このブログではICU入試対策に役立つ、国際基督教大学入試最新情報をお伝えしています。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,オープンキャンパス

2025年夏のオープンキャンパスのエントリー受付が開始されています。ICUのオープンキャンパスは事前エントリー制で、事前登録が必須です。また、モデル授業は事前予約制のため、はやめに登録しておくとよいでしょう。以下、ICU入試対策の目線から、受験生ガイドを書いていきます。

ICUオープンキャンパス2025 受験生向けガイド

ICU(三鷹キャンパス)で開催される2025年オープンキャンパスについて、受験生・保護者の方が知っておきたいポイントと要点をまとめました。

日程・会場・対象

  • 開催日:2025年7月19日(土)、8月15日(金)、8月16日(土)
  • 時間:各日10:00~16:00(入退場自由)
  • 会場:ICU三鷹キャンパス
  • 対象:受験生・中高生・同伴者(保護者等)

来場エントリーについて

  • オープンキャンパスに来場する場合、受験生、中高生は事前の来場エントリーが必要です。
  • 同伴する保護者などはエントリー不要です。ただし、モデル授業などの事前予約制プログラムには、同伴者は参加できません。

< モデル授業(事前予約制プログラム)>

  • モデル授業は、来場エントリーに加えて、プログラムごとの事前予約が必要です。
  • モデル授業には中高生と受験生のみ参加可。保護者等のはこれらのプログラムには参加できません。

    受験生へのおすすめ

    • モデル授業は最優先で予約&複数参加を!
      オープンキャンパスのメインはモデル授業です。特にELAが人気。予約開始後すぐに満席になることも多いので、早めのエントリー・予約がおすすめです。興味がある授業はできるだけ多く体験しましょう。モデル授業への参加は授業内容の意味でも、試験会場になれる意味でもICU入試対策になります。複数の教室で授業を受けておくと実際の試験会場に近い教室に行き当たるかも。
    • キャンパスツアーも活用
      在学生が案内するツアーでICUの雰囲気を体感できます。
    • 複数日参加もおすすめ
      余裕があれば2日以上参加して、多くのプログラムを体験しましょう。2日以上のエントリー、予約も可能です。

    保護者

    • 同伴は必須ではありません
      一人で参加する受験生も多数いますので、同伴の必要は特にありませんが、保護者が付いていって浮くということもありません。保護者も行く場合は受験生がモデル授業に出ている間に説明会を回りましょう。

    当日の注意点

    • 学食は混雑必至
      昼時は特に混雑するため、時間をずらすか事前に食事を済ませてから来場するのがおすすめです。
    • キャンパスは広く、外は暑い
      本館を中心にイベントが行われますが、ICUのキャンパスは広大です。夏の暑さもあるので、移動や暑さ対策も忘れずに。夏のオープンキャンパス対策は暑さ対策。
    • 自販機・給水器はあるが、水分は持参推奨
      自販機や給水器もありますが、混雑や場所が分かりにくい場合もあるので、水分は持参しましょう。

    まとめ

    • モデル授業は早めに予約、複数参加がおすすめ
    • ELAは特に人気なので即予約を
    • キャンパスツアーや説明会も充実
    • 保護者の同伴は必須ではなく、一人参加も多数
    • 同伴の場合は説明会や相談会を中心に
    • 学食や移動、暑さ対策も忘れずに
    • 水分は必ず持参を

    ICUのオープンキャンパスは、大学の雰囲気や学びを体感できる絶好の機会です。計画的に予約・参加して、充実した一日をお過ごしください!

    ICUオープンキャンパスの案内やエントリーはこちらから
    https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/event/oc/25sm.html

    ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,ICU総合型選抜(AO入試)

    2026年度のICU(国際基督教大学)総合型選抜<4月入学専願>の入試要項が公開され、2025年度からの主な変更点が明らかになりました。旧AO入試にあたるこの方式について、今年度の変更点や特徴をまとめたいと思います。

    総合型選抜<4月入学専願>2026年度入試要項(ICU公式サイトより)

    1. 名称の変更:「総合型選抜」→「総合型選抜〈4月入学専願〉」

    これまで「総合型選抜」(旧AO入試)と呼ばれていた入試方式が、「総合型選抜〈4月入学専願〉」へと名称変更されました。

    これは文部科学省の方針により、すべての大学入試が「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3系統に分類されることになった流れを受けたものです。これによって、社会人や帰国生入試なども「総合型選抜」に分類されることになりましした。

    それを踏まえ、旧AO入試は以前から「合格したらICUに入学する意思がある人のみ受験してほしい」という専願のスタンスであったため、「4月入学専願」という名称になりました。今年から専願制になったわけではありません。

      2. 募集人員の明確化(方式別定員の明示)

        これまで総合型選抜全体で75名という定員が示されていましたが、2026年度からは方式ごとの募集人員が明記されました。

        英語外部試験利用:60名

        理数探究利用:5名

        IBDP利用:10名

        恐らく合格発表も方式ごとに行われることになると思われます。方式ごとの志願者数や合格者数の違いにも注目が集まりそうです。

        3. 小論文(英語外部試験利用)のトピック統合

        2025年度は小論文のトピックが3つから選択でしたが、2026年度は2つに統合されました。

        トピックの内容はほぼ同じですが、2番目のトピックに「主体的に取り組んだ」という文言が追加されています。

        2026年度
        ① 社会的または国際的に関心が高まっている時事問題、あるいは志願者自身が感銘を受けた芸術
        作品(絵画、文学、音楽など)、歴史的エピソード、科学的業績
        ② 古典探究、日本史探究、世界史探究、理数探究基礎、あるいは総合的な探究の時間などの探究型
        学習で主体的に取り組んだ課題とその成果の要約

        2025年度(参考)
        ①社会的または国際的に関心が高まっている時事問題
        ②あなたが感銘を受けた芸術作品(絵画、文学、音楽など)、歴史的エピソード、科学的業績など
        ③ 古典探究、日本史探究、世界史探究、理数探究基礎、あるいは総合的な探究の時間などの探究型
        学習で取り組んだ課題とその成果の要約

        小論文は、3トピックが2トピックを選ぶ形式になったことで、研究成果(探究学習等の成果など)とそれ以外のトピックという大きな2区分になり、より選択しやすくなったと思われます。トピック(1)に関しては時事問題と過去の歴史的エピソードを統合して論じるなどの形で小論文を書くことも可能でしょう。

        なお、その他の提出物である800文字の「自己活動歴と自己分析」や志望理由等を書く「願書」の項目は昨年度と同じです。

        4. 英語外部試験スコアの有効期限変更

            2025年度までは「出願期間開始日から遡って2年以内に受験したもの」が有効でしたが、2026年度は「2023年10月1日以降に受験したスコア」が有効となります。

            提出可能な英語外部試験(IELTS, TOEFL iBT, 英検, Cambridge English Qualifications, GTEC)の種類自体は変更ありません。

            5. 生成系AI利用に関する大学の方針

            2026年度の要項には「学生の生成系AIの使用に関する本学の考え方を、本学Webサイトにて公開しております。併せてご確認ください」という一文が新たに追記されました。

            ICU公式Webサイトの <学部 教育方針>の「学生の生成系AIの使用に関する本学の考え方」からその内容を確認できます。

              https://www.icu.ac.jp/academics/undergraduate/policy/

              内容は多岐にわたりますが、総合型選抜の小論文等の提出に際して特に関連すると考えられるのは、以下の内容です。AI利用の方針に関しては一度全文を読んでおくと良いでしょう。

              3. ICUのアカデミック・インテグリティーの方針について(抜粋)

              …生成系AIの使用を全面的に否定するものではありません。一方で、生成系AIが作成したものを本学における成績評価のための提出物に使用し、あたかも自分自身が作成したかのように振る舞うことは、本学アカデミック・インテグリティー(*学問的倫理基準)の方針が定義する「剽窃」すなわち「他人の作品・考え・研究成果を自分自身のものとして偽ること」に相当します。

