一般選抜,ICU祭(学園祭)

今回は2014年10月に開催された、ICU祭(国際基督教大学大学祭)の様子をお送りいたします。

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ICU正門付近のボード。今回は「夢限」がテーマで、汽車をテーマにしたエンブレムが会場のあちこちに配置されていました。今年度は2014年10月25日(土)、26日(日)に開催されました。

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ICU正門のボードその2。カウントダウンボードにもなっていますね。汽車の煙やキャラクターが∞(無限大)になっていますね。ICUっぽい看板です。

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看板撮影のために正門で降りましたので、約1kmの滑走路(マクリーン通り)を移動。秋晴れの桜並木が最高でした。「学校ってのは大体桜があるのよね」と、とある来場者の方がおっしゃっていました。確かにそうだと思いつつも、なかなか数百メートルに渡っての桜はないぞ。どこもこれだけの桜攻めだと日本の学校は校舎なくなるぞ、と心の中でツッコミを入れた秋の日。

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バスロータリーを越えると正面に総合案内とICU教会が見えます。

ICUのシンボルであるICU教会が段々と大きく見えるこのアプローチはいつ見てもいいですね。

ちなみにこのあたりは旧ロータリーで、以前はここまで車で入れました(現在はもう少し手前にバスロータリーがあります)。その名残でICU教会前は円形の広場になっています。また、新ロータリーができた後も、ICU入試の時などは、旧ロータリーまで特別バスが来ていたこともありました。

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ICU祭総合案内所の様子。

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こちらでパンフレットやスタンプラリー、特別授業の案内などがもらえます。
後ほど詳しくご紹介しますが、ICUのモデル授業はICUの教室も確認できますし、内容もためになり、ICU入試対策としてもいいですよ。

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ICUグッズもこちらで販売されていました。売れ筋はネーム入り文具だそうで、特に左上のICU祭オリジナルクリアフォルダーはICU祭等で限定販売とのこと。右下にちょっと写っているのはICU同窓会作成のゴルフボール。OB会作成のゴルフボールはOBしやすいような気がしますが、ICUはOGの方が多いので大丈夫。

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野外企画(主に 飲食系テント)の様子。

一部他大学の大学祭や学園祭はナンパの名所になってしまっていて、年少者が行くには問題があるところもあるのですが、こうやって見るとICUは地域の方、OB/OG、高校生、家族連れの皆様などが中心で、なんとも上品ですね。

実際にキッズ向けのスタンプラリーなど、子供企画も用意されていました。

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アホ山ステージ付近の様子。細かな話ですが、ICUの本館からICU教会に向かって左がアホ山、右がバカ山です。キッズが駆け回るなんとも牧歌的な風景ですね。

次回に続きます。

一般選抜,ICU入試統計倍率偏差値

さて、今回はICUの大学ランキングに関連した記事をご紹介します。

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週間ダイアモンドの最新大学評価ランキング2014年10月18日号

今回はビジネスマンから見た大学ランキング特集

まずは「早慶上智ICUの4大私大のW合格者の入学先対決」。

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W(ダブル)合格者の比較で、慶應が人気があることが示されています。自分は姉妹サイトのKEIOSFC.COMを運営していて、そちらでも講座等をやっておるのですが、やはり慶應は全般に受験生に人気がある感触を持っています。我らがICUがコアなファンを持つのとはまた違った感じですね。

早稲田大学の中では、国際教養学部(SILS)が奮闘していますね。
ICUの併願研究(ICU OBとしてICUを真似した学部の入試を荒しにいった)をきっかけに始めたWasedaSILS.comというサイトもやっているのですが、早稲田の知名度もあって、国際系統を目指す方では、最初に知るのがこの学部というパターンもあり、意外に第一志望の方も多いです。

ICU(国際基督教大学)とSILS(早稲田大学国際教養学部)は上記では引き分けの判定。よくどちらに進学したらよいか相談を受けますが、自分の講座(オンレク)はICU志望の方が多いので、入試W合格者は7:3ぐらいでICUに進学されています(河合あたりの資料でもICU進学の方が多そうでした。ICU OBの心情としてはやはり圧倒的に環境のよいICUを一押し(?) しかしSILSオンレク出身の合格者で早大国際教養に進学された方のお話を聞くとSILSもよいところですよ。)。

意外だったのは上智外国語とICU(教養)の比較で、かなり多くのW入試合格者がICU進学を選択していると示されている点でしょうか。2000年に6:4でICUだったのが、現在では8:2でICUになるなど、最近はICU進学を選択する方が顕著に多くなっていることが示されています。ただし上智の外国語は学科数が多いので、学科によってはここまで極端ではないようにも思います。

上智の外国語、総合グローバルとSILS(早稲田大学国際教養学部)でも、SILSに軍配が上がっています。SILS(早大国際教養)は2004年にできたので、2000年の比較が無いのですが、その後SILSは上智外国語あたりの受験者をうまく取り込んでしまったとも言えるのかもしれません。

SFCあたりとどうなっているか気になるところですね。

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使える人材が増えた大学ランキング。国際基督教大学(ICU)は8位になってますね。
1学年600人の大学がトップ10にランクインするというのもなんなのですが、ICUは結構企業にも評価されている様子がうかがえます。東大に使えない人材が増えたというビジネスマンの投票が多かったというのは、色々な意味が含まれそうですね。記事の論調は、東大の文一では実質的足きりがなくなっている年度が続くなど、優秀な人材が外国の大学への進学し始めているというものでした。

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引き続き使える人材輩出大学ラインキング。

ICU(国際基督教大学)は11位の得票。

ワーストの方は偏見を持たれている大学ランキング(?)

