このブログではICU入試対策に役立つ、国際基督教大学入試最新情報をお伝えしています。

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ICU合格者向けの入学手続要項などの書類(写真提供:Nimbus2000さん)

ICU高校について

―― ICU高校の特色について教えてください。

ICU高校の校則は「ゲタ・ガム・カンニング禁止」の3つしかないと言われており、制服も公的な行事以外は自由でした。普段は私服で登校でき、帰国子女も多く、個性や自主性が尊重されていたと思います。校長先生や先生方と生徒の距離も近く、フラットな関係で話しやすい雰囲気でした。

―― 印象に残っている授業や行事はありますか?

特に印象的だった授業は「キリスト教概論」です。高1から高3まで週1回あり、先生によって内容が異なりますが、高3の時の先生は哲学的な内容で、「友達とは何か」「愛することとは何か」など、普段考えないテーマを深く考える機会になりました。行事ではハロウィンが印象的で、その日はみんなが仮装して登校する伝統があります。

―― ICU高校から大学への内部進学は多いのでしょうか?

ICU高校から大学への内部進学は、全体としては3分の1程度だと思います。内部進学の条件は全体的に緩やかで、私のクラスでは半分くらいがICUに進学していた印象です。内部進学の評定平均の目安は3.6以上、あるいは3.8以上と言われていました。

―― ご自身は内部進学や推薦を検討しましたか?

私は受験の決断を引き延ばしたかったので、最後まで一般受験でいくつもりでした。

理系から文系への転向と受験対策

―― ICU高校の学生の文理の比率や選択についてはどうでしたか?

文系がやや多いですが、理系も一定数います。理系では生物選択者が多く、物理か生物かを選ぶ場面では生物を選ぶ人が多かった印象です。

―― 理系から文系に進路変更した経緯と、そのプロセスを教えてください。

大学では理系の学問をやりたいと思い、受験対策としては物理、化学、数学を中心に勉強していましたが、成績が思うように伸びず、受験勉強も苦戦していました。そんな時、母がICU大学の赤本を買ってきてくれて、試しに解いてみたところ、自分に適性があると直感しました。唯一面白く解ける問題で、「自分にはリベラルアーツの方が合っているかも」と思い、文系への転向を決断しました。

―― 受験対策として取り組んだことは?

文転すると決めた翌日にはオンレクを受講し始めました。実際、過去問は新旧問わず非常に役立ちました。

―― 文系に切り替えてから苦労したことと、その対策は?

オンレクで過去問を解いていくと、世界史、日本史、政治・経済など知識系科目の基礎が全然足りないことに気づきました。そこで、とにかく歴史と政治経済の教科書や資料集を端から端まで読むことから始めました。

―― その中で特に役立った教材はありますか?

『山川歴史総合用語解説』はとても役立ちました。理系出身の人にもおすすめです。

ICU入試受験の実際と対策

―― ICU入試の出願や、併願校について教えてください。

ICUの入試は自然科学の併願は選択せず、人文・社会科学に集中しました。併願で日英バイリンガル面接利用にも出願しました。その他の大学は、高校の先生とも相談し、共通テスト利用で受験できる津田塾や獨協などを併願しました。

また、2025年度はICUの入試が2月1日で、第一志望のICUが最初の試験になることを避けるため、聖学院大学を1月25日に受験しました。

―― 英語外部試験利用ではなく、日英バイリンガル面接利用を併願した理由は?

IELTSのスコアは持っていたので英語外部試験利用も可能でしたが、オンレクでICUの過去問を解きまくり、英語に関してはICUの問題で十分得点できると分かったため、ICUの英語試験が利用できる日英バイリンガル面接利用で併願しました。

―― 一般選抜の併願の結果は?

ICUは一般選抜の人文・社会科学選択で合格し、日英バイリンガル面接利用も一次に合格しました。ちなみに日英バイリンガル面接利用は二次を辞退する手続きを忘れていたため、後日、二次不合格という結果が出願サイトで表示されました。忘れずに二次辞退の手続きをした方がよかったと後から思いました。

―― 2025年度入試のATLASの変更点と対策について教えてください。

2025年度からATLASはパート分けがなくなりましたが基本的にはオンレクの過去問通りだと思っていいです。今回は最初の20問くらいは比較的簡単な問題で後半ほどやや複雑な問題が出ていたような気がしました。オンレクの過去問演習は引き続き有効です。

ATLASの放送のメモの取り方は人それぞれかもしれませんが、私は細かくメモを取ることで対応していました。

―― 英語リーディングとリスニングの対策はどうされましたか?

