ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2011(35) -cassiopeia-
1. お名前、プロフィール
<お名前>
cassiopeia
<プロフィール>
某都立高校→某大手予備校
2. 受験形態
一般入試(センター無し)
3.予想得点
リベラル得点 = 5割
人文科学得点 = 7割
社会科学OR自然科学得点 = 6割
英語リスニング得点 = 7割
英語リーディング得点 = 8割
4.併願校
早稲田大学文学部/文化構想学部(受験せず)
慶応大学文学部(受験せず)
明治大学文学部(受験せず)
同志社大学文学部
5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
高2でICU祭に行って受験を決めました。浪人してリベンジ。オンレクには2年間お世話になりました。
6.ICUに期待するところ
ELP。
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>
ICU祭で受けた体験講義で聴いた尾形光琳についての講義が興味深かった。日本文化を世界的視点から研究したい。そのために海外の資料を読み込む英語運用能力をつけたいのでELPに魅力を感じた…趣旨のことを書きました。
<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>
上と似たようなことを書きました。
<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>
高校の部活の管弦楽部でバイオリン・パートを担当、そこでの経験を生かしたい。
b. リベラルアーツ学習適性
中学卒業程度の知識、+数IA程度の計算能力が必要です。がらっと傾向が変わることはなく毎年出ている問題が形を変えたり分量を増やしたりして出題されます。知識問題については定番の問題に絞りオンレクの過去問を利用しましょう。情報処理系の問題はオンレクで対策をやっている者にとって強みと成ります。必ず身につけましょう。
数年前に問題が80問に減って以降は単純な知識問題が減って、解答に至るプロセスが複雑な思考能力重視型の問題や、数学の問題が増える傾向にあります。例年出続けていた定番知識問題が出題されなかったケースがあるので今後の傾向には注意です。
今年は計算問題が例年より難しく(というか時間がかかり)まともに解いていたら絶対終わらないという意見が散見されました。これらの対策としては、必ず時間内に80問解く力が必須です。1問1問の重みは同じだからです。つまり仮にできても時間をかけないとできない問題を「飛ばす」力を演習を通して身につけることが大切です。
c. 人文科学
場数を踏むことが最重要です。社会科学に比べ資料文の質、問題の質は年度によって相当なバラツキがあるのでみんなが取れる問題を取りましょう。できなくて良い問題もたくさんあります。
d. 社会科学
去年に続き2年連続で政経に関する知識問題がなんと半数近く出ました。今後もこのような傾向が続く可能性があるのでもはや知識問題は無視できません。知識問題にも、資料中の細かいデータ等を問うものと新聞を読んでいれば分かるものの2種類があります。新聞の経済面と政治面は読んでおくことをおすすめします。
また社会科学は比較的なじみやすいテーマの問題が多く、高得点での勝負になることが多いため、あまり大きな失敗はできない教科です。
e. 英語(リスニングを含む)
<リスニング>
近年は問題数が少なくて一問一問の比重が大きく、会話問題もPART?V講義問題も長くなる傾向にあり、TOEFLに限りなく近づいています。「TOEFLテストITPのリスニング完全攻略」(アルク出版)はおすすめです。過去問は2007年以降の問題、特にPART?Vに重点を置きましょう。
PART?Tは解答する時間が短く、吟味している時間は殆どありません。やりとりに集中してテンポ良く答えるリズムを身につけること、設問文をサッと読む力が必要です。PART?Uは比較的余裕があります。PART?V講義問題についてはやりとりに集中して5W1Hをつかみ、詳細は分からなくとも5問中話題のアウトラインを問う3問は取る姿勢で受けることが大切だと思います。
<リーディング>
ここ5年ほどは段落が多く多少長文化しています。問題傾向はパラグラフの要約、主題を問う問題、パラグラフ間の関係を問う問題等TOEFLの傾向に近づきつつあります。対策としては、過去問15年分を繰り返しやると同時に、トフル的問題に慣れることにつとめました。慣れないと、英文を読めたと思っても設問の選択肢と趣旨を的確に読んで答えないと引っかかることがあります。「TOEFL(IBT)テスト完全攻略リーディング」(アルク出版)には戦略的リーディングの方法論が書いてあるので参考にすることをお勧めします。(ITP版もありますがより詳しく書いてあるのはIBT版です。)
f.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)
全体
ICUの入試のポイントは、
(1)すべての教科で7割がとりあえずの目標。
(2)すべて7割が無理ならどこかで高得点で稼ぎ苦手科目をカバーする。
という2点だと思います。特に英語で9割近い高得点が狙えれば勝算は高そうです。合格体験記を見るとそういった方が大変多いです。またある教科で大幅に減点されないためにはみんなができる問題を確実に取ること。難問奇問を取る必要はありません。自分にとっての難問はみんなにとっても難問なのです。
リスニングは、運動能力とも言える聴解力が重要です。一朝一夕に身につくものではないので、対策を始めるのは早ければ早いほど良いです。また、TOEFL IBT対策の単語集は学術用語が載っていて、リスニングには役立つと思います。
現在社会の科目選択がまだの方は政経か世界史をおすすめします。特に政経は2年連続、多数出題されていて無視できません。もちろん日本史選択の方でも求められる知識は基礎的なものが多いのでBUCHO対策で十分ですが、センターレベルの参考書を一冊やると違うと思います。
8. 最後に一言
2年間オンレクにお世話になる中で見えて来たこと感じたことを長々と書きました。これから受験されるみなさんの少しでも役に立てれば幸いです。
私が1年目落ちた理由は英語がボーダーに届かなかったことでしたし、今年もめちゃくちゃ苦手な理系問題は最後まで出来ずじまいでした。
それでも自分に出来る分野は精一杯やり、本番でも社会科学に失敗した午前中の落ち込みを引きずらないで人文科学と英語で耐えました。諦めないことは受験勉強においてもちろん大切ですが本当に大切なのは本番においてです。
ICU入試は一見すると満遍なくとることを要求され、英語ができて当たり前という印象が強いですが、それはあくまで大学側が求める理想像であってすべての受験生がそうであるわけではありません。入試は偏差値換算なのですから、苦手があるならそれを補えばよいのです。入試当日、最後の試験が終わるまで諦めないで下さい。
長文駄文失礼致しました(m_ _m)