ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2020(12) グラタン太郎さん
1. お名前、プロフィール
<お名前>
グラタン太郎
<プロフィール>
私立中高一貫女子校出身 一浪 文系
現役の時は滑り止めのセンター利用1校を除き全落ちしてしまいました。
その大学に行くつもりは元からなかったので、すぐに浪人することを決めました。親から浪人するなら塾に行くように言われていたので、春から大手ではない超小規模の予備校に通い始めました。授業は国語と英語しか無かったため、世界史などの副教科はスタディサプリなどで補完していました。国立にも出願予定だったため、数学や理科基礎も少しは勉強していました。
2. 受験形態
一般入試
3.予想得点
人文社会または自然科学得点 = 9割2分
総合教養得点 = 8割
英語リスニング得点 = 5割
英語リーディング得点 = 6割
(センター得点参考)
センター得点 =
センター英語筆記 170点
英語リスニング 42点
4.併願校
津田塾大学学芸学部、中央大学文学部、中央大学法学部、学習院大学文学部、上智大学文学部、早稲田大学教育学部、信州大学人文学部
5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
現役時代からICUの存在は知っており、リベラルアーツの教育方針もとても素敵だと思っていましたが、英語がかなり苦手だったため、とにかく英語が難しいという印象を持っていたICUを受けることはありませんでした。
浪人中の12月ごろ、ICUの過去問を改めて見てみたら太刀打ちできないものでもなさそうだとわかり、また、受験のスケジュール的にも他校とかぶることがなかったので受験を決めました。
6.ICUに期待するところ
様々な分野を学ぶことができるのがICUの特徴を最大限に活用して、教養のある大人になれるように努力したいです。
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>
が貴学を志望した理由は、私自身が高い教養を備えた、国際的な人間になりたいと思っているからです。文系理系の垣根にとらわれず、好きなことを学べる環境は貴重であるからこそ、そういった環境で大学での4年間を過ごすことは今後の人生においてもこの上ない財産になると考えています。また、様々な国から集まった優秀な学生とともに学べる環境に身を置くことで、高い語学力のみならず、多角的な物事の捉え方をも得ることができると考えています。学びたいことを自由に選択し、深めていくと同時に、様々な文化にも触れることができる貴学は私にとって非常に魅力的であり、是非貴学で社会に貢献できる国際的な人間を目指して学びたいです。
<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>
私が貴学に入学した暁には、文系理系の垣根を超えて学問を深めていきたいと考えています。具体的には哲学と数学の二つを重点的に学びたいと思っています。哲学も数学も私が高校時代に興味を持ち、大学でさらに深めていきたいと思い、学んできた分野です。哲学と数学は今の私にとっては相反するもののように感じられますが、文系理系の区別をなくし、改めて考え直してみることでそこに新たなつながりや共通点を見出すことができ、物事を多角的に捉える力が身につくと私は考えています。また全く馴染みのない言語を一から学んで見たいという気持ちもあります。これまで全く触れたことのないことに触れることは私にとってとても魅力的なことであり、語学力を向上することで、様々な国々の人々と交流したいとも考えています。
<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>
私はいつも、物事を論理的に考えること、また物事をわかりやすく他人に伝えるということを意識して生活しています。何か自分にできないことがあった時には、なぜできないのか、どうしたらできるようになるのかを熟考し、改善に努め、また、友達や家族と積極的に意見を交換する中で、他人にとってわかりやすい表現をする能力を培ってきました。こうした能力は普段生活する中でも役に立っており、私の長所でもあると自負しています。
a. 人文・社会科学
人文社会科学を受験したのですが、ICUのための対策は過去問しかしていません。
人文社会科学はほぼ現代文、世界史日本史倫理政治経済の知識が少し問われるようなものだと思います。
社会系の知識もかなり基礎的なもので、その単元をしっかり勉強していなくても一般常識の範囲で対応できるものが多いのではないかと思います。
私は世界史選択でしたが、世界史選択でなければ解けない問題はなかったように思います。過去問ではそういった問題もあったので年によるかもしれません。