英語リーディングは45分以内で全問解き、見直しの時間も確保していました。息抜きに英語の本を読むこともリーディング力向上に役立ちました。

リスニングは2025年度からパート3の講義が2つになるという変更がありましたが、難易度はオンレクの過去問と変わらない印象でした。試験会場では隣の受験生の音も聞こえるなど、環境音に影響されることがあるので、カフェなどで一度練習してみるのもおすすめです。リスニングは集中力の勝負かもしれません。

ICUのキャンパスライフと寮生活

―― ICUに入学してから印象的だったことや寮生活について教えてください。

ICUの大学はICU高校と比べても、さらにグローバルな環境です。授業以外でも英語で会話する機会があります。

先日は「Bible Study」という企画で、キャンパス内にあるICUの先生のお宅でカレーをごちそうになるイベントに参加しました。慣れている4年生は先生の家でとてもくつろいでいたのが印象的でした(笑)。

ICUの寮生活は快適です。私は3月29日に入寮し、4月1日の入学式の数日前から新生活が始まりました。入寮してすぐに履修登録の説明会や、先輩たちによる履修対策会が開かれ、GPAを維持するためのコツや授業選びのポイントなど、実践的なアドバイスをもらえました。奨学生はGPA3.0を維持しないといけないので、上級生のアドバイスはとてもありがたかったです。新入生にとっては、寮に入ることでいち早く大学生活の情報が手に入るのは大きなメリットだと感じました。

―― ありがとうございました!

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今回は、2025年度ICU(国際基督教大学)入試合格者でICU Peace Bell奨学金を獲得したNimbus2000さんにお話を伺いました。Nimbus2000さんはICU高校出身で、内部進学は利用せず、一般選抜でICUに合格。当サイトのICU対策講座オンラインレクチャーを受講されていました。

Peace Bell奨学金とは?

Peace Bell奨学金は、ICUの最も手厚い奨学金制度です。入学金・授業料・施設費の全額、さらに寮費も免除されます。今回のインタビューの内容では4年間で約856万円相当します。主に同窓生の寄付によって支えられており、毎年約14名のスカラーが選出されます

2025年度Peace Bell奨学金採用内定通知、入学金、学費、寮費が給付(免除)される旨が記されている(写真提供:Nimbus2000さん)

<インタビュー1>

奨学金応募書類の作成について

― Peace Bell奨学金に応募したきっかけは?

ICU高校だったのですがICUへの内部進学には応募せず、理系の一般受験で国立をめざしていました。しかし、高3の途中で文系受験することを決めて、ICUに進学するなら少しでも親の負担を増やしたいと思って奨学金に応募しました。

― Peace Bell奨学金の応募書類作成

応募書類については、最初は1日で終わるだろうと思っていたのですが、実際に始めてみると記入事項が多く、内容もじっくり考える必要があり、結局3日ほどかかりました。

―エッセイを書いたのはいつ?受験の時期は大変なのでは?

1月に入ってから、10日過ぎくらいに書き始めました。この時期はオンレクの過去問を連日解いて疲れていましたが、ICU入試対策はやりきった感もあったのでちょうどよい気分転換になりました。ただ、書類作成は1日では終わらないので、早めに取りかかることをおすすめします。

―エッセイで工夫した点は?

工夫した点は、ICUのアドミッションポリシーや大学の使命をしっかり読み込み、それぞれの項目に自分がどのように合致しているかを具体例を交えてアピールしたことです。ICUの生徒像に自分が本当に合っているのではないかという思いを、率直に書きました。

例えば「音楽が好き」という自分の個性を、100年前の楽曲を発見して感動し、その背景などから他の学問にも興味関心が深まった、というエピソードを書きました。

Peace Bell奨学金を獲得されたオンラインレクチャーの先輩のインタビューも参考にさせてもらいました。エッセイの長さはあまり気にせず、PDFのフォームの半分くらいしか埋まっていませんでしたが、中身重視で仕上げました。

全体としては相手が求める答えを意識しすぎず、自分の経験や興味を脚色せずに正直に書くことを心がけました。

また、私の家庭は母の収入に頼って生活しているのですが、ものすごく困っているという訳ではないので、経済的状況もありのままを書いたという感じです。

― 自己PR欄はどのように書きましたか?

自己PR欄は、ほとんど自己紹介のような内容になってしまいましたが、自分の好きなことについて遠慮せずに書きました。深夜に書いた部分もあり、今思うと少しテンションが高かったかもしれませんが、その分、自分の素直な気持ちが表れたかもしれません。

推薦状と評定平均

― 推薦状はどなたに依頼しましたか?