 

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次は使えるグローバル人材輩出大学ラインキング。

ここでは国際基督教大学(ICU)が一位にランキングされています。
単純に英語力ランキングという気がしないでもないですな。

ちなみに留学した時に京都外大の方がいらっしゃいましたが
「ウチは英語できへんで!」と力説されてました。

その他就職ランキングだと、ICUはマスコミ関連が目立っていました。

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メディアだと英語が必須な部署もありそうなので、その点ICUは企業から人気があるのかもしれません。その他外資系企業のランキングでも上位に入っていました。

いずれにしても早大のように数万人が在学している大学(出身大学の人数が多いと同じ大学内での争いが超高倍率になりがち)が多い中で、1学年数百人というICUは就職でもなかなか健闘していますね。ICUは大学院への進学者も多いので、就活生の中でICU生はレアな存在という事は言えると思います。

あくまでもビジネスマンからの評価ということで、偏差値等とは違った視点でおもしろいと思いました。

大卒の方も出身校の扱いが気になるし、採用担当者や保護者もどの大学がいいか参考にするかもというところで、この手のランキング特集はよく出ていますね。

全般にICUが高く評価されているのはありがたいことですが、どのランキングも偏りがあるというか、特にワーストの方は偏見を感じるので、あくまでも参考までに。

ICU総合教養対策(ATLAS),一般選抜

さて、今回はICUの公式説明等を踏まえて、ICU総合教養対策(国際基督教大学ATLAS対策)を考えていきたいと思います。

まず重要なのはなんといっても、総合教養は聴講型試験であるというところで、やはり大学入門レベルの音声をたくさん聞いておくことがまず大切だと思います。

ICUの入試は高校の教科を暗記しているか否かよりも、大学に入ってから活躍できるか、大学生としても適性を見る試験を伝統的に実施してきました。

ICU総合教養もその伝統に基づき、大学の講義を模したミニレクチャーを聴き、それに答えるというスタイルが採用されています。

よって最もよい総合教養対策は、総合教養に類似した講義をたくさん聴くことです。

最もこれに近いのは、ICUの人文・社会科学の過去問です。

実はICUの人文・社会科学も、1980年代までは、本文が書かれた冊子と、設問が書かれた冊子が別になっていて、先に本文を読んで、その本文の冊子が回収されてから、設問の冊子が配られ、それに答えるというスタイルでした。ICU総合教養も先に問題が読まれ、その後問題冊子を閲覧することが許可されます。よって総合教養は、結果的に、以前のICU入試と類似の形式が聴講型になってリニューアルされたという部分があるのです。

よって過去のICUの人文・社会科学を読みながら(可能ならば聴きながら)学習すると、ICU総合教養対策としては非常に効果的です。メモを取る練習もできます。

また、ICUのリベラルアーツ学習適性(一般能力考査)は、広く教養を問う問題+IQテスト的な地頭の良さを問うという要素もあったのですが、ICU総合教養は講義を聴いた上で、その場で問題を読み、放送やリアクションペーパーという文脈を踏まえた上で、自分の経験や知識もヒントにして、状況を打開してほしいという、やはりここでもひろく教養と閃きなどを問うICUの伝統も引き継いでいます。ICU総合教養はリベラルアーツ学習適性ほど問題数が多くはなく、以前ほどパターンや瞬発力を問うものではありませんが、しかし未知の問題をその場で打開するという意味では、そういった訓練をある程度しておくと有利です。

また、ICU総合教養は新しい試験でもあるので、以前からそうであったように、ICU学内の情報もよくチェックしておいた方がよいでしょう。

以上を踏まえると、まずは文系の人は人文・社会科学の過去問をしっかりやることでしょう。その上で、それを音読するか、放送を意識して、音声を伴って学習する練習もしてみるとより効果的です。さらに自然科学も全分野でなくてよいので、高校で履修したIレベルの問題を多少復習しておくと効果的です(ICUは少々おもしろい出題が多いので、できれば過去のリベラル(一般能力)的過去の出題傾向もチェックしておくとよりよいです)。

理系の方は自然科学の過去問に加えて、できれば人文科学で、読解の練習をするとより効果的です。

経験上ICUの試験、特に総合教養は出題範囲が広く、懐が深いので、どのようなアプローチからも得点できよう配慮されている反面、満点を狙うべき試験ではありません。よってICU志望の方は、確実に出題される、英語リーディング、リスニング、人文・社会科学、自然科学の過去問を徹底演習し、まずはそちらで得点を確実に確保しましょう。その上で、音声教材や人文・社会科学やリベラル的な要素が入った演習問題を行い、総合教養に備えましょう。

繰り返しになりますが、懐が深い総合教養では、様々なアプローチが可能なので、満点を取ることは全く期待されていません。よって、併願校対策、日々の高校の授業が結果的に答えに結びつくことが多々あります。全面的に対策を行うと言うより、自分の興味関心、専攻科目、併願校等によって、アプローチが変わってくる試験です。なので、高校の授業をしっかり受けたり、あるいは、併願校の対策をすることが、そのまま総合教養対策にもなる、という意識も大切でしょう(特に国立型の方など)。

