青山学院大学国際政治経済学部国際政治経済学科B方式合格体験記
<お名前>
BUCHO
<プロフィール>
都立Tタマ高校卒、ICU(国際基督教大学)卒
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趣味はビリヤード、マジック、自転車
<受験形態・合格年度>
一般入試・2013年度入試
青山学院大学政治経済学部政治経済学科B方式
<予想得点>
英語得点 = 8-9割
リスニング得点 = 7-8割
国語得点 = 7割
<併願校>
今年は英国2科目型の研究のため、中央大学総合政策学部を併願
<受験するまでのいきさつ>
ICUとの併願校の研究のため。特に英語、リスニング、国語という試験科目のB方式に注目。
<大学への期待>
(入学するとしたら)
アクセスの良さ
少人数制
-入試対策-
<英語>
青山学院国際政治経済の英語の出題は以下のものが定着している。
大問1 英文の和文要約問題(字数制限あり)
大問2. 短めの自由英作文(60文字)
大問3-6 内容一致、正誤問題、穴埋め問題などオーソドックスな英語問題
ポイントは大問3以降のオーソドックスな英語問題を素早く終わらせ、後から1,2の和訳および英作文に取り組むことである。
経験上、英作文や和訳は後回しにした方がよい。なぜなら英作文と和訳は残っている時間に応じて細かく書いたり、あるいは時間がなければおおざっぱに書くなど、時間調整が可能であるが、先に英作文等をやってしまうと時間配分が難しくなる。
(実際の試験)
事前のプラン通り英作文と和訳である大問1,2を飛ばし、択一式(マーク式)の大問3-6を順番に解いていく。多くの問題が3択もしくは2択(正誤問題)だった(2010年度までは4択、2011年度以降3択)。3択であると他の受験生の正答率が高くなるので、その意味でも見直しに時間をかけ、意図的にややゆっくり目に解くよう心がけた。
印象としては問3,4,5,6の択一(マーク)パートは全問正解の受験生が一定数いるような問題で、スピードはそこまでは問われないが、ミスはあまり許されない、精度が問われる問題だった。
近年の大学入試における英語リーディングでは、正答率は7割程度でよいので、とにかくスピーディに問題を解くことが要求される形式が増えている。しかし青学国際政治経済の場合、ゆっくりでよいので8割5分以上は正解せよという性質の問題と言える。
実際の試験では問3,4,5,6の択一は合計で53分を費やして解いた。試験時間は90分なので、問1,2の英訳・英作文問題を解くための残り時間が37分。これだけあれば英作文・和訳を書く時間は十分に残されているが、少なくとも20分程度は残しておきたい。
<1-2.和訳>
大問1は和訳問題で、160-170文字程度の1パラグラフの英文を、100-130文字の日本語に訳せという問題。英文和訳+要約とも言える問題で、この手の問題他大学でも出題されているが、
青学国際政治経済の特徴は制限字数がきっちりきまっていることであり、英文からなるべくエッセンスだけを拾って書くようにしないと、すぐに制限字数に達してしまう。かといって要約の部分に時間をかけすぎると試験時間内に終わらなくなってしまうところが難しい。
実際の試験では、トピックセンテンスと結論の部分は丁寧に訳し、文章中盤の例としてあげられている箇所は軽く訳すように心がけた。このパートには25分程度時間をかけて慎重に解き、残り約10分で大問2の英作文を解く。
<1-3 英作文>
最後に解いた大問2は、制限文字数60文字の英作文。これも制限文字数が非常に少なく、短くまとめるのが大変というタイプの問題。3文を書いたら制限文字数に達してしまう。しかもこの回答欄にはノートのように横線が引いてあるだけなので、自分で制限文字数を確認しながら答案を仕上げなくてはならない。ただし出題されるトピックは概ね書きやすい内容なので、内容に関してはそれほど困らないだろう。
<1-4 英語まとめ>
青学国際政治経済学部の英語全般の印象として、出題される問題は自体は平易である。特にICUやSILS、あるいはSFCを併願するような、英語の意識が高い人には比較的簡単に見える問題だろう。ただし合格者数の少ないB方式では高得点を狙っていく必要があり、あまりミスが許されない試験とも言える。
また、筆記問題あるため、タイムマネージメントはしっかり行う必要があり、くれぐれも筆記問題は後回しにした方がよい。筆記に関してはSILSの問題を平易にしたイメージで、この点SILSとの併願には優れている。
<昼食>
1限目の英語が終わると「本日7号館および17号館の学生食堂は利用可能です。休憩場所としてもご利用いただけます」という全体アナウンスが流れた。
35,000円の受験料を徴収しながら、食事する場所すら用意しない大学が多い中、この対応は素晴らしい。しかも学食の食事はなかなかおいしかった。
ちなみにICUも入学試験日に(公式に)学食が利用できる数少ない大学で、受験生をゲストとして温かく迎える姿勢には定評がある。こういうゲストを大事にするような対応はもしかするとキリスト教主義大学らしいところなのかもしれないと思ったりした。
<2.英語リスニング>
さて、昼食後の2限は青山学院国際政治学部国際政治学科B方式最大の特徴である、英語リスニングである。特徴は以下の通りである。
1.とにかく長大
試験時間60分で大問6問構成。試験時間が長く、問題数も多い。さらに500word超の問題も出題される。
