ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2004(20) - yutamana(一般)

1. お名前

yutamana

2. プロフィール(出身高校、予備校、趣味、サークル、特技など)

北海道立室蘭栄高校→北海道立札幌東高校2年次編入→アメリカ・ウィスコンシン州Shorewood High Schoolに1年間交換留学→宅浪

一応の帰国子女です。幼少期はデンマークで、また高校時代の1年間をアメリカで過ごしました。日本ではそこそこの進学校に通うごく普通の高校生だったと思います。ただ日本の高校ではおとなしかった分、アメリカではハジケてました(笑)コーラス部のコンサートでフランス行ったり、ミュージカルに出ちゃったり、運動神経悪いくせに野球クラブ入ってミシガン湖の近くで真夜中に友達と野球してたら警察につかまって強制送還寸前までいったり(笑)とにかく遊びほうけてました。

趣味:イタリアンレストラン巡り
特技:きき寿司
好きなアーティスト:アヴリル・ラヴィーン、ビートルズ、カーペンターズなど。 スポーツ:小学校の時は乗馬とアイスホッケーやっていました。あとテニスや卓球もやってましたね。ただ個人的にスポーツは得意ではないです。
尊敬している人:JFK,キング牧師、ジャネット・ランキンなど。
その他:一応オーケストラにも入っていましたがバイオリン演奏というよりは専ら編曲を勉強していたような感じでした。本も好きですが、あまりに堅苦しい本よりは軽い感じの本が好きです。宮部みゆきさんの本とかがちょうどいい感じです。最近読んだのは小澤征良さんの「終わらない夏」かな。

3. 合格年度、学科、第1志望、第2志望学科

年度:2004年一般入試
合格:教育学科
第1志望:教育学科 第2志望:社会科学科

4.併願校

 国立 東京芸術大学 音楽環境創造学科 出願のみ
 私立 慶應義塾大学 総合政策学部 出願のみ
      明治大学  政治経済学部 ○
      立命館大学  政策科学部 ○
      獨協大学 外国語学部 フランス語学科 ○

5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

ICU自体はかなり前から知っていました。確か学校の先生がちらっと「こんな学校もあるよ〜」みたいな感じで紹介してくれたのが最初だったと思います。
 実は高校入学したくらいから音楽系の大学に進学して編曲を学ぶことを考えていました。しかし留学中に行ったいろいろな活動が原因で編曲のほかにもやりたいことがたくさん出てきてしまい、思い切って進路を再考することに。結論として、音大受験は最難関の芸大に玉砕覚悟で突っ込み(結局受けませんでしたが)、私大では編曲以外の自分の興味にあった大学をいくつか受けることにしました。やりたかったことは大きく分けて「国際教育」「心理学」「政治学」「経済学」「歴史学」「法学」「フランス文学」といった感じです。バラバラですね(笑)家もそんなに裕福ではないので、親からの仕送りの額や学校の奨学金の額などともあわせ、上記のような大学を受けることになりました。何はともあれ自分のやりたいことがすべて網羅されているICUに合格できてよかった・・。

6.ICUに期待するところ

 ICUは良くも悪くも「ツワモノぞろい」であると聞いているので、自らが心から「すげー!!」と思える人に出会ってみたいです。あと少人数制でクラス内の絆が深いそうなので、勉強を通じて一生付き合っていけるような友達にも出会いたいな、と思っています。学問の面ではELPはもちろん、様々な分野の勉強を積極的に取り組みたいと考えます。ディスカッションなんかもいっぱいしてみたいですね。ただ苦学生する覚悟なので連日の飲み会はちょっと・・(笑)

7.受験対策

a.願書(願書に書いた志望動機、関心持っていることがらなど。)

 たいした志望動機があったわけではありませんでしたが飾らずに自分に正直に書きました。アメリカで編曲を勉強したかったが留学した影響で音楽学以外の分野に興味をもつようになったこと、ICUの魅力etcなどなど。あと奨学融資制度などに見られるICUの全人教育のすばらしさなどにも触れました。

b. 一般能力考査

SATはけっこうな時間をかけて対策しました。SPIの対策本や公務員試験の図形の分野などは一通りこなしたと思います。あとは高校の国語の教材であった便覧などで基本的なことわざ、四字熟語、枕詞をこつこつ覚えていきました。