              4. 本学の方針(抜粋)
              …本学では学生の創造性や批判的な思考過程を重視する立場から、学生が課題に取り組むにあたり、自ら考え、調査し、反芻し、自らのことばで回答を作成することを求めます。生成系AIが作成した文章は、多少の改変を加えたとしても、自身で作成したものとは認められず、アカデミック・インテグリティーの方針に抵触すると判断されます。また自身で行うことが求められたタスクを、生成系AIに行わせることも認められません。これらの方針に違反した場合は、アカデミック・インテグリティーの方針に違反した場合と同じ扱いとします。

              学部 教育方針 学生の生成系AIの使用に関する本学の考え方(抜粋)

                まとめ

                2026年度のICU総合型選抜〈4月入学専願〉は、試験名称の変更や、方式ごとの定員明示、小論文トピックの統合、AI利用方針の明記などの変更がありました。受験予定の方は、公式要項をよく確認し、最新の情報に基づいて準備を進めてください。

                ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,ピースベル奨学金,ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金

                ICU公式サイトで6月2日に発表されたプレスリリース(部分、スクリーンショット)

                ICUの奨学金が大きく拡充


                6月2日にICUからプレスリリースが発表され、2026年度入試から、ICU(国際基督教大学)の「トーチリレーHigh Endeavor奨学金」が大幅に拡充されることになりました。これにより、一般選抜で合格し、所定の収入要件などの条件を満たした方は、出願時に応募していれば全員が奨学金の対象となります。経済的な理由で進学を諦めていた受験生にとって、大きなチャンスとなる制度変更です。

                要するに、一般選抜出願時に奨学金に応募し、収入要件を満たしていれば、一般選抜に合格し、ICUに入学した人は全員、High Endeavor奨学金に採用されます。採用されると、学費の3分の1と入学金が免除されます。これまでは、入試で特に優秀な成績を収めた人だけがHigh Endeavor奨学金に採用されていました。

                年度選抜方式応募タイミング必要書類合格条件採用人数枠
                2025年度まで全選抜(共通)出願時収入証明書各選抜で上位合格合計24名
                2026年度から一般選抜出願時収入証明書一般選抜で合格条件を満たせば全員採用(人数制限なし)
                その他の選抜出願時収入証明書各選抜で上位合格合計16名

                ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金(2026年度入学以降)採用条件・給付内容(ICUプレスリリース2025年6月2日より)

                採用条件:
                次の 1~3 の全てを満たす者。
                1.ICU トーチリレーHigh Endeavor 奨学金に申し込み、応募資格(下記)を満たす者
                2.一般選抜に出願、受験、合格した者
                3. 国際基督教大学に入学した者

                応募資格
                本科学生または転編入本科学生として本学教養学部への入学を強く希望する者で、父母(生計維持者が父母以外の場合はその方)の収入金額を合算した金額が以下の者
                A:給与収入の世帯の場合:父母合算で年間収入金額が 1,000 万円未満(税込)
                B:給与収入以外(自営業等)の世帯の場合:父母合算で年間所得金額が 565 万円未満

                給付内容:
                入学金、年間授業料および施設費の 3 分の 1 を原則 4 年間
                2026 年度 807,000 円 (4 年間で総額約 2,378,000 円)

                採用枠数:
                <一般選抜>奨学金応募条件を満たす者全員
                <その他選抜>16 名

                応募受付開始:
                2026 年度 4 月入学者選抜の出願と同時

                新入生向けICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金の拡充 ~一般選抜合格者のうち条件を満たした奨学金応募者全員の採用を確約~

                ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金(一般選抜)採用までの流れ

                ICUの一般選抜に出願

                出願時に「ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金」に応募
                 (収入証明書など必要書類を提出)

                一般選抜を受験

                一般選抜に合格

                ICUへの入学手続きを完了

                奨学金の条件(収入要件)を満たしていれば全員採用(人数制限なし)

                奨学金拡充の影響

                一般選抜で収入要件を満たし、出願時に奨学金に応募した上で、合格、入学すれば、原則全員が授業料1/3免除の奨学金に採用されるというのは、他の難関私立大学でも例のない規模です。プレスリリースでも「採用を確約」という決然とした表現が用いられており、その上で「拡充に踏み切った」と述べられているように、ICUにとっても大きな決断だったと思われます。従来は入試成績優秀者のみが採用されていたところから、収入要件を満たす全員を採用へと制度を拡充することで、大学としての経済支援体制を明確に示したともいえそうです。

                また、この制度の拡充により、これまで学費面でICUへの進学を諦めていた層も受験を検討しやすくなり、結果として受験者の幅が広がるでしょう。また、合格後にICUを実際に選ぶ学生、いわゆる歩留まり率(入学率)も高まると考えられます。

                こうした変化はICUにとって大きな追い風となる一方で、今後も多くの学生に安定して奨学金を給付し続けるためには、大学側が奨学金原資を継続的に確保していく体制の強化も重要になりそうです。

                参考リンク

                ICUプレスリリース 2025/06/02 新入生向けICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金の拡充 ~一般選抜合格者のうち条件を満たした奨学金応募者全員の採用を確約~
                https://www.icu.ac.jp/about/press/docs/ICUPressRelease_250602.pdf

                ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金

                🚀2025年度High Endeavor奨学生インタビュー【後編】

                High Endeavor奨学生のたんぽぽさんインタビュー第2回。今回はIBDP(国際バカロレア・ディプロマ・プログラム)の履修の様子とICU進学についてです。

                <IBDPとは何か>

                IBDP(国際バカロレア・ディプロマ・プログラム)は、高校2年間(日本では高2・高3)で履修する教育プログラムで、幅広い教養や深い探究力、そして国際的な視野を育むことを目的としています。約140カ国で導入されている世界共通のカリキュラムで学びます。近年、文部科学省はIB認定校を増やす目標を掲げており、IB Diplomaを取得して海外大学や国内のグローバル系大学への進学ルートとして活用する学生も増えています。一方で、IBDPは日本国内の高校で学ぶ内容や、大学入試の出題傾向とは直接的な互換性がありません。そのため、IBDP履修者が国内の大学への進学を希望する場合、総合型選抜や推薦入試を利用するケースが多いのが現状です。

                (2025年5月現在のICU本館内部の様子。ICU本館では2024年4月から2025年3月まで約1年をかけて耐震補強工事が行われ、配管や空調などの設備も更新された。歴史あるICU本館を保存する目的もあり、教室内部の様子は以前とあまり変らない。写真提供:たんぽぽさん)

                <IB校でのDP履修の実際>

                ―― IB認定校の高校を選んだ理由を教えてください。

                父の仕事の都合で小4から中3までオーストラリアに滞在しており、現地のIB認定校の中学に通っていました。日本に帰国する際、海外進学の選択肢も残しておきたかったことと、留学経験を活かせるIB校を希望しました。

                ―― DPで履修した科目や授業内容について教えてください。

                高1では一般的な高校と同じカリキュラム(数IA、古文、現代文、英語、生物基礎、物理基礎、地理総合など)を履修し、高2からDPに進みました。DPでは日本語(国語)、英語、歴史、化学、美術、数学を選択しました。DPのルールで半分以上は英語で履修する必要があり、英語、美術、数学は英語で授業が行われていました。

                ―― DP生になるタイミングや選抜の基準は?

                高1が終わるタイミングで選択します。私のいた高校は1学年が約120人で、1年の段階でDPに興味のある人が50人ぐらい、最終的にDPを選ぶのは毎年10~15人程度です。DPに進むには成績の基準があり1年次の終わりに審査がありますが、特別厳しいものではなく、期末などをしっかりやっていれば2年次からDPに入れます。DP専用のクラスはなく、科目ごとにDP履修生が集まるスタイルです。

                ―― 普通の授業とDPの授業の違いは?

