🔔2025年度ICU Peace Bell奨学金 奨学生インタビュー(1)
今回は、2025年度ICU(国際基督教大学)入試合格者でICU Peace Bell奨学金を獲得したNimbus2000さんにお話を伺いました。Nimbus2000さんはICU高校出身で、内部進学は利用せず、一般選抜でICUに合格。当サイトのICU対策講座オンラインレクチャーを受講されていました。
Peace Bell奨学金とは?
Peace Bell奨学金は、ICUの最も手厚い奨学金制度です。入学金・授業料・施設費の全額、さらに寮費も免除されます。今回のインタビューの内容では4年間で約856万円相当します。主に同窓生の寄付によって支えられており、毎年約14名のスカラーが選出されます

<インタビュー1>
奨学金応募書類の作成について
― Peace Bell奨学金に応募したきっかけは?
ICU高校だったのですがICUへの内部進学には応募せず、理系の一般受験で国立をめざしていました。しかし、高3の途中で文系受験することを決めて、ICUに進学するなら少しでも親の負担を増やしたいと思って奨学金に応募しました。
― Peace Bell奨学金の応募書類作成
応募書類については、最初は1日で終わるだろうと思っていたのですが、実際に始めてみると記入事項が多く、内容もじっくり考える必要があり、結局3日ほどかかりました。
―エッセイを書いたのはいつ?受験の時期は大変なのでは?
1月に入ってから、10日過ぎくらいに書き始めました。この時期はオンレクの過去問を連日解いて疲れていましたが、ICU入試対策はやりきった感もあったのでちょうどよい気分転換になりました。ただ、書類作成は1日では終わらないので、早めに取りかかることをおすすめします。
―エッセイで工夫した点は?
工夫した点は、ICUのアドミッションポリシーや大学の使命をしっかり読み込み、それぞれの項目それぞれに自分がどのように合致しているかを具体例を交えてアピールしたことです。ICUの生徒像に自分が本当に合っているのではないかという思いを、率直に書きました。
例えば「音楽が好き」という自分の個性を、100年前の楽曲を発見して感動し、その背景などから他の学問にも興味関心が深まった、というエピソードを書きました。
オンラインレクチャーの先輩の2021年のインタビューも参考にさせてもらいました。エッセイの長さはあまり気にせず、PDFのフォームの半分くらいしか埋まっていませんでしたが、中身重視で仕上げました。
全体としては相手が求める答えを意識しすぎず、自分の経験や興味を脚色せずに正直に書くことを心がけました。
また、私の家庭は母の収入に頼って生活しているのですが、ものすごく困っているという訳ではないので、経済的状況もありのままを書いたという感じです。
― 自己PR欄はどのように書きましたか?
自己PR欄は、ほとんど自己紹介のような内容になってしまいましたが、自分の好きなことについて遠慮せずに書きました。深夜に書いた部分もあり、今思うと少しテンションが高かったかもしれませんが、その分、自分の素直な気持ちが表れたかもしれません。
推薦状と評定平均
― 推薦状はどなたに依頼しましたか?
最初はICU高校の担任の先生にお願いしようと考えたのですが、ICUの奨学金ではICU高校の先生が推薦者になることはできないと知り、子供の頃にお世話になった方にお願いしました。外国語で書いていただき、翻訳も添付して提出しました。
― 高校の評定平均はいくつでしたか?
評定は3.0を少し超えるくらいでした。推薦は意識していなかったので評定平均はあまりよくないです。
― Peace Bell奨学金申請時に他にも検討した奨学金はありましたか?
ICU High Endeavor奨学金は併願できたので、Peace Bellと一緒に申し込みました。
提出から採用
― 書類提出で印象的だったことや注意点は?
提出内容に不備があって、ICUから2回もメールで連絡が来てしまいました。なぜか古い年度のフォーマットに書いて提出してしまっていました。指示に従って書類を再度アップロードしました。
― 合格発表と奨学金の決定タイミングは?
