ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2023(22) Kaoru-Mさん

5月 15, 2023

1.お名前、プロフィール

<お名前>

Kaoru-M

<プロフィール>

シュタイナー教育というドイツ発祥の教育を実践しているNPOの学校を卒業しました。認可された学校ではないので高卒認定試験を受けての大学受験です。また、受験の事はあまり配慮してくれず高3が一番学校の行事などで忙しいため、現役受験はすっぱり諦め一浪しました。

予備校は浪人の1年間だけ四谷学院に通いました。

趣味は変わったところでは能のお稽古を12年間続けています。和の文化が好きです。他には映画鑑賞や読書など・・・。

2.受験形態

一般選抜

3.予想得点

人文社会 = 9割
総合教養得点 = 9割
英語リスニング得点 = 7~8割
英語リーディング得点 = 8~9割

4.併願校

中央大学全学部入試 合格
中央大学法学部 合格
法政大学法学部 合格
明治学院大学法学部 合格
明治大学法学部(ICU発表後だったので受けず)
早稲田大学法学部(同上)

5.ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

ICUは、父親が卒業生なのでその存在はずっと前からしっていました。しかし、長い間自分の進学先の候補としては考えていませんでした。

当初はいずれかの大学の法学部への進学を考えており、また受けた大学も第二次志望以下はすべて法学部法律学科で固めていますが、考えがあり第一志望はICUにしました。

法律の勉強をしてみたいという思いは相変わらず持ち続けています。しかし、その根本的動機は、社会問題の現場に何らかの形で直に関り仕事がしてみたいという思いです。その思いをどう実現できるか、その為に必要な力は何かということを考えた時、特に社会問題が複雑になり、多様な問題が絡み合って存在する現代とこれからの社会においては、何か1つの専門性を高める事よりも、広く深く(浅くではなく深くです(笑))学べる環境に身を置く事も大切ではないかと思い、リベラルアーツを通してそうした教育を実践しているICUに魅力を感じるようになり、第一志望をICUとすることにしました。

6.ICUに期待するところ

入るまでのいきさつに書いたように、社会の骨格たる法学を中心に、幅広く、社会とのつながりという観点から色々な分野の学びに触れてみたいと思っています。

7.受験対策

a.願書

<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。あわせて、ICUで何を学びたいか、その理由も含めて述べてください。>

親族や親の職業(社会に深く関わる系の仕事)をみていて、自分もそうした仕事に就きたいと思った事、自分自身の体験から、社会の中で生きづらさを抱えざるを得ない人たちの事を自分事として考える機会があったこと、それらの事から社会問題の現場に直接関わり仕事をする力を身につけたく、その為には「いきさつ」に書いたような理由から広く深く学べる環境に身を置きたい、といったことを書きました。

<2.学内外を問わず、技能、諸活動等自分の最も得意とすること、好んで行っていることを述べてください。 >

ずっと稽古を続けている能楽について書きました。

a. 人文・社会科学

人文社会科学受験です。とにかく過去問を解きました。これまで沢山本を読んだり、自分で文章を書いたりしてきましたが、今年は、ICUの他はまったく傾向の異なる大学を受験したので、そちらにも相当時間を取られ、ICUの対策の為に読書をするといった時間はほとんどとれませんでした。

昔の問題は、かなり微妙な、明確な該当箇所がなく、本文全体の論旨とニュアンスから解答するような問題が多いのですが、最近の問題は明確な該当箇所を見つけたら解けるような問題が増えているような印象です。知識問題も減っています。知識問題と思いきや、本文をよく読むとヒントが隠されているような場合も多かったと思います。

特に数年前、めちゃくちゃ簡単な問題があって、ほとんど差がつかないような年もありましたが、2023年度は、多少の差はつきそうな感触でした。ですが、ものすごく難しいというわけでもなかったと思います。

上記のような感じなので、過去問を解きまくる以外に特段対策をする必要はないと僕は思います。

b. 総合教養(ATLAS)

