🕊️🔔―2026 Peace Bell奨学生インタビュー―高校中退からICU合格(前編)

第1回

高校中退からICU合格、Peace Bell奨学金内定へ――2026 Peace Bell奨学生インタビュー(前編)

ICU(国際基督教大学)2026年度一般選抜に合格し、ICU Peace Bell奨学金の内定を得たKさん。東京都出身のオンレク受講生です。私立中高一貫校を高1の冬に中退し、高卒認定試験を経てICU合格を果たし、2026年度入学式では新入生代表として宣誓も担当しました。

Peace Bell奨学金は、主に同窓生の寄付によって支えられてきたICU独自の奨学金で、採用されると原則4年間、入学金・年間授業料・施設費に加え、入寮した場合は入寮費・寮費も免除されます。今回のKさんの場合、4年間で約873万円に相当します。

前編では、Peace Bell奨学金への応募経緯とエッセイ、そしてICU対策講座オンレク(オンラインレクチャー)の位置づけを伺いました。

2026年度ICU Peace Bell奨学金採用内定通知(Kさんご提供)

「出さないことには受からない」

――ICU Peace Bell奨学金に応募しようと思ったきっかけを教えてください。

Kさん:制度自体は前から知っていました。実際に踏み切ったのは、お世話になっていたカウンセラーの方がICU卒で、「出さないことには受からないから、絶対に出した方がいい」と背中を押してくれたことです。私は高1の冬に高校を中退していたのですが、推薦状が必要だったので、受験の年の8月ごろには中退した中高の恩師にも思い切って連絡を取りました。先生に推薦状の執筆を快諾してもらえたのは本当にありがたかったです。

ICU Peace Bellだけでなく、ICU High Endeavor奨学金にも応募しました。

――書類の準備で苦労したことはありましたか。

Kさん:うちは片親なので、課税証明書以外にも追加の書類が必要だったんですが、最初それを見落としていて、途中で気づいてかなり焦りました。しかもマイナンバーカードの更新を忘れていて、必要書類が出願期間中に間に合わなかったんです。担当の方に直接連絡して、代替の書類を出す形で受理していただけました。もっとも次回もこのように対応してもらえるとは限らないからとにかく早めに応募の必要書類は確認した方が良いです。ICUに問い合わせてみると親切に対応してくださったので、わからないことは早めに連絡するに越したことはないと思います。

エッセイに込めた思い

――Peace Bell奨学金にはエッセイが必要ですよね。エッセイでいちばん意識したことは何ですか。

Kさん:「この奨学金がなくても通うことはできるかもしれない。でも、ICU Peace Bell奨学金があれば自分の4年間は大きく変わる」という書き方をしました。ただ「必要です」で終わらせるのではなく、あったら何が変わるかを中心に据えました。アルバイトではなく、ICUでしかできないことに集中したい。寮にも絶対入りたい。その両方の意味をきちんと書きました。

卒業後については、弁護士志望であることを書きました。弁護士になるには法律の知識だけじゃなくて、根本的な問題に気づく力、自分で問いを立てる力が必要だと思っていて、だからこそICUでの学びが必要だと書きました。

自己PRでは、中退後に美術館に通ったりボランティアに参加したりしてきたことを書きました。美術鑑賞については、ただ「好きです」で終わらせるのではなく、最近は背景情報をあえて入れずに一周目は自己解釈を優先している、といったところまで書きました。何が好きかだけでなく、どう受け取っているかまで伝えたかったんです。

――エッセイの書き方で意識したことは?

Kさん:自分の言葉で書くことです。奨学金のオープンキャンパスで担当の方が「最近は皆さん文章がうまくて」とおっしゃっていて、それってみんなAIで整えすぎているということでもあるのかなと思いました。下手でも自分の言葉の方がいいと判断しました。

結局フォームに全然収まらなくて、Notionのメモをもとに別紙も3〜4枚ほど出しました(笑)。先輩のインタビューを読むとフォームをそこまで埋めていない方が多いようで、書きすぎかなとも思ったんですが、削ると自分ではなくなる感じがあったので、そのまま出しました。