 たぶん皆さんのなかではSATを軽視している人が多いかと思いますが、この考査では差がつきにくい分高得点を取ってしまえばあとが楽です。BUCHOさんがおっしゃるように、ひたすらことわざを丸暗記するようなことはする必要がないと思いますが、最低限基本的なものは抑えておくべきでしょう。あと盲点となるのが図形の問題と数学の問題です。これを即座に捨ててしまう人が多いと思いますが正直もったいないです。図形の問題は出るものが決まっている(サイコロか四面体か八面体の辺・点と重なり合うもの)なのでちょっと練習すればみるみるうちにとけるようになります。数学の問題も数�TAのきわめて簡単な問題なので、組み合わせや数列、二次関数の分野などをざっと復習しておくだけで点が取れます。この2つの分野で点が取れてしまうと他の受験生と差をつけることが出来ると思います。

あともう一つは、最後まであきらめないことです。最初に「全然わかんねえ!」と思った問題でも、問題を解いてくにつれ脳が活性化され答えがひらめいてくることがあります。一瞥して適当にマークするのではなく、まずパスしてあとで戻って考えてみるのが良いかと思います。適当にマークするのは残り10秒とかで間に合いますから・・。ちなみに04本試の僕の手ごたえは8割5分〜9割といったところでした。

c. 人文科学考査

今年のテーマはジェンダー論。ありきたりの視点ではなく、世界の民話・物語とからめたICU独特の切り口で論じていました。個人的には結構難しかったと思います。ただ救われたのは、本文を通じて筆者の論旨が一貫していたということです(つまり筆者のいいたいことがひとつであったということ)最初は筆者のもちだす例に惑わされましたが、筆者の主張に気づいてからはすんなり読み下すことが出来たように思います。

さて、人文・社学問題の解き方ですが、僕は最初に本文を15分で通読すると決めていました。そのなかで段落ごとに頭の中で要約を作ったり問題用紙の端にメモを取りながら例示に隠された筆者の主張を丸裸にしてしまいました。段落ごとに解いていくやり方もアリかな〜と思ったんですが、問題文の流れと解答の流れが一致するとも限らないし、また全体を通しての論旨を問う問題が出たときに対応できないかな、と思ったんで、僕は先に本文を通読するやり方を選んでいました。

ICUを受ける人ならみんなある程度読解力があると思いますが、意外に苦労するのが選択肢の消し方ではないかと思います。ICUはかなり独特なダミー選択肢を出してきており、僕は選択肢をなかなか消すことができませんでした。ただ本文の論旨を理解していると解ける問題を正解するだけで6〜7割くらいは取れてしまうと思うので、その辺で正解を積み重ねてしまうのが得策かと思います。ちなみに僕が行った紛らわしい選択肢の消去法は、まず2つに絞ってからどちらがより全体として本文の論旨に合致しているかを判断するというものです。ミクロに選択肢を見るよりはあくまでマクロに見て消去していました。これがよい判断であったかどうかは誰にも分かりません。

人文・社学通じて僕が使用した教材
(共通)
出口の現代文シリーズ
出口の国語・レベル別問題集3〜5
田村の難関私大現代文1・2
早稲田大学・同志社大学・立命館大学・センター試験の過去問(紛らわしい選択肢を含むものを厳選)

(社学オンリー)
「日本の論点2003」
センター試験政治経済が面白いほど解ける本
マンガで覚える世界史

これに加えてオンラインレクチャーをこなしていました。

d. 社会学考査

 今年の社学のテーマは「普遍主義と平和」でした。平和にまつわる様々な思想家の考えとそれに対する筆者の考察という感じで論が進んで行きました。論旨が明確であり、内容はかなりつかみやすかったように思います。ただ知識問題が10個弱出題されており、難度がかなり高いものも含まれていました。僕は読解系はほぼ満点、知識問題でかなりつまずいたかな、といった感じでした。1948年国連で採択されたものを「国際人権規約」(正解は世界人権宣言)、グロチウスが国際法を作るもととなった戦争をユグノー戦争(正解は三十年戦争)と誤答した時点で僕はICUに落ちたな〜と思いました(笑)解き方云々については人文科学のほうで。

e. 英語学習能力考査

英語リスニング これに関して僕は留学経験者ということでかなりのアドバンテージがあったので何もいうことはできません。本番では1,2問ミスくらいだったと思います。 個人的にICUのリスニングに関して言えば留学経験がなくても十分9割の得点率を目指せると思います。おそらく一番効果的なのが「シャドウイング」という方法かと思います。まずBUCHOさんのCDでも何でもいいんでそれを聞き、聞こえた英語をつたなくてもいいんでしゃべってみてください。これを繰り返すことで確実に英語を英語で理解できるようになる(そうです)ちなみにリスニングと速読はかなりの相関関係があるので、リスニングを鍛えておくとリーディングにも役立ちます。