最初はICU高校の担任の先生にお願いしようと考えたのですが、ICUの奨学金ではICU高校の先生が推薦者になることはできないと知り、子供の頃にお世話になった方にお願いしました。外国語で書いていただき、翻訳も添付して提出しました。

― 高校の評定平均はいくつでしたか?

評定は3.0を少し超えるくらいでした。推薦は意識していなかったので評定平均はあまりよくないです。

― Peace Bell奨学金申請時に他にも検討した奨学金はありましたか?

ICU High Endeavor奨学金は併願できたので、Peace Bellと一緒に申し込みました。

提出から採用

― 書類提出で印象的だったことや注意点は?

提出内容に不備があって、ICUから2回もメールで連絡が来てしまいました。なぜか古い年度のフォーマットに書いて提出してしまっていました。指示に従って書類を再度アップロードしました。

― 合格発表と奨学金の決定タイミングは?

ICUの一般選抜の合格発表は午前11時ごろ、母と一緒にオンラインの発表サイトで確認しました。その後、同じサイトで11時半ごろに入学手続きの内容が公開され、Peace Bell奨学金の採用を知ることができました。奨学金の採用を最初に見つけたのは母で、「これはすごいことになった」と言ってくれたのを覚えています。

― 奨学生として採用が決まった時の感想や家族の反応は?

奨学金の書類に不備があって再提出していたので、厳しいと思っていましたが、学費全額免除の奨学金をいただけて本当に嬉しかったです。家族もとても喜んでくれました。

授与式と寮生活

―ICU Peace Bell奨学金新スカラー歓迎式典の感想や印象的だったことは?

ICUの入学式の日の午後にPeace Bell奨学金の新スカラーの歓迎式がありました。新奨学生7人がスピーチをすることが2週間ほど前に予告されていました。私はスピーチ原稿を暗記して臨んだのですが、スピーチをその場で考えている人もいたのでもしかするとそこまで気合いをいれなくてもよかったのかなとも思いました笑

学長の岩切先生のウィットに富んだ挨拶で場が和やかになり、全体的に思ったよりもカジュアルな雰囲気でした。

授与式には先輩の奨学生や大学の先生方も参加され、全体で1時間半ほどでした。

― Peace Bell奨学金には寄付者や寄付団体が明記されている冠賞もあるということですが

今回は7本中5本が冠賞でした。中にはICU卒業生の9期生、11期生のご寄付であるという事が示されていたものや、キリスト教の冠が付いたものもありました。キリスト教を冠とする奨学金を受けた方は、クリスチャンの学生だと思います。私は冠賞がついていないものでした笑

― 今回の4月入学の奨学生7人のうち、一般選抜の人は何人いましたか?

3人か4人だと思います。

― Peace Bell奨学生の寮生活について教えてください。

4月入学の奨学生7人のうち、1人を除いて全員が寮に入っています。寮に入りたい場合は応募フォームに志望理由を書いて提出します。スカラーは寮費が無料なので、どこかの寮には入れるのではないかと思います。ただし寮は第6希望まで提出できるのですが、第1希望だけしか書かないとかだと入れないかもしれません。ちなみに第1希望は個室のGlobal Houseにしましたがやはりダメで、新寮の方に入居できました。私はICU高校時代に1年ほど寮生活を経験していたので、特に抵抗はありませんでした。

Peace Bell奨学金では寮費も免除される。ICUのキャンパスの森の中で勉学に集中できる

奨学生の義務と将来の展望

― Peace Bell奨学生に課せられていることや成績条件について教えてください。

所得証明書を提出する毎年の更新手続き、GPA3.0以上の維持、各種式への参加が義務であると説明がありました。私は高校の評定平均があまりよくなかったのでGPA3.0の維持は結構大変かなと思いました。

― Peace Bell奨学金を通じてICUで実現したいことは?

イギリスに留学したいという夢があります。英語が好きなので、英語で文章を書いたり物語を書いたりしてみたいです。学費全額免除のおかげで、大学院進学も視野に入れることができました。奨学金がなければ大学院進学を希望することは厳しかったかもしれません。

スカラー歓迎式典でも学長の岩切先生からは「学費の心配はしなくていいので、バイトせず学問に打ち込んでほしい」というお話があって、いろいろなことを勉強していきたいと思っています。

受験生へのアドバイス

― Peace Bell奨学金申請を検討している受験生へのアドバイスは?