 

なおICU志望でしっかりと総合教養対策をされたいという方のために、オンレク(オンラインレクチャー)では音声教材、過去の問題と学内取材等を反映したオリジナル問題を中心に、音声を伴ったICU総合教養対策をご提供しております。

オンラインレクチャーではICU総合教養対策の豊富な練習問題を用意しておりますので、ご興味のある方は、ぜひご活用下さいませ。

ICU総合教養対策練習問題(↓以下にプレイヤーが表示された状態で、クリックで再生(環境によってはプレイヤー表示までにしばらく時間がかかります。音声はサンプルです。実際の収録は約15分です))

 

PDFアイコンICU総合教養対策オリジナル問題冊子(PDF)

ICU総合教養対策を含むオンラインレクチャーの詳細はこちら

ICU総合教養対策(ATLAS),一般選抜

2014年開催のICU(国際基督教大学)オープンキャンパスレポートその2

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2015年度からの新入試制度説明・総合教養(ATLAS)体験の会場付近。

注目度は高く、開始20分までにすでに行列が。

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今回はWebエントリー制で、確認した範囲では一番最初に総合教養(ATLAS)の予約が埋まっていました(当日並ぶ形でも入場できました)。

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会場の様子。この後も整列入場が続き、満席に。

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今回のご担当はNHK教育テレビの白熱教室JAPANシリーズにも登場されていた毛利勝彦教授(アドミッションズ・センター長)。

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ICUの求める学生像。ICUはリベラルアーツカレッジという特色から、学際的アプローチ、Critical Thinking, 対話力、そしてチャレンジ精神のある学生が理想ということになりそうです。

アドミッションポリシーには様々なヒントがあるので、しっかり把握しておくとよいというアドバイスがありました。

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今年からAOのBカテゴリーがプレゼン型になった点、また一般入試はリベラルアーツ学習適性に代わり、総合教養(ATLAS)が導入される点が大きな変化です。

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また一般入試はA方式B方式の2方式併用制になりました。

<A方式>

総合教養、人文・社会科学または自然科学(数学、物理、科学、生物から2つ)、英語の3教科

やはりリベラルアーツ学習適性がミニ講義を含んだ総合教養に代わった点が大きな変化ですね。

なお質疑応答で、その他教科は従来と同様の形式になる予定とのこと。

<B方式>

1次試験が総合教養+「IELTS 6.5以上、または、TOEFL iBT 79(PBT 550)以上」

2次面接

A,Bは併願OK。よってA,Bの総合教養は同じ日に受ける形になりそうです。

B方式は2008年まで行われていた帰国生向けの入試から小論文を抜いて面接を付けたような形ですね。IELTSとTOEFLの点数があらかじめ示されている点はわかりやすくてよいですね(日本の大学でIELTSが入試で使えるのはとてもめずらしいです)

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またICU新入生給付奨学金が拡充される形でICU High Endeavor奨学金が導入され、ICU Peace Bell奨学金と併せて、充実した奨学金制度があり、さらに学内の寮も人員が多く、充実した学習環境とそれを支える精度が整っていることが示されました。

給付奨学金(High Endeavor)は人数が多いので、オンレクの方も多く取っておられますね。

年によって全く違うと思いますが、オンレク受講生の方などを見ると、個人的な感触では、恐らく給付奨学金(High Endeavor)が2-4倍、Peace Bellが5-10倍程度だと思います。

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さて、ここから注目の総合教養のサンプル問題講義とその解説が行われました。

サンプル問題の放送による講義は15分程度で、ワインをテーマにした問題でした。同じ問題はICUのWebサイトからも視聴可能です。ちなみにこの問題を読んでおられるのは森本あんり先生ですね(当方(BUCHO)はICU OBで、取材等で随時ICUに潜入しておるのですぐに分かりました 笑)。

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こちらが配布されたサンプル問題。サマー・オープン・キャンパス版とされていて、Part Iの設問が多く追加され、春公開のサンプル(Webで公開されているもの)より、さらに実際の試験形式に近い形が示されました。

ちなみに追加された問題は、従前のサンプル問題より放送内容に近いものが多く、放送内容をしっかり聞いておくと答えられる、という感じの問題です。

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その後各問題の解説が行われました。問題が追加されているので番号が変わっていますが、これはWebサンプルの問3と同じものですね。

この問題は放送の複数の箇所でヒントが示された上で、特定のパターンを選ぶというリベラルアーツ学習適性のような要素も入っていて、なかなかおもしろい問題です。まさに総合教養といった内容ですね。出題形式等は最後にまとめたいと思います。

いずれにせよ今回は初年度で、多くの受験生にチャンスがあり、臆せず入試に挑戦してほしいということを先生は強調されていました。解説を含め大変わかりやすい講義だったと思います。また、かなり研究して入試問題を作っておられるなという印象を受けました。

最後にICU総合教養の出題形式と試験時間をまとめると以下のような形です。

<ICU総合教養の試験時間>

放送が約15-20分、試験時間は放送を含め、80分。

*放送中メモをとってもよい。
*問題用紙は放送終了まで開いてはいけない

<ICU総合教養の問題形式>

計40-45問程度(Part I,II,III,IV各約10問程度と予想される)

Part Iは主に放送内容を問う問題。

Part II,III, IVは放送内容に関する論述(リアクションペーパー)を読んだ上で、主にそれに関連した問いに答える。
そのうち、Part IIは人文科学、Part IIIは社会科学、Part IVは自然科学分野の観点から書かれたもの。

(次回以降にICU総合教養の対策法などをまとめたいとおもいます)

ICU奨学金,一般選抜,ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金,高卒認定試験・大検

(それではICU(国際基督教大学)の受検対策に関して伺っていきます、
本格的に大学受験を決意されたのはいつ頃ですか?)

