一般選抜,オープンキャンパス

7月より開催されてきたICU(国際基督教大学)のオープンキャンパスですが、
今週末8月29(土)には、中部版のオンラインオープンキャンパスが開催されます。

今年予定されているICUオンラインオープンキャンパスでは最後の日程です。

中部版のICUオープンキャンパスは、例年名古屋の会場で開催しているICUの紹介企画・相談会をオンラインで代替するものです。このため、人数制限のあるイベント等は中部地方の方が優先されていますが、他地域の高校生や受験生もエントリーは可能であるようです。

今回はエントリーフォームに加えて、ICU入試個別相談専用フォームも用意されていました。

中部地方の方はもちろん、まだ今年度のICUのオープンキャンパスに参加していない方や、相談したい内容のある方はエントリーをしておくとよいでしょう。ICUのオープンキャンパスは事前予約制なのでエントリーは必須です。

ちなみに東京の住所でもエントリーできました。

通常のOCとは違って、プログラムの数は限定されていますが、中部出身のICU生による学生のと話そうのコーナーや、学長と話そうのコーナー、ELAのモデル授業も行われます。コンパクトながら予定されている内容は充実しています。

特に学長と直接話せる機会はとても貴重なので、勇気あるICU受験生は岩切先生とのセッションに参加すべし。

2020年 中部オンライン・オープンキャンパス8/29(土)https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/event/oc/20oc_chu.html

一般選抜

本日8月21日、2021年度版ICU国際基督教大学赤本(教学社大学入試2021年版大学入試シリーズ)が発売されました。この数年お盆前の8月に出ていたので、今年のICU赤本発売はちょっとだけ遅めでした。

ICU過去問の掲載年度は2020、2019、2018の過去3カ年です。

例年通り総合教養(ATLAS)は解答解説が載っていませんでした。ATLASの講義内容も非公開と明記され、掲載されていません。以下は2020過去問のページの一部です。

 

英語リスニングもスクリプト、解答解説なし

 

2021年度ICU入試赤本は全国の大型書店の他、Amazon等のネット書店等で購入できます。

 

一般選抜,ICU入試日程

ICU(国際基督教大学)公式サイトでは例年5月末頃に試験日程が公表されていますが、今年度も発表になりました。2021年度のICU一般入試は2021年2月6日(土)に行われます。近年の傾向通り、2月第1週の土曜日が試験日になっていますね。

(5月末に公表されたICU一般入試A方式、B方式の募集人員、試験科目、入試日程 ICU Webサイト 入学者選抜制度、一般選抜より)

なお、A方式の募集人員に関しては、事前に予告があったように定員が、昨年度の270名から、今年度は240名になっています。2021年度入試では定員の厳格化等を踏まえて各私立大学・学部の一般入試の募集人員が減少しているケースが多く見られます。

ICUの一般入試の場合は2021年度入試の募集人員が240人に変更になる事を、2年前の2018年に告知していますが、翌年の2019年度入試の段階ですでに実際の合格者数を絞っていました。その点を踏まえると2021年度一般入試の合格者数に関してはあまり変化しないんではないかと思われます。

試験科目なども例年通りですね。

余談になりますが、各大学が公表する2021年度の募集人員は2018年から予告されていたものです。

2021年度入試は新カリキュラムの導入初年度の入試であり、また「大学入学共通テスト」が導入されることから、文科省は各大学に、2021 年度入学者選抜に関して、大学入学共通テストの活用予定も含め、2年程度前に予告することを求めていました(2018年6月)。よって各大学は2018年の段階で2021年の入試における変更点や、募集人員等を予告していました。その際、一連の入学定員の厳格化を踏まえて、特に難関私大は少なめの募集人員を予告した大学が多かったようです。

また、文科省の定員超過罰則強化によって、多くの私立大学では2018年の段階で入学者数を定員の110%未満に抑える事が必須になりました(ICUは4000人以下なので130%未満)。今のところ来年度(2021年度)はルールが据え置かれるようですが、2022年度以降にはさらに厳格化される可能性も残っています。

いずれにしても今年(2020年)になって各大学が急に募集人員を減らしたという話ではありませんし、今のところ厳格化ルールも据え置きで、ICUの定員充足率をみるとやや合格者を減らしすぎたかという状況なので、来年の募集人員に関してあまり心配しなくてもよいと思います。

(文部科学省Webサイト 平成31年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知)「別添」より)

ICU教養学部の定員充足率

 

 

 

 

一般選抜

ICU(国際基督教大学)の2021年度入試の変更点に関してはすでに過去のエントリーでも触れましたが、ここでは一般入試に着目してまとめておきたいと思います。結論から言うとほとんど変更はありません。

