ICU(国際基督教大学)の大学入試では、2025年度に変更点があり、一般選抜の「3教科型」に加えて、「英語外部試験利用」または「日英バイリンガル面接利用」のいずれかを面接型試験を併願することが可能です。
本記事では以下の内容を説明しています。
1. 3教科型入試に加えて、面接型試験を併願を利用すべき理由
2. 英語スコアがある場合は英語外部試験利用を選ぶべき理由
3. 英語スコアがない場合も日英バイリンガル面接利用を併願すべき理由
面接型試験を併願すべき理由
ICU一般選抜では、3教科型入試に加えて、面接方式試験を併願可能です。文系の受験生の場合、一般選抜の受験には主に以下の3パターンがあります。
1.人文・社会科学選択のみ
2.人文・社会科学選択 + 英語外部試験利用
3.人文・社会科学選択 + 日英バイリンガル面接利用
以下においては「3教科型」に加えて「面接型」を併願するメリットを説明します。
<合格チャンスの最大化とリスク分散>
併願をすることで複数の合格機会が得られ、受験におけるリスクを分散できます。3教科型の試験で万が一失敗しても、面接での評価が補完してくれる可能性があります。また、試験当日の体調不良や苦手分野の出題といった予測不能な要因の影響も軽減できます。このように、併願は合格可能性を広げながら、受験に伴うリスクも抑えられる、受験生にとって非常に効果的な選択といえるでしょう。
<追加の負担の少なさ>
3教科型を受験している場合は、「人文・社会科学(and/or自然科学)」「総合教養(ATLAS)」「英語」の会場試験を受験します。「総合教養(ATLAS)」などの科目は面接型入試にもそもまま適用されるので、併願しても試験会場で受ける科目は同じです。さらに、二次面接はオンラインでZoomを使用して実施されますので、自宅で受験できます。再度試験会場に行く負担はありません。よって一般選抜を受けるならば、面接型の試験の併願をしておいた方が得です。
<コストパフォーマンスの良さ>
ICUの併願費用は1方式30,000円、2方式併願でも40,000円と、追加10,000円で合格の可能性を倍増できます。他大学の併願に比べて出願料が抑えられる点も魅力です。2025年度から受験料が大幅値下げされた点からも、ICUが併願を推奨していこうという方向性を感じます。諸物価が上がる中で、素晴らしい決断だと思います。
スコアがあるなら英語外部試験利用を選択すべき
1.人文・社会科学選択 + 英語外部試験利用
2.人文・社会科学選択 + 日英バイリンガル面接利用
英語外部試験利用と日英バイリンガル面接利用はいずれかを選択する必要があります。
結論として、英語外部試験で出願可能なスコアを持っている場合は英語外部試験利用を受験すべきでしょう。
<英語外部試験利用の最大のメリット:「事前に英語スコアを確保できる」>
英語外部試験利用の最大のメリットは、「事前に英語スコアを確保できる」点にあります。TOEFLやIELTSなどの試験を出願期間までに複数回受験することで、最もよいスコアを提出できます。
また、通常のICU入試当日に「3教科型」の英語試験で失敗しても、「外部試験利用」の合否判定には提出済みの英語のスコアが使用されるという点では、リスク分散や保険としてすぐれています。
<二次面接が日本語のみ>
もう一つのメリットは、「二次面接は日本語のみ」という点です。日英バイリンガル面接利用では面接での英語力も評価の一部となりえます。一方、英語外部試験利用の場合、提出されたスコアによって英語力はすでに証明されているため、面接は日本語のみで実施されます。面接では、英語で即答するプレッシャーがなく、 志望理由や学問への関心といった重要な部分に専念できます。
スコアがない場合でも日英バイリンガル面接利用を併願するメリット
英語スコアがない場合でも「日英バイリンガル面接利用」を「3教科型」と併願することで、次のようなメリットが得られます。
・3教科型を受験との併願で、会場試験での追加の科目はない。
・英語外部試験スコアが不要なので、スコアがなくても挑戦できる。
・一次選考の合格発表後から面接まで8日間はある。発表を聞いてから英語面接の練習は可能。
・「日英」であるから、日本語でも面接は行われる。英語でうまく言えなかった内容を日本語でカバーできる可能性もある。
ちなみに、「日英バイリンガル面接利用」と書いてありますが、面接を日英2言語でやりますよという意味であって、バイリンガル専用の試験という訳ではないです。
その他、募集人員や二次面接辞退者について
<募集人員の違い>
英語外部試験利用の募集人員は10名です。日英バイリンガル面接利用の20名より少ないですが、これは出願可能な英語スコアを保有している受験生が限られることを想定しているためです。募集人員の違いは難度の違いではないのでその点で選ぶ必要はありません。一例として今年度より総合型選抜の募集人員は増員されましたが、実際の合格者はさほど増えませんでした。
<二次面接辞退者の存在>
過去のICU入試では、旧B方式(現「英語外部試験利用」)の受験生は、3教科型の一般入試で先に合格し、英語外部試験利用の二次試験を辞退するケースが少なからずありました。高い英語スコアを持つ受験生は、一般選抜でも高得点を取る傾向があるためです。恐らくこの傾向は変わらないので、引き続き「3教科型」と「英語外部試験利用」もしくは「日英バイリンガル面接利用」を併願した人の中には、「3教科型」で合格をして二次面接を辞退する方も一定数出てくるものと思われます。当然辞退者がいるということはその分は実質の倍率は下がっているわけで、その意味でも、これらの併願は保険として機能しやすい傾向があると考えられます。
<入試制度を補完>
ICUは私大には珍しく、入学試験で補欠合格を一切出していません。その意味では、これらの面接型の入試は入学者を補完する機能があるとも解釈できます。
実際に、「面接型」の合格発表は、「3教科型」の入学手続き締め切りより後です。つまり「3教科型」の入学手続き状況が確定してから、「面接型」の合格発表が行われるため、仮に入学手続きが例年より少ない場合は、「面接型」の合格者数が若干増やすなど調整も不可能ではないでしょう。さらに「面接型」は二次試験の試験日程が遅く、志望動機等を問われる試験でもあるので、ICUの志望順位が高い人が受験する傾向もあると考えられます。合格者がICUに入学する確率は3教科型より高く、入学者数を補完する役割が期待できます。
事実、旧B方式(現「英語外部試験利用」)で受かった方にインタビューすると「3教科型はダメだったけどB方式で救われてよかった!」と言う方がとても多かったので、やはり面接型の試験の併願は、入試を補完する制度として機能している部分はあると思います。
まとめ
2025年度以降のICUの入試では、3教科型に加えて「英語外部試験利用」または「日英バイリンガル面接利用」のいずれかを併願することもできます。実際のところ1万円の追加負担で合格可能性を高められるのは、受験のコストパフォーマンスとして非常に優れています。少なくとも会場試験には追加科目がないわけですから、タイパも良いです。3教科型だけで受験するより、面接型を併願することで保険にもなり、合格のチャンスが広がります。