英語リーディング  今年の問題はかなり難しかったように感じました。少なくとも昨年、一昨年よりは確実に難易度が上がったと思います。対策としては、TOEFL教材をやることと、SFCの過去問(受験しませんでしたが)をやっていました。SFCの空欄補充・客観問題ともに受験英語のなかでは間違いなく最高難度なので、これが解けてしまえばICUの問題はちょろいものです。穴埋めは先に全体を読んでから文法系をさきに埋め、流れをつかんでしまってから他のものを埋めていきました。手ごたえは7割くらい。リスニングにくらべれば確実に悪かったような気がします。

ICU英語の語彙については賛否両論だと思いますが、やはり語彙力があったほうが文章が読みやすいのは事実です。ただ、ひたすらに単語帳を何冊もやって覚えるよりは、基本的なもの(ターゲット1900とか)を一冊完璧にして、あとは長文を読んでいくなかで出てきた未知の単語をそのつど覚えていくのがいいと思います。

f.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)

 

人文・社学はいくら対策してもどうしても答えられない難問・奇問(悪問?)が存在しますが、そういったものは無理して答えなくてもよいと思います。普通に本文の論旨を理解してれば解ける問題が大半なので、それらを正解して平均点よりちょっと上くらいを取れれば上々だと思います。英語とSATで高得点を取っておけば人文・社学が平均ちょい上くらいでも普通に受かります。英語・SAT(特に数学系・図形系)をガンガン対策してしまいましょう。

過去問は手に入るすべてのものをこなしたほうがよいと思います。特に人文・社学は選択肢の消し方などを研究するためにもやりこむことをお勧めします。きっちり時間を計って(人文・社学60分、英語リーディング30分穴埋め30分など)やっておきましょう。あと人文・社学はどうしても得点が上下してしまうと思いますが、気にすることはありません。僕もオンラインレクチャーで5割〜9割みたいな感じでしたが受かりました。あと点数だけを気にして解いたものをほったらかすのはよくないです。間違ったところはどうして間違ったのか、解法のプロセスを研究して1問でも分からない問題をなくすように心がけましょう。

当日はなるべく早く会場に行くことをお勧めします。僕は7:45に会場につきました。そしてリラックスしたなかでもう一度過去問を見直すなどをしておいたほうがいいです。休み時間とかに大声で答え合わせをしている人がいますが、そういうスットコドッコイからは離れましょう。あとは粘り強く、最後まであきらめないことが大切です。適当にマークするのは本当にあと10秒とかで間に合うので、それまでは粘ってください。最後の10秒に答えがひらめくかもしれません。そしてその一問が合否を決める・・??

最後に受験全体に関するアドバイスがあります。「うちはお金がないから国公立にしか行けない」と言っている人をよく見かけますが、はっきりいってそんなことはありません。私立によってはかなり奨学金を充実させているところもあり、その気になれば国公立より安い学費で通える大学も存在します。たとえば慶應やICUは、奨学融資という形で希望者全員に学費を無料貸与する制度があり、卒業後堅実な職につけばそれほど無理することなく返還できる程度の額の奨学金を借りてしまうことが出来ます。あと明治や立命館は入学する際の成績が良ければ学費はすべて免除になりますし、学期ごとの成績優秀者に奨学金を給付する大学もあります。もちろん安易に奨学金に頼ることはお勧めできませんが、自分が本当に学びたい大学が国公立ではなく私立に存在するなら、単純にお金がないからといってあきらめるのではなく奨学金などいろいろな制度を調べてみることをすすめます。奨学金は確かに借金です。しかし自分の望んでいた学生生活を手に入れるための「未来への投資」と考えることもできます。奨学金を借りると気合も入りますしね。

8. 最後に一言

僕は決してガリ勉君ではありませんが、勉強しなければ大学には合格できません。まず何よりも勉強しましょう。その気になれば1日15時間くらいできるはずです。1日15時間やる覚悟があれば、受験まで半年しかなくても、予備校に行ってなくてもなんとかなります。実際僕は何とかなりました。

あと親への感謝の気持ちを忘れないでください。僕も家がそれほど裕福ではなかったにもかかわらず結構無理を言って留学してしまったり、そのほか親にはいろいろ迷惑をかけてしまいました。今になって思うのは親がいたからこそ今の自分があるんだなあ、ということです。皆さんも自分で気づいていないだけで何かと親の世話になっていると思います。受験期はそういうことを実感する時でもあると思うので、ぜひ親には感謝の気持ちを持ち続けてください。

その他、何か受験に関する質問などがあればぜひメールください。暇を見つけてできる限りのことはお答えします。