ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2026(22) パンチェッタさん

1.お名前、プロフィール

<お名前>

パンチェッタ

<プロフィール>

出身高校:都内大学付属校
塾:大手塾に高校1年生3月からお世話になっていました。
課外活動:硬式テニス部主将・代議会議長
海外経験:高校1年生の夏に約1か月程オーストラリアのメルボルンに短期留学していました。

2.受験形態

総合型選抜

3.合格年度

2026年度

4.併願校

慶應義塾大学環境情報学部環境情報学科
(結局出願はしませんでしたが、ICUが1次試験でダメだったら上智大学の公募入試も考えていました。)

5.ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

自分の尊敬する学校の先輩が総合型でICUに入学されたことをきっかけに「自分の高校に附属する大学ではできない学びがICUでは出来るのかもしれない」と思いICUに興味を持ちました。そしてオープンキャンパスに足を運んだところ、きれいなマクリーン通りの桜並木、素晴らしい教育・施設を実際に体感し、「大学生活はここで送りたい!」と思い志望しました。

6.ICUに期待するところ

リベラルアーツでの多角的な学び、ELA、寮生活、自分とはまったく異なる背景を持った学生など、高校時代とは違った学び・生活ができることに期待しています!

7.受験対策

a.願書

<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。あわせて、ICUで何を学びたいか、その理由も含めて述べてください。>

私は認知症患者がより長く住み慣れた地域で充実した生活を送ることができるような新たな支援体制を構築し、社会に貢献できる人材になりたい。そのためには既存の学問領域に捕らわれない学びが必要だ。高校時代の探究活動を通じ、現行の認知症支援施策は十分に活用されておらず、高齢者や患者本人に直接行動変容を促す仕組みが整っていないことに気づいた。この課題に対し入学後は認知症ケア先進国の北欧諸国と日本の政策比較を行い、その背景にある社会規範を文化人類学や宗教学も交えて分析し、公共政策の観点から日本に適した認知症支援体制とは何かを研究したい。また行動変容への課題に対しては、対象者の歩行外出意欲を高める支援アプリの必要性を感じ、その開発をするため貴学で情報科学と行動科学を中心に学びたい。このように私の最終目標である、対象者に活用される新しい認知症支援体制の実現には、人文科学・社会科学・自然科学の知識を融合させて考え、取り組む必要があり、貴学のリベラルアーツ教育と、ダブルメジャー制、三学期制は不可欠な教育環境だ。以上の理由から私は貴学で学ぶことを強く希望する。

<2.学内外を問わず、技能、諸活動等自分の最も得意とすること、好んで行っていることを述べてください。>

私の人生観に大きな影響を与えたことは、家族として14年間一緒に過ごした愛犬の死である。突然の別れに、もっと一緒に過ごす時間を大切にできたのではないかと後悔し、もう二度と戻らない不可逆的な時間の流れに涙が止まらなかった。そんな折、ふと1年前に愛犬が一度死の淵をさまよった日のことを思い出した。家には父しかおらず、父が買い物に行く直前に愛犬が急に倒れた。もし父がほんの数分早く家を出ていたら、その後亡くなるまでの1年間の幸せは存在しなかった。このわずかな時間の差に左右された1年間はまさに愛犬にとっても家族にとっても奇跡であった。この出来事を通じて日常の様々な判断や行動が、その人自身や周囲の人々の人生に大きな影響を与えることを実感した。そして人生の限りがあることを意識するようになり、日々をもっと主体的かつ意欲的に過ごしたいと思うようになった。またこの経験は認知症の症状が進み内向的になってしまった祖母に目を向けるきっかけとなった。以前はただ認知症を患う祖母を見守ることしかできなかったが、この経験をきっかけに自分が関わることで何か変えられるのではないかと考え、認知症患者の症状緩和について探究活動を始めた。愛犬の死から得た気づきは、自分の人生への向き合い方を考える大きな契機となった。

