ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2026(21) じゃんまけ蛍さん
ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2026(21) じゃんまけ蛍さん
1.お名前、プロフィール
<お名前>
じゃんまけ蛍
<プロフィール>
女子学院高校(東京)
高1夏から10ヶ月間カナダに留学
帰国後そのまま高2に復学
海外大学進学指導を行う塾でTOEFLやエッセイ講座を受けていました。
2.受験形態
総合型選抜(英語外部試験利用)
3.合格年度
2026年度
4.併願校
上智大学 国際教養学部(X)
McGill University
University of British Columbia(〇)
Queen’s University
5.ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)
元々海外大学を第一志望としていましたが、高3になってから親に紹介されたことをきっかけにICUを考え始めました。
ICUについてSNSで調べたり、ICU出身の方々にお話を聞いたりするうちに、気がついたらICUに以外のことが考えられなくなっていました。
特に、大学公式ホームページがとても気に入りました。教育機関としての社会的使命と責任を内外にはっきりと示し、理想を理想のままで終わらせないために革新的な取り組みを積極的に行うリベラルな大学の姿がそこにはあり、日本にこんな大学があったんだ!と雷に撃たれたような衝撃を受けました。胸アツ。
また、自分の興味のある分野(ジェンダー、キリスト教)とICUの特性がマッチしていたことも大きいです。
6.ICUに期待するところ
・ICU教会での礼拝や、キリスト教についての授業
・アカデミックな英語力と日常的な英語力の両方を上げたい
・リベラルアーツカリキュラム!
・多様なルーツ、アイデンティティを持った人々と出会いたい
7.受験対策
a.願書
<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。あわせて、ICUで何を学びたいか、その理由も含めて述べてください。>
男女別学教育が10代の生徒のジェンダー観、セクシュアリティに与える影響や、別学教育の是非そのものについて検討したい。このテーマは教育学やジェンダー・セクシュアリティ研究(今思うとここに社会学も含まれると思います)にまたがるため、ICUのリベラルアーツカリキュラムは理想的。
また、ICUは多様な性を尊重する包括的な環境を広げる取り組みを積極的に行っている。ジェンダー・セクシュアリティ問題に関する革新的な視点を常に得られる大学でもある。
上記のようなICUの環境で、ジェンダー平等の社会を作る教育の形を模索していきたい。
私の書類の場合、
①自分の考えるICUの特性(例:多様な性を尊重する学風)
②それを裏付ける実際の事例(例:オールジェンダートイレ等の設置)
③その特性が自分に合っている理由(例:ジェンダー研究がしやすい)
の3つ全てを入れることがポイントだったと思います。
私は初め、「②それを裏付ける実際の事例」の説明が甘かったのですが、そこを直したことで書類の説得力をかなり上げることができました。大学の取り組みについて具体的な事例を挙げることで、貴学のことをよく調べていますよアピールもできます。
<2.学内外を問わず、技能、諸活動等自分の最も得意とすること、好んで行っていることを述べてください。>
私は留学を通して、他者との「対話」を重んじる人生観を養った。留学で、多様なバックグラウンドを持つ人々と出会った。特に、同居していた同い年の留学生とは、コミュニケーションの文化差や対人関係における価値観の不一致から衝突することも多々あった。しかし、その度に「対話」を重ねたことで、それぞれの意見や性格、価値観をより深く理解することができた。加えて、相手の人格を形成した文化・環境への理解と敬意を深めていくことができた。
この経験は、一個人の経験に留まらない。昨今の社会では対立が極まる。しかし、人々が不断の「対話」を通じてそれぞれの意見のルーツを理解し、共通の目標に向かって協力する姿勢は、分断を乗り越える鍵となると信じる。