こちらは昨年度の入試説明会等で配られた、2021年度ICU教養学部入試変更に関するパンフレットです。

2021年度のICU一般入試に関しては以下のように書かれています。

 

<A方式>

A方式は募集人数が290名から240名に変わっています。
これは昨今の大学の定員厳格化を反映したものと考えられます。

*ちなみにICUの場合、2019年度の段階で実際の入試の合格者は厳格化が適用されはじめているので、合格者の人数は現在とあまり変わらないと思います。

<B方式>

英語外部試験を利用したB方式(A方式と併願可)。
利用できる英語外部試験にCambridge EnglishとGTEC CBTが追加されています。

<入試科目など>

ちなみに2015年度入試にATLAS(総合教養)が導入された際は、その旨が2013年に公表されていました。よって2021年度では入試科目・入試問題などの大きな変更はないと思います。

世の中いろいろな事が起こりますが、一般論として、理由を付けて勉強しない人よりは早めに勉強を始めた人が合格するのが大学入試だと思います。

英語対策,英語リスニング,一般選抜,ICU入試統計倍率偏差値

ICU学生新聞The Weekly GIANTS 2020年度入試特別号(2020年1月30日発行 9面)

検証 「迷ったらC」は本当?

<「Cが多い」は都市伝説?>

ICU入試に関する都市伝説の一つとして、選択肢Cが解答である問題が多いので「もし答えが分からなければCを選べ」ということがまことしやかにささやかれてきた(らしい)。今回はICU入試ではどの選択肢が解答として多いのかを検証してみたい。

<検証方法>

 ICUは他の大学と同じく、入試問題の解答を公開していないので、今回は筆者の運営するICU入試情報サイト、「BUCHO.NET」のオンラインレクチャーの過去20年分の解答例(2000年度~2019年度)を使用した。教科は英語リーディング、英語リスニング、人文・社会科学(2014年度まで人文科学)を検証した。自然科学は筆記問題を含むため、また総合教養(リベラルアーツ学習適正)は昨年度まで問題が非公開であったため、今回は検証を行っていない。

<科目別検証結果>

・英語リーディング

英語リーディングは2000年から2019年の間に計787問出題されており、最も多かったのは選択肢C(26.4%)で、最も少なかったのはD(23.5%)であった。

・英語リスニング

英語リスニングは過去20年間で計714問が出題されており、最も解答が多かった選択肢はD(26.5%)で、最も少なかったのはA(23.4%)であった。

・人文・社会科学(2014年度まで人文科学)

人文・社会科学は過去20年間で3教科のうち最も多い803問が出題されており、解答として最も多かった選択肢はC(26.3%)、最も少なかったのはA(23.9%)であった。

<検証結果の考察>

まず目を引くのは、英語リーディングと人文・社会科学では選択肢Cの解答が最も多かった事だ。出題者心理として、受験者が容易に答えを発見できないよう、A,B,C,Dの中では、後半かつ中程の選択肢であるCを解答にしたいというものがあるのかも知れない。一方、リスニングでは選択肢Dが最も多く、その割合は今回統計を取った中では最も大きかった(26.5%)。また、リスニングの選択肢Aは最も割合が少ない(23.4%)。ICU入試のリスニングの各選択肢はリーディングや人文・社会科学と比較すると、選択肢が短く、また内容がシンプルであるため、出題者としては選択肢Aを解答とすることにためらいを感じ、選択肢Dの解答を増やすことで、問題の難度を上げたいという狙いがあるのかも知れない。

<年度別の最多解答と最少解答のギャップ>

次に年度ごとに最も解答が多かった選択肢と、最も解答が少なかった選択肢の割合の差(ギャップ)を教科ごとに検証した。一例として2019年度の英語リーディングは36問のうち、最も解答が多かったのはCの11問(30.5%)、最も少なかったのはBの7問(19.4%)であった。この場合の最多解答と最少解答のギャップは30.5%-19.4%=11.1%となる。このように年度別に最多解答と最少解答のギャップを教科ごとに集計したのが以下の図1である。

図1でみられるように、概ねどの教科も5%から15%程度のギャップで推移している様子がうかがえる。過去20年間の年度別のギャップを平均すると、英語リーディングが約11%、英語リスニングが約9%、人文・社会科学が約10%であった。つまり、各教科とも特定の選択肢に解答が偏らないように一定の配慮がなされている様子が覗える。一方で、まれに20%を超えるギャップも計測されているので、プログラム等を用いて各選択肢が均等になるように作問している訳ではないと考えられる。

*ICU OBの筆者が運営するICU入試情報サイト、「BUCHO.NET」では、ICU合格体験記を募集しております(執筆者にはギフトカードを贈呈中!) 【BUCHO】

【https://icu.bucho.net】(「ICU BUCHO」で検索!)