一般選抜の場合は、とにかく入試でしっかり点数を取ることが大切です。私は最初から奨学金を取りに行くつもりでBUCHO.NETのオンラインレクチャーに取り組んでいました。

エッセイは私としてはよく書けたので、エッセイの内容は大事だと思います。応募書類で自分の考えを言語化するのは難しいですが、ICUの大学の方針を確認した上で、自分らしく書くことが大切でしょう。

私の家庭は特に貧乏というわけでもなく、他に兄弟がいるわけでもないので、家庭状況はそこまで関係ないかもしれません。推薦状も知り合いの方に頼みました。

後は他の皆さんもおっしゃっていますが、書類の準備は大変なので、早めにやった方がいいです!

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インタビュー後編:静岡からICUへ――独学・単願で挑んだ受験プロセス

静岡県の進学事情

― 静岡県の高校生は、どのような大学に進学する人が多いのでしょうか?

静岡は関東と関西の中間地点というイメージもあって、どちらのエリアも受験する人が多い印象です。私の通っていた高校は進学校だったのですが、私立大志望の場合は早慶やMARCHだけでなく、関関同立を受ける人もたくさんいました。

― ICUと同志社の合同説明会に参加されたそうですね。

9月末ごろに静岡で開催された説明会に参加しました。東京まで行かずに地元で説明を聞けたのはとても助かりました。予約制で40-50人ほどの参加者がいて、会議室を2部屋使った小規模な会でしたが、ICUに関する全般的な紹介のあと、現役のICU生も交えて個別相談にも応じてくれました。説明会は一方的な講義形式ではなく、参加者からの質問を随時受け付けるなど、ICUらしい双方向的な雰囲気が印象的でした。

― その後、ICUのミニオープンキャンパスにも参加されたとか。

11月末のミニオープンキャンパス(2024年は11月30日開催)に参加しました。理系中心のイベントだったので最初は大丈夫かなと少し不安もありましたが、実際に行ってみるとICUの雰囲気がよく分かり、モデル授業なども体験できて、参加して本当によかったです。やはり入試前に一度は行っておいた方がよくて、得るものが大きかったと思います。

ICU単願受験の決断とその背景

― 合格体験記では最終的にICU一本で受験されたとあります。単願はリスクもあったと思いますが。

通っていた高校が地元では進学校で、国立志望の人などは浪人も珍しくなく、全校集会や先生の話からも「滑り止めより本当に行きたい大学を受験すべき」という考えが伝えられていました。私自身もICUに行きたいという気持ちが強く、浪人してでもよい大学に行こうという学校や周囲の雰囲気に影響された部分もあったかもしれません(笑)。また、学校の方針もあって共通テストは受験しました。

― Cherry Blossom奨学金への内定は、ICU一本に絞る決断に影響しましたか?

それはあったとは思います。12月初めにCherry Blossom奨学金の内定が決まって、あとはICUに合格しさえすれば学費が大幅に免除されることになったので、その時点で今年はICU一本で受験するという気持ちがほぼ固まっていました。受験直前期もICUに特化した勉強をしていました。

― ICU一本というのはご両親は心配されたのではないですか?

うちの親はもともと勉強や進路についてとても寛容で、私の意思を尊重してくれるタイプでした。それに、オンレクでの成績や進捗については、解いた過去問の出題内容や点数、どこができてどこが難しかったかなどを親とよく話していました。私は一人で抱え込むよりも、誰かと話しながら進める方がうまくいくタイプなので、家族とコミュニケーションをとりながら受験勉強を進められたのはよかったです。

ICU入試対策――総合教養(ATLAS)の新形式・英語・過去問活用

― 2025年度に形式の変更があった総合教養(ATLAS)試験の新形式への対策やコツを教えてください。

今年から試験の最初に10分間、資料冊子を読む時間が設けられましたが、全部を細かく読むのは難しいので、その10分で最後までざっと目を通して全体像をつかむとよいと思います。その後の講義を聞くときも、資料内容を頭に入れておくと理解しやすいです。内容自体は大きく変わっていないので、オンレクの過去問を新しい形式で解いておけば十分対応できると思います。

― 同じく変更のあった英語に関して教えてください。

英語リーディングは2025年度から回答時間が15分短くなったので、過去問を本番よりも短い時間で解く練習をしました。Part Iの長文が2つになっています。また、英語リスニングはPart IIIの講義が2つになりましたが、基本的な対策は変わりません。TED Talksなどを使って少し難しい内容で耳を鍛えておくと、本番でも余裕が持てると思います。

― 塾や海外経験などは?英語が得意になったきっかけは?