私はICUで積極的な「対話」の実践者となり、宗教、人種、出身地、ジェンダーの垣根を超えた連帯を築いていく。
①人生観を培った過去の経験
②今の自分の人生観は、社会をよりよくするためになぜ大切なのか
③ICUに入学後、その人生観をベースにどう行動するのか
という構成です。
ICUの大切にする価値観に沿った上で、個人的な経験をもとに自らの考えを示せたことが良かったのかなと思います。
「人生観」という言葉が意味するものの解釈はいろいろあると思いますが、私は「人生において大切にしている価値観」という方向性で捉えました。
<3.あなた自身の今後の人生とこれからの社会とのかかわりについて、ICUでの学びをどのように活かそうと考えているか述べてください。>
マイノリティ属性をもつ私は、サークル活動を通して少数派としての意見を発信していくとともに、他の少数派の人々の声にも耳を傾けていく。そして、留学を通して培った対話の力で属性を超えた連帯を築いていき、大学のコミュニティをより包括的にする働きかけを他者とともに行なっていく。
また、私は特権的な教育の機会を得たものが、キリスト教を通して社会奉仕の姿勢を学び、自らの社会的責任を学ぶことが重要だと考える。この信念はICUのキリスト教主義教育と共鳴する。そのため私は、キリスト教系中高で培った素養を活かし、C-Weekの運営に携わることを通して学生全体のキリスト教への関心を高めたり、宗教的対話の場に積極的に参加することで議論の活発化に貢献する。このような働きを通して、ICUのキリスト教主義教育に貢献していく。
リベラルアーツの学びを通して公正なジェンダー意識を繋ぐ教育の形を追求し、卒業後もICUの目指す「人類社会の平和的発展」に貢献する。
ICUのホームページの「使命・沿革」というページの「3つの使命」を自分なりに解釈しつつ、ネタを膨らませていきました。
(これは1、2、3の全ての問いに共通することですが)ICUのIについて(=国際性)は、ICUを志望する人のかなり多くが関心を持つ事柄であるため、日本で生まれ育った高校生として、これについて特別に際立った考えを書き記すのはまあまあ難しいと思います。(少なくとも私はそうでした)なので、私はC(=キリスト教)とU(=高等教育機関)を織り交ぜた自分の考えを示してみました。
しかし、何よりも大切なのは自分の思想を素直に表すことです!書類に個性があまり出なくて困ったら別の角度から考えてみる、くらいがいいと思います。
b.小論文
(1)の「志願者自身が感銘を受けた芸術作品(絵画、文学、音楽など)」を選択し、「はちどり」という韓国映画のジェンダー的視点からの批評と、映画から読み取れるジェンダー不平等の構造や、それを解消するためになぜリベラルアーツ的視点が重要なのかということを述べました。「自分」はどう思うのかということを軸に書き進めていくこと、自分の主張に具体的な例や説明を付け加えて説得力を持たせることを意識しました。
映画を観て感想を書くことをよくしていたので、このトピックを選択しました。過去の合格体験記を読んでいると、芸術作品を選択していた方はあまりいなかったので、他の志願者と差をつけられるかもしれないなと思ったことも理由にあります。
昨今話題に上がる社会問題をなんとなく選ぶよりかは、自分の興味のある分野のトピックで書く方が絶対に良いと思います。自分の場合、ジェンダーと関係ない映画も候補にありましたが、他の書類でジェンダーに関する事柄に多く触れていたことや、何より自分が好きで興味のある分野について書いた方が自分なりの考えを膨らませやすいことに気づき、この映画にしました。
「芸術作品」に映画が含まれるのかちょっと不安でしたが、通ったので大丈夫ってことですねー^.^b ICU側も、幅広い種類の芸術作品を想定しているんじゃないかと勝手に思っています。
c.自己活動歴と自己分析
学校の部活で、観客アンケートを導入したことを書きました。そこから、自分の創造性(問題を解決させるために新しいアイデアを生み出す力)に繋げ、最後にICUに入った後も独創性に富んだアイデアで組織に貢献していきたいということを述べました。
海外大志望だったくせに留学以外の課外活動はあまりやっていなかったので、正直全然すごいことは書いてないです。