「大学に行きたい」ではなく、「ICUに行きたい」

――エッセイの志望動機には何を書きましたか。

Kさん:中学生のころにICUを知って、理念や教員のインタビューにすごく共感しました。もともと、早い段階で専門を決める感じに違和感があったので、「大学に行きたい」というより「ICUに行きたい」という感覚を自分なりに書きました。

ICU高大接続プログラム(3泊4日)にも参加したんですが、それが本当によかったです。参加者に通信制高校の人や高認の人がいて、自分だけじゃないんだと思えましたし、ディスカッションが楽しすぎて「これが毎日あるのか」と実感しました。寮にも憧れて、絶対に入りたいと思いました。そんなような事を奨学金のエッセイにも書いたんですが、実体験としてICUで授業を受けて寮に入ったことで、ある程度説得力を持って書けたと思います。ちなみにICUのオープンキャンパスにも5回参加しています(笑)

オンレクの活用

――受験期、当サイトのオンラインレクチャー(オンレク)はどのように活用されましたか?

Kさん:オンレクでいちばん大きかったのは解説への納得感です。他の解答だと「それが正解なわけがない」と感じることもあるんですが、オンレクは選択肢を切る根拠がはっきりしていて、間違えても必要以上に落ち込まずに済みました。「なんでこれが違うんだろう」とモヤモヤしたまま勉強しなくて済むのは、精神的にかなり大きかったです。

あとは、偏差値や過去合格者のデータで立ち位置が見えること。「オンレク偏差値50でいける」というのは、オンレク勢にしか伝わらない感覚だと思うんですけど、周りに同じ形でICUを受ける人があまりいなかったので、数字で確認できるだけでかなり支えになりました。オンレクの中での偏差値50を意識しながら、過去の合格者の得点を目標にしたりしていました。

全額免除の奨学金に内定

――ICU 合格とPeace Bell内定を知ったときのことを聞かせてください。

Kさん:発表の日はお昼頃にサイトを開きました。まず「合格」が見えて、それだけでも声が出たんですが、同じページをスクロールするとPeace Bell奨学金の内定も表示されて、本当に叫びました。母もすごく喜んでくれました。

正直、学費寮費全額免除のPeace Bell奨学金の内定をいただけたことには驚きました。学びに集中できる環境を得られたことも大きかったですが、奨学金という形で認めてもらえたことや、大学での学びを応援してもらえたということがとても嬉しかったです。

入学式で新入生代表として学生宣誓を担当

――入学式では新入生を代表して学生宣誓を担当されたそうですね!宣誓をした感想は?

Kさん:宣誓は、入学式の前々日のオンラインでのミニレクチャーの時点から非常にアットホームでした。当日も、教授や職員の方々から口々に「失敗しても大丈夫だからね! 気負わず頑張って!」と声をかけていただき、なんとかリラックスして大役を全うできました。

ただ、宣誓文を回収するお盆が重すぎて右腕を攣りそうになったり、学長の岩切先生が小声でおっしゃった「握手、握手!」を「拍手、拍手!」と聞き間違えて会場に大喝采を巻き起こしたりと、アクシデントもありました(笑)。

――入学式後に行われたICU Peace Bell奨学金新スカラー歓迎式典の雰囲気はどうでしたか?

Kさん:歓迎会も案外カジュアルな雰囲気で、先生方のお話もユーモラスかつ心に響くものでした。

ただ、新スカラー全員にスピーチが課されていたのですが、周りがA4の台本を準備して読んでいる中、僕はざっくりとしたメモだけで挑んでしまって。壇上に上がった瞬間すべてが飛び、ガンキョドりで言葉崩れまくりのやばいスピーチをしてしまいました。

でも本当に救いだったのは、会場の全員が頷いたり笑ったりしながら、僕のその崩れたスピーチを真剣に聞いてくれたことです。式典後には、ある教授が握手しながら「スピーチ良かったよ! また授業とかで会おうね」と励ましてくださって。

先輩スカラーの代表挨拶の仕草や言葉の重みにも、「俺もこういうかっこいい人間になりたい!」と強く刺激を受けました。全体的にアットホームで失敗に寛容で、ICUコミュニティの温かさを肌で感じられた素晴らしい一日でした。


インタビュー後編では、高校中退に至った経緯、中退後の生活、高卒認定の取得、そしてオンレクを活用しながらICU一般選抜を戦った入試本番について伺います。