予備校を辞めてからのICU入試への挑戦

今回は2019年度にICUに合格したtさんにインタビューさせていただきました。
tさんは群馬県のご出身で、1年間の浪人を経て、BUCHO.NETのオンラインレクチャーを利用してICUに合格されました。

*インタビューは再構成されています。

(高校時代の様子)

高校は群馬県の公立校で、進学校でした。
県の特性として、公立高校でも共学ではなく男子校でした。

地元に国立の群馬大学があるのですが、群馬大学の学生で一番多いのが自分の高校のOBだそうです。よって、学校としては国公立への進学を学生に勧める雰囲気がありました。
授業も国立推しという感じで行われていました。
進学実績も私立大学より国公立大学の方が人数が多いという高校でした。

私大進学者が比較的少ないこともあり、ICUへの進学者は毎年1名いるかいないかという感じでした。

(予備校通学時の様子)

自分のクラスは約40人で、浪人したのは15人くらいだったと思います。
中には私立大学などに受かりながらもさらに上の大学を目指して浪人した学生もいました。

浪人中は半年ほど予備校に通っていました。

ちなみに群馬は関東地方ではあるのですが、一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)ほど、予備校の環境は整っていません。高崎市は群馬でも最も人口の多い市なのですが、主要な大手予備校はなく、あっても衛星校くらいであったため、私は隣県の埼玉の大宮のにある大手予備校まで一時間半ほどかけて通っていました。

更に余談になりますが、このように予備校が少ないこともあってか、高校では授業を集中して受ければ予備校に行かなくても国立大学に一応は進学できるという体制でカリキュラムが組まれていて、大学受験に向けた課題がとても多く出されました。実際には高3ぐらいでは塾や地元の予備校に行っていたクラスメイトは多かったようですが。

進学意欲の高い高校の同級生の影響などもあり、現役時代から医学部を志望していたので、予備校では医学部対策のコースをとってしました。

予備校だと常に成績が数値や順位が出てくる中で、理系科目が伸び悩み、このままでは明らかに国公立合格は1浪では厳しく、また、周りの国公立医学部を目指す学生は何年か浪人するのは普通という状況でした。私学の医学部ならチャンスがなくはないものの、兄弟が多い家族としては私学への進学や長く浪人を続けるのは経済的に厳しいく、一端リセットした方がよいという結論に9月頃いたりました。

そのような結論に至ってから、予備校は9月にはやめてしまいました。このあたりは精神的につらい時期でした。

(ICU受験を決めるまで)

予備校を辞めてからは一ヶ月間くらい勉強に手がつきませんでした。
志望校を選び直すところからリセットするため、志望校をゼロから選ぶところからはじめました。

本当に大学選びの初歩の初歩なのですが、全国の大学が紹介されている『大学受験案内』という本を熟読しました。この中で出てきたのがICUです。

ICUの紹介を見たときは直感的に「これだ!」という感じがしました。端的に言えばICUの授業カリキュラムと入学試験の内容の両方が、自分に合っているという感じがしたのです。

ゼロベースで志望校を見直した際に、大学の学問を知った上で、どのような学問の研究をするかを見極めたいという気持ちは明確だったので、入学時ではなく3年時で専攻を選べるICUのカリキュラムは魅力的でした。文系・理系の区分が明確ではなかった自分としても、文理の垣根無く勉強できるという点も魅力的でした。

また、ICUの試験科目も自分に合っていると思いました。

自分の強みを見直すと、予備校では理系のコースにいたにも関わらず、一番得意な科目は国語で、特に現代文の読解には以前から自信を持っていました。

英語は大得意ではないまでも苦手としていませんでした。

さらに、国立の対策を集中的にやってきた自分としては、ICUの試験科目の総合教養(ATLAS)は文理関係無く幅広く問われるということで、色々な科目の勉強をしてきた自分の強みが生かせる試験だなと思いました。

ICUからパンフレットを取り寄せ、ICUの入試問題も研究した上で、10月からはICU入試対策にシフトしまいた。その上でBUCHO.NETのオンレクで集中的にICUの過去問を解いていきました。

(宅浪でICU対策)

宅浪はきついのではないかと言われてることもあるのですが、自分の場合予備校を辞めて、ICUを志望校としてからは、受験勉強のゴールが明確になったという事もあり、以前より精神的には楽な気持ちで勉強に取り組めました。

宅浪をしている時は生活のルーティンを維持するように気をつけていました。
自分は元々朝方だったので、朝起きてから何を勉強して、どのタイミングで運動をするかという事を自分で決めて、極力それを守るようにしていました。

生活のパターンは以下のようなものでした。

朝5時起床、1時間半くらい英語の勉強、文法を中心に
7時朝飯後に散歩、家の近くにあるサイクリングロード30分くらい歩く(ほぼ毎日)

9時(土日は10時) 図書館が開館、家から自転車で10分、会館前に並ぶ。並んでいる際は単語帳を眺める。
図書館でお昼まで集中して勉強、過去問演習やその周辺知識など大事な部分をやる

昼12時以降に一旦家に帰って、ご飯を食べる

図書館に戻る(天候など場合によっては家で勉強する)

夕方まで勉強

夕方以降、夜は疲れてくるので、根を詰めないようにする。

勉強をする際は、英単語帳など、考えなくてよいものをやる。

夜11時前には寝る、翌朝5時に起きる。

(オンレクでのICUの過去問演習に関して)

入試を研究した上で、最終的にはICU入試対策としては、ICUの過去問の数をこなすのが一番よいと考え、BUCHO.NETのオンレクを受講した上でICUの過去問演習を徹底してやろうと意識しました。

10月、11月は1日に2科目分のICUの過去問をやりました。

やり方としては1日はICUの過去問演習をやり、その後2,3日かけてオンレクの解説を読み、場合によってはその論文に出てきた周辺知識を身につけるため、別の本や参考書を参照するようにしていました。

1日目 過去問2教科の演習(問題を解く、簡単な答え合わせ)

2,3日目 過去問の解説を読み込み、問題を研究、復習、英単語や用語を調べる、必要に応じてその他の参考書の内容を勉強する

ポイントは演習の見直しに時間をかけることと、あくまでも過去問をやりながら周辺知識を身につけることだと思いました。

受験が近づいてきた12月頃からは過去問の演習量を1日3教科に増やし、
さらに直前期には、実際の試験時間に合わせてICUの過去問を解くようにしていました。

9:30頃に人文・社会
11:20頃に総合教養(ATLAS)
(昼休み)
14:15頃に英語リスニング→英語リーディング

実際にやってみるとICUの入試まではお昼休みまでが長く、また、英語リスニングは昼食の直後にあるため、最後まで集中を維持しなければいけないなど、ICU入試のリズムが分かり、試験への適応が高まったと思います。

宅浪をやっている時期は目標が明確であったせいか生産的な感じがしていたし、ICUの入試問題もとても興味深いものが多く、演習をこなすほどに知的な発見があり、この時期は予備校通学時と比べても、充実した気持ちで勉強できていました。

 

ICU ELA Reader 2019