<3.あなた自身の今後の人生とこれからの社会とのかかわりについて、ICUでの学びをどのように活かそうと考えているか述べてください。>

私は貴学の学生として学問の内実を豊かにするという理念実現に貢献できると考える。その実現には対話が欠かせないと考えており、私はアリストテレスが述べたように、対話とは単に答えを求めるのではなく、自他の多様な主張を集め、検討し、最も確からしい答えを見出す為に行われる営みだと考える。対話には3つの資質が大切だと考え、私はこれらの資質を備えていると自己分析する。1つ目はオーストラリア短期留学で、臆することなく交流を重ね、文化の差を超え友人関係を築いた。このことは積極的なコミュニケーション能力を示している。2つ目は友人からよく聞き上手だと褒められ、共感してくれるから話しやすいと言われる。このことは相手の思いを受け止める傾聴力を裏づけている。3つ目はテニス部主将として、寄せられた意見を基に既存の部内体制を批判的にとらえ、改革を行った実績は批判的思考力の表れである。これらの経験から私は、対話の場において聞き上手なファシリテーターとして意見交流を活発化させて自他の思考を深め、学問の内実を豊かにすることに貢献できると確信している。また私は高校時代の探究活動を貴学の教育環境でさらに深める事で、軽度認知症患者が自分らしく充実した生活を送ることができる仕組みを構築し、社会へ奉仕することができる。以上の資質を貴学で最大限発揮し、理念実現に貢献したい。

b.小論文

私は高校時代に軽度認知症患者のウェルビーイング向上のための歩行外出支援について探究を行った。私の祖母は3年前にアルツハイマー型認知症と診断され、現在は10分前に話したことを覚えていられない状態だ。私は認知症の症状ゆえに自信を無くし苦労する祖母と同時に、介護者である祖父が四六時中祖母に寄り添い、何度も同じ質問に答え続けることで心身ともに疲弊する様子を目の当たりにした。この経験から患者がより長く健康であるため、そして介護者の負担軽減にもつなげるために、日常で出来る認知症予防・症状緩和策に興味を持ち、探究活動を始めた。私は先行研究の調査から、歩いて外出する行為や人との繋がりが認知症の予防や症状緩和に効果的であることを学んだ。そして居住している松戸市が認知症患者の外出歩行促進のために行っている認知症カフェや見守りシールという活動に着目し、3軒の認知症カフェと市の担当課に取材を行った。その結果、カフェ参加者15人のうち認知症患者は1人のみ、見守りシールについては導入から9年で市内認知症患者24037人中174人しか利用しておらず、対象者への施策の浸透度が低いことがわかった。また認知症カフェの主催者側も参加者の平均年齢と同じく70代で、「支援の継ぎ手がおらず、引退したくても引退できない」という現場の声に、支援の持続性にも課題があると感じた。さらにカフェ職員との会話から、介護保険制度のひっ迫を背景に厚生労働省が認知症カフェに対し、より症状緩和機能を果たしていくことを求めていることも分かった。この取材結果は、症状の進んだ患者を支える介護保険制度が既に限界が近い事と、対象者に政策が届いていない事を示している。今後は介護が必要になる前段階での予防や症状緩和に重点を置いた、より直接的に対象者に行動変容を働きかけるアプローチの必要性を感じた。そこで私は現在の中高年層のスマートフォン使用率が9割を超えているというデータに着目し、高齢者や患者個人へのパーソナライズが可能なアプリが歩行外出促進の有効な手段になるのではないかという仮説を立てた。この仮説を検証するべく、私は種類の異なる認知症関連のアプリ開発会社3社とそれを導入した7自治体に取材を行った。そこから見えた現行のアプリのメリットは、ユーザーの位置情報がわかることで介護者の不安を軽減し、間接的に対象者の歩行外出促進につながる点だ。またユーザーが行方不明になった際は、地域の協力者に行政よりも迅速な呼びかけが可能になるなどアプリならではの良さも発見できた。しかし既存のアプリはいずれも介護者の視点に立ったユーザーの安全見守り機能を重視して設計されており、患者や高齢者に自主的に歩行外出を促す仕組みは整っていないことがわかった。上記の探究活動を通じ、現行の支援体制は、軽度認知症患者の歩行外出促進による症状緩和や高齢者の認知症予防の対策として十分な役割を果たせていない。私は対象者に行動変容を直接促すことのできるアプリなどの情報技術と、医療機関や地域団体などと支援体制を形成できる行政の政策を融合させた、新たな支援方法の構築が必要であると考える。取材をした方に自分の構想を説明すると、「これからは(筆者名)さんが考える様に、行政支援と情報技術が融合した体制が必要になる」と前向きな評価を頂けた。このように認知症支援の現状を多様な立場の人に取材を行い、現状の支援の問題点から、患者本人の主体的な行動変容を促す支援体制の必要性を具体的に理解できたことが本活動の最大の成果である。