海外経験はありませんし、塾にも通っていないのですよ(笑)。中学生の頃からクラスでも英語ができる方で、英語が好きでプライドを持って勉強を続けてきた結果だと思います。高校の英語の授業もしっかりしていたので、自然と英語力が伸びたと感じています。英語学習系YouTuberの動画もよく見ていて、それも役立ったと思います。

― 過去問を解く際、どのような分析や改善プロセスが役立ちましたか?

本番通りの制限時間で過去問を解き、すぐに解説を読んで間違えた問題を分析していました。どこを改善すべきかメモし、今後の学習方針を立てていました。オンレクの解説を読んでいわゆる「捨て問」も見極めて、一度解いた問題からどこを改善したらより点数が上がるかを分析しながら過去問を解き進めていました。

― オンレクはどのように役立ちましたか?

オンレクはとても役立ちました。ICUの過去問の演習が豊富にできて、解説やコラムも面白く、ICU入試対策の軸になっていました。オンレクでICU合格への自信を得たといっても過言ではないです!

ICU合格後から入学

― ICU合格後、入学までにどんな準備をしましたか?

アパートを決めるところから始めました。すでに合格前から母がアパートを探し始めてくれていて、運よくとても良い部屋に入ることができました。住むところで気分が全然違うと思うので、アパート探しは大事ですね!ICUの寮は基本的に相部屋で、私には合わないと思って応募しませんでした。あとはELAのPlacement Test対策でTOEFLの勉強をしていました。

― ICU入学後の学習や生活の感想は?

ICU入学後のオリエンテーションでは、周りの学生と共同で作業することもあり、入学してすぐにたくさんの知り合いができるような工夫があったのはよかったです。また、オリエンテーション期間中にはミートアップというイベントがあり、新入生同士でお茶をしたりする交流会も用意されていたので、そうした機会に一気に友達が増えました。ICU全体の印象としては、アットホームでアカデミックな雰囲気があり、先生方もフレンドリーで、入学後もしっかり勉強する大学なのだなと感じました!

― ありがとうございました!

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今回は、2025年度ICU(国際基督教大学)入試合格者でCherry Blossom奨学金を獲得したレパントさんにお話を伺いました。レパントさんは静岡県立高校の出身で、当サイトのICU対策講座オンラインレクチャーを受講されていました。

Cherry Blossom奨学金とは?

Cherry Blossom奨学金は、ICU入試を受験する前に採用が内定する予約採用型の奨学金です。ICU入試に合格し、入学が決まると、奨学生として本採用となります。

この奨学金は一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)以外の高校出身者が対象で、入学金と学費の2/3が4年間免除されます。

インタビュー前編

ICU進学と奨学金を考えたきっかけ

–ICUへの進学と奨学金を意識し始めたタイミングは?

ICUに行きたいと思ったのは高校3年生の9月頃です。奨学金については、ICUに進学するなら家計への負担を少しでも減らすため、ぜひ利用したいと考えていました。Cherry Blossom奨学金を知ったきっかけは、ICUのパンフレットを見たことです。その後、ホームページでも詳しく調べて、応募を決めました。

Cherry Blossom奨学金への応募

–Cherry Blossom奨学金の申請準備はどうでしたか?

準備は思ったより大変ではありませんでした。必要だったのは、家庭の収入を示す証明書と学校の調査書だけです。収入証明は母に頼んで役所で取得してもらい、調査書は学校の先生に早めにお願いしました。これらをレターパックで郵送し、オンライン申請フォームに入力するだけで手続きは完了しました。志望理由やエッセイも不要で、事務的な作業が中心でした。早めに動けば特に困ることはなかったです。

–高校の評定平均はどのくらいでしたか?

評定平均は4.3でした。

–Cherry Blossom奨学金の申請と内定はいつ頃でしたか?

私は第二次募集に応募したので、10月末に申請し、内定の通知は12月に届きました。

奨学金への内定、合格

–内定の通知を受け取ったときの気持ちは?

ICUは採用基準を公開していないため、結果が出るまではどうなったかとても気になっていましたが、内定通知が届いたときは素直にうれしかったです。

–Cherry Blossomは事前予約型の奨学金なので、採用の内定が出た後で、さらにICUの入試に合格すれば本採用となるわけですね?

はい、Cherry Blossom奨学金の採用内定の通知をいただいてからはICUに合格したいという気持ちがより一層強くなり、受験へのモチベーションも高まりました。

–一般入試の出願時にはどのような手続きが必要でしたか?

