(実際にICUのリスニング試験に臨む上での対策法を教えて下さい)
私の場合、オンレクをやっていてリスニングの得点が突然上がったという瞬間がありまして、2つほどポイントがあるかと思います。
まずは選択肢に関してですが、1問10秒程度で答えを選んでいなかくてはいけないので、すばやく選択肢を選ぶテクニックが大切です。この点を意識して、問題を解く際には、選択肢を全部読まないことを心がけました。
(具体的にはどういうことですか?)
4つある選択肢の意味を一文ずつ頭から読むのではなく、各選択肢をいわば平行に読むようにして、相違点を意識して答えるようにしていました。例えば使っていたTOEFL対策の問題集に以下のような問題があるのですが、この問題の場合、下線の着目して答えます。
まずこのパターンの場合、対象は"He"かHis “○○"で固定されているんで、いずれも男性かそれに関連したものが主体の選択肢だと分かります。なので男性かそうでないかは考えなくてもよいので、そこは丁寧に読まなくて良いわけですね。これでHerとかSheとかTheで始まる文などが出てくる区別しないといけないのですが、今回はそれはないという意味です。
そして、この問題の場合動詞が全部異なるので、動詞だけ見ていれば各選択肢の相違点が分かります。一文ずつ読むんじゃなくて各選択肢の動詞だけをすっと見るような感じですね。この問題は就寝時間の「違い」を聴いている問題なので、(D)だろうと判断できます。そこで初めて(D)を全部読んで、やはり(D)が正解だと確定します。
要するに全部の選択肢を頭から訳しながら読むなということですね。相違点を意識して、選択肢を眺めるようにして、ある程度正解を絞り込んでから読むように練習しました。実際には全部の問題で使えるわけではないのですが、それを意識してから楽に答えられる問題が増えました。
(なるほど、回答時間の短いリスニングでは重要なテクニックですね。もう一つのポイントは何ですか?)
これは特にリスニングに特有の、会話文に有効なテクニックなのですが、過去問や練習問題をたくさん解いていくなかで、会話の中の呼吸やリズムのようなものをつかめた瞬間がありまして、そこからが会話文はとても得意になりました。
特に最近のICUの問題は会話文の方も文字数が多く、長い文章が読まれているのですが、それらの文章では、途中でブレーシングがあるんですね。
ブレーシングは適当に入っている訳ではなくて、意味や文節の切れ目になっています。あたかも自分がその人と会話しているかのように、その切れ間のタイミングで会話の内容を振り返ったり、自分が相手と話しているとすればどのような返答をするかを考えながら聴くようにすると効果的でした。そのようなブレーシングなどを含めて、過去問をたくさん解いていている内に、リスニングに特有のリズムやパターンのようなものが身についていったと思います。
(聴く能力が向上したことで、昨年度の入試と今年の入試とではリスニングの理解度は違いましたか?)
去年は会話文がひたすらマシンガンのように早く聞こえるばかりで理解できず、失敗してしまったのですが、今年の入試では会話文はキャッチボールのようにやりとりとして聞こえました。また、昨年度入試では選択肢が絞りきれずに答えを何回も変えたりして、結局間違えていたと思うのですが、今年は全然答えを変える必要がなかったですね。
後は、ICUのリスニングの会話文は大学生活に関連した事から出題されるため、会話の内容そのものにも一定のパターンがあるので、慣れてくると会話の展開が予想できる場合もありますね。図書館での本の貸し出し、学食での食事、大学構内の道案内とか。聴いたことがあるパターンが出てくると安心しますね(笑)。
(リスニングの改善は合格の上で大きかったでしょうか?)
リスニングは大きいですね、去年はリスニングに怖さがあったのですが、今年は自信を持って受験できました。リスニングはその場での反応が問われるので、練習しなければできるようにはならないのですが、やれば確実に延びる科目だと思って継続的に勉強しました。
(教材はどのようなものを使いましたか?)
問題演習としては、オンレクが基本です。それに加えてオンレク付属のTOEFL教材をやりました。後はリスニング専用ではないのですが、Z会の『テーマ別英単語academic 初級』は個人的におすすめでですね。リンダメタリカで有名な中澤先生の本で、これも英語の長文を読みながら語彙を身につけるタイプの参考書です。academicはリンダメタリカよりは学術英語の語彙が多くて、また、CDが最初から付いているので、リスニングの試験があり、アカデミック内容の出題が多いICUの英語の試験にはあっていると思います。ICUの入試の英語リーディングのPart 1や、英語リスニングの講義パートの語彙が多く出てくるように思いました。
その他にはZ会の『速読速聴・英単語 Core 1900』も長文の中で語彙を覚える本で、語彙の復習の意味でやりましたね。こちらも最初からCDが付いている本です。
(英語の勉強では語彙は重視されていたのですか?)
語彙を定着させようという意識はありましたが、1つずつ英単語や熟語を覚えるというのは抵抗があったので、文章を読みながら重要語彙が出てくる参考書を好んで使っていました。1つの単語帳を完璧に全部覚えると言うよりも、長文から語彙を学ぶタイプの参考書を複数やって、収録されている英語の長文を一通り読んで、重要単語をさらっておくという感じです。また、ICUの過去問に関してはノートを作って語彙を復習するようにしていました。
(過去問ごとに語彙のノートを作るのは時間がかかるのではないですか?)
確かに全部の語彙を書いていては時間のかかる作業になってしまいますが、慣れてくればどの語彙を書き出したらよいかとか、どのようにまとめるかが短時間で判断できるようになったので、それほど手間はかかりませんでした。
ノートに書き出していくのは記憶の定着の上で効果はありましたし、ノートを見直すことで、語彙だけではなくて、文章で書かれていた内容も思い出せるという効果があったので、背景知識を増やして定着させるという意味でも効果を感じました。
(見せていただいた語彙ノート 次回に続きます)