ochanomicsさんインタビュー
今回は専門学校を卒業され、ICU一般入試に合格されたochanomicsにインタビューをさせていただきました。ochanomicsさんは2017年度向けオンラインレクチャー受講生で、ICU High Endeavor奨学金奨学生です。
(専門学校のご出身というのは、ICU入学者ではとても珍しいと思うのですが)
確かにICUには専門学校から編入できないので珍しいかも知れませんが、私の在学していた専門学校からは大学への編入ルートもありまして、専門から大学に進学する同級生は結構いました。
(大学への編入が可能だとすると18歳から4年間で卒業できるということですか?)
そうですね、特定の専門学校からの編入を受け入れている大学に編入できれば専門学校と大学を合わせて4年間で卒業できます。
専門学校2年次に編入の試験を受けて、大学の3年次に編入する形ですね。
私の出身校では編入のルートはそれなりに充実していて、特に東京外語大学などは10-20名ほど毎年編入していると思います。国際教養大も編入する学生がいますね。残念ながらICUには編入できませんが(笑)。
(専門学校から国立、公立大へのルートがあるとは知りませんでした。どこの専門学校ですか?)
高田馬場にある外語系専門学校(N)です。
エアラインの就職希望者に人気があるところですが、ネイティブの講師が多く、実践的な授業をする学校でした。
高校を卒業して専門学校に進学した学生が多いのですが、中には大学を卒業してから入学する人もいて、例えば早稲田大学とか法政大学を卒業してから専門学校に通っている同級生人もいました。また、社会人経験者で就職や英語の習得のために通っている方もいらっしゃいましたね。
レベルの高いクラスほどそういった方が多く、将来のために勉強しにきているのだという雰囲気がありました。
大学に行けなかった人が専門学校に行くイメージもあったのですが、実際に通ってみると就職や語学習得という具体的な目標を持って学校に通っている方が少なからずいて、専門学校に対する見方は変わりました。
また、そのような多様なバックグラウンドの方に会えたのが私としては大きかったです。同級生から色々と刺激を受ける内に、やはり大学卒業して仕事をしたいと考えるようになりました。
専門学校を卒業後に、働きながらICUを第一志望として受験勉強をして、昨年、今年と2年続けて受験して、今年ICUに合格しました。
(お仕事はどのようなものをなされていたのですか?)
アルバイトで塾の講師をしていました。主に中学校生などを対象とした補習塾で、集団も個別もやっていました。
担当した中学生のテストの得点が一気に数十点上がったような事もあって、やりがいを感じていました。
(通っておられた専門学校では、卒業後にどのよなお仕事をされる方が多いのですか?)
エアライン各社が一番多くて、毎年一社に数十名が就職するなど、航空会社への就職は強いですね。その他はホテル、ブライダル、旅行業などに就職する卒業生が多く、英語や語学を活かした職場を目指す学生がほとんどです。企業からも語学の即戦力人材として一定の需要があって、大卒しか募集していない所も、私の通っていた専門学校には直接求人が来るというケースもあるようです。
(なるほど、お話を聞いていると編入と就職、再入学のオプションが得られる専門学校という選択肢は魅力的かも知れませんね)
その方の学力や将来の方向性にもよると思いますが、英語で仕事をしたい、語学力を確実に高めていきたいという場合には、語学系の専門学校は大いにありだと思います。
大学進学とも迷ったのですが、半端な大学に入学してしまうと、私の場合は4年間漫然と過ごしてしまうように思いました。
また、予備校での浪人は入試以外には役に立たない気がしましたし、コミュニケーションや対人関係で問題があるように私には感じられました。
専門学校は玉石混交なので慎重に選ぶ必要があると思いますが、私にとってはよい選択肢だったと思います。
(具体的に専門学校の授業でICUの入試に役立ったという部分はありますか?)
英語は高校では得意科目ではありましたが、専門学校でとても伸びたので、英語対策は専門学校の授業によるところは大きいです。また、通訳等の実践的な授業はICUの入試では大いに役立ちました。
例えば通訳をする際のメモの取り方などを授業で習うのですが、今のICUの入試では半分がリスニングの試験になっているので、メモをどう取るかはとても重要なのですが、メモの取り方を教えてもらう機会はほとんどないと思います。その点は有利でしたね。
(具体的にはどういうポイントですか?)
通訳をする際は発言内容を素早くまた一貫性をもってメモをする必要があるのですが、頻出の言葉などは記号でメモします。
例えば通訳が必要な会議では国名がよく出ますから、Japanなら○Jのみ、
また、人物名はあらかじめ略語を決めておいて、Tanakaさんなら(T)、といった具合です。
これはそのままATLASのメモに使えるテクニックですね。
(とても実践的な授業ですね)
通訳翻訳家の養成を謳うコースだったので、メモ取りはかなりやらされましたね。
英語でしゃべっていることをひたすらメモする授業があり、そこではメモが的確にできているかを提出させられていましたので、とても鍛えられました。
ATLASは量も多いですし、メモ用紙も配られてメモは必須なので、通訳が使うようなメモの技術は参考になります。全部書き取ろうとするとどんどん放送が流れてしまうし、また速記のように記録するためのものではないので、通訳の授業で習った内容は大いに役立ちました。
(そのテクニックは英語リスニングにも応用できますか?)
いえ、英語リスニングに関してはメモを取る余裕がないし、問題用紙を見ながらリスニングを聴く形になるので、こちらは問題を見ながら解く練習をした方がよいと思います。
*注:ICUのATLASではメモ用の冊子が配られてそれにメモをする。問題冊子にはシールで封がされており、放送終了まで問題冊子を見ることはできない。
英語リスニングにはこのような制限はなく、問題用紙を開いた状態で、設問を見ながら放送を聴く。英語リスニングでも問題冊子にメモを取ることは可能。
(昨年度にも受験されたとの事で、昨年度と今年度の合否を分けたポイントはどこにあったのでしょうか?)
間違いなく英語のリスニングですね。入試結果を開示したところ、昨年度は約5点差で不合格だったのですが、昨年度はリスニングが難しくて、明らかにリスニングが原因でした。とにかく今年度入試に向けては英語リスニングを徹底して訓練しました。
(次回英語リスニング対策に続きます)