活動内容そのものより、活動から自分が学んだこと、考えたことに分量を多く割くのがミソだと思います。
d.推薦状2通
高校の担任の先生と、国語の先生にお願いしました。
もし迷ったら、国語の先生にお願いすると良いでしょう。文章が一番うまいはずです。
e.成績・語学資格など
TOEFL iBT 102
評定平均:高2末時点で4.1(留学中の成績を含めず)
高3前期までの成績を入れれば少なくとも4.2はあったはず。それでもまあまあカスい。
f.一次試験(書類審査)のポイント
・願書の一貫性、統一性
過去の合格体験記を読んでいると、願書全体の一貫性を重視されている方が多いように感じました。ただ、私は実際の願書作成を通して、一貫性の追求は一旦置いておき、まずは問いを読んで直感的に浮かんだ自分の考えを深めていくことが重要だと感じました。というのも、一貫性を重視しすぎて、すべての問いで似たようなことを述べてしまうのはもったいないからです。一貫性は、あくまで説得力を持たせるためのテクニックに過ぎません。実際、私の願書にもそこまで強い一貫性はなかったと思います。
・(あんまり)適当なことを書かない
一次試験をパスできた場合、二次試験の面接でその内容について深く聞かれることになります。なので、自分の書いた文章にきちんと責任を持ち、文章中でなんとなく使った言葉についても定義を説明することができるようにすることが重要だと思います。
・書式について
初歩的なミスなのですが、私は2ページある推薦状を両面で印刷して先生に提出してしまいました。ただ、(そういった指定は特になかったと記憶していますが)基本は2ページ印刷だと思いますし、その方が書類審査時の整理もしやすいはずなので、両面印刷はやめておくべきです。
また、これまたくだらないことなのですが、私は清書用紙で若干書き損じてしまったのをごまかして提出しました。が、まあ通ったので大丈夫だったということだと思います!笑(あくまで、書き損じてしまったけど時間がなくてごまかしたまま提出してしまい、心配になっている方がもしいたら、安心してほしいというだけのことです。時間に余裕があるのなら、やはり清書し直すか、少なくとも二重線で消して提出するべきです。)
g.面接
前半は男性の先生(外国人の方)が、後半は女性の先生(多分日本人)が質問していました。過去の合格体験記でよく言われているようなフレンドリーな感じや対話チックな雰囲気は特に感じませんでしたが、かといって圧迫感があったわけでもなく、いたってふつうの面接という感じでした。
面接開始時間が9:10だったとすると、待機室の画面が切り替わったのが9:09で、ロードが終わって面接画面が現れたのがちょうど9:10だったので、ロード時間分も計算するくらい厳しい時間管理でやってるんだなーと感心半分緊張半分の気持ちでした。
私がされた質問:
・男女別学教育の利点とはなんですか?
・小学校は共学校でしたか?もしそうなら、共学校ではどのような形で生徒のジェンダー意識が培われていくと思いますか?
・カナダでは共学校に通いましたか?もしそうなら、日本の女子校とカナダの共学校の間で感じたカルチャーショックをどのように乗り越えましたか?(この問いには、特に大きなカルチャーショックを感じなかったと正直に答え、その理由だと考えられることを答えました。)
・ICUでとりたいメジャーはなんですか?それをどう将来の職業に繋げていきたいですか?
・キリスト教は性的マイノリティと相容れないと考える人もいますが、それについてあなたの意見があれば述べてください。(聖書には特定の素材の衣服や肉を禁止する記述もあるが、現在のクリスチャンでその戒律を守る人は限りなく少ない。つまり、キリスト教は時代とともに変化し、そういった禁忌を乗り越えてきた。同性愛についても同様のことが言える。さらに、キリスト教の本来の教えにある隣人愛や神から一人ひとりに与えられた愛を踏まえれば、キリスト教が社会的マイノリティを差別することへの正当性はない、という内容のことを答えました。)
・(書類の中にジェンダー教育についての記述があったが、)小学生に向けて実際にジェンダー教育を行う機会があるとしたら、どのようなものにしますか?
・小論文で述べられていた映画「はちどり」の、他の映画より際立って優れた点はなんですか?