PDF版はこちら2020-wg-nyutoku-bucho

 

 

一般選抜

ICU国際基督教大学学生新聞The Weekly GIANTS(WG)のICU入試特別号が今年も発売されます。
WG OBのBUCHOのICU入試対策記事も掲載予定!
内容はICU入試の分析やアドバイスなど、ICU入試前日や当日に読める軽い読み物が中心

販売場所:ICU学内、ICU教会前を予定
販売予定価格:300円

発売する時間の目安:
2020年1月31日:9:00~14:00
2020年2月1日:7:30~14:00 ICU教会前(もしくは新D館前)
*荒天等により予告なく変更・中止される可能性があります。

一般選抜,ICU入試日程

2020年度ICU(国際基督教大学)一般入試の出願期間は以下の通りです。
高校調査書の入手と証明写真撮影を早めにして、ICU入試出願に備えましょう。

ICU一般入学試験 (転編入学試験を含む)

【Web出願期間】2020年1月6日(月)10:00 ~ 1月19日(日)23:59(日本時間)
【出願書類提出期限】2020年1月20日(月)当日消印有効(*)
*海外からの郵送の場合は締切日必着

2020年度 教養学部入学試験の出願期間について(一般/転編入/社会人/4月国際学生)

英語対策,英語リスニング,一般選抜

ICU(国際基督教大学)入試英語リーディングの問題の頻出単語、表現の研究

今回はICU(国際基督教大学)入試、英語リスニング対策として、出題パターンを研究するため、過去のICUの英語リーディングの入試問題20年分(20010-2019)の読解パート(Part I)の質問文をデータ化し、登場した英単語の出現頻度を調べた。

 

調査の結果、ICU入試英語リーディングの質問文で最も出題される英単語のベスト100(109)は以下のものであった。"出現回数"はICU入試英語リーディングの質問文に登場した回数を示す。

集計された単語の出現回数を元に、ICU入試英語リーディングの出題傾向を分析する。

・5W1Hで一番使われるのは?

英語の質問文では、5W1H(6W1H)が重要であるとされるが、実際の質問文での登場回数には偏りがあった。

which 165
what 140
why 31
how 20
when 6
who 1
where 0

概ね傾向は前回分析したリスニングに近く、which, what等が非常に頻繁に質問文に登場する。whichとwhatを用いたQuestionには一定のパターンが認められたので、この点に関しては、コロケーションの分析として後日掲載したい。

その反面、whoやwhenはほとんど登場していない。whoはわずかに1度、そして"where"を用いた質問文はICUの英語リーディングの過去20年間で1度も登場していない。

whoに関しては、ICU入試で出題される英文は学術論文であるから、学術論文の筆者が学者や研究者であることは自明の理である。また、そもそも学術論文は小説ではないので、文中の動作などの主体が誰であるかが曖昧な文章であってはいけない。

また、whereに関しても過去20年間に全く登場していないが、これは会話文のように例えばレストランでの会話などのように「会話の場面」が問われることがないというリーディングの特性であると考えられる。会話文であればそれぞれの場面、場所にあった表現を用いる事が求められるが、学術論文は、学術的なルールに従って論述する事が求められる。よって学術論文で「場面」を問うのは不自然とも言え、また文中で場所に言及するのであればその旨は誰が読んでも明確になるようにしておくべきである。

リーディングのQuestionに特有の頻度の高い英単語は何か?

以前に分析を行ったリスニングQuestionでは、"Lecture"、"Woman"、"Man"、"Speaker"など、放送講義や話者に言及するリスニング特有の表現が多く登場していた。

(参考)ICU入試英語リスニング質問文頻出英単語ベスト100の研究

一方、今回分析を行ったリーディングQuestionではリスニングには登場しない、論文特有の英単語が多数出題されている様子が分かる。

paragraph 177
text 90
underlined 76
writer 72
author 25

リーディングとリスニングではQuestionに登場する語彙が違うことを認識しながら、それぞれの出題パターンに慣れておくとよい。これらの単語はリーディングQuestionでは出現回数がとても多いにもかかわらず、リスニングではほとんど登場していない。

ICUの入試では、英語の試験はリスニングが先に実施され、リスニング終了後すぐにリーディングの回答時間となるため、頭を切り替えて試験に臨みたいところである。

 

どのパラグラフが一番出題されるのか?