                全体的に大きく異なりますが、特に文系科目の学び方が違います。例えば、普通の現代文は教科書を読んで期末試験で問われますが、IBの日本語は4つの試験で評価されます。Paper 1は即興で詩や文学批評の小論文を2時間で書き、Paper 2は授業で分析した文学作品をもとに小論文を書きます。さらに3000字のエッセイ(HL小論文)と個人口述(プレゼン+質疑応答)もあり、これらを総合して評価されます。

                ―― Extended Essay(課題論文)はどのように進めましたか?

                私は美術で論文を書きました。これは各校でやり方が違うのですが、私のいた高校では、授業外で進める形で、テーマに合ったメンターの先生に自分でアポイントを取り、各自で進めていきました。美術は指導できる先生が限られていたので大変でした。IBDPのExtended Essayは外部機関による厳しい採点があり、特に美術は高評価を得るのが難しいです。先生からは日本語や歴史など、比較的書きやすい科目を勧められましたが、私は美術を選びました。

                ―― 他校のIBDPとの違いは感じましたか?

                他のIB校の生徒と話すと、他の学校ではIB専任の先生がいて、高3の夏前にはExtended Essayの提出を済ませているなど、支援体制がしっかりしている印象でした。同じIB認定校でも、学校によってDPへの力の入れ方は全く違います。

                私の学校はDPより下の学年向けプログラム(MIP)には力を入れていましたが、DPは手探り感があり、選択者も少なかったです。DPに進む前に先生との面談があり、「本当にやりたいか」念を押されます。IB Diplomaというブランドに憧れもありましたが、実際に履修を始めるとかなり大変でした。

                ―― DPで特に大変だったこと、苦労したことは何ですか?

                DPの課題や試験そのものが大変だったのに加え、高校にはIB専門の先生がおらず、DPの履修を学校側が積極的には勧めていないような状況だったので、どうやって勉強を進めるか、手探り状態でした。課題量が多く、良い成績を取るには才能も粘り強さも必要です。情報が少なく、本屋にもIB向け参考書はほとんどありませんし、YouTubeでも役立つ情報は限られています。IB認定校という肩書きだけで選ばず、実際にIB教育に力を入れている学校を選ぶべきだと思います。

                ―― IBDPで身についた力や経験は、ICU入試や入学後にどう役立っていますか?

                IBDPは世界的にも評価の高い教育プログラムで、学術的な土台ができたと思います。論文の形式や研究の進め方に慣れ、授業内でもディスカッションやプレゼン、ライティングの課題が頻繁にありました。

                ICU入学後も、DPで身につけたことがライティングの課題などで役立っています。ICUのELAもDPのような雰囲気があり、英語も使いながらアカデミックなスキルを学ぶ点は似ていると思いました。

                <IBDP履修からの大学進学について>

                ―― IBDPを使った総合型選抜は多くの大学で用意されていますか?

                早慶上智ICU、MARCH、同志社や立命館など有名私立はほぼIBDP入試があります。私立大学であれば、総合型選抜での併願に困ることはありません。ICUや早稲田のSILSはDP生に特に人気があります。大学によっては日本国内の高校でIBDPを履修して、帰国生枠で受験できる場合もあります。
                国立では北大が導入していますが、2025年度時点では東大・一橋・京大・阪大はIBDP入試がありません。

                ―― DP生は海外進学の方もいますよね。同じ高校のDP生の海外進学はどうでしたか?

                海外進学は4人で、2人がヨーロッパ、2人がイギリスでした。アメリカは0人です。IBDPは、アメリカよりは、ヨーロッパの方で評価が高いようですね。

                ―― 一般選抜で進学した人は?

                今年は一般選抜で3人が進学しました。上の代では一般入試が0人の年も少なくなかったので、今年は例外的かもしれません。

                ―― 一般選抜の受験科目はIBDPでは扱わない?

                DPで学ぶ内容と、日本の高校で一般選抜に向けて学ぶ科目は全く異なります。私の通っていた高校でも、DP生向けの進路指導も総合型対策が中心で、一般選抜対策の指導はほとんどありませんでした。DPと一般選抜対策の両立は非常に難しいです。

                ―― 結果的にICUには一般選抜で合格されています。IB校からICU一般選抜を受験する際に、総合型選抜での合格者が多い学校では、ICU一般選抜に関しては情報が少なく不安はありませんでしたか?

                DPを履修していた同じ学年の学生の中で、総合型選抜までで合格を確保できなかったのは私だけだったので、一般選抜への不安はかなり大きかったです。総合型選抜が不合格と分かってからは、オンレクでICU一般選抜対策に全振りしました。

                ―― IBDPとICU入試科目(ATLAS、人文・社会など)の親和性はありますか?

                率直に言えばそこまで親和性はありません(笑)。DPで重視されるライティングやプレゼンテーション、リサーチなどのスキルが、ICUの一般入試に直接役立つかというとそうでもないです。ただしDPを選ぶ人はATLASや人文・社会科学のような知的好奇心を問うような内容は好きだと思うので、内容的には相性は悪くないと思います。

                ―― IBDPと一般選抜の日程の重複はありましたか?

                DPの最終試験は11月なので、2月の一般選抜とは重複しません。DPが忙しい時期と一般選抜の時期はずれているため、スケジュール的には両立しやすかったです。

                (今回の改装でICU本館の西側(T館側)にエントランスが設けられ、ICU本館の歴史を伝えるパネルが展示されている。写真提供:たんぽぽさん)

                <ICU受験生へのアドバイス>

                ―― これからICUやIB校からICUを目指す受験生、ICUの奨学金を目指す学生へのアドバイスやメッセージをお願いします。

                IBDPから一般選抜の受験は簡単ではなく、常に不安を感じていました。真面目な人ほど自分を低く評価しがちで、自分が本当に入試に向けて成績を伸ばせているのか確信が持てないことも多いと思います。でも、不安はモチベーションのためにあるものです。不安があるからこそ頑張れる部分もあると思います。不安があるからといって、必ずしも結果が悪くなるわけではない。

                不安への対策としては、私はオンレクで問題演習をしながら自己分析を行い、その際に対話型AI(Chat GPT)も活用していました。周囲が総合型選抜でどんどん合格を決めていく中、AIは愚痴を聞いてもらう場所としても役立ちました(笑)。また、過去問の成績管理にもAIを使い、オンレクとの相性もとても良かったです。

                これからICUやIB校からの受験を目指す皆さんもぜひ頑張ってください!

                (インタビュー前編はこちら)

                ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金

                今回は2025年度ICUトーチリレー High Endeavor奨学金の奨学生、たんぽぽさんにお話を伺いました。たんぽぽさんは都内高校(IB認定校)出身で、当サイトのオンラインレクチャーを受講し、一般選抜(人文・社会科学選択)でICU(国際基督教大学)に合格されました。

                High Endeavor奨学金

                High Endeavor奨学金は、入学金が免除され、学費の1/3が免除となる奨学金です。今回の場合、4年間合計で約2,349,000円に相当します。

                (追記)2026年度よりHigh Endeavor奨学金は、収入要件を満たした上で、一般選抜出願時に奨学金を応募し、ICU入学した学生の全員が奨学金を得られるように制度が変更されています(入試成績が上位でなくても奨学生になれるようになった)。たんぽぽさんは2025年度入学のため、一般選抜入試でよい成績を収め、奨学金を獲得しています。

                ICU合格までの道のりと奨学金獲得

                ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金誓約書。各自で署名して書面をスキャンし、所定のサイトにアップロードして提出する。ICU入試の方式と受験番号があらかじめ記載されている

                ―― IB認定校出身で、DPも履修しておられますが、一般選抜で合格されています。ICU合格までの経緯を教えてください。

                元々はIBDP利用で大学進学を考えていました。ICUが第一志望で、ICUの帰国生入試と総合型選抜(IBDP対象)も受験しましたが、いずれも不合格。最終的に一般選抜に切り替え、合格することができました。

                ―― ICUの奨学金の応募と採用の経緯を教えてください。

                一般選抜に出願する際、奨学金の応募条件に自分が該当することに気付き、「もらえたらとても助かる」と思い、Peace Bell奨学金とHigh Endeavor奨学金の両方に応募しました。その結果、High Endeavor奨学金の内定をいただきました。

                ―― 奨学金の申請は大変でしたか?

