ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2014 〜Pinkyさんの場合〜
1. お名前、プロフィール
<お名前>
Pinky
<プロフィール>
地方公立高校→他大学:仮面浪人
2. 受験形態
一般入試
3.予想得点
リベラル得点 = 5割
人文科学得点 = 7〜8割
社会科学OR自然科学得点 = 7〜8割
英語リスニング得点 = 8〜9割
英語リーディング得点 = 9〜10割
4.併願校
N/A
5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
身内にICU高校の卒業生がいたことや尊敬している英語の先生がICUの卒業生だったため、中学生の頃から漠然と憧れていました。高校に入学して間もない頃に担任の先生に強く勧められたことや、1年生のとき参加したオープンキャンパスの雰囲気が良かったことから第1志望校に決めました。現役では失敗してしまい他大学に進学しましたが、ICUでの教授と学生との近さや学びに対する姿勢、発信を大切にする授業、学際的な研究のしやすさといった面から私にとって合った学びのスタイルはICUでの教育と共通するように感じたので再びICUを志すようになりました。
6.ICUに期待するところ
英語を集中的に学ぶELAで英語で発信するための力をつけたいです。それから、今までは文系を中心に勉強してきましたが、これからは文理の隔てなく幅広く学べることを楽しみにしています。
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>
文章を書くことが好きなので英語でも書く力をしっかりつけていくのにELAでの教育が必要なこと、文理の専攻を問わずに様々な問題を一緒に考えていくことで複眼的思考をつけていけることを中心に書きました。他にも平和への実践的アプローチやキリスト教の精神、多様性への寛容さにも触れました。
<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>
具体的な専攻がまだ決まっていなかったので興味のある分野を素直に書きました。社会科学から社会システムを根本的に学びたいこと、自然科学の生物を学びたいこと、人文科学にあたる音楽について学びたいことを挙げました。
ICUで学んだことを留学の枠やサービスラーニングによって生かしていきたいことも書きました。
<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>
委員会活動で副委員長として務めた一番大きな活動を中心に書きました。他には習ってきたヴァイオリンでの活動も書きました。茶道や華道の経験、趣味の和食作りを挙げて日本文化を大切にしていることを自由にアピールしました。
b. リベラルアーツ学習適性
オンレクを一通りこなしたことと数学I A II Bの公式を使える状態にした以外は特別なことはしていません。リベラルで幅を広げすぎるより他の科目の応用力をつける方が総合点を稼げると考えたからです。ただし、過去問を通して発想の幅を広げることや優先順位の付け方を正確に判断する訓練をしっかりしました。優先順位に関しては知識問題だけ先に解いて一周する間に、ややこしいが一読すれば解ける問題・図や表を使う問題・公式をいくつか組み合わせる必要があるなど相当時間がかかりそうな問題・おそらく解けない問題の分類分けをして優しい分類から確実に解くようにしていました。
c. 人文科学
安定しない科目だったので対策をしっかりしました。オンレクでは解説にある要約をしてお手本と比較して論旨を抽出できるように心掛けました。秋頃まではセンターや上位次第向けの参考書で基礎固めをしながら週1で過去問を解いていましたが、2ヶ月前からは以前の問題を解き直す日と分析・解説・再読の日というように2日で1年分こなすようにしていました。オンレクの偏差値を利用して自分が相対的に解けていないものから確実になるようにしていました。さらに新書をよく読んで抽象的な概念にも柔軟に考えていけるようにしていました。特にギリシャの哲学に関しては暗記でとどまらずに倫理の参考書でじっくり理解するよう努めました。
d. 社会科学