同じデータを用いて、ICU入試英語リーディングの問題過去20年分のQuestion(質問文)の中で、どのパラグラフが問われているかをカウントした。なお、基本的にパラグラフ番号は"paragraph 1(2,3…)"の形で表記されるが、"1st paragraph"、"first paragraph"などの形でも出題される事があるため、それらも合算してカウントしている。

分析の結果、ICU入試英語リーディングのQuestionで多く登場したのは、パラグラフ1, 2, 3であった。つまり英文の前半ほど「パラグラフの主題や役割」、「パラグラフ内の下線部の意味」が問われやすい。その一方で、後半のパラグラフになるほど、パラグラフ内の特定の箇所が質問の直接の対象となる頻度は少ない。

以上の傾向から、英文の前半は精読し、後半は速読すると回答の効率が高まりそうである。

実際に論文の構造として、冒頭の段落で論文の条件設定や背景説明、学術用語の説明をした上で議論を展開する事が多いので、英文の前半ほど細かな内容を述べている場合が多く、前半のパラグラフの方が英文の理解を問う問題が作りやすい傾向があるものと考えられる。

Questionは全般に平易な表現を用いて作られている

上記のQuestionの頻出単語を見ても分かるように、上位の単語はすべて基本的な英単語であり、この表に登場しない出現回数5回未満の単語の多くも平易なものであった。英語本文や選択肢には難度の高い英単語も度々登場しているのだが、少なくともQuestionに関してはシンプルで明快な表現がほとんどである。

また、概ねOxford English Corpusの分析した英語テキスト全般の頻出単語のリストのトップ100 wordsの内容にも近い。

https://en.wikipedia.org/wiki/Most_common_words_in_English#100_most_common_words

Questionの読み取りに関しては語彙力というよりは瞬時に問題の意図を把握する判断力やスピードが問われていると言える。その上で、特にWhichやWhatを用いたQuestionには特定のパターンがあるため、次回以降のエントリーで論じる。

 

 

英語対策,英語リスニング,ICU総合教養対策(ATLAS),一般選抜

ICU入試では、ATLAS(総合教養)と英語リスニングにおいて放送型試験が採用されています。結果的に、入試の約半分が放送を伴う試験で構成されています。これは他大学の入試問題にはない、ICU入試の大きな特徴の一つです。

また、近年はICU入試では、英語リーディングのみならず、人文社会科学でも長文が出題されており、長いテキストをいかに読みこなすかという事も重大な要素になっています。

このようなICU入試の試験形式の対策にはオンレクで利用可能なボイスエイド音声化ファイルを用いると効果的です。オンラインレクチャーでは、すべての英語リスニング、ATLASの過去問放送音声を聞くことができます。それに加えて、すべての英語リーディングの読解問題、人文・社会科学のすべての過去問の音声化ファイルも用意されています(1988年以降の過去問)。

英語リーディングと人文・社会科学の音声化ファイル(ボイスエイド)は他所では絶対に手に入らないもので、これを活用することで、特に解き終わった問題の復習が容易に行えるようになります。

もちろん最新の2019年度の英語リーディング、人文社会科学も音声化されています。最新のサンプルを以下に掲載しますので、参考にしてみてください。

2019年度人文社会科学ボイスエイド音声化ファイル(部分)

2019年度英語リーディング音声化ファイル(Part1 Text2)

英語リーディング、人文社会科学はともに文章量が多いため、解き終わった後の文章を読み直したり復習したりするのは必ずしも容易ではありません。しかし、せっかく解いた問題、読んだ論文を読みっぱなしにしてしまうのはとてももったいないことです。本文読み上げの音声ファイルを活用して、いわば受動的に本文を聞き直すことで、効率的に学習を進める事が可能です。特に英語リーディングでは速読をするために英文を「前から読む」(日本語の語順に直して読まない)事が重要ですが、音声化されたファイルに沿って本文を読んでみることで、自然と英語の文体に慣れることができます。さらに単語の発音や、論文に特有な表現、漢字等の読みも習得できるので、それらの表現や、論文の背景知識等の記憶の定着度が、黙読だけの場合よりも大きく改善することが期待できます。

その上で、先の試験構成の図で見たように、ICU入試のおよそ半分は放送が伴う試験というイメージですが、読解型の試験の過去問を演習する際にも音声化ファイルを用いることで、放送型試験への対策を効率的に行うことができます。

