🔔2025年度ICU Peace Bell奨学金 奨学生インタビュー【後編】

ICU高校について
―― ICU高校の特色について教えてください。
ICU高校の校則は「ゲタ・ガム・カンニング禁止」の3つしかないと言われており、制服も公的な行事以外は自由でした。普段は私服で登校でき、帰国子女も多く、個性や自主性が尊重されていたと思います。校長先生や先生方と生徒の距離も近く、フラットな関係で話しやすい雰囲気でした。
―― 印象に残っている授業や行事はありますか?
特に印象的だった授業は「キリスト教概論」です。高1から高3まで週1回あり、先生によって内容が異なりますが、高3の時の先生は哲学的な内容で、「友達とは何か」「愛することとは何か」など、普段考えないテーマを深く考える機会になりました。行事ではハロウィンが印象的で、その日はみんなが仮装して登校する伝統があります。
―― ICU高校から大学への内部進学は多いのでしょうか?
ICU高校から大学への内部進学は、全体としては3分の1程度だと思います。内部進学の条件は全体的に緩やかで、私のクラスでは半分くらいがICUに進学していた印象です。内部進学の評定平均の目安は3.6以上、あるいは3.8以上と言われていました。
―― ご自身は内部進学や推薦を検討しましたか?
私は受験の決断を引き延ばしたかったので、最後まで一般受験でいくつもりでした。
理系から文系への転向と受験対策
―― ICU高校の学生の文理の比率や選択についてはどうでしたか?
文系がやや多いですが、理系も一定数います。理系では生物選択者が多く、物理か生物かを選ぶ場面では生物を選ぶ人が多かった印象です。
―― 理系から文系に進路変更した経緯と、そのプロセスを教えてください。
大学では理系の学問をやりたいと思い、受験対策としては物理、化学、数学を中心に勉強していましたが、成績が思うように伸びず、受験勉強も苦戦していました。そんな時、母がICU大学の赤本を買ってきてくれて、試しに解いてみたところ、自分に適性があると直感しました。唯一面白く解ける問題で、「自分にはリベラルアーツの方が合っているかも」と思い、文系への転向を決断しました。
―― 受験対策として取り組んだことは?
文転すると決めた翌日にはオンレクを受講し始めました。実際、過去問は新旧問わず非常に役立ちました。
―― 文系に切り替えてから苦労したことと、その対策は?
オンレクで過去問を解いていくと、世界史、日本史、政治・経済など知識系科目の基礎が全然足りないことに気づきました。そこで、とにかく歴史と政治経済の教科書や資料集を端から端まで読むことから始めました。
―― その中で特に役立った教材はありますか?
『山川歴史総合用語解説』はとても役立ちました。理系出身の人にもおすすめです。
ICU入試受験の実際と対策
―― ICU入試の出願や、併願校について教えてください。
ICUの入試は自然科学の併願は選択せず、人文・社会科学に集中しました。併願で日英バイリンガル面接利用にも出願しました。その他の大学は、高校の先生とも相談し、共通テスト利用で受験できる津田塾や獨協などを併願しました。
また、2025年度はICUの入試が2月1日で、第一志望のICUが最初の試験になることを避けるため、聖学院大学を1月25日に受験しました。
―― 英語外部試験利用ではなく、日英バイリンガル面接利用を併願した理由は?
IELTSのスコアは持っていたので英語外部試験利用も可能でしたが、オンレクでICUの過去問を解きまくり、英語に関してはICUの問題で十分得点できると分かったため、ICUの英語試験が利用できる日英バイリンガル面接利用で併願しました。
―― 一般選抜の併願の結果は?
ICUは一般選抜の人文・社会科学選択で合格し、日英バイリンガル面接利用も一次に合格しました。ちなみに日英バイリンガル面接利用は二次を辞退する手続きを忘れていたため、後日、二次不合格という結果が出願サイトで表示されました。忘れずに二次辞退の手続きをした方がよかったと後から思いました。
―― 2025年度入試のATLASの変更点と対策について教えてください。
2025年度からATLASはパート分けがなくなりましたが基本的にはオンレクの過去問通りだと思っていいです。今回は最初の20問くらいは比較的簡単な問題で後半ほどやや複雑な問題が出ていたような気がしました。オンレクの過去問演習は引き続き有効です。
ATLASの放送のメモの取り方は人それぞれかもしれませんが、私は細かくメモを取ることで対応していました。
―― 英語リーディングとリスニングの対策はどうされましたか?
英語リーディングは45分以内で全問解き、見直しの時間も確保していました。息抜きに英語の本を読むこともリーディング力向上に役立ちました。
リスニングは2025年度からパート3の講義が2つになるという変更がありましたが、難易度はオンレクの過去問と変わらない印象でした。試験会場では隣の受験生の音も聞こえるなど、環境音に影響されることがあるので、カフェなどで一度練習してみるのもおすすめです。リスニングは集中力の勝負かもしれません。
ICUのキャンパスライフと寮生活
―― ICUに入学してから印象的だったことや寮生活について教えてください。
ICUの大学はICU高校と比べても、さらにグローバルな環境です。授業以外でも英語で会話する機会があります。
先日は「Bible Study」という企画で、キャンパス内にあるICUの先生のお宅でカレーをごちそうになるイベントに参加しました。慣れている4年生は先生の家でとてもくつろいでいたのが印象的でした(笑)。
ICUの寮生活は快適です。私は3月29日に入寮し、4月1日の入学式の数日前から新生活が始まりました。入寮してすぐに履修登録の説明会や、先輩たちによる履修対策会が開かれ、GPAを維持するためのコツや授業選びのポイントなど、実践的なアドバイスをもらえました。奨学生はGPA3.0を維持しないといけないので、上級生のアドバイスはとてもありがたかったです。新入生にとっては、寮に入ることでいち早く大学生活の情報が手に入るのは大きなメリットだと感じました。
―― ありがとうございました!
