(リスニング対策に関して伺いたいと思います。具体的にはどのような対策をなされましたか?)
まずはオンレクでリスニングの過去問を繰り返し聞いて入試形式や出題傾向を把握しました。また、聴く量を増やそうと思いまして、ポッドキャストを毎日通勤時に聞いていました。
ポッドキャストは色々と試したのですが、最終的にはICUの過去問や自分の興味関心を踏まえて、VOA, BBC, Freaknomicsという3つを聴くようになりました。
(3つはポッドキャストはそれぞれどのような内容ですか?)
VOA(Voice of America)はアメリカの政府が作っているノンネイティブ用のニュースです。内容が充実している上に、読むスピードがゆっくり目で、語彙も配慮されているので、手始めにやるには最適の内容です。
これは他のポッドキャストにも通じる事ですが、繰り返し聞くと言うよりはその日配信されたやつを聞くようにしていました。
毎回の放送で時事的なニュースや歴史などのコラム、さらには会話文も盛り込まれているので、内容的にはICUの入試にはとても適しています。
ただしスピードはかなりゆっくり目なので、訓練にはよいが、これだけでは今のICUのリスニングのスピードには足りないと思います。
BBCのポッドキャストはBBC NEWSの配信で、こちらはイギリス英語です。
専門学校のクラスの担当がイギリス人の先生だったのでイギリス英語には親しみがありまして、個人的には聞きやすかったです。
通常のスピードで最近のニュースがどんどん配信されるので、内容によっては難しいですね。インタビューも多く、会話文の練習になります。
イギリス英語の発音でのポッドキャストでは一番よい番組だと思います。
最後のFreaknomicsアメリカの経済学者が配信しているポッドキャストで、
経済を中心に毎回ユニークな内容で興味深く聴いていました。
これは毎週木曜日配信で、他のものと比べると更新頻度は遅いのですが、
かなりスピードが速いので、これは2回、3回と聞くようにしていました。
これは上記の2つに比べると更にレベルが高く、また雑談のような内容も含まれるので、リスニングの試験に向けた内容ではないのですが、個人的に興味がある経済分野の内容だったので続けて聴いていました。
とにかくリスニングは相当やりましたね。移動時間は必ずスマートフォンにリスニングのでその日聴く内容が入っている状態にしていました。ポッドキャストを使えばそれが簡単に実現できます。
また、継続的に量をこなすことを目的としていたので、ポッドキャストは一言一句理解するのではなくて、聞き流すようにして、内容も更新されるも新しいものを聴くようにしていました。
慣れてきてからは、リスニングを聞きながら別の作業をしたりしていました。
ペースとしては1日1個はpodcastを聞くようにしていました。
ポッドキャストとオンレクの過去問以外では、英検の勉強も以外に役に立ちましたね。
(英検は独特なイメージがありますが、入試対策にも役立つのですか?)
そうですね、秋に英検準1級の試験を受けたのですが、それに向けて英検の教材をやりました。構成や長さの点で、ICUのリスニングに似ている部分もあると思いました。
イメージとしては受験英語の入試と学術英語であるTOEFLの中間くらいの内容です。
英検はICUの試験には使えないのですが、他大学の試験にも使えるので、併願対策としてはやっておいて損はないですよ。TOEFLなど他の試験より取り組みやすいですし。
ただし英検の準1級は語彙が大学入試よりはやや難しいかも知れませんね。
(併願対策としては具体的にどのような大学で使えますか?)
例えば中央大学の総合政策学部で、英検準1級以上を持っていると、英語が免除されるので、現代文1教科で受験できてしまいます(笑)。
ただし中大では英語が免除にはなるが、満点扱いになるとは書かれていないので、英語資格者の枠の中から国語の成績で選抜される形になると思います。英語のペーパーテストに自信があって、国語にそこまでの自信がない人は、普通に入試受けて高得点を取った方が有利になるかも知れません。
その他千葉大国際教養学部ですと、英検準1級を持っていると英語が満点に扱いになります。これは持っていたら出した方がいいパターンですね。
その他法政のグローバル教養や、来年からは早稲田の国際教養でも英検が一般入試で使えますね。
(ICUだとTOEFLとIELTSがB方式で使えますが、英検を受験された理由はなんですか?)
資格として挑戦しておこうという所と、何より受験料が安く、試験を受けるハードルが低いことですね。英検は準1級でも6900円でしたが、TOEFLとIELTSはそれぞれ2万円以上します。受験する際の身分証に関しても英検は国内の学生証や保険証などで大丈夫ですが、IELTSはパスポートが必須、TOEFLもパスポート以外の場合は複数の身分証や承認書が必要など、やはり留学に行くことが前提の試験だと感じました。内容や試験の形式が独特なので、スコアを上げるには専門の対策が必要だと思います。
逆に英検の方がやっていることが普通の英語の試験なので、難関大学を目指している人なら、準1級くらいなら専用の対策はいらないと思います。
(英検だと面接がありますがその対策などはされましたか?)
英検の問題集などを参考に、試験の形式や最低限の想定問答の確認などはしましたが、専門学校に行っていたので面接には抵抗がなくて、特別な事はしていません。英検はペーパーテストの一次試験でふるいにかけられていて、二次の面接試験は8割方合格するので、自信を持って受け答えができれば問題ないと思います。ちなみに準1級は試験官は一人しかいないのですが、私を担当されたのは新任らしい日本人の方で、私よりも面接官の方が明らかに緊張されていました。面接をしながら所定のフォームを記入するのが大変そうで、こちらを見る余裕がない状況でしたね(笑)。
いずれにしても英検が取れた事は自信になりましたし、費用対効果や併願校対策の点からもおすすめです。
(ICUリスニング対策のテクニック編に続きます)