ICUから東京大学公共政策大学院へ(1)

「ICUから東京大学公共政策大学院へ」

今回はICU(国際基督教大学)学内新聞サークルの後輩のSHIBATAKOさんに東大大学院受験の様子をご寄稿いただきました。

大学院入試はICU入試に通じる所があり、また、東大大学院はICU生の進学先でも最も人数が多い所の一つであるため、ぜひICU入試受験生の皆様も参考にして下さい。

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こんにちは、ICU4年で、来年度より東京大学公共政策大学院(以下GraSPP)
へ進学予定のSHIBATAKOと申します。メジャーは政治学と公共政策のダブルメジャーで、卒論は政治学の教授のもとで書きました。

この記事では、私がICU生としてGraSPPの入学試験に合格するまでの経緯をお伝えしていきます。

まず、GraSPPへ進学しようと考えた経緯ですが、具体的に進路を決めたのは3年生の時の夏でした。ICUへ入学した際は就職を考えていましたが、ICUで学ぶうちに、自分が学術的な場で思ったよりも良くできることに気づき、その可能性を伸ばしてみたいと思い、大学院への進学を決めました。

数ある大学院の中でGraSPPを選んだ理由は、私の興味関心の方向性 と一致していたことがまず挙げられます。私は政策を通して社会にポジティブな影響を与えることに参画したいと思っていましたし、政治学・公共政策学を生涯の生業にしていけたいと考えていたのです。その点で政治学や公共政策の研究ができる大学院を目指すことにしました。

ここからが本題なのですが、以下ではGraSPPの入試の概要と私が行った試験対策についてお伝えします。

入試システムについてはGraSPPの公式サイトの入学案内のところに詳しく書かれていますが、概要は以下の通りです。

<一次試験>
1)学習計画書、出身大学の成績証明書などの提出書類の審査
2) TOEFLのスコア
3) 専門科目試験(筆記試験)

<二次試験>
口述試験(面接)

この内、一次試験の筆記試験は試験区分が5つ(法律・行政・政治・国際関係・経済学)あり、その中から1つの試験科目を選ぶことになります。募集要項に詳しく書かれていますが、必要な書類として注意が必要なものはTOEFL成績表と学習計画書になります。前者は準備までに試験を受けねばならず、早めの対応が必要でしょう。また、後者の学習計画書に関しては、二次試験の面接でそれをもとに面接官が質問してくるので、それを踏まえながら書くことが必要になるでしょう。その他、教務課にお願いしないと用意してもらえない書類(成績証明書・卒業(見込)証明書 )があります(GPAは提出時で3.4くらい)。教務課が閉室している時期と出願期限がかぶる可能性もあるので、これらも早めに用意することが望ましいです。教授からの推薦書にあたるものは必要ありません。

試験の大まかな流れですが、以下のようになります。まず、5月ごろに説明会があります。ここで試験に必要な出願書類などがもらえるので参加できるに越したことはありません。説明会では入退室は自由だと思われます。試験は専門試験科目(筆記試験)が九月の上旬(私の時は9/5)に行われ、口述試験が九月の下旬(私の時は9/21)に行われます。合格者発表は一週間後です。以上が試験の概要になります。

皆さんが受験するICUの教養学部の一般入試は他の私立大学と同じようにでは2月に入試があります。しかし、ほとんどの大学院は、学部より早いタイミングで試験が行われますので、早めに準備することが大切です。このあたりはICU入試で言うAOや推薦入試と一般入試の時期に似ているかもしれません。

