先輩はもちろん、私は母の職場の人事部で採用担当をしている方にも見ていただきました。そのおかげで、初めて自分の書類を読んだ人にも、私がしてきたこと、そしてICUでしたいことを文章で伝えつつ、私という人間がどういう人なのかが伝わるかどうかを確かめることができました。また、フィードバックももらえたので、面接の時に説明を補ったほうがいい箇所を把握できました。

(2)添削記録をつける
先生方に添削を受けたあと、添削前の文章は取っておくのがおすすめです。やっぱりこの表現のほうが良かったと思う場合があるので、念のため残しておくことをおすすめします。そして記録をつけることにより、一次合格まで「これだけやったから大丈夫」と自信を持てる材料にもなると思います。

(3)ICUの情報オタクになる
私は書類を書くときに、ICUが求める人物像と今までわたしがしてきた活動、そして自分の資質が一致しているよ!ということをアピールすることを一番心がけていました。なので、ホームページ、学長インタビュー、パンフレットを見たり、実際に授業(オーキャン行けない人はICU Open Course wareで検索すると教授の録画動画が視聴できる)を受けたり、過去問の文章(人文社会は実際にICUの教授が書いた論文)を読んだりして、そこから着想を得る、人物像を掴むようにしていました。

(4)準備は早めに
ICUは、他大学と比べ、提出書類が多い+全部手書きなので、日にちに余裕がないと汚い字で提出することになってしまったり、ミスも増えます。日にちの余裕は心の余裕につながるので、準備は早めに計画を立てて進めておくと安心です。

g.面接 (二次試験)

3つのセクションに分かれていました。(1)自分が書いた書類の内容を全体的に聞く(2)時事問題に関して(3)教授とあるトピックについてディスカッションの計20分で行われました。
・志望理由をなぜ、ICUでなければならないのかに触れて述べてください。
(志望理由書に書いたこと+ICUの教育が自分に〇〇な点で必要不可欠だと回答)
・国際的な大学はたくさんあるのですが、あなたはICUのどんな魅力に惹かれ、そして〇〇さんは、何がきっかけで貴学を志望しましたか?
(紛争や貧困といった目に見えるものだけに対する平和だけでなく、対話を通して、一人ひとりの考えと向き合うことで、個人間の心の平穏、平和を叶えることができる平和教育に魅力を感じた。また、志望のきっかけは、教授と学生が外で対話をしている様子を見て、その瞬間に絶対にICUで学びたいと思ったからです!)
・最近、気になる事件・事故はなにかありますか?
・↑に対して、日本は今後移民してきた人、または移民問題についてどのような対策や取り組みをしていけばいいか(その後も深堀りされた)
【ディスカッション】:面接官の言う主張に賛成か反対かを答える質問
お題→世界を平和に、平等にするために国境はなくすべきだ。賛成か、反対か(ある程度賛成、ある程度反対の立場を取ることも可能)
(反対。平和の形はみんな違うので、今ある、それぞれの平和を守っていくことも大切なことであると考えるから。+ウガンダと日本の比較で具体化)

一人は比較文化を担当している先生、もう一人は韓国人の先生でした。時間は結構正確に20分を守っていた印象があります。すぐに案が思い浮かばなくても、「少し考えてもいいよ。」とか「〇〇の視点で見てみるとどうかな」と考えを引き出してくださって、落ち着いて考えることができた反面、日頃から考えていた社会問題に関する自分なりの回答がかなり助けになったので、思考、知識の積み重ねがとても大切だと実感しました。

二次試験ポイント

全力で楽しんで、最後まで自分を信じ続けることが大切だと思います。私は、学校で練習していただいた際、前日まで面接で自分の納得の行く回答ができていませんでした。このままじゃ落ちると思い泣きそうになりましたが、絶対にICUに行きたいという思いを最後まで持ち続け、面接に臨んだ結果、「楽しかった!これで落ちても悔いはない」と思える面接をすることができました。結果を待っている間は、一般の対策をするようにしていましたが、正直、気が気じゃなかったです、「合格する」、「言いたいことを簡潔に言えるようにする」っていうのももちろんすごく大切なことだと思いますが、一番大事なのは「憧れのICUの先生とお話できるなんて、楽しみすぎる」っていうマインドでいることと、自分の志望理由に関しては「私が一番この問題についてよく知っているし、私じゃないとできない、ICUは私を取らないと損するぞ!」っていう少しナルシスト気味な考えで挑むと強くいられると思います。

8.最後に一言

私は、対策を始めてからずっと、このサイトにお世話になっていたので、合格したら絶対貢献しようと思っていました。特に、りんごさんの体験記を読んで、辛いときも頑張ろうと思い直すことができました。私の体験記がたくさんの受験生のお役に立ててれば幸いです。

私は本当に沢山の人に支えられて、最後まで憧れだったICUへ合格するために駆け抜けることができました。総合型選抜は、自分は絶対にこの学校で勉強したいんだという強い気持ちと忍耐力、そして謙虚な心と周囲の人への感謝の気持ちが大切です。それが辛いときに原動力になるからです。なので、「絶対にこの大学じゃないといけないんだ」と言う気持ちの持ち主は総合型選抜に挑戦するべきだと思います。私は、メンタルは豆腐くらい弱かったけど、絶対にICUに入りたいという思いは誰にも負けてなかったと思います。強い思いを持って、主体的に行動し続け、「合格」を掴んでください。応援しています!

追加の質問

・志望動機等を記入する願書はノートのように横線が引かれており、原稿用紙ではないので、ある程度字数調整ができます。各問いは何文字ぐらいを想定して準備されましたか?(500文字から600文字ぐらい?)

私の場合は、各問、450-600文字を目安に書きました。個人的に、人生観への影響が短くすることができなかったので、他の二つの問いと比べて文字数が多くなってしまいました。しかし、どのパートでも意識するべきことは、初めて自分の書類に目を通した時に、わかりやすい、かつ面白いと思ってもらえるかということだと思います!あと丁寧な字です!

・二次面接を3パートに分けて分析されておられますが、パート1,2の終わりには、切り替えのようなものはあったのでしょうか?(次はこれをいきますみたいな?)

面接官にはっきり言われた訳ではないですが、面接を終えて分析をした結果、主に3パートに分かれていたなと思いました。事実、私の学校で一昨年、ICUに総合型で合格した先輩も、最低、(1)志望理由 (2)最近関心のあるニュース (3)ディスカッションをするための一般教養だけはおさえといた方がいいよ!とアドバイスをしてくださった覚えがあります!