                Peace Bell奨学金の応募にはエッセイの提出が必要でしたが、総合型選抜で書いた内容を活用できたので、それほど大変ではありませんでした。High Endeavor奨学金はエッセイ等が不要で、Peace Bellと共通の書類で併願でき、応募時にチェックを入れるだけだったので、手続きはとても簡単でした。

                ―― ICUに合格し、High Endeavor奨学金採用が決まった時、ご家族の反応はいかがでしたか?

                家族はとても喜んでくれました。また、浪人せずに進学できたことに安心していたようです。無事に受験が終わったことにホッとしている様子でした。

                ―― ICU入学後にHigh Endeavor奨学生として課されている条件はどのようなものですか?

                GPA3.0以上を維持する必要があります。また、毎年更新手続きも必要です。

                ―― High Endeavor奨学金を得たことで、どのような可能性が広がりましたか?

                特別に経済的に困っていたわけではありませんが、奨学金をいただけたことはとてもありがたかったです。実家は東京にあり、ICUにも通学可能な距離ですが、一人暮らしをさせてもらうために、生活費の一部は自分でバイトして賄おうと考えていました。

                奨学金のおかげで、ICU入学直後からバイトを急いで始める必要がなくなり、ELAなどが一段落してから、ゆっくり始めようと思っています。実際にICU入学後は勉学に集中できていますし、気持ちにも余裕ができ、本当に感謝しています。

                ―― 2回の不合格を乗り越えてのICU一般選抜は相当大変だったのでは?その上で奨学生となった印象は?

                確かに高3の間ずっとICU入試を受け続けたような形になるので、一般選抜で受かるまでは相当大変でした。

                奨学金に関しての個人的な印象ですが、帰国生入試や総合型選抜よりも一般選抜で受験した方が、奨学金を獲得できる可能性は高いかもしれません。一般選抜は点数が明確に出るので、入試で高得点を取れれば奨学金獲得のチャンスは広がると思います。帰国生入試や総合型選抜で他の受験生と差を付けるのは難しいと感じました。

                ICU受験について

                ―― 一般選抜の試験の手応えはいかがでしたか?

                英語は手応えがあり、人文・社会科学も悪くない出来でした。総合教養(ATLAS)については、オンレクで過去問をすべて解いた経験と比べても、あまり得意でないパターンのトピックが出てしまった印象です。それでも、オンレクの過去問演習のおかげで、出来が良くないと感じた時でも落ち着いて対処できたと思います。

                ―― ICU対策はオンレクのみだったとのことですが、各科目はカバーできましたか?

                ICUの一般選抜の受験科目はオンレクで十分カバーできたと感じています。オンレクは偏差値などで自分の立ち位置が確認できたのが良かったです。周りで一般受験の子が少なく、自分の位置を相対的に見ることが難しかったため、ここはすごく役に立ちました。

                ―― ICU入試に役立った参考書はありますか?

                人文・社会科学、ATLASの読解対策に『現代文読解のテーマとキーワード: イラスト図解でよくわかる!』という本がすごく良かったです。これは現代文というよりは、論文に登場するキーワードを分野ごとに解説をした参考書で、とても役立ちました。

                ―― 2025年度ICU入試のATLASにはどのように対応しましたか?

                今回のATLASのテーマは比較的苦手な分野の問題が出ていました。オンレクでの演習を経て、私の場合は特にATLASは年度によって得意不得意が出ることは分かっていたのですが、もしATLASの形式に慣れていなくて初見だったらもっと大変だったと思います。解けるところはしっかり解く意識で臨みました。

                ―― オンレクで過去問演習をやる際に工夫したことは?

                人文・社会科学は25年分ほどの過去問を解き、各年の特徴や自分がどこで引っかかったかをGoogleドキュメントで表にまとめていました。

                過去問で一通りの分野をカバーできていたので、本番でも落ち着いて対応できました。過去問演習はとても効果的だと感じました。

                英語(リスニング・リーディング)は20年分ほどのオンレクの過去問を2回ずつ解きました。特にリスニングのPart Ⅲの講義では専門用語が多く出るので、分からない単語はリストにして覚えるようにしていました。

                ―― 塾や予備校を使わずオンレクのみで受験勉強を進めた理由は?

                人生で一度も塾に行ったことがなく、高校受験の時だけ家庭教師をつけてもらっていました。IBDPでも自分でコースを進める感じだったので、自分で計画を立てて進めていくのは割と得意でした。予備校はなんとなく怖い場所だと思っていたので、オンレクのようにオンラインで学習できる環境は自分のタイプに合っていたと思います。

                ―― 一般選抜の併願校はどこでしたか?

                中央大学(国際情報、国際経営)、慶應義塾大学(総合政策、環境情報)を併願しました。中央大は現代文と英語で受験しました。

                受験期の過ごし方、入学後の感想など

                ―― 受験期にSNS(インスタ等)を利用しなかった理由と、その効果について教えてください。

                私の通っていた高校は、総合型選抜で早期に進路が決まる生徒が多い環境でした。そのため、一般選抜の受験勉強を続けている生徒は、周囲と進路決定のタイミングに大きな差が生まれやすい状況でした。

                同じように、内部進学や推薦で進路が早く決まる生徒が多い高校でも、一般受験の生徒は同じような環境に置かれることが多いと思います。

                私は一般選抜の受験を決意した日から合格発表日まで、インスタのアプリをスマートフォンから完全に削除していました。特定の人の投稿を見てどうこう思ったということは全くありませんが、合格が決まった人たちのインスタの写真や近況を見ても良いことはないと思ったからです。

                ちなみに、ICUに合格した後、久しぶりにInstagramを再インストールしたところ、未返信のDMがたくさん届いていましたが、特にアプリが無くて困ったことはなかったですね。

                ―― ICU合格後~入学までに準備したことは?

                入学式のスーツを買いに行きました(笑)。また、アパートも探していましたが、割とすぐに決まりました。

                ―― ICUでの学生生活で、特に良かったことは?

                キャンパスがきれいで、いろんな人と話せる雰囲気があります!キャンパス内には自然と交流が深まる工夫があって、例えばT館では通路と勉強する場所が一体化していて、通りかかったいろいろな人に話しかけやすいです。オスマー図書館で課題をやりに行くと知り合いがいたりして、みんなで勉強したりする雰囲気が好きです。

                →後編に続きます。後編ではIB校の様子やDPの履修内容、受験生へのアドバイスなどをお届けします。

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                ICU合格者向けの入学手続要項などの書類(写真提供:Nimbus2000さん)

                ICU高校について

                ―― ICU高校の特色について教えてください。

                ICU高校の校則は「ゲタ・ガム・カンニング禁止」の3つしかないと言われており、制服も公的な行事以外は自由でした。普段は私服で登校でき、帰国子女も多く、個性や自主性が尊重されていたと思います。校長先生や先生方と生徒の距離も近く、フラットな関係で話しやすい雰囲気でした。

                ―― 印象に残っている授業や行事はありますか?

                特に印象的だった授業は「キリスト教概論」です。高1から高3まで週1回あり、先生によって内容が異なりますが、高3の時の先生は哲学的な内容で、「友達とは何か」「愛することとは何か」など、普段考えないテーマを深く考える機会になりました。行事ではハロウィンが印象的で、その日はみんなが仮装して登校する伝統があります。

                ―― ICU高校から大学への内部進学は多いのでしょうか?