(これは自慢なのですが)最後から二番目の質問が終わった時点でもう20分は経っていましたが、「小論文の映画が興味深かったので最後に一つだけ!」と、この質問をされました。20分を厳密に守って面接している雰囲気だっただけに、そのくらい私の小論文が印象に残ったんだな♪とうれしかったです。同時に、合格を確信しました。ふっふっふ。
h.二次試験ポイント
面接対策の塾で二次試験の一週間前くらいから合計で8回くらい面接練習をしていただきました。また幸運なことに、高校にICU出身の先生が複数いたので、その先生方にも面接練習を一度していただきました。ただ、普段から願書に書いた事柄の分野について関心を持ち、自分なりの考えを持っている方であれば、自分の考えを口に出して説明するための練習で十分だと思います。おすすめは、お風呂や寝る前に、ぶつぶつ声に出して練習することです。(声に出すことがポイントです。声に出して練習すると、自分の考えがまとまっていないところが明確にわかります!)また、願書に複数の分野に関する事柄(私の場合はジェンダー、教育、キリスト教など)を書いた場合、その分野を横断した問いについての自分の考えをまとめる練習も、体系的な思考を組み立てる練習になるので良いんじゃないかと思います。面接ではそういったICUらしい質問が多かったです。今気づきましたが、それがリベラルアーツ的思考のなんたるかなのでしょう。
二次試験の実施理由の一つは、願書の内容に実が伴っているかということを確認することだと思います。したがって、一次試験の願書で自分のスタイル・考えを誠実に示し、書いた内容に責任を持つことが、二次試験をパスするための最も効果的な対策だと思います。
もう一つの実施理由は、志願者にクリティカル・シンキングのための思考力があるかどうかを見るためだと思います。一般的な面接対策指南書には「わからない質問は、正直にわからないと言うべき」と書いてあったりしますが、これは知識量ではなく思考力を測るタイプのICUの面接において絶対にするべきではないと思います!ICUは、志願者がおそらくそれまで考えたこともなかったような問いについて、その時点で持ち合わせている知識と創造性を最大限に活かした回答をしてくれることを期待しているはずです。正直、面接官のICUの教授は別に高校生ごときにめちゃくちゃ専門的な知識を期待しているわけではないと思います。なので、その時点の自分が答えられる最大限のことを落ち着いて答えることで十分でしょう。
同じ理由から、面接で聞かれる質問をとにかく細かく予想して、それについての答えを丸暗記するという方法もあまり効率的ではないと思います。それよりも、書類に書いた事柄に関する分野の書籍を読んだり、SNSなどを活用して色々な人の意見に触れたりすることを通し、知見を積み重ねることの方が活きてくると思います。
8.最後に一言
これまでの総括のつもりで書いたので、ちょっと長くなってしまったかもしれません。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
私は環境の面で非常に恵まれていた(いる)と思います。10ヶ月の留学ができ、高い塾代も払えるほど家庭に経済的余裕があったこと、私立高校に通えたこと、さらにその高校にICU出身の先生が多くいたこと、東京に住んでいること、etc… そんな合格への要因の中で、私の実力が占めた割合はほんの僅かだったと、今になって思います。いただいた合格を無駄にしないために、感謝の気持ちを忘れず、ICUに入学した後も自分の使命を果たすために様々なことに挑戦し、学んでいきたいと思います。
2026年は急に年内入試の倍率が上がっていて、合格した後になってびっくりしました。それでも私が合格をいただけたのは、ずばり、bucho.netさんで歴代の合格体験記を読み漁ったからです。過去の合格体験記はマジで侮れません。私がもし受験指南書を書くとしたら、一番初めの項目に「まず合格体験記を読み漁れ」と書くでしょう。なので、このしがない合格体験記も、少しでも誰かの励みになったり、参考になったりすれば嬉しいです。
ICUでみんなに会うのが、超たのしみです!!!^.^
(追加の質問)
・UBC(ブリティッシュコロンビア大学)とICUの選択について
カナダ留学のご経験があり、UBCにも見事合格されていて、進学先は大変に迷うところだと思いますが、最終的にUBCではなくICUへの進学を決断された決め手は何だったのでしょうか?
ICUの総合型選抜4月専願は、合格した際には必ず入学することが義務付けられている(入学辞退となると、出身高校の次年度からの推薦枠などに悪影響がある)という認識でいたため、結果的に9月から海外大学へ進学することになったとしても、とにかく春学期の間はICUに在籍しようという考えで総合型選抜にチャレンジしました。
海外大学の結果についてはあまり期待しておらず、気持ちとしては完全にICUで学部4年を過ごす気になっていたのですが、思わぬタイミングで、ICUと同じくらい入学を熱望していた大学からも合格をいただいたため、夏休み後もそのままICUに在籍するかについては、現在も少し迷っています。
蛇足ですが、私が指定校推薦ではなく総合型選抜を受験した理由の一つは、ICU入学後、万が一海外大学進学のために退学することになっても、出身高校の推薦枠に悪影響が及ばないようにするためでした。