ここからは、試験対策として行ったことを(1)英語対策(2)筆記試験対策(3)学習計画書(4)面接試験に分けてお伝えします。

(1)英語対策:英語はICU生にとってアドバンテージとすることが最も容易な科目です。というのも、ICUにはELAという必修の英語科目があるだけでなく、ELA修了後も多彩なE開講の授業により英語能力を伸ばしていける環境があるからです。また、英語はTOEFLスコアの提出のため他の試験と違いやり直しが何度でもできます。ICU入試の受験生にとっても、ICU入試はTOEFLに似ているため、ICU入試を突破してきた人にはとても有利だと思います。
私が行ったTOEFLへの対策としては以下のものが挙げられます。(1)E開講の授業を積極的に受講する。(2)ELAのTOEFL対策を受講する。(3)リスニング・スピーキングの練習をする。
TOEFL iBTにはリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4つのセクションがあり、これらのうちリーディングとリスニングはICUの日々の目まぐるしいアカデミックライフの中で磨くことができます。すなわち、E開講の授業を積極的に受講することで磨かれます。E開講でなくとも、授業で出される大量のReading課題をこなしていけば自然とリーディングセクション準備ができます。また、ライティングに関しても、学期末のレポートをELAで教わったことを忘れずに書くことを続ければ及第点には到達するでしょう。
また、ELAの授業にあるTOEFL対策を受講することも有効です。この授業ではTOEFLに対する基礎的な予備知識を得ることができます。この授業を終えた後にリスニングとライティングを自宅で練習すれば効果が上がると思います。この点に関しては根気強く継続して練習することが最も重要だと思われます。

私が提出したTOEFL iBTのスコアは「Reading 27/Listening 23/ Speaking 17/ Writing 25/ Total 92」でした。リーディングとライティングの点数で会話スキルの低さを埋め合わせた結果です。それでも最終合格者のTOEFL平均点 (公式サイトによると、「最終合格者のTOEFLスコア平均点 IBT 88.7点」)よりは高いので、私のような「会話系そこそこ、読み書き重点的に」という戦略で問題ないと思います。
最後に、TOEFLは早め早めに済ませた方が有利です。というのも、早めに終わらせると、それだけ専門科目への対策を早めに取り掛かることができるようになるからです。TOEFLは出願時には既にスコアが出た状態である必要があることに加えて、一次試験では高度な英語能力が求められる試験はありません。そのため、英語は早めに済ませた方が良いでしょう。

(2)筆記試験対策:これはICU生の間でも難易度が分かれるかもしれません。というのも、私のようなダブルメジャーで公共政策系の科目を取り続けた人と、いろんな科目を受講することで放浪している人の間には大きな差があるからです。ですが、取れば試験が有利になる科目や授業外で何をしたかという情報が、両者にとって価値あるものとなるでしょうから、これらについてお話します。
私は筆記試験を「行政」で受験しました。行政の科目は「政治・行政学」と「行政法」になります。「政治・行政学」に関係があるのは、もちろん政治メジャーと公共政策メジャーの授業です。この中で国内政治を扱うものが「政治・行政学」の試験科目と結びついていると思われます。「行政法」の試験科目については、ICUでは「行政法Ⅰ・Ⅱ」が開講されているのでこれらをとることが有効です。私はⅠ・Ⅱの両方を受講しました。
自習で便利な本は基本的な教科書です。私は「政治・行政学」ではNew Liberal Artsの『政治学』と西尾勝先生の『行政学』を中心に試験準備を行いました。読んだ分量としては、それぞれ3回以上読んだ記憶があります。これらを読む中で気を付けたのは以下の点です。まず、重要な用語について説明できるようになること。次に、現在争点となっていることがらと結びつけて説明できるようになることの二つです。
「行政法」では授業の教科書だった高橋滋先生の『行政法』と、神橋一彦先生の『行政救済法』ジュリストの『行政法判例百選』を用いました。これらは、「行政法Ⅰ・Ⅱ」で教科書として使ったものです。読んだ分量としては、こちらも3回くらいです。行政法は出題傾向が分かり易いので、出題されそうなところを重点的に。
また、問題の出され方には一定の傾向があります。これがわかるようになるには十分に勉強することが必要なのですが、それがわかるようになるまで勉強すれば、その傾向に従って学べば大丈夫でしょう。また、時事問題もよく提出される傾向にあるので、試験科目と関連があると思われるニュースには目を光らせておいてください。かといって、私は新聞を毎日読むようなことはできませんでした。SNSで見ていたくらいです。

また、これらの領域はICU入試では内容としては社会科学(人文・社会科学)の科目で出題されている領域に属するものが多く、ICU入試受験の段階でICU過去問の演習をしている人は、大学の入門レベルの知識は身についているかもしれません。

(次回に続きます)