                ICU高校から大学への内部進学は、全体としては3分の1程度だと思います。内部進学の条件は全体的に緩やかで、私のクラスでは半分くらいがICUに進学していた印象です。内部進学の評定平均の目安は3.6以上、あるいは3.8以上と言われていました。

                ―― ご自身は内部進学や推薦を検討しましたか?

                私は受験の決断を引き延ばしたかったので、最後まで一般受験でいくつもりでした。

                理系から文系への転向と受験対策

                ―― ICU高校の学生の文理の比率や選択についてはどうでしたか?

                文系がやや多いですが、理系も一定数います。理系では生物選択者が多く、物理か生物かを選ぶ場面では生物を選ぶ人が多かった印象です。

                ―― 理系から文系に進路変更した経緯と、そのプロセスを教えてください。

                大学では理系の学問をやりたいと思い、受験対策としては物理、化学、数学を中心に勉強していましたが、成績が思うように伸びず、受験勉強も苦戦していました。そんな時、母がICU大学の赤本を買ってきてくれて、試しに解いてみたところ、自分に適性があると直感しました。唯一面白く解ける問題で、「自分にはリベラルアーツの方が合っているかも」と思い、文系への転向を決断しました。

                ―― 受験対策として取り組んだことは?

                文転すると決めた翌日にはオンレクを受講し始めました。実際、過去問は新旧問わず非常に役立ちました。

                ―― 文系に切り替えてから苦労したことと、その対策は?

                オンレクで過去問を解いていくと、世界史、日本史、政治・経済など知識系科目の基礎が全然足りないことに気づきました。そこで、とにかく歴史と政治経済の教科書や資料集を端から端まで読むことから始めました。

                ―― その中で特に役立った教材はありますか?

                『山川歴史総合用語解説』はとても役立ちました。理系出身の人にもおすすめです。

                ICU入試受験の実際と対策

                ―― ICU入試の出願や、併願校について教えてください。

                ICUの入試は自然科学の併願は選択せず、人文・社会科学に集中しました。併願で日英バイリンガル面接利用にも出願しました。その他の大学は、高校の先生とも相談し、共通テスト利用で受験できる津田塾や獨協などを併願しました。

                また、2025年度はICUの入試が2月1日で、第一志望のICUが最初の試験になることを避けるため、聖学院大学を1月25日に受験しました。

                ―― 英語外部試験利用ではなく、日英バイリンガル面接利用を併願した理由は?

                IELTSのスコアは持っていたので英語外部試験利用も可能でしたが、オンレクでICUの過去問を解きまくり、英語に関してはICUの問題で十分得点できると分かったため、ICUの英語試験が利用できる日英バイリンガル面接利用で併願しました。

                ―― 一般選抜の併願の結果は?

                ICUは一般選抜の人文・社会科学選択で合格し、日英バイリンガル面接利用も一次に合格しました。ちなみに日英バイリンガル面接利用は二次を辞退する手続きを忘れていたため、後日、二次不合格という結果が出願サイトで表示されました。忘れずに二次辞退の手続きをした方がよかったと後から思いました。

                ―― 2025年度入試のATLASの変更点と対策について教えてください。

                2025年度からATLASはパート分けがなくなりましたが基本的にはオンレクの過去問通りだと思っていいです。今回は最初の20問くらいは比較的簡単な問題で後半ほどやや複雑な問題が出ていたような気がしました。オンレクの過去問演習は引き続き有効です。

                ATLASの放送のメモの取り方は人それぞれかもしれませんが、私は細かくメモを取ることで対応していました。

                ―― 英語リーディングとリスニングの対策はどうされましたか?

                英語リーディングは45分以内で全問解き、見直しの時間も確保していました。息抜きに英語の本を読むこともリーディング力向上に役立ちました。

                リスニングは2025年度からパート3の講義が2つになるという変更がありましたが、難易度はオンレクの過去問と変わらない印象でした。試験会場では隣の受験生の音も聞こえるなど、環境音に影響されることがあるので、カフェなどで一度練習してみるのもおすすめです。リスニングは集中力の勝負かもしれません。

                ICUのキャンパスライフと寮生活

                ―― ICUに入学してから印象的だったことや寮生活について教えてください。

                ICUの大学はICU高校と比べても、さらにグローバルな環境です。授業以外でも英語で会話する機会があります。

                先日は「Bible Study」という企画で、キャンパス内にあるICUの先生のお宅でカレーをごちそうになるイベントに参加しました。慣れている4年生は先生の家でとてもくつろいでいたのが印象的でした(笑)。

                ICUの寮生活は快適です。私は3月29日に入寮し、4月1日の入学式の数日前から新生活が始まりました。入寮してすぐに履修登録の説明会や、先輩たちによる履修対策会が開かれ、GPAを維持するためのコツや授業選びのポイントなど、実践的なアドバイスをもらえました。奨学生はGPA3.0を維持しないといけないので、上級生のアドバイスはとてもありがたかったです。新入生にとっては、寮に入ることでいち早く大学生活の情報が手に入るのは大きなメリットだと感じました。

                ―― ありがとうございました!

                ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,ピースベル奨学金,学食・学生寮

                今回は、2025年度ICU(国際基督教大学)入試合格者でICU Peace Bell奨学金を獲得したNimbus2000さんにお話を伺いました。Nimbus2000さんはICU高校出身で、内部進学は利用せず、一般選抜でICUに合格。当サイトのICU対策講座オンラインレクチャーを受講されていました。

                Peace Bell奨学金とは?

                Peace Bell奨学金は、ICUの最も手厚い奨学金制度です。入学金・授業料・施設費の全額、さらに寮費も免除されます。今回のインタビューの内容では4年間で約856万円に相当します。主に同窓生の寄付によって支えられており、毎年約14名のスカラーが選出されます

                2025年度Peace Bell奨学金採用内定通知、入学金、学費、寮費が給付(免除)される旨が記されている(写真提供:Nimbus2000さん)

                <インタビュー1>

                奨学金応募書類の作成について

                ― Peace Bell奨学金に応募したきっかけは?

                ICU高校だったのですがICUへの内部進学には応募せず、理系の一般受験で国立をめざしていました。しかし、高3の途中で文系受験することを決めて、ICUに進学するなら少しでも親の負担を増やしたいと思って奨学金に応募しました。

                ― Peace Bell奨学金の応募書類作成

                応募書類については、最初は1日で終わるだろうと思っていたのですが、実際に始めてみると記入事項が多く、内容もじっくり考える必要があり、結局3日ほどかかりました。

                ―エッセイを書いたのはいつ?受験の時期は大変なのでは?

                1月に入ってから、10日過ぎくらいに書き始めました。この時期はオンレクの過去問を連日解いて疲れていましたが、ICU入試対策はやりきった感もあったのでちょうどよい気分転換になりました。ただ、書類作成は1日では終わらないので、早めに取りかかることをおすすめします。

                ―エッセイで工夫した点は?

                工夫した点は、ICUのアドミッションポリシーや大学の使命をしっかり読み込み、それぞれの項目に自分がどのように合致しているかを具体例を交えてアピールしたことです。ICUの生徒像に自分が本当に合っているのではないかという思いを、率直に書きました。

                例えば「音楽が好き」という自分の個性を、100年前の楽曲を発見して感動し、その背景などから他の学問にも興味関心が深まった、というエピソードを書きました。

                Peace Bell奨学金を獲得されたオンラインレクチャーの先輩のインタビューも参考にさせてもらいました。エッセイの長さはあまり気にせず、PDFのフォームの半分くらいしか埋まっていませんでしたが、中身重視で仕上げました。

                全体としては相手が求める答えを意識しすぎず、自分の経験や興味を脚色せずに正直に書くことを心がけました。

                また、私の家庭は母の収入に頼って生活しているのですが、ものすごく困っているという訳ではないので、経済的状況もありのままを書いたという感じです。

                ― 自己PR欄はどのように書きましたか?

