高校卒業認定(大検)からのICU入試合格
今回は高卒認定試験を経てICU(国際基督教大学)に一般入試で合格した、オンラインレクチャー受講生のshさんにインタビューさせていただきました。
(ICUを受けるまでのいきさつを教えて下さい)
はい、少々長くなります(笑)。
中学時代いろいろあって、高校には通信制のクラスに入学したもののほとんど行かず、就職しました。
就職先はお肉屋さんで、そこで3年ほど働きました。
その後いろいろ周りの事件などもあって、禅寺で禅の修行するようになりました。
元々神奈川なので、臨済宗の円覚寺です。
禅の修行をしている内にいろいろと学ぶところがあって
このままではいけないなと思うようになりました。
でも、今の自分に何ができるのか、高校も出ていないし、
さあどうしようと言うときに、大学に行こうかなと思い始めました。
大検を受けたのが2年前の9月、その後受験勉強しようかなと思ったのが、2月の後半から3月の初めですね。
ちょうどICU入試受験の1年前です。
英語だけはやらないと大学にはどこにも受からないので、とにかく英語から始めました。
それこそ中学英語からでした。
(なるほど、それではまず英語に関して伺います。思ったより短期間ですね。)
それ以前に大検(高認)に向けて勉強していましたが、本腰を入れた受験勉強は1年ですね。
1年間はバイトとかしていないで、受験に集中しました。
一日のほとんどを勉強に費やせたのが大きいです。
(それにしても短期間ですね。英語はどのような勉強をしたのですか?)
英語はいずれにしても必要だと思って、たまたま近所にあった、
外国人の先生がやっているマンツーマンの英語塾に通いました。
英語はそこでの授業と、大学受験の参考書を使った独学での勉強ですね。
英語塾の授業では、毎回ディスカッションがあって、それに向けて資料として多くの
ペーパーバックの本を読みました。
(本を読むのはどのくらいのペースですか?)
2週間に1冊ですね。初めはごく簡単な本から、段々難しい本という感じで
先生がいろいろな本を紹介してくれました。
比較的薄くて読みやすいOxford大学出版のVery Short Introductionシリーズなどが多かったですね。
今も当時読んだ一部の本はICUの寮の部屋に置いてあるので、写真を撮ってご紹介します。
(いきなりペーパーバックとか読んでも分かるものですかね?)
最初は分からない部分があっても、読んだつもりになって読むようにしていました。
もちろん先生が内容や読み方は教えてくれましたが、
とにかく実際に本を読んで量をこなすことが大事だと思います。
後は毎回ディスカッションのテーマが与えられて、とにかくしゃべるように言われました。
結構重いテーマも多かったです。死刑廃止とか中絶とか。
それに対するテーマを資料を紙や本でもらって、課題として読みました。
メイントピックとかに赤線を引いてくれて、ここだけは理解しようとか。
ディスカッションでは、先生は必ず自分と反対の立場を取るという形でした。
(いきなりやるのは大変そうですね)
それこそ単語を並べるところからでした。やっているうちに段々しゃべれるようなりました。
後は書くのがとても勉強になりましたね。
文法とか細かい話しはよいので、たくさん書けばかくほどよいです。
文法のミスはあまり指摘せず、自分の意見がいくつ言えてるか、ちゃんと調べているか、
貸した本以外のソースから引用しているか、そいういうことをチェックされました。
一方的に教えてもらうというより、一緒に勉強しようという雰囲気の授業でしたね。
ICUは英語で出しているパンフレットがあるのですが、それを読んで、
こういう大学は良さそうだと言ってくれましたね。
(大学受験用というより、外国にある語学学校での集中講座という雰囲気ですね)
そうですね、とにかく次の授業に向けて、課題の本を読んだり、レポートを書いたり、
ディスカッションの準備をするのに精一杯でした。
(ICU入試に向けて、文法、単語とかは?)
単語帳は結構やりました。
単語にしても文法にしても、同じのをやるより、似たような内容を複数のソースでやった方がよいですね。
例えばパラグラフリーディングのテキストはZ会や河合から出ていますが、
言っていることはほとんど一緒で、例題として載せている問題が違うという感じです。
(英語でオススメの参考書はありますか?)
特にオススメなのは Z会の出しているアカデミックですね。
レベル別、分野別に分かれていて、全部で5冊あります。
文章を読みながらテーマごとの語彙を増やすという趣旨の参考書で、
CDも付いてきます。
理系のものもあわせて全部やりました。
上級になってくると入試問題のリーディングのレベルですね。
訓練すればCDの早さぐらいでリスニングできるくらいになります。
内容はとてもよかったです。
後は英文の読み方に関して、横山先生のロジカルリーディングは参考になりました。
単語帳は何を使ってもよいと思います。
(ペーパーバックやディスカッション等を活用した実践的な英語の勉強しつつも、
結果的に受験用の参考書もかなり結構やったという形ですか?)
やりましたね。
語彙に関しては初めcarryとbringの違いが分からないレベルでしたし、やはり語彙の習得は大事だと思います。
ただし英語に触れながら、量をこなしながらというのが大事だと思います。
文法などいいかげんだと英語は無理かと思っていましたが、
あやふやなままペーパーバックを読んでも、結構読めるものだと思いました。
泳げない状態でも、とにかくプールに入って泳いでみるような(笑)。
一説によると、日本の英語教育では、高校生は1年間にせいぜい2,3万語程度しか英語を読まないそうです。
ライティングやディスディスカッションとなるとさらに少ない。
だったら、こちらはもっとたくさん読んで、ライティングをするなどして、
英語にたくさん触れるようにするのがよいですね。
その上で参考書をやれば情報が整理されてより理解が深まる。
逆に参考書で暗記だけやって英語をやらないというのは、
プールにはいらずに水泳を覚えようというようなもので、かえって効率が悪いと思います。
(なるほど、ちなみに勉強場所はどうされていたのですか?)
図書館で勉強していました。
逗子市の図書館は受験生も勉強しやすくて、そこによく行っていました。
おいなりさんとかお弁当を朝作って、昼食べて、また勉強して、という生活でした(笑)。
(次回、高卒認定試験に続きます)
(ICU(国際基督教大学)の学生寮にて)