大学受験をしようと思ったのが受験1年前くらい前で、具体的にICUを受けようと思ったのは夏ぐらいだったと思います。

いろいろ考えていくと英語を中心に様々なことが勉強できる国際教養系の大学がいいなと思うようになって、中でもICUがいいと思い、ICUが第一志望になりました。

その他は、早稲田の国際教養もオープンキャンパスでみに行きました。通いやすさや授業料の安さなどでは、地元の横浜市立大学もいいなと思っていました。

(具体的にはどのような勉強から始めたのですか?)
先に言った、通っていた英語教室での英語の勉強の続きという感じでした。

外国人の先生がやっている個人塾で、毎回テーマが出され、
それに関する洋書のペーパーバックを読んだ上で、英文レポートを提出し、
ディスカッションをしました。

レポートは2週間に1本は提出を求められて、レポート用紙10枚からスタートしました。

(かなりの分量ですね。)

最初は全く書けなかったです。
しかしとにかくアウトプットの量を増やすことが重要だと分かっていたので、
ペーパーバックにある表現等も活用しながら自分なりに英文を書いて、
添削を受ける内に、段々と課題が楽しくなっていきました。

(添削ではどのようなチェックを受けるのですか?)

文法はあまり気にせず、とにかく自分の意見を言うように繰り返し言われました。
自分の意見がいくつ言えているか、あるいは、意見の論拠としてソースを示しているか、さらには、課題のペーパーバックからの引用だけではなくて、自分で調べた資料からの引用があるかなども、毎回指摘されました。

今思うと高校の授業をすっ飛ばして書いた英文なので、最初はめちゃくちゃだったと思いますが、文法等には寛大で、自分の意見と、文章の内容を大切にするように言われていましたね。

(ICU(国際基督教大学)入試の場合慶應SFCのような小論文や、あるいは早稲田大学の国際教養学部に見られるような自由英作文はありませんが、それでもアウトプットを中心とした英語の勉強は役立ちましたか?)

大いに役立ったと思います。ICUの場合、大学入試にしては大学の入門レベルの論文が問題文として登場しますので、様々な分野の背景知識を持っていることはとても大切です。また、論文を自分なりに書いてみたことで、論文の展開や、各段落の役割等は、読んでいてもよく分かるようになりました。

(なるほど、オンレク(オンラインレクチャー)はどのように活用されましたか?)

実際にICUを第一志望にすると決めてから、BUCHOさんのオンレクを始めました。

教科別には、英語に関しては結構できていました。人文・社会科学は多読のおかげで背景知識はついていたのですが、最初は平均程度でした。2ヶ月前から一気に上がりました。特に得意分野ができてきて、よく本で読んでいた国際関係論の話などが出てくると、得点が上がりました。

やはり普段の読書が響いてくるところがあると思います。

また、特に人文・社会科学はICUの問題形式によく慣れておく必要があると思います。
70分の試験時間で40問の設問がありますから、いろいろな解き方ができます。
試験までに自分なりに最も解きやすい方法を見つけておくとよいですね。

(最終的にはどのような解き方で読みましたか?)

自分はじっくり30分はかけて本文を読むことを心がけていました。
読解には自信を持っている反面、国語の問題を解く訓練は高校でしていないので、
本文を理解していることを最大限に活かすために、まずは本文をじっくり読むというスタイルにはりました。

また、問題文には線を引かないで読むようにしていました。
これも読書の習慣かも知れませんが、自分の場合、線を引くとその作業に夢中になってしまって、本文の理解をおろそかにしてしまう所もあるように思えたからです。

最終的にはオンレクはプリントアウトせず画面上で問題を解くようになりました。

本文の内容は必要に応じて紙にメモして、答案だけ答案用紙にマークするようにしていました。

(どのくらいのペースで問題を解いていましたか?)

ペースとしては週に1,2年度分くらいです。

最終的には1日1問解くくらいのペースでやりました。

また、直前期はできるだけ本番と同じ時間配分でやりたいと思って、
試験の時間割と同じように、朝から試験と同じ順番で問題を解くようにしました。
全てをリハーサルしたという感じですね。

(実際のICU入試の出来映えはどうでしたか?)
とてもよかったですね。

オンレクで20年分ぐらいのICUの過去問をやっている中で、
トップ3くらいのよい感触がありました。
英語リスニングや人文・社会科学が特に良くできました。
自分の興味関心が今年の問題にあっていたところもあったと思います。
平均が高かったのかもしれませんが。
特に良くできて、合格を確信したようなところがあったので、
入試の終わった日に親戚に電話していました(笑)。
オンレクをやっていく内にボーダーも見えてきますからね。

また、入試成績がよかったせいか、ICU給付奨学金(注:2015年度からICU High Endeavor奨学金に拡充)もいただくことができました。
年額で50万円くらいに相当しますが、すでに成人している私の場合、学資ローンで自分で学費を出しているので、これはとてもとても大きいです。
ICUに合格できたの事ももちろんですが、オンレクをやっていてこの点は本当によかったです。

(なるほど、確かにオンレク受講生の方からは奨学金のご報告はたくさんいただきますね。それも願書を提出する際に応募するタイプのものですね?)
はい、願書と一緒に志望動機等を書いて提出しました。願書のセットを買うと応募用紙が入っていると思います。少々手間ですが、奨学金の対象者に当てはまる場合は、出した方が得だと思います。

(奨学金をもらえるとの連絡は合格発表と同時ですか?)

