ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2005(8)-スモーキーブラウン(編入)
1. お名前、プロフィール
<お名前>
スモーキーブラウン
<プロフィール>
高校卒業後アメリカのcommunity collegeに2年在籍し、帰国後1年以上フリーターをしてから出願した。予備校は一切通いませんでした。ICU外でバスケのサークルのようなものに参加しています。入学後は何かしらのサークルに参加したいと考えています。
2. 合格年度、学科、第1志望、第2志望学科
年度:2005年一般入試(転入本科(ICU編入))
合格:教育学科
第1志望:教育学科 第2志望:人文科学科
3.予想得点
一般能力:6割
人文科学:5割
社会科学:7割
英語読解:8割
英語聴解:9割
4.併願校
ICUの9月入学のための出願準備を同時進行していました。準備が整う前に合格がわかったので、出願はしていません。他の大学はなし。
5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
海外の大学で2年度までの単位を修めて、休学し、帰国。帰国直後は、必要な学費を用意してから海外の4年制大学へICU編入(トランスファー)しようと考えていたが、国内の大学も視野に入れてリサーチしていたときにICUを知った。
ICUを選んだ理由は、奨学金制度に頼れそうなことと、海外の大学の単位が移行できそうだったことと、リベラルアーツ教育であるから。
6.ICUに期待するところ
図書館の快適さ。あとは、日々の驚きや発見。
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>
学科の壁を超えた科目選択に魅力を感じたと書きました。あとはICU祭に参加したときの感動を具体的に書き、刺激の多い大学生活で学びたいと書きました。
<2.ICUで何を学びたいかを志望学科と関連して簡単に述べ、また将来の志望とその理 由を述べてください。>
望学科で何を学びたいかを素直に書き、それを通して将来の志望に自分の専攻分野からどのような働きかけができるのかをICUで見極めていきたいと書きました。
<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>
あるコレクションをしていることを打ち明けた。それをいつか何かに使えるんじゃないかともくろんでいることも打ち明けた。
b. 一般能力考査
本番では、とにかく時間がないのを知っていたので、全くわからない問題(知識問題含む)と、とても時間がかかりそうな問題(特に数学の計算)は全てバツ印をつけて飛ばしました。後でまた見ようと思っていたのですが、結局90問目くらいまで見て時間がきたので、おそらく20問以上は空欄のままで終わってしまいました。
出題傾向はほとんどおぼえてないのですが、化学の元素記号の問題が全然なかったような気がします。あと、類似の問題で、あの公害病にはあの人が活躍しましたが、この公害病では誰が活躍しましたか、みたいな問題がでていました。図形の回転の問題が面白かったです(宇宙船みたいなやつ)。
出来があまりよくなかったであろう私の対策ではあまり参考にならなさそうで申し訳ないのですが、いろはうたと化学の元素記号を憶えたことと、赤本の一般能力考査を8回解いたことと、センター試験の数I・Aの勉強をほんの少しだけしました。
c. 人文科学考査
どんな問題文だったか既に忘れてしまいました。設問の順番が大変ランダムでした。対策としてやっていたことは、過去問をいくつかBUCHOさんのページでプリントアウトさせていただき(感謝!)、解いたことくらいです。
その結果、私は問題文のひとつの章を読むごとに設問に解答するとやりやすかったです。一番苦手でどうしようもない受験科目だったので、本番の手際だけで勝負しようと思っていました。本番では、開始したらまず問題文の各章の最初の文章だけを読み、次に人物名と作品名を全てサークルで囲いました。そうしたら設問に目を通し、作品名や人物名を見つけてサークルで囲い、大体の問われている位置とどんな問題があるのかを把握しました。それを2分以内で済まし、あとは各章を読むごとに設問を見て、バラバラにバブルを埋めていきました。
d. 社会科学考査
社会科学で受験しました。今年は家庭での分業(ケアを誰がするのか)について書かれていました。家族の形態の遷移を論じ、女性の雇用問題を論じ、外国でのケアの実態を取り上げ、何が望ましいだろうか考えさせるような問題でした。私の敬愛する上野千鶴子さん(らしき人)が文章内で引用されていて嬉しかったです。設問は、最初の10問が2つの文の正誤を掛け合わせて4つの選択肢をつくり(両方合っている・片方合っている・両方間違っている)、問題文から判断させるという形でした。11問目からは比較的素直な順番で並んでいたような気がします。
人文科学同様の手順で臨みました。私のとった対策は、同じく過去問を解き、それをもとに、どの方面の知識を補うべきか考えました。図書館に頻繁に通い、色々な本をパラパラ読みました。また、新聞の社説を興味があるものだけ読み、「天声人語」も毎日チェックしました。世界史の教科書を第二次世界大戦以降の部分だけ熟読しておきました(正直これだけでは意味があまりなかった)。おさえておいた方がいいかもしれないと思った知識は知恵蔵や人名事典やインターネットのキーワード検索でカバーしていきました。
e. 英語学習能力考査
2年間英語圏にいたので、ある程度の下地がありました。リスニングについては何も対策をしていなかったので有効な手段がわかりません。海外ドラマ(SATC)をたまに英語で見ていました。9月入学用にTOEFLを毎月受けていました。テスト形式はTOEFLに非常に似ていると思います。
リーディングは難しかったです。私はPartII(穴埋め)から始めたのですが、時間が足りませんでした。穴埋めは文脈がわからないと答えられない箇所があるので、無理に埋めずに後でまた判断するとよいと思います。また、文の構成要素の決まりごとを熟知していると点数アップにつながるような気がしました。基礎であるのはわかっているのですが、複雑な文構造をしていると私の場合見落としがちになっていました。対策は赤本とTOEFL用の文法とリーディングの教材に手をつけていました。また、SAT Iという英語の試験も受けていたので、その対策としても英語を頻繁に読んでいました。内容は読書をしないことへの懸念についての長文しか思い出せません。
f.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)
とにかく試験での時間配分は大切だと思います。私は人文科学の過去問で、1つ、約3時間かけて解き終えたことがあります。とても焦りました。私のように文章を読むのが遅いと自覚している方は、是非是非限られた時間の上手な使い方を模索することをお勧め致します。
また、赤本を3年分解き、どの科目が弱いかを知っておくことで計画を練りやすくなるかと思います。赤本を解くことは、敵を知る作業であり、おのれを知る作業でもあると思います。当日の合間の時間は赤本を読んでいました。
当日は教室が非常に暑かったです。窓を開けていても暑かった。体温調節にはくれぐれも注意してください
8. 最後に一言
本は素晴らしい。サイードもチョムスキーもデリダも上野千鶴子もスーザン・ソンタグも。勉強の合間に何か読んでみるといいかもしれません。もちろん、興味のあるものを。