この科目は比較的安定していたので過去問を一周する程度で十分でした。一方で、新聞を読むことやニュース、クローズアップ現代を見ることを習慣にして、社会問題や歴史に対して自分なりの考えをもつようにしていました。倫理や政治経済に関しては高校生の頃選択していなかったので新聞を読んであやふやだった用語や過去問で背景があまりつかめていないと感じた時代・国の思想を参考書で調べるというスタイルをとっていました。現役の頃は社会に自信があったので暗記までで満足してしまったところに問題があったと痛感したので今年度は思考力を鍛えることに比重をおきました。
e. 英語(リスニングを含む)
<リスニング>
現役の頃はほとんどのマークが追いつかないという大失態を冒してしまったのでほとんどの勉強時間はえいごに費やしました。11月くらいまではTOEFL(iBT,ITP)10冊程を繰り返して基礎を固めました。講義式に関しては構造を頭の中で理解して要点をつかんで聴く能力を『TOEFLテストリスニング完全攻略』(アルク)でしっかりつけることができました。会話パートは過去問を3、4回復習して同じシチュエーションや設問パターンを完璧に取れるようにしました。多聴は夜7時からのニュースの副音声を毎日聴くこと、NHKのABCニュースシャワーやスーパープレゼンテーション(TED)、ラジオ英会話を聴きました。耳を鍛えるだけでなく様々な話題を聴くことで他の科目にも知識を応用できました。
<リーディング>
リスニングと同様、演習量・復習量・多読を意識しました。TOEFLをこなした後は難関私大の赤本(特に慶応SFCは力つきました)を演習していきました。論理構成をたたき込むのに『ディスコースマーカー英文読解』(Z会)は非常に役立ち、当日の休み時間まで繰り返しました。過去問に関しては徹底的に音読することや完全に解けるまで年度によっては4、5回繰り返しました。多読は英字新聞を読む実力に達していないように思われたので『テーマ別英単語ACADEMIC』〔初級〜上級の計5冊〕(z会)で解説を見て構造を確認しながら毎日読んだり聞いたりしてました。様々な学説が出てくるので他の科目の点数にも結びついたと感じています。
f.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)
過去問は10分〜15分短めに設定してマークシートを使って解いていました。過去問で間違いの分析をして弱い分野・自分の傾向を早く見つけることや、一般的な受験で扱われる知識よりも深いテーマ(進化論を他の分野への応用等)まで日本語英語を問わず幅広く触れることによって、単なる暗記では終わらないように思考力を養う訓練をしていました。ICUは運が左右する面が他大よりも多いのではと不安に思う時期もありましたが、他大と同様に過去問への慣れること、発展した論を展開されてもしっかりついていって設問を解くことが出来る柔軟な思考力が問われているのだた信じて毎日新しい考えを吸収するようにしました。それから、私自身実力がついたと感じたのは本番一週間を切った頃だったので不安に思っても粘れば十分に可能性はあることがよく分かりました。
8. 最後に一言
オンレクでは他の設問や年度とも関連づけての解説や一問一問の設問の分類が復習に役立ちました。人文社会の要約や評論への批判的視点を繰り返し読む内に読解力の基礎固めや応用力もつきました。全部の科目において過去問を教材として最大限に活用することができました。オンレクでのアドバイスがあったから勉強の方向性を見失わずに合格することができました。丁寧で面白い解説ありがとうございました。
こうして書いてみると意外と色々なことを学んだのだなと今更ながら思いますが、後期に浪人を始めるまではサークルを掛け持ちしてたし、一人暮らしをしていて家事も忙しかったし新年早々ノロウイルスになって本調子になるまで10日間もかかりました。現役の頃失敗したプレッシャーもあって辛い時期もありました。それぞれが時間や実力の面で厳しいことがあるかもしれませんが、大変でも自分の勉強の方向性があっていれば受験中は気づかない程多くのことを学べていることに後から気づくと思います。私は食生活にこだわりがあって自炊をしてたし当日もお弁当を作りました。おかげで最後まで頭をフル回転させることが出来ました。健康的な生活も学びと同じくらい本番に欠かせないと実感したので戦略の一つをして意識してみるといいかもしれません。以上の内容で受験生の力になれていたら嬉しいです。
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