いえ、私の場合、合格通知の後に、別送で奨学金の案内がきました。
合格発表後に奨学金のセレクションがあるのせいなのか、全く同時ではなかったと思います。

(しかし大検からチャレンジされて奨学金まで獲得されるというのはすごいですね)

オンレクのおかげです(笑)。運もあったと思いますが、今思うと確かに入試の感触は、試験終了後に合格を確信するくらいよかったですね。

高校にも予備校にもいかなかったけど、自分なりに勉強してきて、それを奨学金という形で評価してもらえたのはうれしかったですね。

オンレクに関しては情報や演習できる量が他とは桁違いに多く、学内の情報もしっかりと反映されているので、やっておけば間違いないと思います。

(ありがとうございました)

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見せていただいたICU新入生給付奨学金の採用通知の控え。来年度からICU High Endeavor奨学金として拡充され、入学金も免除となる予定。

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ICU学内の樫寮にて記念撮影。3人ともオンレク生で、中央が今回取材させていただいたshさん、右がピースベル奨学金を受賞したhairiさん、左がTENZANさん。

一般選抜,高卒認定試験・大検

今回は高卒認定試験を経てICU(国際基督教大学)に一般入試で合格した、オンラインレクチャー受講生のshさんにインタビューさせていただきました。

(ICUを受けるまでのいきさつを教えて下さい)

はい、少々長くなります(笑)。

中学時代いろいろあって、高校には通信制のクラスに入学したもののほとんど行かず、就職しました。
就職先はお肉屋さんで、そこで3年ほど働きました。

その後いろいろ周りの事件などもあって、禅寺で禅の修行するようになりました。
元々神奈川なので、臨済宗の円覚寺です。

禅の修行をしている内にいろいろと学ぶところがあって
このままではいけないなと思うようになりました。

でも、今の自分に何ができるのか、高校も出ていないし、
さあどうしようと言うときに、大学に行こうかなと思い始めました。

大検を受けたのが2年前の9月、その後受験勉強しようかなと思ったのが、2月の後半から3月の初めですね。
ちょうどICU入試受験の1年前です。

英語だけはやらないと大学にはどこにも受からないので、とにかく英語から始めました。
それこそ中学英語からでした。

(なるほど、それではまず英語に関して伺います。思ったより短期間ですね。)

それ以前に大検(高認)に向けて勉強していましたが、本腰を入れた受験勉強は1年ですね。
1年間はバイトとかしていないで、受験に集中しました。
一日のほとんどを勉強に費やせたのが大きいです。
(それにしても短期間ですね。英語はどのような勉強をしたのですか?)

英語はいずれにしても必要だと思って、たまたま近所にあった、
外国人の先生がやっているマンツーマンの英語塾に通いました。

英語はそこでの授業と、大学受験の参考書を使った独学での勉強ですね。

英語塾の授業では、毎回ディスカッションがあって、それに向けて資料として多くの
ペーパーバックの本を読みました。

(本を読むのはどのくらいのペースですか?)

2週間に1冊ですね。初めはごく簡単な本から、段々難しい本という感じで
先生がいろいろな本を紹介してくれました。

比較的薄くて読みやすいOxford大学出版のVery Short Introductionシリーズなどが多かったですね。

今も当時読んだ一部の本はICUの寮の部屋に置いてあるので、写真を撮ってご紹介します。

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(いきなりペーパーバックとか読んでも分かるものですかね?)

最初は分からない部分があっても、読んだつもりになって読むようにしていました。

もちろん先生が内容や読み方は教えてくれましたが、
とにかく実際に本を読んで量をこなすことが大事だと思います。

後は毎回ディスカッションのテーマが与えられて、とにかくしゃべるように言われました。
結構重いテーマも多かったです。死刑廃止とか中絶とか。

それに対するテーマを資料を紙や本でもらって、課題として読みました。

メイントピックとかに赤線を引いてくれて、ここだけは理解しようとか。

ディスカッションでは、先生は必ず自分と反対の立場を取るという形でした。

(いきなりやるのは大変そうですね)

それこそ単語を並べるところからでした。やっているうちに段々しゃべれるようなりました。

後は書くのがとても勉強になりましたね。
文法とか細かい話しはよいので、たくさん書けばかくほどよいです。

文法のミスはあまり指摘せず、自分の意見がいくつ言えてるか、ちゃんと調べているか、
貸した本以外のソースから引用しているか、そいういうことをチェックされました。

一方的に教えてもらうというより、一緒に勉強しようという雰囲気の授業でしたね。

ICUは英語で出しているパンフレットがあるのですが、それを読んで、
こういう大学は良さそうだと言ってくれましたね。

(大学受験用というより、外国にある語学学校での集中講座という雰囲気ですね)

そうですね、とにかく次の授業に向けて、課題の本を読んだり、レポートを書いたり、
ディスカッションの準備をするのに精一杯でした。

(ICU入試に向けて、文法、単語とかは?)

