🌸2026年度Cherry Blossom奨学金 奨学生インタビュー(後編)
前編では、高2でのオーストラリア留学、高3での通信制高校への転校を経て、ICUを受けると決めるまでの経緯をうかがいました。後編では、Cherry Blossom奨学金への応募、ICU単願の理由、そして実際の受験対策についてお話をうかがいます。
*nanoさんの場合、今回のICU Cherry Blossom奨学金は約447万円に相当

書類準備と調査書
——Cherry Blossom奨学金やICU入試の出願には調査書が必要ですね。転校している場合は?
通信制高校に転校していたので、調査書は全日制時代の記録も含めたものを通信制高校から発行してもらいました。発行元は通信制高校ですが、内容としては高校3年間の記録がまとまっている形です。
ただ私の場合は、留学中の成績も高校の卒業単位に入っていて、全日制高校で単位認定してもらっていたので、留学先の成績表の原本のコピーとその証明を元の全日制高校から発行してもらいました。
——Peace Bellには応募しましたか?
いえ、応募していません。Peace Bellはエッセイが必要だったりして、やることが多いんです。一般選抜の勉強と並行して進めるには、かなり大変だと思いました。まずは入試に受からないと意味がないので、そこに時間は使えないなと感じていました。
その点、Cherry Blossomは応募にかかる労力がほとんどありませんでした。こちらでも授業料の3分の2が免除になりますし、応募のしやすさという意味ではかなりありがたかったです。本当に必要性が高い人以外は、Cherry Blossomを選ぶのも十分ありだと思います。
採用の決め手になったと思うこと
——Cherry Blossomに採用された理由として、ご自身ではどんな点が大きかったと思いますか?評定平均は?
評定平均は4.8でした。
それに加えて、調査書で見てもらえる要素がいろいろあったのかなと思っています。高校時代の活動には自信を持っていたので、そこを評価してもらえたのかなと思います。
——Cherry Blossomの応募は調査書と収入証明だけの提出ですよね。活動歴などはどうやって示すのですか?
私の通っていた高校では、毎年その年の活動実績を申請する仕組みがあって、それによって調査書に高校時代の活動を書いてもらえました。ビジネスコンテストでの実績や、採用されたプログラムなども書いてもらえたので、実績としては目を引くものになっていたのではないかと思います。
——具体的にはどんな活動がありましたか?
ひとつは、とある全国規模のビジネスコンテストです。そこで入賞を経験しました。
あとは、とある省庁が主催する起業に関心がある高校生向けのプログラムにも採用していただいた経験があります。
——かなり強い活動実績ですね。これだけ活動が充実しているなら、総合型選抜を受験するという選択肢もあったのではないですか?
実は総合型選抜の受験も考えていたのですが、留学から帰ってきたのが7月で、その時点ですでに通信制に転校することは決めていました。ただ、単位認定や前の高校での手続きもあって、すぐに転校できるわけではありませんでした。結局、転校の手続きが完了したのは10月1日でした。
ICUの総合型選抜は9月初めに書類を提出しなければならないので、ちょうどタイミングが間に合わなかったという感じですね。もし今年のICUの一般選抜で合格できなかったら、来年の総合型選抜を受けようとは思っていました。
——なるほど。Cherry Blossom奨学金への内定がわかったときはどう感じましたか?
家族もすごく喜んでくれましたし、私自身も、調査書の欠席日数などではなく本質的な部分をICUに評価してもらえたような気がしてうれしかったです。そういう意味でも、一般選抜の受験勉強へのやる気がさらに出ました。
塾や予備校に通わなかった理由
——塾や予備校には通わなかったんですね。
はい。もともと塾や予備校の雰囲気が苦手だったんです。
それに、ICUの一般選抜について調べていく中で、普通の受験勉強よりも、過去問を解くことの方が大事だと感じました。偏差値を上げるための勉強を塾でやっても、ICU入試という観点ではそこまで意味がないと思ったんです。
なので、過去問をたくさん解けるオンレク(オンラインレクチャー)を選びました。赤本3年分だけでは絶対に足りないので、オンレクがあって本当に良かったと思っています。
オンレクの使い方
——オンレクはどのように活用しましたか?
推奨度が高いものを優先して解いていました。最新の問題は直前期に取っておくようにしていました。
——オンレクのほとんどすべての過去問を制覇されていますが、一部飛ばしたものもありますね?