ICUの一般選抜の合格発表は午前11時ごろ、母と一緒にオンラインの発表サイトで確認しました。その後、同じサイトで11時半ごろに入学手続きの内容が公開され、Peace Bell奨学金の採用を知ることができました。奨学金の採用を最初に見つけたのは母で、「これはすごいことになった」と言ってくれたのを覚えています。
― 奨学生として採用が決まった時の感想や家族の反応は?
奨学金の書類に不備があって再提出していたので、厳しいと思っていましたが、学費全額免除の奨学金をいただけて本当に嬉しかったです。家族もとても喜んでくれました。
授与式と寮生活
―ICU Peace Bell奨学金新スカラー歓迎式典の感想や印象的だったことは?
ICUの入学式の日の午後にPeace Bell奨学金の新スカラーの歓迎式がありました。新奨学生7人がスピーチをすることが2週間ほど前に予告されていました。私はスピーチ原稿を暗記して臨んだのですが、スピーチをその場で考えている人もいたのでもしかするとそこまで気合いをいれなくてもよかったのかなとも思いました笑
学長の岩切先生のウィットに富んだ挨拶で場が和やかになり、全体的に思ったよりもカジュアルな雰囲気でした。
授与式には先輩の奨学生や大学の先生方も参加され、全体で1時間半ほどでした。
― Peace Bell奨学金には寄付者や寄付団体が明記されている冠賞もあるということですが
今回は7本中5本が冠賞でした。中にはICU卒業生の9期生、11期生のご寄付であるという事が示されていたものや、キリスト教の冠が付いたものもありました。キリスト教を冠とする奨学金を受けた方は、クリスチャンの学生だと思います。私は冠賞がついていないものでした笑
― 今回の4月入学の奨学生7人のうち、一般選抜の人は何人いましたか?
3人か4人だと思います。
― Peace Bell奨学生の寮生活について教えてください。
4月入学の奨学生7人のうち、1人を除いて全員が寮に入っています。寮に入りたい場合は応募フォームに志望理由を書いて提出します。スカラーは寮費が無料なので、どこかの寮には入れるのではないかと思います。ただし寮は第6希望まで提出できるのですが、第1希望だけしか書かないとかだと入れないかもしれません。ちなみに第1希望は個室のGlobal Houseにしましたがやはりダメで、新寮の方に入居できました。私はICU高校時代に1年ほど寮生活を経験していたので、特に抵抗はありませんでした。

奨学生の義務と将来の展望
― Peace Bell奨学生に課せられていることや成績条件について教えてください。
所得証明書を提出する毎年の更新手続き、GPA3.0以上の維持、各種式への参加が義務であると説明がありました。私は高校の評定平均があまりよくなかったのでGPA3.0の維持は結構大変かなと思いました。
― Peace Bell奨学金を通じてICUで実現したいことは?
イギリスに留学したいという夢があります。英語が好きなので、英語で文章を書いたり物語を書いたりしてみたいです。学費全額免除のおかげで、大学院進学も視野に入れることができました。奨学金がなければ大学院進学を希望することは厳しかったかもしれません。
スカラー歓迎式典でも学長の岩切先生からは「学費の心配はしなくていいので、バイトせず学問に打ち込んでほしい」というお話があって、いろいろなことを勉強していきたいと思っています。
受験生へのアドバイス
― Peace Bell奨学金申請を検討している受験生へのアドバイスは?
一般選抜の場合は、とにかく入試でしっかり点数を取ることが大切です。私は最初から奨学金を取りに行くつもりでBUCHO.NETのオンラインレクチャーに取り組んでいました。
エッセイは私としてはよく書けたので、エッセイの内容は大事だと思います。応募書類で自分の考えを言語化するのは難しいですが、ICUの大学の方針を確認した上で、自分らしく書くことが大切でしょう。
私の家庭は特に貧乏というわけでもなく、他に兄弟がいるわけでもないので、家庭状況はそこまで関係ないかもしれません。推薦状も知り合いの方に頼みました。
後は他の皆さんもおっしゃっていますが、書類の準備は大変なので、早めにやった方がいいです!