                自己PR欄は、ほとんど自己紹介のような内容になってしまいましたが、自分の好きなことについて遠慮せずに書きました。深夜に書いた部分もあり、今思うと少しテンションが高かったかもしれませんが、その分、自分の素直な気持ちが表れたかもしれません。

                推薦状と評定平均

                ― 推薦状はどなたに依頼しましたか?

                最初はICU高校の担任の先生にお願いしようと考えたのですが、ICUの奨学金ではICU高校の先生が推薦者になることはできないと知り、子供の頃にお世話になった方にお願いしました。外国語で書いていただき、翻訳も添付して提出しました。

                ― 高校の評定平均はいくつでしたか?

                評定は3.0を少し超えるくらいでした。推薦は意識していなかったので評定平均はあまりよくないです。

                ― Peace Bell奨学金申請時に他にも検討した奨学金はありましたか?

                ICU High Endeavor奨学金は併願できたので、Peace Bellと一緒に申し込みました。

                提出から採用

                ― 書類提出で印象的だったことや注意点は?

                提出内容に不備があって、ICUから2回もメールで連絡が来てしまいました。なぜか古い年度のフォーマットに書いて提出してしまっていました。指示に従って書類を再度アップロードしました。

                ― 合格発表と奨学金の決定タイミングは?

                ICUの一般選抜の合格発表は午前11時ごろ、母と一緒にオンラインの発表サイトで確認しました。その後、同じサイトで11時半ごろに入学手続きの内容が公開され、Peace Bell奨学金の採用を知ることができました。奨学金の採用を最初に見つけたのは母で、「これはすごいことになった」と言ってくれたのを覚えています。

                ― 奨学生として採用が決まった時の感想や家族の反応は?

                奨学金の書類に不備があって再提出していたので、厳しいと思っていましたが、学費全額免除の奨学金をいただけて本当に嬉しかったです。家族もとても喜んでくれました。

                授与式と寮生活

                ―ICU Peace Bell奨学金新スカラー歓迎式典の感想や印象的だったことは?

                ICUの入学式の日の午後にPeace Bell奨学金の新スカラーの歓迎式がありました。新奨学生7人がスピーチをすることが2週間ほど前に予告されていました。私はスピーチ原稿を暗記して臨んだのですが、スピーチをその場で考えている人もいたのでもしかするとそこまで気合いをいれなくてもよかったのかなとも思いました笑

                学長の岩切先生のウィットに富んだ挨拶で場が和やかになり、全体的に思ったよりもカジュアルな雰囲気でした。

                授与式には先輩の奨学生や大学の先生方も参加され、全体で1時間半ほどでした。

                ― Peace Bell奨学金には寄付者や寄付団体が明記されている冠賞もあるということですが

                今回は7本中5本が冠賞でした。中にはICU卒業生の9期生、11期生のご寄付であるという事が示されていたものや、キリスト教の冠が付いたものもありました。キリスト教を冠とする奨学金を受けた方は、クリスチャンの学生だと思います。私は冠賞がついていないものでした笑

                ― 今回の4月入学の奨学生7人のうち、一般選抜の人は何人いましたか?

                3人か4人だと思います。

                ― Peace Bell奨学生の寮生活について教えてください。

                4月入学の奨学生7人のうち、1人を除いて全員が寮に入っています。寮に入りたい場合は応募フォームに志望理由を書いて提出します。スカラーは寮費が無料なので、どこかの寮には入れるのではないかと思います。ただし寮は第6希望まで提出できるのですが、第1希望だけしか書かないとかだと入れないかもしれません。ちなみに第1希望は個室のGlobal Houseにしましたがやはりダメで、新寮の方に入居できました。私はICU高校時代に1年ほど寮生活を経験していたので、特に抵抗はありませんでした。

                Peace Bell奨学金では寮費も免除される。ICUのキャンパスの森の中で勉学に集中できる

                奨学生の義務と将来の展望

                ― Peace Bell奨学生に課せられていることや成績条件について教えてください。

                所得証明書を提出する毎年の更新手続き、GPA3.0以上の維持、各種式への参加が義務であると説明がありました。私は高校の評定平均があまりよくなかったのでGPA3.0の維持は結構大変かなと思いました。

                ― Peace Bell奨学金を通じてICUで実現したいことは?

                イギリスに留学したいという夢があります。英語が好きなので、英語で文章を書いたり物語を書いたりしてみたいです。学費全額免除のおかげで、大学院進学も視野に入れることができました。奨学金がなければ大学院進学を希望することは厳しかったかもしれません。

                スカラー歓迎式典でも学長の岩切先生からは「学費の心配はしなくていいので、バイトせず学問に打ち込んでほしい」というお話があって、いろいろなことを勉強していきたいと思っています。

                受験生へのアドバイス

                ― Peace Bell奨学金申請を検討している受験生へのアドバイスは?

                一般選抜の場合は、とにかく入試でしっかり点数を取ることが大切です。私は最初から奨学金を取りに行くつもりでBUCHO.NETのオンラインレクチャーに取り組んでいました。

                エッセイは私としてはよく書けたので、エッセイの内容は大事だと思います。応募書類で自分の考えを言語化するのは難しいですが、ICUの大学の方針を確認した上で、自分らしく書くことが大切でしょう。

                私の家庭は特に貧乏というわけでもなく、他に兄弟がいるわけでもないので、家庭状況はそこまで関係ないかもしれません。推薦状も知り合いの方に頼みました。

                後は他の皆さんもおっしゃっていますが、書類の準備は大変なので、早めにやった方がいいです!

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                インタビュー後編:静岡からICUへ――独学・単願で挑んだ受験プロセス

                静岡県の進学事情

                ― 静岡県の高校生は、どのような大学に進学する人が多いのでしょうか?

                静岡は関東と関西の中間地点というイメージもあって、どちらのエリアも受験する人が多い印象です。私の通っていた高校は進学校だったのですが、私立大志望の場合は早慶やMARCHだけでなく、関関同立を受ける人もたくさんいました。

                ― ICUと同志社の合同説明会に参加されたそうですね。

                9月末ごろに静岡で開催された説明会に参加しました。東京まで行かずに地元で説明を聞けたのはとても助かりました。予約制で40-50人ほどの参加者がいて、会議室を2部屋使った小規模な会でしたが、ICUに関する全般的な紹介のあと、現役のICU生も交えて個別相談にも応じてくれました。説明会は一方的な講義形式ではなく、参加者からの質問を随時受け付けるなど、ICUらしい双方向的な雰囲気が印象的でした。

                ― その後、ICUのミニオープンキャンパスにも参加されたとか。

                11月末のミニオープンキャンパス(2024年は11月30日開催)に参加しました。理系中心のイベントだったので最初は大丈夫かなと少し不安もありましたが、実際に行ってみるとICUの雰囲気がよく分かり、モデル授業なども体験できて、参加して本当によかったです。やはり入試前に一度は行っておいた方がよくて、得るものが大きかったと思います。

                ICU単願受験の決断とその背景

                ― 合格体験記では最終的にICU一本で受験されたとあります。単願はリスクもあったと思いますが。

                通っていた高校が地元では進学校で、国立志望の人などは浪人も珍しくなく、全校集会や先生の話からも「滑り止めより本当に行きたい大学を受験すべき」という考えが伝えられていました。私自身もICUに行きたいという気持ちが強く、浪人してでもよい大学に行こうという学校や周囲の雰囲気に影響された部分もあったかもしれません(笑)。また、学校の方針もあって共通テストは受験しました。

                ― Cherry Blossom奨学金への内定は、ICU一本に絞る決断に影響しましたか?

                それはあったとは思います。12月初めにCherry Blossom奨学金の内定が決まって、あとはICUに合格しさえすれば学費が大幅に免除されることになったので、その時点で今年はICU一本で受験するという気持ちがほぼ固まっていました。受験直前期もICUに特化した勉強をしていました。

                ― ICU一本というのはご両親は心配されたのではないですか?