単語帳は結構やりました。
単語にしても文法にしても、同じのをやるより、似たような内容を複数のソースでやった方がよいですね。

例えばパラグラフリーディングのテキストはZ会や河合から出ていますが、
言っていることはほとんど一緒で、例題として載せている問題が違うという感じです。

(英語でオススメの参考書はありますか?)

特にオススメなのは Z会の出しているアカデミックですね。
レベル別、分野別に分かれていて、全部で5冊あります。

文章を読みながらテーマごとの語彙を増やすという趣旨の参考書で、
CDも付いてきます。

理系のものもあわせて全部やりました。
上級になってくると入試問題のリーディングのレベルですね。

訓練すればCDの早さぐらいでリスニングできるくらいになります。
内容はとてもよかったです。

後は英文の読み方に関して、横山先生のロジカルリーディングは参考になりました。

単語帳は何を使ってもよいと思います。

(ペーパーバックやディスカッション等を活用した実践的な英語の勉強しつつも、
結果的に受験用の参考書もかなり結構やったという形ですか?)

やりましたね。
語彙に関しては初めcarryとbringの違いが分からないレベルでしたし、やはり語彙の習得は大事だと思います。

ただし英語に触れながら、量をこなしながらというのが大事だと思います。

文法などいいかげんだと英語は無理かと思っていましたが、
あやふやなままペーパーバックを読んでも、結構読めるものだと思いました。

泳げない状態でも、とにかくプールに入って泳いでみるような(笑)。

一説によると、日本の英語教育では、高校生は1年間にせいぜい2,3万語程度しか英語を読まないそうです。
ライティングやディスディスカッションとなるとさらに少ない。

だったら、こちらはもっとたくさん読んで、ライティングをするなどして、
英語にたくさん触れるようにするのがよいですね。
その上で参考書をやれば情報が整理されてより理解が深まる。

逆に参考書で暗記だけやって英語をやらないというのは、
プールにはいらずに水泳を覚えようというようなもので、かえって効率が悪いと思います。

(なるほど、ちなみに勉強場所はどうされていたのですか?)

図書館で勉強していました。
逗子市の図書館は受験生も勉強しやすくて、そこによく行っていました。
おいなりさんとかお弁当を朝作って、昼食べて、また勉強して、という生活でした(笑)。

(次回、高卒認定試験に続きます)

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(ICU(国際基督教大学)の学生寮にて)

一般選抜,ICU入試統計倍率偏差値,志願者数・受験者数

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2014年度ICU入試は上記のような結果となった。一般入試では、志願者数がやや減少している。早慶MARCHなど主要私立大の志願者数は軒並み減少している。他方、中堅以下を含めると私立大学の志願者は微増している事から、今年度は旧過程の最終年度とあって、確実に合格できる中堅以下の大学への志願者が増えたものとみらえる。ただしICUは今年度からセンター入試方式を廃止していることから、累計での受験者は大きく減少した形である。

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(科目別合格者はBUCHO.NET調べで、公式の統計ではありません)

次に、一般入試の受験科目別の人数を見ていくと、昨年度に引き続き、自然科学の合格者が増加している。2012年度以前は自然科学の合格者が70-80名程の水準にとどまっていたが、今年度は141名合格しており、一昨年の2012年度が74名であったことを考えると、倍近くにまで合格者が増えている。この変化の背景として自然科学出題難度等の変化や、得点補正等の影響、理系の学生の確保、センター入試募集の影響など、様々な要因が推察される。

一方、一般入試全体の合格者は549人であった。これは2013年度の565人と比較するとやや少なく、一定水準の受験生を選抜しようという傾向が伺える。

特に最大のボリュームゾーンである社会科学の合格者は401人と、昨年度の439人から比較すると減少している。

難易度に関しては、ICUの公表する合格最低点がほぼ昨年度と同じ水準の184.9点(2013年度183.0点、2012年度184.0点)であることからも、ほぼ例年並みの難度であったものと考えられる。

一般選抜,ELA(英語教育)

(最後にICUでの学習の様子をうかがいたいと思います。実際にICUに入学されて、ELAの上級クラスとも言えるStream 2(注)で学習されているとのことですが、ご自身のように英語は得意だが海外には行ったことがないという純ジャパが所属するとどうですかね?)

注:ICUのELAはStream 1から4に分かれており、Stream 1はほぼ英語教育の必要ない免除レベル、Stream 2は帰国子女が多く所属するレベル、Stream 3,4は国内校出身の多くが所属するレベル。
そうですね、やはりスト2は帰国子女の学生が多いですね(笑)。

帰国直後とは限らないが、中学校の頃アメリカに住んでいたとか、海外経験がある学生がほとんどです。

結構みんな話せていますね。英語が問題なくできている人が多い印象です。

テキスト読むにしても、英語そのものが悩みというよりは、コンテンツというか内容の理解に重点が置かれている印象を受けます。

純ジャパには結構きつい瞬間もあります。

(はやりStream 2は少々きつい?Stream 2で良い面はありますか?)