社会科学系の問題では、コメントを読んで「これはやばいな」と思ったものを飛ばすこともありました。全部を均等にやるというより、ある程度はメリハリをつけて使っていましたね。
オンレクは、偏差値や難易度、推奨度が見えるので、一喜一憂せずに淡々と過去問をこなせたのが良かったです。
人文・社会科学の対策
——人文・社会科学の対策はどうでしたか?
オンレクで過去問を解くことだけです。知識問題については、見直しの時に読むくらいで覚え込むことはしていませんでした。知識問題だと思っても丁寧に読めば解けるものもあって、本番でも知識問題だけで解答を決めるのではなく読解で取れるものに集中していました。
——速読解力検定1級というのをお持ちだそうですね?
はい、全日制の高校の時に受けた検定です。1級は難しめで、同じ学校でも1級の人はそんなに多くなかったです。縦書きと横書きの文章が両方出てきたり、文章の順番を並べ替えたりとか、読解力と速度を両方試される感じでしたね。
総合教養(ATLAS)の対策
——総合教養の対策はどうでしたか?
これもオンレクで過去問を解いたことが一番効いたと思います。メモはとにかく全部取る派で、聞き逃したら終わりという気持ちで取っていました。私の場合はただ聞くよりもメモを取りながら考えた方が、頭に入るし集中力も高まると感じています。これは人によると思うので過去問をやっていろいろ試すとよいでしょうね。
——本番で印象に残っていることはありますか?
情報のビット数についての話題が出てきたんですが、ちょうど通信制高校のスクーリングの情報の授業で触れていた内容だったんです。まさか受験で使うとは思っていませんでしたが、その授業も真面目に聞いていたのでよかったなと思いました。全ての学びにアンテナを高く持っておくことは大事だと改めて感じました。
数学や理系の問題も、最初から無理だと決めつけないことが大事だと思います。本番で出てきた計算問題も、講義の中でやり方がちゃんと解説されていたので、それをちゃんと聞けていれば解けました。
英語リスニングの対策
——英語リスニングはどうでしたか?
8か月のオーストラリア留学を通して伸びた部分が大きいので、あまり参考にならないかもしれませんが、受験対策としては過去問を解くことしかしていません。
それから、英語ネイティブが話すPodcastを1.3倍速で聞いていました。これを聴いていたおかげで、本番のリスニング音声のスピードがゆっくりに感じられました。
——どんなPodcastを聞いていたんですか?
“The Austin and Arthur Show"という番組です。日本とアメリカの文化の違いなどを扱っていて、生の英会話に触れられるのが良かったです。
英語リーディングの対策
——英語リーディングはどうでしたか?
これは留学で伸びたというよりは、公文式で作った土台が大きいです。中学生の時に公文式の教材を全部終えていて、英語読解力がかなりついていました。
穴埋めをする長文は、最初は点数が安定しなかったんですが、何十年分と解くうちに感覚がつかめました。
ルーティーンとしては、最初の長文、次に穴埋め、最後に2つ目の長文という順番で解いていました。かなり長文読解は得意な方ですが、それでも時間はほとんど余りませんでした。
時間が足りないという人は、長文読解の問題数をとにかくこなすのが大事だと思います。私もこれまで公文や英検、TOEFL対策としてたくさん問題を解いてきて、それが役に立ったのだと思います。
合格後の感想など
——合格した時の気持ちを教えてください。オンレクの成績もどんどんよくなっていたので合格は確信していた?
試験が終わった後は良い感じかなとは思っていたんですが、発表の3分くらい前になって急に不安になりました。受かっていた時は本当に良かったと思いました!
——九州から上京される形ですが寮などはどうされますか?
寮は私には合わないと思って学生会館にしました。実はICU入試の翌日に、都内の学生会館を見に行っていたんです。地方の方には受験と一緒に見学してしまうのもオススメですね(笑)
学生会館はご飯も平日と土曜の朝晩は出していただけるし、家具もついてくるし、寮長さんや職員さんもいて頼りになるので、環境はとてもよいです。家具で買ったのは冷蔵庫ぐらいですね。
——これから受験を考えている方へメッセージをお願いします。
ICU入試の過去問を解いていると、毎年いろんなテーマのメッセージが隠れている気がして、それを受け取るのが楽しいんです。そういう楽しさに気づけると、受験勉強がしんどくなりすぎないと思います。
私自身は高3の途中まで留学していた上に、通信制高校に転校して、レールから外れたような経験をしてきましたが、それでもICUに合格できましたし、奨学金もいただけました。いろんな背景を持った人にもチャンスがある入試だと思います!
——ありがとうございました!
