ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2021(3) トリッピーレッドさん
1. お名前、プロフィール
<お名前>
トリッピーレッド
<プロフィール>
大まかな経歴
都内私立高校理系選択(vもぎ偏差値60くらい)→駿台予備学校東北大コース→都内中堅私立文系の国際系学部(発達障害の発覚により理系の進路が困難になったため)
趣味 散歩、都内の飲食店探訪(ラーメンやカレーなど)音楽鑑賞(ダンスミュージック、USラップ)
2. 受験形態
一般選抜 転編入本科
3.予想得点
人文社会または自然科学得点 = 9割
総合教養得点 = 8割
英語リスニング得点 = 4割
英語リーディング得点 = 7割
4.併願校
ICUのみ受験
(未出願だが明治大の情コミュの編入も考えていた)
5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
ICUを知った経緯
高2のオープンキャンパス時に受けたATLAS体験コーナーで満点を取れたことがきっかけで受験しようと考えたが、当時は工学部志望だったので現役・浪人共に受験しなかった
昨年の発達障害の診断をきっかけに工学系の専攻が向いていないと医師からアドバイスを受けたために、多用な進路の可能性があり、試験問題が自分にあっている事を思い出し受験に至った
6.ICUに期待するところ
社会物理学に興味があるので、経済学や物理学メジャーを考えている。学修環境が整っている印象があるので、図書館の設備やライティングサポートなど大いに活用したい。
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>
在学中の大学で、自身の障害に関して支援室側から差別的な対応を受けたため編入を考えた。
<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>
大学院で社会物理学や統計系の研究をしたいので、それに備えた学習ができるため。例えば、社会学や物理学、コンピュータサイエンスの知識が必要なのでICUでは自分の進路の基礎部分を創る学びが可能であると考えている。
<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>
自身のデメリットである障害をメリットに変える思考を得意としている。例えば、興味が分散しやすい特徴はリベラルアーツに置いて無尽蔵の知識を吸収し得るポテンシャルを秘めていると思う。
a. 人文・社会科学
人文社会科学の問題用紙本文は、縦読みではなく左から右に読み下す形式となっており人によっては見やすく感じると思う。現役・浪人時のセンター試験の社会科選択が倫理・政治経済であったために、本文に登場する背景知識はおよそ補完されてあった。なので、倫政のテキストを読むだけでも本文を読むスピードや知識問題への対応力の向上に大いに貢献すると思う。
一方で世界史・日本史選択ではないため、教科書を買って対策しようと考えたが日々の大学生活とそれと並行して宅地建物取引士試験の対策もあったため時間が取れなかった。よって、高校で勉強しなかった科目の知識は過去問の試行回数を増やし、その度に知識を拾っていく方針で勉強を進めた。実際、それで十分であったし歴史のどの範囲が一番問われるかも自然と把握出来る様になるので、もし心配であれば適宜教科書等で調べると良い(近代の世界の出来事や日本の開国あたりが多かった気がする)
もし、オンレクを受けるので有れば「ここは出来なくても仕方なし」の類のアドバイスは多いに信頼に値すると思った。難しい問題に固執しても時間の無駄であり、実際近年の問題には出来なくてもあまり影響がないからと感じた。
b. 総合教養(ATLAS)
人文社会科学系の文章と問題が大半を占めていると私は感じたので、pt2とpt3は人文選択であれば特に問題は無いと思う。つまり、地続きの対策が可能である。
問題は文系受験者にとっての自然科学パートであるが、近年は読解の比率が増しているように思えるのでそこまで怯える必要はないと感じた。私は元々理系選択の人間であったため、高校で渡された基礎的な問題集(数学は1aと2の三角関数のみ、理科は化学・物理基礎のみ)を重点的に取り組んだ。宅建で8月から10月まで何もやらなかったが10月下旬から始めても間に合った。具体的な出題は、数学は確率と倍角の公式、そして図形の体積(難しいので捨てた)がメインに出てきた。化学は同位体や動作体、炎色反応の知識系から水の比熱が与えられてジュール求める計算が出た。物理は円運動と万有引力(っぽい設定)が出たが大体は力の釣り合いを考えるだけの問題だった。
生物と地学は全くわからないので、臓器の役割と植物の分類を過去問の解説を見て終わり。地学は全部捨てました(2021年の出題は地学メインだったのは内緒)
c. 英語(リスニングを含む)
<リスニング>
b方式のチャンスが欲しかったのでIELTSのリスニング問題を元に対策を行なった。特に、IELTSの長い講義問題はICU受験で大きなアドバンテージになった。しかし、大学内でのやりとり問題があまり出題されない印象があるので、そこはオンレクで7年分ほど解いた。
しかし、ICU本番では講義問題が難しく(韻の話とか)積み上げてきた実力が役に立たない場面に遭遇することもあるが、講義のタイトルを当てる設問や人文社会化学で得た知識を元に解答できる設問もたまに出るので諦めないで欲しい。
設問を見る時間がほとんどないのがツラい。ページを自由に開かないので「開いてください」のアナウンスが流れたと同時に設問を見るテクニックを訓練すべき。
<リーディング>
全体的に分量が多く、できる限りの点をかき集めるタイプの問題であるように思える。イントロの意義や段落の役割(2パラは意見の補強であるみたいなやつ)が良く問われるので、情報を拾いつつ俯瞰する視点がまとめられる。それを鍛えるには、TOEFLやIELTSなどのアカデミック系英語試験が有効であった(似たような設問と問題構成であるので) パート3の熟語穴埋めは余り対策しなかった。
本当に時間がないので、私は本番最後の12問はロト6状態だった。
d.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)
参考書リスト
実況中継シリーズの政治経済編
蔭山のセンター倫理
日本文化史の整理と演習(河合出版)
センサー総合物理
化学基礎問題精講
IELTS13〜15(ケンブリッジ公式問題集)
TOEFLテスト英単語3800
システム英単語
青チャート1Aと2B
8. 最後に一言
紆余曲折を経てやっと自分の道を切り開くことが出来た。それを成し遂げることが周囲のおかげであると深く実感している。
希望の大学に入るまで3・4年ほど費やし、現役・浪人共に報われない現実に幾度も涙を流したが、受験生には諦めないで最後まで全力を出し切って欲しい。特にICUの入試はオンレクに打ち込めば打ち込むほど成功に限りなく近づく試験だと私は考えている。今回の合格は、20年以上の過去問を解くことで積み上げた忍耐と自信によって勝ち取った合格だと思う。