そうですね、自分の場合すでにStream 2入ってしまったので、入ってしまった以上伸ばしていく姿勢がないとやっていけない感じなのですが、他の人が自分よりすごくできるというのは良い環境ではあります。

ただじっくりELAで学ぼうという場合、Stream 3という選択肢もありだと思います。

(スト2とスト3は選べるのですか?)

選べるとまでは言えませんが、純ジャパでスト2に行く人は大抵インタビューを受けることになると思いますので、そこで希望を伝えることはできます。

僕もインタビューを受けました。

教授の方から新入生500人受けた中でTOEFLのスコアでは65位くらいという話を聞き、それならスト2でもよいかなと(笑)。

(英語を得意とするICU生の中でその順位は相当に良い成績ですね)

ええ、自分でも驚きましたが、クラス分けに使われるTOEFLはITP(団体受験)で、これにはスピーキングとかライティングは入っていないですからね。

もし普通のTOEFLのようにWritingやSpeakingがあったらもっとずっと順位は低いはずです。

自分のような純ジャパでも勉強し続ければペーパーテストは取れるようになるが、会話やライティングは海外経験がないとなかなか伸ばせないですからね。

逆に海外経験があっても会話には困らないが、文法やリーディング等をきっちりやってきていない帰国子女もいたりするので、このような順位になるのだと思います。

(Streamごとにどれくらいのクラス数があるのですか?)

大まかな数ですが、

Stream 1が1クラス、
Stream 2が4つ
Stream 3が20くらい
Stream 4は10くらい

という感じでしょうか。

(やはりStream 2以上は少ないですね)

そうですね、4月入学ではマイノリティですね。ICUの場合は日本語教育を受ける9月生の方に帰国生がたくさんいますが。

(ちなみにStreamのレベルを上げたり下げたりすることはできますか?)

成績が優秀だと、春学期終了後などに、上級のStreamに上がることはあるようです。

逆にStreamが下がるこというパターンはないと思います。

(そうするとやはり入学後のクラス分けで、希望するStreamをきちんと申告しておいた方がよさそうですね)

そうですね。特にStream 2はELAが1年次には終わってしまうプログラムですので、
英語をじっくりやりたい方はStream 3にした方がよいと思います。

英語以外の他の教科が早めに取れるという意味では良いのですが、
1年次のELAの授業自体に費やされる時間は多いので、大変な人に取っては大変です。
僕もこれからどういって付いていこうかという感じですし(笑)。

ただ、Stream2の自分のセクションは刺激的で楽しいことは楽しいですよ。

また雰囲気として、スト2に上がるような人は学習意欲が高いという面もあると思います。

授業にはみんなきっちり準備をしてきていますし、英語で競うのではなく、学問で競争しようという雰囲気があると思います。

逆にStream 4あたりになると、中には学習意欲が低い人もいると聞きます。
中には乗り気じゃない人もいるし、授業の予習をしてこないような人もいるとか。
学生の学習意欲の高いICUとしては意外だったのですが、その点も含めて、クラス分けのインタビューのある場合は、Streamの希望を出せばよいかなと思います。

(ありがとうございました。)

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,人文・社会科学,一般選抜

(それではここからはICU受験対策に関して科目別に聞いていきたいと思います。ICU(国際基督教大学)入試の人文科学・社会対策はどのようにされましたかはいかがでしょう?)

人文と社学もオンレクを中心に勉強しました。

現国の勉強もやっていたのですが、現国の文章解釈等が結構役立ちました。

どこに線を引くか、どこに要点があるか、などの読解の技術ですね。

(特に役だった現国の参考書はありますか?)

個人的な好みだとお断りしておきますが、特にオススメが2冊あります。

駿台の霜栄先生の『現代文読解力の開発講座』

これはとても古い本だったのですが、最近新装版が発売されています。

後は 板野先生の『ゴロゴ板野の現代文解法565』ですね。

どちらも内容把握にはとても役立ちました。

後者はマークの付け方なんかをを教えてくれるものです。

逆接の後は大事な内容がくる、とかそういう内容ですね。

最初は抵抗があったのですが、パターン化されたものを一度受け入れることで、
読むスピードが上がりました。

ICUの問題でも結構当てはまるところがあり、役立ちましたね。

ただ最初の頃は、パターンどおりに読んだり、パターンを発見したりしようとして、精読しすぎになってしまいました。
指示語とかをいちいち追うようになってしまって。

それでも参考書で学習したことで、現国の典型的な線の引き方、各文章の注目すべき点などが理解できるようになったことで、長い論文をピンポイントで理解できるようになったのは自分としては大きかったです。

(やはりICU志望者も現代文をやったほうがいいですかね?)