オンラインレクチャーの案内ページはこちら

英語対策,一般選抜

近年ICU(国際基督教大学)入試の英語リーディングは3長文+空所補充の出題形式となっており、入試制限時間60分で終わらせるにはスピーディに回答を進めていく必要がある。

まずは英語リーディングの出題形式を確認する。

ICU入試英語リーディングの問題構成

上の構成図に見られるように、ICU入試の英語リーディングは、2パートで構成されている。

Part Iでは3つの長文読解問題で、各長文の長さはおよそ800 words程度。内容理解を中心に、8問の読解問題が出題される。

Part IIでは、400wordsほどの長文に12カ所の空所があり、その空所に当てはまる語句を選ぶ、空所補充問題。

2019年度の例では、全パート合計で約2800wordsもの英文が出題されたが、試験時間が60分と非常に短い。このような大量の英文が短い試験時間の中で出題されるICU入試の英語リーディングにおいて、各問題をどのような時間配分で解くべきかを考えてみたい。

ICU入試英語リーディング(制限時間60分)の時間配分

上図のパターンAで見られるように、各問題を15分ずつで解くと、ちょうどすべての問題の時間配分が均等になる。ただしPart Iの各textを15分で解くのは相当な速読力が必要である。

現実的にはパターンC程度の時間配分が多くなると考えられる。このパターンでは、Part Iの長文読解のtextを各17分で読めば、Part IIの穴埋めに9分残る計算になる。

パターンD, EはそれぞれPart Iの各textを18分、19分で読んでいるが、ここまで時間をかけてしまうと、Part IIの回答時間が6~3分しか残らないことが分かる。

経験上Part IIにはできれば10分弱の時間を残したいので、まずはパターンCのように、各textを17分程度で解く事を当面の目標とした上で、最終的に各textを15分程度で解ければ、余裕を持って全問を解くことができる。

なお実際にはすべての長文が一定の時間が解ける訳ではないので、Text1 19分→text 2 15分→text 3 17分など、全体として目標の時間で解く事ができれば問題ない。

以上を踏まえた上で、ICU入試英語リーディングの時間短縮のコツと学習法を以下に書き出してみた。

Part I(長文読解)の回答時間を短縮するコツと学習法

1. 3つの長文がそれぞれ人文科学、社会科学、自然科学から出題される年度が多いので、自分が得意な分野から解き、苦手な分野の長文は後回しにする。

2. 各長文に付された8問の読解問題は、概ね長文の文章の順番通りに出題される。よって、長文を一気に読むのではなく、随時設問を解きながら、長文を読み進めた方が効率がよい。

3. 出題パターンによっては設問で全く問われないパラグラフもある。全部のパラグラフを均一のスピードで読むのではなく、設問で問われている箇所を重点的に読み、問われていない箇所は素早く読む(場合によっては読み飛ばす)ように訓練する。

4.  設問の難易度は一定ではない。回答に時間がかかる問題、一読して分からない問題は潔く飛ばし、短時間で確実に答えられる問題を見逃さずに答える。

5. 出題される文章は学術的な内容が多く、また設問の内容にも一定のパターンがある。ICU入試の過去問を遡っていくと出題される範囲の語彙と解答のパターンが身につくので、過去問を中心に勉強をすると効率がよい。なお2017年より前の年度は各長文10問の出題であるから、ランダムに2問を消して8問を素早く解く練習をするとよい。

6. 過去問演習の際は1長文あたり20分~15分の解答目標時間を定め、時間内に終わるように訓練しながら、「全部を均等に読まない」「どこでスピードアップするか、省くか」のコツを自分なりに習得して、過去問の数をこなすことを考える。

Part II(空所補充)の回答時間を短縮するコツと学習法

1.  400wordsほどの英文に12カ所の単語(もしくは短い語句)を補充するとうい独特の出題形式であり、Part I以上に慣れがものを言うが、類題は市販の教科書や問題集にはあまり掲載されていない。よって、ICUの過去問で演習を行うと効率よく学習できる。ICU入試の出題形式は大きく変わっていないので、過去問をよく研究して、空所補充問題のパターンを習得し、素早く解けるよう訓練をする。2017年より前の年は20問で出題されているので、演習の際の制限時間は適度に調整する。制限時間内に解く練習をしたい場合は、ランダムに8問を消して12問にして解いてみてもよい。

2. 文法がものを言う問題もあるが、空所補充の特性上、出題される文法の分野に偏りがある。よって、ゼロから分厚い文法帳を暗記しようとするのではなく、ICU入試英語リーディングのPart IIの過去問を解きながら、出題された箇所の内容を文法書・文法問題集で随時参照にするようにする。