ICUの一般入試の出願時には、Cherry Blossom奨学金の内定通知に記載されていた予約採用番号を、出願フォームの指定欄に入力しました。

–ICU入試合格後の手続きについて教えてください。

合格後は、奨学金の制約書にサインをして、オンラインで提出しました。

–入学後のガイダンスなどは?

入学後に特別な集まりやガイダンスはなく、「Cherry Blossom奨学生の心構え」という書類が配られました。

その書類には、奨学金を継続するためには毎年所得証明を提出して継続手続きを行う必要があることや、GPAで3.0以上を維持しなければならないことなどが記載されていました。

–奨学金に採用した上でICUに合格した際のご家族の反応は?

家族はとても喜んでくれました!学費の2/3が免除されることで家計の負担が大きく減りますし、私自身もICU進学に向けて前向きな気持ちになりました。

Peace Bell奨学金にも応募

–一般選抜に出願した際に、学費全額免除のPeace Bell奨学金にも応募されたそうですが、応募時期や流れを教えてください。

はい、流れとしては、10月にCherry Blossom奨学金に応募し、12月に採用内定の通知をいただきました。その後、Peace Bell奨学金は1月の一般選抜の出願と同時に応募しました。

–Cherry Blossom奨学金と比べて、Peace Bell奨学金の応募準備はどうでしたか?

Peace Bell奨学金は準備がかなり大変でした。受験期と応募時期が重なり、推薦状やエッセイ、所得証明書など多くの書類を用意する必要がありました。正直、直前期なのにエッセイや書類準備に時間を取られすぎて、これでICUの入試に合格できなかったら本末転倒だなと思ってしまうほどでした(笑)。

–Peace Bell応募の結果や感想について教えてください。

結局、Peace Bell奨学金は不採用でした。エッセイの内容が相当高いレベルでないと採用は難しいのではないかと思います。自信がある人以外は無理に応募する必要はないと思いますし、もし出願時に申請するなら、1/3免除のHigh Endeavor奨学金の方が申請しやすいので、そちらだけ応募するのもよいと思います。

(注:Cherry Blossom奨学金に予約採用されている場合は、ICU入試出願時にPeace Bell奨学金は応募可能だが、High Endeavor奨学金は応募不可)

Cherry Blossom奨学金のメリットとアドバイス

–Cherry Blossom奨学金のメリットは?

今考えると、Cherry Blossom奨学金は他の奨学金と違って受験が本格的に始まる前に応募を済ませられるので、その点はよかったですね。応募の手続きも所定の書類を揃えて送るだけだったので、それほど大変ではありませんでした。採用の内定がいただければ、ICU合格後の学費の見通しが立つので、経済的にも本当に助かります。

–実際に学費が1/3ですむというのはとても大きいですよね!

はい、本当に大きいですね。私の地元の静岡は東西にとても広く、実家のある地域は愛知県に近いため、ICUまで通学するのは現実的に難しいです。大学近くで一人暮らしを始めましたが、家賃や生活費もかかる中で、学費の2/3が免除されるのはとてもありがたいです。

–これから奨学金申請を考えている方へアドバイスをお願いします。

とにかく早めに行動することが大切です。「早すぎるかな」と思うくらい早く動いた方がよいです!情報収集から手続きまで積極的に進めて、対象になる奨学金にはぜひチャレンジしてみてください!

(インタビューは次回に続きます)

2025年度ICU ELA Reader(写真提供:レパントさん)

ICU奨学金まとめ

奨学金名支援内容収入要件(給与所得世帯)採用予定数応募時期主な提出書類備考
ICU Peace Bell 奨学金🔔入学金、寮費、学費全額免除年収1000万円未満14名入試出願時(1月)調査書、収入証明書、エッセイ、推薦状編入生は不可
ICU Cherry Blossom 奨学金🌸入学金免除、学費2/3免除年収1100万円未満20名入試出願前(6-7月・10-11月)調査書、収入証明書1都3県以外。編入生も可
ICUトーチリレー High Endeavor 奨学金🐦‍🔥入学金免除、学費1/3免除年収1000万円未満24名入試出願時(1月)調査書、収入証明書編入生も可

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2025年3月22日にICU国際基督教大学のオープンキャンパスで開催された2026年度入試説明会に参加してきました。今回の記事では、一般選抜を含む入試制度の変更点を詳しく解説するとともに、応募時の収入要件が緩和された奨学金制度についてもあわせてお伝えします。