2.全ての問題は、設問を含め、2回読まれる
これはポイントで、ICU(全て1回だけ読まれる)やSILS(年度によって異なるが、一部の問題は2回読まれる)と違って、全ての問題が2回読まれる。なお選択肢は全て問題用紙に印刷されている。また、設問(Question)もほとんどが問題用紙に印刷されている。なお設問が印刷されていないで放送される問題もあるが、この場合、設問も2回放送される。
3.書き取り問題(筆記)がある。
例年最後の問題は2問の書き取り問題がある。1文は20-25word程度で長くはないが、完全に書き取るのは非常に難しい。各問いは2回読まれるが、1回目が読まれてから2回目が読まれる間(ポーズ)はそれほど長くなく、さらに1問目の後の2問目も大きく間を空いて読まれる訳ではない。このためまだ1問目を書いているという段階で、2問目の放送が始まる、ということになりがちだ。
4.問題自体は平易
同じく私大でリスニングのあるICU(国際基督教大学)やSILS(早稲田大学国際教養学部)の英語リスニング問題比較すると、問題自体はそこまで難しくない。感覚的難易度としては以下のような感じである。
(難) SILS=(or>)ICU>>>青学 (易)
SILSは受験生の英語リスニングの実力をはかろうと言うより、難しい問題を出して受験生を突き落とすことを目的にしたような問題。早稲田大学は問題自体あまり緻密に作られていない。一方、ICUはTOEFLの問題に近く、実力通りの点数が出る。きとんと考えられたまっとうな問題。青学は全般に問題が簡単で、取れる人は満点近い点数が出そうだ。ただし最後の書き取り問題はなかなか難しい。
結論として、ICUやSILSを併願している人にとってはそれほど難しい問題ではなく、併願の相性が非常によい。ただし問題が解きやすい分高い正答率が求められることになるだろう。
(実際の試験)
試験会場である1号館の教室の天井にちゃんとしたBOSEのスピーカーが設置してあったのだが、試験時間になると教壇の上の小さなラジカセが再生され、試験がスタートした(全体放送ではなく教室ごとの放送)。ちなみに放送テストはせず、いきなり始まった(リスニング試験で放送テストをしないパターンは後にも先にも初めて)。
リスニングの問題構成として、大まかに内容一致(3択問題)と正誤問題(2択T or F)が交互にやってくる感じだ。内容一致は問題冊子に書かれている設問を、放送を聴きながら随時答えなくてはならないので比較的忙しいが、正誤問題は設問自体が最後に放送されるため、かなり時間的には余裕があった。正誤問題は簡単であるため、1回目を読み終わった段階で、2回目の放送は聴かずに次の問題の設問を先読みしている受験生も多くいたようだ。
なおICUの試験などでは、開くページ数まで放送で指示されるため、問題冊子を勝手に読み進めることはできないが、青学の場合は特に指示がないので、自分の判断で放送中に別の問題の箇所を読んでいてもかまわない。1回目の放送で全ての問題が解けた場合は次の問題を読み進めるのもよいだろう。
順調に大問5までが終わり、最後に書き取りの大問6。ここは比較的難しく、おそらく書き取れたのは9割程度で、後は英文としておかしくないように、文法的(ライティング的)な知識から前置詞等を補充して英文を完成させた。
なお放送(ラジカセ)による問題読み上げは、試験開始から50数分で終了した。残り5分強に関しては、自由に見直してよい。よって、この時間を利用して、まだマークしていない箇所を後からマークするということも可能だろう(つまり放送中はマークせず問題用紙にチェックだけしておいて、放送終了から試験終了までの時間を利用してマークシートを記入することも可能)。ただし年度によって異なると思われるので、やはり放送を聴きながらマークした方が安全ではある。いずれにしても問題の放送終了後に少し時間がある点は覚えておきたい。
<3.国語>
3限目は現国。青学国際政治学部B方式では古文は出題されないので、純粋な現国の試験。大問2問構成で、これも比較的問題自体は平易である。
(実際の試験)
国語だけ5択になるので3択の問題を2限解いてきた後だと少し戸惑うかもしれない。また、解答用紙であるマークシートは専用のものではなく、汎用のもので、一部筆記問題は別の解答用紙に書くため、マークシートの番号と問題用紙の番号が一致しない(例えば問11はマークシートの回答欄10にマークするなど)。
もちろん問題用紙にマーク欄は指示されているが、専用のマークシートではなく、問題番号とマークシートの番号が一致しない点には十分に注意したい。
実際に解いていくと時間的にはかなり余裕があった。青学の他の教科と同じく、問題自体は難しくないので、合格者数の少なさを踏まえると、合格に向けては高得点が求められそうだ。
<最後に一言>
・英国2科目型の併願校としては、ICUやSILSとの非常に相性がよく、言い方は悪いかもしれないが、試験問題自体は簡単で、下位互換性がある。ただしB方式の合格者数は例年10数人(今年度の合格者は18人)と極端に少ないので、常に試験中10位以内をキープするような姿勢で試験を受ける必要がある。
・青山学院国際政治経済学部の学生が4年間学ぶ青山キャンパスのロケーションは抜群であり、英語と国語を得意としている人は、併願校の一つとして検討したいところである。
・試験のポイントはやはり英語リスニングで、60分と長大であり、問題数も多いので、併願校のリスニングテキストなども活用しながら、しっかりと対策をしておきたい。