こちらも、読解問題が増えているので、対策としては人文社会科学とどうように過去問や模擬問題をひたすら解くことが何よりの対策だと思います。

講義を聞いている際は、ひたすらメモを取りました。少し前に聞いたことをメモしていると進んでいく講義を聞けなくなる場合は止めた方がいいかもしれませんが、僕の場合は絶えずメモを取っている方が集中できたので、そうしました。問題をいくつかやって、自分なりのスタイルを決めるのが良いと思います。

c. 英語(リスニングを含む)

<リスニング>

海外経験なし、国境もまたいだことのない純ジャパ中の純ジャパなので、リスニングはあまり得意ではありませんでした。過去問を中心にTOEFLの教科書などを使い、毎日10時間以上の勉強中1時間半~2時間はリスニングにあてました。シャドーウィングは効果的なのだと思いますが、難易度が高く、また1日に長い時間続けられないので、僕はオーバーラッピングを中心にやっていました。音声を聞かずに音読も沢山しました。

また、ICUの問題は、特に講義パートが長くて難しいのですが、ここではリーディングの力の向上と一緒にリスニングの方でも論旨をつかむことができるようになっていく気がしました。

一言一句正確に聞き取るというよりも、講義全体の論旨をつかめるようになれば、場合によっては文章が短い会話文などよりも、ちょっとした聞き漏らしが失点につながることがすくないような気もします。

<リーディング>

リーディングは予備校のICUに特化したわけではない授業で鍛え、ICUの問題は過去問を沢山といて慣れました。特にICUの英語は、英語力と同時に母語での基礎的な言語運用能力がモノをいう気がします。難しい単語が出てきても即座に前後の文脈から推測し、一読でおおよその論旨をつかんで解答する必要があるからです。

逆に、そうした力をつければ、他の難関大学合格に必要な、細かい文法知識や、正誤問題などの問題形式が苦手でもICUの英語では得点できるようになると思います。そして何より内容が面白い!内容が楽しめるので、集中力も続き、ICUの英語の問題が一番得意でした。

d.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)

全体的に楽しめる問題だと思います。他大が「これ知ってる~?」「じゃぁ、これ知ってる~?」と試しに来ている感じなのに対し(試験というものの特質上ある意味当たり前で、その対策もばっちりしたわけですが・・・)、ICUの問題から感じ取れるメッセージは「一緒に考えましょう!」だと思いました。

過去問を沢山といてそうした雰囲気に馴染んでいたので、本番も不思議な程落ち着いて、同時にワクワクしながら臨むことができました。

基礎的な読む力(英語も日本語も)、あるいは語彙力や文法知識が身につく前はそうした対策も必要だと思いますが、そこを過ぎれば興味を持って考えながら解けば良い結果につながると思います。

8. 最後に一言

オンレクは解説がとても充実していてよかったです。おまけに偏差値や問題別正答率などで自分の立ち位置を確認できるので、自分の力の至らないところ、伸びているところを把握しながら勉強を進められる安心感がありました。

過去問対策を重ねる中で、より一層ICUに惚れました!楽しく大学生活を送りたいと思います!

<追加の質問>
(・シュタイナー教育に関して教えてください)

シュタイナー教育を実践している母校では、実習が多く、様々な経験ができたのは良かったと思います。3週間農家さんで実習をしたり、広大な牧草地の測量をしたりしました(笑)また、ICUと通じる部分もあって、文理区分がなく、様々な科目に広く触れることができたのも良かったと思います。ICU入試という点からも多少は役だったと思います。

小中高一貫の学校で、おまけに幼稚園からいたので、長い間内部にいると勿論色々な問題点も見えてはきますが、大きな視点でみれば、自分の世界を限定せずに、多少広い視点を持って成長できる場をもらったかな、とは思っています。これまで培ってきたものを、ICUでますます深化させていきたいと思っています。