c.自己活動歴と自己分析

私はテニス部主将としての1年間、顧問や部員と対話を重ね、自分独自の発想を織り込みながら、部内改革や戦略的な工夫を行った。その結果部員全員がテニスを楽しめる環境を作ることができ、中学生の頃は初戦負けが当たり前だったチームを都16強まで導いた。私は部内で一番強い選手ではなかったため、トップダウン型ではなく、部員一人一人の意見を重視しチームをまとめる伴走型リーダーシップを発揮することに努めた。例えば練習メニューの内容と意図がわかりづらいという意見に対し、内容と目的を図表を使って視覚化し、全員が目的意識をもって練習に取り組むことができるような環境づくりを行った。また主将という立場に甘んじることなく、皆が嫌がるコート整備などを率先して行うことで、立場に関係なくテニスに対して真摯に取り組む雰囲気づくりに努めた。部員からの「練習だけでは目標がなくてやる気にならない」という声を受け、部員全員で行う部内戦を新設した。そして、その結果と外部大会の参加回数に応じたポイントをつけるランキングシステムを導入し、部員同士の競争心を高め、積極的に外部の試合に参加するよう促した。その結果部活動参加率も94%に上昇した。さらにこうした成果を客観視するため、自ら他校との練習試合も設定した。公式戦では部の目標達成の為に進んで対戦予定校の過去の団体戦を分析し、そこから得られた傾向を基に、対戦校の主力に自分たちの主力選手が当たるのを避けて勝つ作戦を立案・実行した。結果として全国大会優勝経験者を擁する強豪校を下し、目標であったベスト16を達成できた。この地道で粘り強い分析作業と成果は、部員や顧問・保護者からの評価を得られ信頼につながった。以上から私は、対話を重ねて課題を発見し、既存の枠に捕らわれない柔軟な思考と粘り強さで改善を重ね、チームをより良い方向に導くリーダーシップ力があると自己分析する。

d.推薦状2通

1.高校3年時の担任の先生
2.高校1年生の頃から部活でお世話になっていた顧問の先生

e.成績・語学資格など

英検2級 
IELTS 5.0
評定平均:4.1(高校1年時:3.6 高校2年時:4.0 高校3年時:4.7)

f.一次試験(書類審査)のポイント

とにかく一語一語を地道に推敲する事に限ると思います。
1-2については正解を考えるのではなく、正直に人生観に最も大きな影響を与えたものについて書くと良いと思います。受験者にとって最も影響を受けたことは何で、そこからどんなことを考えたのか。この問いは「人」を見るICUならではの質問だと思います。
1-3ではICUの理念をただ引用するだけでなく、自分なりの解釈を入れる事を意識しました。
自分も書いているときには特に意識していなかったのですが、塾の先生に見ていただいた時にこの書類は「他者に寄り添う心」が一貫していると指摘されました。BUCHOの過去の先輩も書かれていましたが、書類にはなにかしらの一貫性が求められているのだと思います。
また手書きは思っているよりも長く時間がかかります。消印有効日の遅くとも2日前から書き始めてください。また手書きの際に使うボールペンについてはZEBRAのSARASA Rの0.5mmをお勧めします。

g.面接

書類に関してと評定について聞かれました。雰囲気はとても和やかですが、ですが受験生をふるいにかける鋭い質問がたくさん飛んできます。

h.二次試験ポイント

塾・学校の先生・両親・AIをフル活用しました。塾では面接対策講座を受講し、両親や先生に事前に書類を読んでもらい、問答練習を行いました。個人的に一番本番に近いシチュエーションだったのは学校の先生で、両親や塾の先生とは違い全く自分の探求活動について知らないので、可能なら練習することをお勧めします。また日ごろから新聞でニュースに目を通し、ChatGPTに自身の探求に関する質問や最近の社会情勢を踏まえた質問を作ってもらい時事問題系は対策しました。加えて自分の出願書類をノートに張り付け、そこの想定される質問とその回答を書いた面接ノートを作る事もお勧めします。

8.最後に一言

まずはBUCHO.NETを使い倒す事です。私がICUの書類を作り始めたのは評定が確定した後の高3の8月初旬でした。最初はどうしていいか分からず右往左往していた時にこのサイトに出会い、合格した先輩たちの書類をたくさん分析し、合格をつかむことができました。ここにはあなたを合格に導く鍵がたくさん眠っています。このサイトを発見したそこのあなたはICU総合型選抜の情報戦を制していると言っても過言ではありません。ぜひ使い倒して合格をつかみ取ってください!そして絶対に諦めない事です。私は評定も英語資格も最低ラインで周りからは厳しいだろうと言われていました。ですがICUに行きたい!という想いを胸に根気強く取り組み、合格をつかみ取ることができました。とにかく諦めないで根気強く取り組んで欲しいです!
この体験記を最後まで読んでくれたあなたにICUでお会いできることを楽しみにしています!