                うちの親はもともと勉強や進路についてとても寛容で、私の意思を尊重してくれるタイプでした。それに、オンレクでの成績や進捗については、解いた過去問の出題内容や点数、どこができてどこが難しかったかなどを親とよく話していました。私は一人で抱え込むよりも、誰かと話しながら進める方がうまくいくタイプなので、家族とコミュニケーションをとりながら受験勉強を進められたのはよかったです。

                ICU入試対策――総合教養(ATLAS)の新形式・英語・過去問活用

                ― 2025年度に形式の変更があった総合教養(ATLAS)試験の新形式への対策やコツを教えてください。

                今年から試験の最初に10分間、資料冊子を読む時間が設けられましたが、全部を細かく読むのは難しいので、その10分で最後までざっと目を通して全体像をつかむとよいと思います。その後の講義を聞くときも、資料内容を頭に入れておくと理解しやすいです。内容自体は大きく変わっていないので、オンレクの過去問を新しい形式で解いておけば十分対応できると思います。

                ― 同じく変更のあった英語に関して教えてください。

                英語リーディングは2025年度から回答時間が15分短くなったので、過去問を本番よりも短い時間で解く練習をしました。Part Iの長文が2つになっています。また、英語リスニングはPart IIIの講義が2つになりましたが、基本的な対策は変わりません。TED Talksなどを使って少し難しい内容で耳を鍛えておくと、本番でも余裕が持てると思います。

                ― 塾や海外経験などは?英語が得意になったきっかけは?

                海外経験はありませんし、塾にも通っていないのですよ(笑)。中学生の頃からクラスでも英語ができる方で、英語が好きでプライドを持って勉強を続けてきた結果だと思います。高校の英語の授業もしっかりしていたので、自然と英語力が伸びたと感じています。英語学習系YouTuberの動画もよく見ていて、それも役立ったと思います。

                ― 過去問を解く際、どのような分析や改善プロセスが役立ちましたか?

                本番通りの制限時間で過去問を解き、すぐに解説を読んで間違えた問題を分析していました。どこを改善すべきかメモし、今後の学習方針を立てていました。オンレクの解説を読んでいわゆる「捨て問」も見極めて、一度解いた問題からどこを改善したらより点数が上がるかを分析しながら過去問を解き進めていました。

                ― オンレクは役立ちましたか?

                オンレクはとても役立ちました。ICUの過去問の演習が豊富にできて、解説やコラムも面白く、ICU入試対策の軸になっていました。オンレクでICU合格への自信を得たといっても過言ではないです!

                ICU合格後から入学

                ― ICU合格後、入学までにどんな準備をしましたか?

                アパートを決めるところから始めました。すでに合格前から母がアパートを探し始めてくれていて、運よくとても良い部屋に入ることができました。住むところで気分が全然違うと思うので、アパート探しは大事ですね!ICUの寮は基本的に相部屋で、私には合わないと思って応募しませんでした。あとはELAのPlacement Test対策でTOEFLの勉強をしていました。

                ― ICU入学後の学習や生活の感想は?

                ICU入学後のオリエンテーションでは、周りの学生と共同で作業することもあり、入学してすぐにたくさんの知り合いができるような工夫があったのはよかったです。また、オリエンテーション期間中にはミートアップというイベントがあり、新入生同士でお茶をしたりする交流会も用意されていたので、そうした機会に一気に友達が増えました。ICU全体の印象としては、アットホームでアカデミックな雰囲気があり、先生方もフレンドリーで、入学後もしっかり勉強する大学なのだなと感じました!

                ― ありがとうございました!

                ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜

                今回は、2025年度ICU(国際基督教大学)入試合格者でCherry Blossom奨学金を獲得したレパントさんにお話を伺いました。レパントさんは静岡県立高校の出身で、当サイトのICU対策講座オンラインレクチャーを受講されていました。

                Cherry Blossom奨学金とは?

                Cherry Blossom奨学金は、ICU入試を受験する前に採用が内定する予約採用型の奨学金です。ICU入試に合格し、入学が決まると、奨学生として本採用となります。

                この奨学金は一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)以外の高校出身者が対象で、入学金と学費の2/3が4年間免除されます。今回の場合、4年間合計で、約4,398,000円に相当します。

                インタビュー前編

                ICU進学と奨学金を考えたきっかけ

                –ICUへの進学と奨学金を意識し始めたタイミングは?

                ICUに行きたいと思ったのは高校3年生の9月頃です。奨学金については、ICUに進学するなら家計への負担を少しでも減らすため、ぜひ利用したいと考えていました。Cherry Blossom奨学金を知ったきっかけは、ICUのパンフレットを見たことです。その後、ホームページでも詳しく調べて、応募を決めました。

                Cherry Blossom奨学金への応募

                –Cherry Blossom奨学金の申請準備はどうでしたか?

                準備は思ったより大変ではありませんでした。必要だったのは、家庭の収入を示す証明書と学校の調査書だけです。収入証明は母に頼んで役所で取得してもらい、調査書は学校の先生に早めにお願いしました。これらをレターパックで郵送し、オンライン申請フォームに入力するだけで手続きは完了しました。志望理由やエッセイも不要で、事務的な作業が中心でした。早めに動けば特に困ることはなかったです。

                –高校の評定平均はどのくらいでしたか?

                評定平均は4.3でした。

                –Cherry Blossom奨学金の申請と内定はいつ頃でしたか?

                私は第二次募集に応募したので、10月末に申請し、内定の通知は12月に届きました。

                奨学金への内定、合格

                –内定の通知を受け取ったときの気持ちは?

                ICUは採用基準を公開していないため、結果が出るまではどうなったかとても気になっていましたが、内定通知が届いたときは素直にうれしかったです。

                –Cherry Blossomは事前予約型の奨学金なので、採用の内定が出た後で、さらにICUの入試に合格すれば本採用となるわけですね?

                はい、Cherry Blossom奨学金の採用内定の通知をいただいてからはICUに合格したいという気持ちがより一層強くなり、受験へのモチベーションも高まりました。

                –一般入試の出願時にはどのような手続きが必要でしたか?

                ICUの一般入試の出願時には、Cherry Blossom奨学金の内定通知に記載されていた予約採用番号を、出願フォームの指定欄に入力しました。

                –ICU入試合格後の手続きについて教えてください。

                合格後は、奨学金の制約書にサインをして、オンラインで提出しました。

                –入学後のガイダンスなどは?

                入学後に特別な集まりやガイダンスはなく、「Cherry Blossom奨学生の心構え」という書類が配られました。

                その書類には、奨学金を継続するためには毎年所得証明を提出して継続手続きを行う必要があることや、GPAで3.0以上を維持しなければならないことなどが記載されていました。

                –奨学金に採用した上でICUに合格した際のご家族の反応は?

                家族はとても喜んでくれました!学費の2/3が免除されることで家計の負担が大きく減りますし、私自身もICU進学に向けて前向きな気持ちになりました。

                Peace Bell奨学金にも応募

                –一般選抜に出願した際に、学費全額免除のPeace Bell奨学金にも応募されたそうですが、応募時期や流れを教えてください。

                はい、流れとしては、10月にCherry Blossom奨学金に応募し、12月に採用内定の通知をいただきました。その後、Peace Bell奨学金は1月の一般選抜の出願と同時に応募しました。

                –Cherry Blossom奨学金と比べて、Peace Bell奨学金の応募準備はどうでしたか?

                Peace Bell奨学金は準備がかなり大変でした。受験期と応募時期が重なり、推薦状やエッセイなどの書類を用意する必要がありました。正直、直前期なのにエッセイや書類準備に時間を取られすぎて、これでICUの入試に合格できなかったら本末転倒だなと思ってしまうほどでした(笑)。

                –Peace Bell応募の結果や感想について教えてください。

                結局、Peace Bell奨学金は不採用でした。エッセイの内容が相当高いレベルでないと採用は難しいのではないかと思います。自信がある人以外は無理に応募する必要はないと思いますし、もし出願時に申請するなら、1/3免除のHigh Endeavor奨学金の方が申請しやすいので、そちらだけ応募するのもよいと思います。

                (注:Cherry Blossom奨学金に予約採用されている場合は、ICU入試出願時にPeace Bell奨学金は応募可能だが、High Endeavor奨学金は応募不可)

                Cherry Blossom奨学金のメリットとアドバイス

                –Cherry Blossom奨学金のメリットは?

