ICU入試英語リスニング質問文頻出英単語ベスト100の研究
ICU(国際基督教大学)入試英語リスニングの頻出単語の研究
今回はICU英語リスニング対策として、出題パターンを研究するため、過去13年分(2007-2018)*の英語リスニングの質問文をデータ化し、英単語の出題頻度を調べた。
調査の結果、ICU入試の英語リスニングの質問文で最も出題される英単語のベスト100は以下のものであった。"出現回数"は質問文に登場した回数を示す。
ICUリスニング対策1 5W1H(6W1H)で最も出題されるのは、Whatである。
コミュニケーションや情報伝達の際、5W1H(6W1H)が重要であるとされるが、実際の質問文での登場回数には偏りがあった。
what | 248 |
which | 34 |
why | 32 |
how | 19 |
when | 6 |
where | 4 |
who | 3 |
上記のように、圧倒的にWhatを含む質問文が多かった。大半の質問文にWhatが含まれると考えてよい。ICUの英語はアカデミックな文脈から出されるため、"who"や"when"などよりも、"what"を用いて、より学術的な内容を問う傾向がある。故にWhatの疑問文のバリエーションは非常に多いので、過去問を通してこれらの内容を習得しておくとよい。
また、When, Who, Whereは出題回数が少なかった。
Whenに関しては、"What time~", “On what date~"など、whatを使って具体的な時を問う問題も見られた。
Whoに関してはほとんど出題がない。会話パートでは話者が男女別に分かれていて、登場人物は学生、教員、大学職員(図書館の職員など)である。また、講義は一人の話者(大学講師)によって語られる。よって、話者が誰であるかは自明である。さらに、アカデミックな文脈で"Who is the speaker?"といような質問文はあまりに稚拙過ぎるので、"What is Dr.? X’s area of research?"という風に、あくまでも学術的な観点から問われる事が多い。そのような意味でもWhoの出題回数は少ないと考えられる。
ICUリスニング対策2 学術的な出題を反映した英単語が多数出題されている
lecture | 55 |
professor | 13 |
student | 8 |
Dr. | 6 |
research | 6 |
ほとんどの問題が大学生活や大学での学術的な講義をテーマにしており、結果的にアカデミックな文脈を反映した英単語が多く出題されている。逆にビジネス英語特有の表現(customer service, business conference)などは登場しない。
ICUリスニング対策3 会話や講義のテーマは日本国内に限らない
Japan | 4 |
Japanese | 1 |
“Japan"という語がリスニングの質問文に登場したのは13年間で4回、"Japanese"は1回である。会話パート(Part I, II)ではICUでの大学生活、講義パート(Part III)ではICUで行われる講義をイメージして出題されるものが多いのだが、それでも、会話や講義の内容が、日本国内に限定されるものとは考えない方がよい。特に講義は国際的な文脈から出される問題が多い。逆に、たまに日本の社会問題や文化等を話題にした内容が出題される事もあるという程度に考えておいた方がよい。
ICUリスニング対策4 会話パートでは男女の話者が登場するが、男女の発言はほぼ均等に質問対象となる。
woman | 92 |
man | 85 |
“woman" “man"は会話パートであるPart I, IIの質問文に特有の語だが、その出題頻度はほぼ等しい。
例:
What does the woman imply?
What does the man mean?
なお、ICU入試の英語リスニングでは質問文が問題冊子に印刷されているため、質問文を見ながら放送を聞くことができる。よって、試験対策上、特にPart Iでは、質問文にman, womanと書かれていたら、その話者の発言を特に注意して聞くようにする。
次回ICU英語リスニングの質問文におけるコロケーションの分析に続きます。
*1 現行の英語リスニングの出題形式は2009年度入試から導入されている。2007、2008年度も基本的な出題形式は同じであるが、出題数が35問であった。2006年度までは放送の会話文に応答する問題が含まれていたため、2006年度以前の質問文はこのデータには含まれていない。