そうですねぇ、ICUの場合現国よりはるかに多くの背景知識を要求してきますが、読み方的なものもやった方が良いとは思います。特に文系なら現代文はいずれにしても付いてきますので、やっておいて損はないです。

(ただ現国はICUの入試などに比べるととても文章が短くて、精読のイメージがありますね。ICU入試の人文科学・社会科学のように、長い日本語論文も読めるようになりますか?)
そうですね、長文に関して言えば、英語の勉強が意外に役立ちましたね。
一つのパラグラフがどういうことを言っているのかを見極めるパラグラフリーディングとか。

飛ばしどころが分かるようになるというか、読むスピードに緩急が付けられるようになりました。

ここは主題なのでじっくり読もうとか、ここは主題の解説なのでより丁寧に、とか、ここは例の部分なので飛ばしながら読む、とかですね。

英語に関しては、日本語ほど速く読めない上に、入試問題も長文化していて、いかに素早く論旨を速くして、細かな箇所を飛ばして読むかという技術が発達しているのですが、現代文にはそういう技術はあまりない。なのでICU入試の場合は英語の読み方を日本語に取り入れてあげると、人文・社会科学の論文を読む際に役立ちますね。
英語のリーディングの勉強・現代文の勉強をしながらオンレクで人文・社会科学の過去問を平行して勉強することで、長い論文の読み方のコツを段々とつかんでいったような気がします。

英語・国語の二教科にしてもそうですが、これらは根本的に言語であることには変わらないので、「長い論文の読み方」、なり「線の引き方」などは、それぞれの教科で技術を得れば、勉強が進むに連れて相乗効果みたいなのがあると思います。

(次回に続きます)

英語対策,一般選抜

(高1から継続的に英語の資格試験の勉強をされていたということですが、
大学受験の勉強を本格的に始めたのはいつ頃でしょうか?)

校3の春休み頃です。

アメリカのコミュニティカレッジへの進学は、現実的には資金面や就職等の面で厳しいということが周りのアドバイスなどで分かってきました。

そこからは日本の大学に進学しようと思い、受験勉強も意識するようになりました。

(予備校等には通いましたか?)

はい、でも通い始めたのは遅くて、予備校に入ったのは高3の7月です。

また入ってすぐの8月の終わりくらいに体調を崩してしまいました。
体調不良と、精神面もあって、しばらく勉強できなくなってしまいました。

その時期は学校も休みがちになってしまって、授業に出られないというくらい落ち込んでいました。

本当に生活もままらない状況で、何とか勉強に戻れたのは11月頃でした。

この時期に勉強できなかったのは大きなロスでしたが、その分得意の英語を中心とした受験に特化するようになしました。

(ICUの対策はいつ頃から?)

7月申し込んでから1ヶ月くらいはいろんな問題をやっていた
英語やリベラルは比較的得意でしたが、人文・社会がネックになっていました。
そこから勉強できない時期に入ってしまって、その後11月ぐらいに軽い気持ちで解いてみたら楽しく解けました。

(どう立ち直ったのですか?)

本当に精神的にまいってしまっていて、でもこのままだと堕落していって二度と立ち直れなくなるなと。

どうせ落ち込んでいるならば、今は何かしら勉強に目標を建てて、何かした方がよいと思うに至りました。
目標を建ててそれに向かってやっていこう、それが自分には救いになりました。

目標という部分から立ち直った

結果ICUに入れて、間違いではなかったと思います。

(時間的には厳しかった?)

そうですね、英語は高1から継続的に勉強していたので得意でしたが、いわゆる受験科目は全く間に合わないと思ったので、世界史などは受験の参考書ではなく、一般書で勉強するようにしました。2時間で分かる世界史、みたいな本です。

結果的に大局的にエッセンスだけを見るような勉強になりました。

(世界史はICU用に勉強されたのですか?)

ICU用でもあるのですが、私大のセンター利用等にも使おうと思っていました。
ただやはりインプットの面で間に合いませんでした。
センターの待ち時間に勉強して、「こういうことなのか」と驚いたりしていたレベルだったので(笑)。
間に合わなかった

結局英語と国語で勝負するような形になりました。

(自分も英国型の受験の研究を長年していますが、英語に特化して暗記色があまりない、実践的な勉強ができる反面、志望校が限られて、かつレベルが高い大学・学部が多くなってしまうという面もありますね?)

そうですね、結局ICUを第一志望、早稲田国際教養を第二志望として、その他獨協の外英と中央の総合政策を考えていました。ただ調べると英国型もいろいろあって、比較的取り組みやすいレベルの大学でも英国型の受験は可能だったと思います。

自分の場合最終的には獨協や中大レベルを確保しつつ、第一志望のICUに専念するような形になりました。

(英国型の受験に関してはどのように考えますか?他の受験生にも勧められる?)

自分の場合夏頃勉強できなかったので、やや矛盾してしまいますが、文系であれば世界史とか社会とか理科とかは嫌いでも教養程度でも身につけておいた方がよいと思います。

世界史等は受験勉強としては十分にはできなかったが、知識でも断片的にでも入っていたのは意外に大きかったです。

例えば国語の小論とか英語とかで背景知識として、各種高校科目の内容が登場するんですよ。

世界史でナポレオンがどうしたとか、逸話とかそのまま現代文に登場したり。

背景知識、日本史、世界史、がっつりやっていなくても以外なところでも役立ちます。

英国だけやるのはいいかもしれないが、がっつりでなくても教養レベルで他の科目に触れた方がよいと思います。

センターレベルでも十分に知識になります。

実際の試験でも役立ちました。これってこのことを言っているんだろうなみたいな、類推が可能になる。背景知識が分かっていれば、内容の理解に費やす時間が短くなる。
問題で問われていることに集中できる、というイメージです。

英国の二科目は最後は背景知識の勝負になるので、二科目だけやって伸びるかというと案外そうでもないのです。

二科目にするなるにしても二学期くらいまではちゃんと勉強しておいた方がよいと思います。

その後の選択肢がかなり狭まってしまいますので。

(次回に続きます)