2026年度入試の主な変更点

自然科学選択の名称変更

2026年度入試から、一般選抜の「自然科学選択」が「数理・自然科学選択」という名称に変更されます。試験の内容は従来から変わらず、試験当日に数学、物理、生物、化学の4科目から2科目を選ぶ形式も従来通りです。

入試形式の分類変更

2026年度より、ICUのすべての入試形式が文部科学省の方針に基づき、以下の3つの系統に分類されます。

  • 一般選抜
  • 総合型選抜
  • 学校推薦型選抜

この変更により、従来の「ユニヴァーサル・アドミッションズ 4月帰国生選抜」や「社会人選抜」も「総合型選抜」に分類されることになります。

総合型選抜(AO)と専願制度について

高校時代の活動実績等を元に、小論文等を提出して出願する、「総合型選抜」(旧AO入試)は「総合型選抜 4月入学専願」という名称になる予定です。「専願」という言葉が示す通り、ICUを第1志望とし、合格した場合は本学へ入学することを確約できる受験生を対象とする試験です。要するに指定校と同じで、合格したら必ず入学してくださいというシステムです。ICUのAO入試が専願であることは従来から変わっていませんが、2026年度から試験の名称として「専願」が明記されることになります。

ICU入試説明会が実施されたD館東棟(旧D館)オーディトリアムの様子。ICU入学後のオリエンテーションや、学生団体の公演等に活用されている

2026年度入試スケジュール(予定)

以下は説明会で発表された2026年度入試のスケジュールです。ただし、これらはすべて2025年4月以降に正式発表される予定ですので、必ずICU公式サイトで確認してください。

一般選抜

  • 出願:2026年1月上旬
  • 会場試験:2026年2月7日(土)
  • オンライン二次面接:2026年2月21日(土)

総合型選抜 4月専願(旧AO入試)

  • 出願:2025年9月上旬(小論文など一次試験の書類提出)
  • 二次オンライン面接:2025年10月18日(土)

学校推薦型選抜

  • 指定校への入試要項などの配布:2025年6月頃
  • 会場試験:2025年11月22日(土)
  • 合格発表:2025年12月

ICU奨学金の応募要件緩和

2026年度からICU奨学金の収入要件が緩和

ICU国際基督教大学では、入試出願と同時に申し込める奨学金と、出願前に申し込める奨学金が用意されています。2026年度から、これらの奨学金の申し込みに際する収入要件が緩和されることも公表されました。

ICU Peace Bell 奨学金

  • 支援内容: 学費全額免除、寮費免除、入学金免除
  • 収入要件: 給与収入世帯の場合、年収1000万円未満((従来は800万円未満)
  • 採用予定数: 14名

ICU Cherry Blossom 奨学金

  • 支援内容: 学費2/3免除、入学金免除
  • 収入要件: 給与収入世帯の場合、年収1100万円未満((従来は900万円未満)
  • 採用予定数: 20名
  • 1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)以外の学生
  • 入試前に採用内定者を決定

ICUトーチリレー High Endeavor 奨学金

  • 支援内容: 学費1/3免除、入学金免除
  • 収入要件: 給与収入世帯の場合、年収1000万円未満((従来は800万円未満)
  • 採用予定数: 24名

変更点のポイント

今回の収入要件緩和により、より多くの家庭が奨学金を申請できるようになります。給与収入世帯の場合、従来よりも200万円程度基準が緩和されており、経済的負担軽減を目指した制度改善が行われています。

奨学金名支援内容収入要件採用予定数応募時期
ICU Peace Bell 奨学金学費全額免除、寮費免除、入学金免除給与収入世帯の場合:1000万円未満(従来は800万円未満)14名入試出願時に応募
ICU Cherry Blossom 奨学金学費2/3免除、入学金免除給与収入世帯の場合:1100万円未満(従来は900万円未満)20名予約採用型(入試出願前に応募)
ICUトーチリレー High Endeavor 奨学金学費1/3免除、入学金免除給与収入世帯の場合:1000万円未満(従来は800万円未満)24名入試出願時に応募

オンレク受講生も奨学金を獲得

2025年度のICU入試におきましては、当サイトのオンラインレクチャーを受講した4名の学生が、それぞれ以下の奨学金を獲得し、奨学生としてICUに入学します。

  • ICU Peace Bell奨学金: 1名
  • ICU Cherry Blossom奨学金: 1名
  • ICUトーチリレー High Endeavor奨学金: 2名