全体的に、文章をしっかり読めば確実に解答できる問題も多く、また比較的時間にも余裕があるので落ち着いて解くことを心がけるべきだと思います。
過去問では毎回8割程度の得点率でした。
b. 総合教養(ATLAS)
講義を聞くリスニングタイプの問題は、メモの練習をしました。本番のメモ用紙はある程度題名などが書いてあり、予想外でした。
毎年出る理科系の問題はもしかしたら差がつきやすいところかもしれません。文系だとしても化学基礎の初歩的なところ(例えば原子番号の20番くらいまでなど)はマスターしておくと安心かと思います。国立の併願の人で理科基礎をやってきた人は比較的有利なのではないかと思いました。
c. 英語(リスニングを含む)
<リスニング>
センターのリスニングは比較的得意だったのですが、ICUのリスニングはスピードも速く、1度しか読まれないため、かなり難しく感じられました。メモを取っている暇はなかったので頭の中で考えながら解いていました。しっかり聴くことも大事ですが、問題文をちゃんと読むことも大事だと思います。
聞き逃した部分があっても、わからないなりに熟考することが大事です。
問題用紙をめくり、放送が始まるまでのわずかな時間に問題文を少しは理解しようとすると良いと思います。
<リーディング>
過去問を3年分解きました。過去問を解いているうちはあまり実感しづらいのですが、とにかく時間が足りないです。過去問を解くときは大問1問ごとに休憩を入れたりせずに、全てを時間内に終わらせられるか確かめた方が良いです。
速読力が求められると思います。問題自体の難易度はそこまでではないので、時間が足りず適当にマークするのは本当にもったいないです。パラグラフごとに問題を解くのが良いと思います。わからない単語があっても雰囲気さえつかめればそこまで問題はありません。問題は消去法で解けます。私はターゲット1900しか使っていませんが、単語で困ったことは特にありません。もちろんもっとレベルの高い単語帳を使っても良いとは思いますが、ICUに限って言えば、単語力を増強するより素早く文の意図をつかめるような勉強をする方が良いと思います。
第4問は文法問題や熟語の問題です。そこまで難問はないかと思います。分厚い文法問題集を1冊勉強していればおそらく大丈夫だと思います。ちなみにですが、私は第4問を一番最初に素早く終わらせ、そのあとに長文に取りかかっていました。
過去問を解いていたときは5悪から8割弱の得点率で、かなりばらつきがありました。
d.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)
ICUは問題が特殊なので過去問を解くのが一番良いと思いますが、年数が少なかったりそもそも公開されていなかったりします。インターネットを活用してください。
単語帳を1冊完璧にすることはマストだと思います。私はターゲットを使っていましたが、他のものでもいいと思います。ターゲットはスマートフォンのアプリが充実しているのが良かったです。ICUの入試の休み時間はターゲットのアプリでひたすら単語を聞いていました。
ICUが第一志望であれば、理科基礎(特に化学基礎)をかじる程度でも勉強しておくべきだと思います。理科基礎だけでなく、倫理政経なども勉強しておくに越したことはないです。
私は受験を決めたのが直前だったため出来なかったのですが、リスニングの音源を毎日聴いたりしていたら、もう少し落ち着いて試験に挑めたかと思います。
出願時に必要な志望理由についての文も早めに考えておくと良いです。直前期の貴重な時間を使うのはもったいないかと思います。
試験当日、衝撃を受けたことと言えば机と椅子の形状です。噂には聞いていましたが、机の大きさは飛行機や新幹線サイズ、また椅子に机が連結したタイプなので、椅子だけを引く、などの動作ができずかなり不便でした。
ICU受験において一番大事なのは試験を楽しむ気持ちです。
全般的な勉強方法として大事なのは、特に浪人生に言えることですが、できる限り勉強しない日を作らないことだと思います。夏休みなどでも、時間は短かったとしても何かやることはかなり大事です。勉強をする時間が短いと秋以降後悔する時間が増え、精神衛生上非常に良くないです。勉強しなかった間のことを後悔し、何も手につかない、なんてことがよくありました。
8. 最後に一言
「浪人生は3人に1人しか成功しない」「現役で頑張れなかった人は浪人しても無理」
浪人生はこういう言葉をよく目にするかと思いますが、半分本当半分嘘です。浪人生でも普通に伸びますし、現役時代よりも何ランクも上の大学に合格することは可能です。現役時代さぼっていたり怠け者の自覚がある人でも、変わることができます。大事なのは気持ちです。ICUに限らずとにかく初動が大事です。
現役生浪人生に限らず、模試の成績が悪くても諦めないでください。ICUは問題が特殊なので、模試の結果はあまりあてになりません。