ICUから東京大学公共政策大学院へ(2)

ICU生SHIBATAKOさんの東大大学院受験対策(2/2)

(3)学習計画書 :学習計画書(研究計画とも)とは、大学院でどういう研究をするつもりであるということを記述する文章です(ただ先日GrasPPオフィスの職員さんと話したところ、進学後に学習の内容が変わることはよくあるみたいです)。前述の通りこれは口述試験で参照されるので大切です。ですが、試験でボロが出てしまわないよう、背伸びしないことも重要です。すなわち、今の自分の問題状況が何にあるか、この問題意識を持ちながらGraSPPで何をしたいか、GraSPPでの学びを終えたらどんなことをしたいかといったことを書くことができればいいかと思います。私は内容を誰かに見てもらうことはありませんでしたが、誰かに見てもらえるならそれに越したことはないと思います。私も、覚えている範囲では、これ以上のことを書いてはいないように思います。

ICUは学部の一般試験でも志望動機やICUで学びたい事を願書に記入しますので、この点においてICUは大学院の試験を先取りしている所があるかもしれません。

(4)面接試験:学習計画書がきちんとかけており、その内容を覚えていれば、面接は特に問題はないと思います。というのも、それさえ覚えていれば質問に関しても流ちょうに答えることができるからです。また、知らないことがあったときに面接官に聞き返しても大丈夫です。私は面接中に知らない人が書いた本のことを聞かれたのですが、「浅学で申し訳ないですが……それってなんですか……?」と聞いても合格することができました。ですので、リラックスして自分が進学して何をしたいかということを伝えることができれば問題ないのではと思います。
服装ですが、私はこの日のためにリクルートスーツを買いました。かばんは買わなかったので黒を基調とした小さめの肩掛け鞄で試験に臨みました。周囲はきちんとしたリクルートスーツとセットで買うような鞄を使っていましたが、合否とは関係ないと思われます。

(5)その他(成績証明書(GPA)、推薦状)
TOEFL以外の提出する成績の書類としては上記のように大学の成績証明書がありますが、私の場合はGPA(Grade Point Average、大学の評定平均で4.0が最高)が3.4くらいでした。また、大学院入試では指導教員等の推薦状などが必要な所もありますが、GrasPPの院試では推薦状は必要ありませんでした。

また、何よりも重要なのが時間の使い方だと思います。私の場合は入試対策を時系列順に説明すると以下の通りです。

3年生/夏休み前:入試を受験することを決める。入試の過去問を取り寄せる(これは受験を決めたらASAPでしてください。パラパラとめくって合格までの距離感を測りましょう)。
3年生/12月まで:TOEFL対策を行う。TOEFL92点が取れたのは12月のはじめくらい
4年生/7月まで:筆記試験の対策を行う。
4年生/8月:実際に過去問を解いてみる。私はしませんでしたが、頼れる先生がいるならば添削してもらうのがベストです
4年生/8月下旬:余裕があると思ったので試験に関係がありそうな本を読んだ。読んだのは『官のシステム』『内閣制度』を覚えている。いずれも東京大学出版会の「行政学叢書」シリーズ
4年生/9月:入試を受ける。面接までの時間は卒論に充てました。

時系列に並べると以上のようになります。重要なのは入試の過去問をなるべく早く取り寄せて、合格までに必要なモノを理解することです。そして、それを理解した上で予定を立てて、実行することです。他のGraSPP合格体験記では日々徹夜した、だとか、寝ても覚めても勉強したとかありますが、私の場合はバイトもしていましたし、試験とは全く関係ない(であろう)卒論の勉強もしていました。なにより重要なのは、入試に向けて何が足りてないかということと必要な水準を理解して、そこに到達するまでの予定を組み、対策をすることです。これさえできれば、入試直前に慌てる心配もなく合格することができると思います。

さて、私は「こういう進路でいきたい」と教授にお話しした時、必ず同じ言葉を返されました。「僕の知ってる学生はみんな合格してるし大丈夫だよ」といわれるのです。確かに大丈夫でしたが……。ですので、ICU生にとってGraSPPに関する限りでは東大院への進学は難しくないのではと思います。私は結局大学院に進学したOB/OGの訪問などはしませんでしたが、無事入試には合格できました。ですので、肩ひじ張らずにTake it Easyの精神で焦らず、当初に立てた計画を実行できれば恐れるべきものはないと思います。
また、ICU生にとって東大院への進学は珍しくなく、私の同じゼミ生でも何人かいいます。大学院を目指すICU生にとって、東大院への進学はよくある選択だと実感しています。