ICU High Endeavor奨学金(1/3免除)、一般選抜で収入要件を満たせば全員採用へ

ICUの奨学金が大きく拡充
6月2日にICUからプレスリリースが発表され、2026年度入試から、ICU(国際基督教大学)の「トーチリレーHigh Endeavor奨学金」が大幅に拡充されることになりました。これにより、一般選抜で合格し、所定の収入要件などの条件を満たした方は、出願時に応募していれば全員が奨学金の対象となります。経済的な理由で進学を諦めていた受験生にとって、大きなチャンスとなる制度変更です。
要するに、一般選抜出願時に奨学金に応募し、収入要件を満たしていれば、一般選抜に合格し、ICUに入学した人は全員、High Endeavor奨学金に採用されます。採用されると、学費の3分の1と入学金が免除されます。これまでは、入試で特に優秀な成績を収めた人だけがHigh Endeavor奨学金に採用されていました。
年度 | 選抜方式 | 応募タイミング | 必要書類 | 合格条件 | 採用人数枠 |
---|---|---|---|---|---|
2025年度まで | 全選抜(共通) | 出願時 | 収入証明書 | 各選抜で上位合格 | 合計24名 |
2026年度から | 一般選抜 | 出願時 | 収入証明書 | 一般選抜で合格 | 条件を満たせば全員採用(人数制限なし) |
その他の選抜 | 出願時 | 収入証明書 | 各選抜で上位合格 | 合計16名 |
ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金(2026年度入学以降)採用条件・給付内容(ICUプレスリリース2025年6月2日より)
採用条件:
次の 1~3 の全てを満たす者。
1.ICU トーチリレーHigh Endeavor 奨学金に申し込み、応募資格(下記)を満たす者
2.一般選抜に出願、受験、合格した者
3. 国際基督教大学に入学した者応募資格
本科学生または転編入本科学生として本学教養学部への入学を強く希望する者で、父母(生計維持者が父母以外の場合はその方)の収入金額を合算した金額が以下の者
A:給与収入の世帯の場合:父母合算で年間収入金額が 1,000 万円未満(税込)
B:給与収入以外(自営業等)の世帯の場合:父母合算で年間所得金額が 565 万円未満給付内容:
入学金、年間授業料および施設費の 3 分の 1 を原則 4 年間
2026 年度 807,000 円 (4 年間で総額約 2,378,000 円)採用枠数:
<一般選抜>奨学金応募条件を満たす者全員
<その他選抜>16 名応募受付開始:
新入生向けICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金の拡充 ~一般選抜合格者のうち条件を満たした奨学金応募者全員の採用を確約~
2026 年度 4 月入学者選抜の出願と同時
ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金(一般選抜)採用までの流れ
ICUの一般選抜に出願
↓
出願時に「ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金」に応募
(収入証明書など必要書類を提出)
↓
一般選抜を受験
↓
一般選抜に合格
↓
ICUへの入学手続きを完了
↓
奨学金の条件(収入要件)を満たしていれば全員採用(人数制限なし)
奨学金拡充の影響
一般選抜で収入要件を満たし、出願時に奨学金に応募した上で、合格、入学すれば、原則全員が授業料1/3免除の奨学金に採用されるというのは、他の難関私立大学でも例のない規模です。プレスリリースでも「採用を確約」という決然とした表現が用いられており、その上で「拡充に踏み切った」と述べられているように、ICUにとっても大きな決断だったと思われます。従来は入試成績優秀者のみが採用されていたところから、収入要件を満たす全員を採用へと制度を拡充することで、大学としての経済支援体制を明確に示したともいえそうです。
また、この制度の拡充により、これまで学費面でICUへの進学を諦めていた層も受験を検討しやすくなり、結果として受験者の幅が広がるでしょう。また、合格後にICUを実際に選ぶ学生、いわゆる歩留まり率(入学率)も高まると考えられます。
こうした変化はICUにとって大きな追い風となる一方で、今後も多くの学生に安定して奨学金を給付し続けるためには、大学側が奨学金原資を継続的に確保していく体制の強化も重要になりそうです。
参考リンク
ICUプレスリリース 2025/06/02 新入生向けICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金の拡充 ~一般選抜合格者のうち条件を満たした奨学金応募者全員の採用を確約~
https://www.icu.ac.jp/about/press/docs/ICUPressRelease_250602.pdf