ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2018(4) ギオルギウスさんの場合
1. お名前、プロフィール
<お名前>
ギオルギウス
<プロフィール>
中国出身で、高校も母国のほうで、バリバリの外国人です。予備校は通っていません。趣味はパソコン弄り(ソフト・ハードとも)、電子工作、ドライブなどです。特技は…ありません。強いて言えば世界地図の暗記だの絵描きが少し得意だの三ヶ国語ができるくらいでしょうか。
2. 受験形態
転入本科
3.予想得点
人文社会または自然科学得点 = 六割?
総合教養得点 = やや高いほうかも
英語リスニング得点 = 五割?
英語リーディング得点 = 七割?
4.併願校
上智
立命館
5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
とある先生から進められたのです、ICUが国際的だの。自分はアメリカに留学した経験があり、調べたらすぐにICUの独特さに惹きつけられました。
6.ICUに期待するところ
専攻以外に文理問わず幅広く学べること、色々なタイプの人と出会えて奇妙な化学反応が期待できること…でしょうか。
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>
とある先生からICUの存在を教えられ、調べたら、英語での授業、文理問わず幅広く学べ、少人数などの特徴に惹きつけられました。更に以前取得した単位が認められるのもすごく魅力的です。TOEFLも頑張って、AB方式併願でチャレンジさせていただきます。
<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>
高校で文系を学び、アメリカで理系を学んだ経験の故か、特に「学際」的な分野に興味があります。またはコンピュータと問題解決のオプティマイゼーション思考がずっと前からの趣味なので、情報科学(特に自然言語処理、マシーンラーニング、データマイニングに関する知識)を軸として、経営学(オプティマイゼーション)、社会学(不特定パラメータ)、政治学(コンストレイント)を学び、情報科学で実社会の問題を解決する手法について勉強したいです。ICUは語学が特徴ということで、勉強した成果を三ヶ国語で応用できる礎を在学の間で定めたいと思います。
<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>
地理が得意で、地図・国などに詳しいです。(外国人として)日本語が得意で、アメリカに居た時にJFLAでボランティアとして活動しました。情報収集・分析・問題解決のコンサルティング手法(自称)が得意です。有機化学、特に芳香族に詳しいです。絵描きが得意です。趣味はパソコン、電子工作、ドライブなどです。
a. 自然科学
今年は本当になんとも言えませんでした。化学が得意(自称)であっても化学の試問の新奇さに呆れました。ジアステレオマー(シス・トランス異性体)を勉強した当時に少しくらい立体配座の知識をサラッと見たことがありますが、まさか今回は全篇がこれを展開して出題するなんて誰ぞ思いつけるものでしょう。故に試験後頭空っぽになるくらいぼーっとしました。物理は浮力だの電磁だのしかぼんやり覚えていませんでした。
b. 総合教養(ATLAS)
よく出来た科目かもしれません。しかしここは言う、予想より全然出来ていませんでした。そもそも聴解に弱い(日本語のnativeではありませんから)のにICUのスピーカーの音質はまじで(Fワード)悪いです(nativeの皆さんにこういう感覚がないかもしれません)。しかも20分くらい(今回は時間の残りで確か15分より長いはずだった)の長文、ディクテーションは殆ど出来ませんでした。おまけに最後の自然科学パートは殆ど疎しい光学の問題で、試験後のオ・ワ・タ感が半端ないでした。但し結果から見れば多分読解パートが良く出来たのでしょうか。勘が良いかもしれません。元々自然科学が失敗した(と思った)のでATLASでB方式狙いでした。結局ABともに合格しました(Bは第一次選考)。
c. 英語(リスニングを含む)
<リスニング>
もう一度言うICUはスピーカーの音質がまじで(Fワード)悪いです。TOEFLのリスニングで練習した時基本的に聞き取れたのに、ICUの試験中は殆ど聞き取れませんでした。音質はどのくらい悪いと言うと、脳に到達したのが「内容」でなくて「音波の変化」としか認識できなかったくらいです。仕方がなく内容の聞き取りを辞め、キーワード逆引き戦術に転換しました。どのくらい出来たのか分かりませんでしたが。
<リーディング>
速度がポイントです。昨年から4テキストになるため長文読解に慣れなければスムーズに完読するのは到底不可能です。語彙が得意で日常もそれなりに英語の記事を読んでいるわけか、リーディングに自信があって練習はあんまりしませんでした。ズバリ言うと、油断しました。結局キーワード逆引き戦術でも間に合えず、2問くらいできませんでした。もっと本気で練習したほうが良かったのです。
d.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)
自然科学に関してはおよそ半分は基礎が良く出来れば確実にできる問題です。残りの半分は個人次第です。故に何れの参考書でも良いから基礎を良く叩き込め、確実に掴めるものを掴みましょう。私は『理解しやすい』とEJU(日本留学試験)の過去問で基礎をカバーしました。EJUはセンターよりも分かりやすい(難易度がほぼ一緒だが出題の文は外国人にも分かりやすいようにアレンジしたという意味で)のでセンターの練習で基礎をカバーしても問題ないでしょう。残りはICUの過去問です。ICUの試問は一体基礎以外何を考察したいのかを過去問をやりながら常に自分に問いましょう。あとは、プロクラスティネーションはダメ、絶対。
8. 最後に一言
合格できるとは思いませんでした。然しABともに合格しました。しかも外国人として。基礎を固め、スケジュール管理を良くし、過去問をやり遂げ、パーフェクトにまだまだ達していないと思っても、合格するチャンスは絶対にあります。救済が勤勉とは無関係だったと言っても(ATLASのネタ)、納得させる結果が与えられるのが世の理です。私は『孟子』の言葉を壁に貼り、苦しい時、希望が見えない時、これを見ます。「天将降大任于斯人也、必先苦其心志、労其筋骨、餓其体膚、空乏其身、行払乱其所為、所以動心忍性、増益其所不能。」(余談:『高校生クイズ』で漢文が出題する度に下で評論する先生はよく「中国人でも読めない」と揚々とコメントしますが、普通に読めます。)