                今考えると、Cherry Blossom奨学金は他の奨学金と違って受験が本格的に始まる前に応募を済ませられるので、その点はよかったですね。応募の手続きも所定の書類を揃えて送るだけだったので、それほど大変ではありませんでした。採用の内定がいただければ、ICU合格後の学費の見通しが立つので、経済的にも本当に助かります。

                –実際に学費が1/3ですむというのはとても大きいですよね!

                はい、本当に大きいですね。私の地元の静岡は東西にとても広く、実家のある地域は愛知県に近いため、ICUまで通学するのは現実的に難しいです。大学近くで一人暮らしを始めましたが、家賃や生活費もかかる中で、学費の2/3が免除されるのはとてもありがたいです。

                –これから奨学金申請を考えている方へアドバイスをお願いします。

                とにかく早めに行動することが大切です。「早すぎるかな」と思うくらい早く動いた方がよいです!情報収集から手続きまで積極的に進めて、対象になる奨学金にはぜひチャレンジしてみてください!

                (インタビューは次回に続きます)

                2025年度ICU ELA Reader(写真提供:レパントさん)

                ICU奨学金まとめ

                奨学金名支援内容収入要件(給与所得世帯)採用予定数応募時期主な提出書類備考
                ICU Peace Bell 奨学金🔔入学金、寮費、学費全額免除年収1000万円未満14名入試出願時(1月)調査書、収入証明書、エッセイ、推薦状編入生は不可
                ICU Cherry Blossom 奨学金🌸入学金免除、学費2/3免除年収1100万円未満20名入試出願前(6-7月・10-11月)調査書、収入証明書1都3県以外。編入生も可
                ICUトーチリレー High Endeavor 奨学金🚀入学金免除、学費1/3免除年収1000万円未満24名入試出願時(1月)調査書、収入証明書編入生も可

                ICU Cherry Blossom奨学金,ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,ピースベル奨学金,ICUトーチリレーHigh Endeavor奨学金,入試説明会

                2025年3月22日にICU国際基督教大学のオープンキャンパスで開催された2026年度入試説明会に参加してきました。今回の記事では、一般選抜を含む入試制度の変更点を詳しく解説するとともに、応募時の収入要件が緩和された奨学金制度についてもあわせてお伝えします。

                2026年度入試の主な変更点

                自然科学選択の名称変更

                2026年度入試から、一般選抜の「自然科学選択」が「数理・自然科学選択」という名称に変更されます。試験の内容は従来から変わらず、試験当日に数学、物理、生物、化学の4科目から2科目を選ぶ形式も従来通りです。

                入試形式の分類変更

                2026年度より、ICUのすべての入試形式が文部科学省の方針に基づき、以下の3つの系統に分類されます。

                • 一般選抜
                • 総合型選抜
                • 学校推薦型選抜

                この変更により、従来の「ユニヴァーサル・アドミッションズ 4月帰国生選抜」や「社会人選抜」も「総合型選抜」に分類されることになります。

                総合型選抜(AO)と専願制度について

                高校時代の活動実績等を元に、小論文等を提出して出願する、「総合型選抜」(旧AO入試)は「総合型選抜 4月入学専願」という名称になる予定です。「専願」という言葉が示す通り、ICUを第1志望とし、合格した場合は本学へ入学することを確約できる受験生を対象とする試験です。要するに指定校と同じで、合格したら必ず入学してくださいというシステムです。ICUのAO入試が専願であることは従来から変わっていませんが、2026年度から試験の名称として「専願」が明記されることになります。

                ICU入試説明会が実施されたD館東棟(旧D館)オーディトリアムの様子。ICU入学後のオリエンテーションや、学生団体の公演等に活用されている

                2026年度入試スケジュール(予定)

                以下は説明会で発表された2026年度入試のスケジュールです。ただし、これらはすべて2025年4月以降に正式発表される予定ですので、必ずICU公式サイトで確認してください。

                一般選抜

                • 出願:2026年1月上旬
                • 会場試験:2026年2月7日(土)
                • オンライン二次面接:2026年2月21日(土)

                総合型選抜 4月専願(旧AO入試)

                • 出願:2025年9月上旬(小論文など一次試験の書類提出)
                • 二次オンライン面接:2025年10月18日(土)

                学校推薦型選抜

                • 指定校への入試要項などの配布:2025年6月頃
                • 会場試験:2025年11月22日(土)
                • 合格発表:2025年12月

                ICU奨学金の応募要件緩和

                2026年度からICU奨学金の収入要件が緩和

                ICU国際基督教大学では、入試出願と同時に申し込める奨学金と、出願前に申し込める奨学金が用意されています。2026年度から、これらの奨学金の申し込みに際する収入要件が緩和されることも公表されました。

                ICU Peace Bell 奨学金

                • 支援内容: 学費全額免除、寮費免除、入学金免除
                • 収入要件: 給与収入世帯の場合、年収1000万円未満((従来は800万円未満)
                • 採用予定数: 14名

                ICU Cherry Blossom 奨学金

                • 支援内容: 学費2/3免除、入学金免除
                • 収入要件: 給与収入世帯の場合、年収1100万円未満((従来は900万円未満)
                • 採用予定数: 20名
                • 1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)以外の学生
                • 入試前に採用内定者を決定

                ICUトーチリレー High Endeavor 奨学金

                • 支援内容: 学費1/3免除、入学金免除
                • 収入要件: 給与収入世帯の場合、年収1000万円未満((従来は800万円未満)
                • 採用予定数: 24名

                変更点のポイント

                今回の収入要件緩和により、より多くの家庭が奨学金を申請できるようになります。給与収入世帯の場合、従来よりも200万円程度基準が緩和されており、経済的負担軽減を目指した制度改善が行われています。

                奨学金名支援内容収入要件採用予定数応募時期
                ICU Peace Bell 奨学金学費全額免除、寮費免除、入学金免除給与収入世帯の場合:1000万円未満14名入試出願時に応募
                ICU Cherry Blossom 奨学金学費2/3免除、入学金免除給与収入世帯の場合:1100万円未満20名予約採用型(入試出願前に応募)
                ICUトーチリレー High Endeavor 奨学金学費1/3免除、入学金免除給与収入世帯の場合:1000万円未満24名入試出願時に応募

                オンレク受講生も奨学金を獲得

                2025年度のICU入試におきましては、当サイトのオンラインレクチャーを受講した4名の学生が、それぞれ以下の奨学金を獲得し、奨学生としてICUに入学します。

                • 🔔ICU Peace Bell奨学金: 1名
                • 🌸ICU Cherry Blossom奨学金: 1名
                • 🚀ICUトーチリレー High Endeavor奨学金: 2名

                  4名で4年間総額約17,650,000円

                まとめ

                今回の変更は主に名称や分類に関するものであり、試験内容そのものには大きな変更はありません。

                2025年度入試では一般選抜が4方式なり、ATLASの試験形式が変更されるなど大きな変化がありましたが、2026年度では試験内容等に大きな変更はないものと考えてよいでしょう。

                奨学金に関しては、応募の際の収入要件が緩和されます。より多くの家庭が奨学金を申請できるようになり、経済的負担を軽減しながらICUで学ぶ機会が広がります。

                ICUを志望している方は、今後公表される2026年度の各入試の概要を必ず確認し、最新情報に基づいて受験準備を進めてください。また、奨学金についても今後公表される詳細を確認し、申請の準備の確認をしておくとよいでしょう。