まとめ

今回の変更は主に名称や分類に関するものであり、試験内容そのものには大きな変更はありません。

2025年度入試では一般選抜が4方式なり、ATLASの試験形式が変更されるなど大きな変化がありましたが、2026年度では試験内容等に大きな変更はないものと考えてよいでしょう。

奨学金に関しては、応募の際の収入要件が緩和されます。より多くの家庭が奨学金を申請できるようになり、経済的負担を軽減しながらICUで学ぶ機会が広がります。

ICUを志望している方は、今後公表される2026年度の各入試の概要を必ず確認し、最新情報に基づいて受験準備を進めてください。また、奨学金についても今後公表される詳細を確認し、申請の準備の確認をしておくとよいでしょう。

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3月22日に開催された2025年春のICU(国際基督教大学)オープンキャンパスの様子をお伝えします。

会場入り口と受付

2025年春のICUオープンキャンパス会場の入り口と受付。ICU学内のバス停からすぐの場所にある会場の入り口には、歓迎のバナーが設置されていました。

ICUのオープンキャンパスは事前予約制で、入り口でスマホの予約証を見せて入場する形式です。入り口から進行方向左にある体育館で受け付けをします。受付を済ませるとパンフレットなどが入った来場者用バッグがもらえます(写真右)。

学食

(混雑状況)
昼時の学食は相当混雑していました。食券制ですが、学食には券売機が2台しかなく、時間帯によっては券売機の前に長い列ができていました。夏のオープンキャンパスではさらに混雑しますので、昼時は避けて利用した方がよいでしょう。

(メニューについて)
オープンキャンパスの時はすべてのメニューが500円で統一されています。写真はビーフストロガノフ(500円)とポテトサラダ(180円)。適度にボリュームもあって美味しかったです。

(カフェコーナー)
学食にはカフェコーナーもあり、こちらはベーグルやコーヒーなどを食券なしでカフェのレジに並んで買うこともできます(写真右)。

モデル授業とT館

モデル授業など主要なイベントが行われたT館の様子。モデル授業の中でも英語教育プログラムのELAは一番人気だったようで、授業前には廊下に列ができていました。

T館の内部には売店があり、こちらでは文房具やバッグ、TシャツなどのICU公式グッズも販売されています。

リニューアルされたICU本館

ICU本館の様子。2024年春から1年間、全面改装工事が行われ、耐震補強に加えて空調等の設備が更新され、外観もきれいになりました。2026年度入学の新入生は春から快適に過ごせそうですね。

2026年度のICU入試では本館が試験会場として利用されることになりそうです。夏のオープンキャンパスでは見学可能になるはずなので、ICU入試対策として、一度はICUの教室の下見をしておきたいところです。

また、本館とT館の間の空間もリニューアルされており、ウッドデッキ風のスペースが新設されました。ベンチも設置されており、新たな交流の空間になりそうです。

学生寮と公式マスコット

学生寮では寮生活に関するトークセッションなどが行われていました。春のオープンキャンパスでは寮の部屋を見学することはできないので、実際に部屋を見たい場合は夏のオープンキャンパスに参加するとよいでしょう。

今回のオープンキャンパスでは、ICU公式マスコット「はちろう」の着ぐるみが受付付近に初登場しました。「はちろう」は、昨年公式マスコットに選ばれたキャラクターで、その名前はICU初代学長・湯浅八郎先生に由来しています。新品のピカピカな着ぐるみは来場者の注目を集め、多くの方が一緒に写真撮影を楽しんでいました📸✨。はちろう🦝と来場者が笑顔でハグする姿は、ICUの温かい雰囲気を象徴しているようで、ICU OBとして非常に感慨深いものがありました。

オープンキャンパス全体を通してICUの魅力が存分に伝わる内容となっており、参加者にとっても特別な一日だったのではないでしょうか。

次回の投稿では2026年度向けの入試説明会と一般選抜説明会の様子をお伝えします!

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2026年度ICU入試対策オンラインレクチャーの募集を開始いたしております。3月末に開講いたします。

2026年度ICU入試対策、オンラインレクチャーの詳しいご案内は下記URLをご参照くださいませ。
https://icu.bucho.net/icu_onlinelecture/

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2025年度一般選抜「日英バイリンガル面接利用」と「英語外部試験利用」の結果発表

本日、2025年度一般選抜における「日英バイリンガル面接利用」と「英語外部試験利用」の合格発表が行われました。

結果概要

2025年度

日英バイリンガル面接利用では、志願者132名(編入生14名)、合格者19名(編入生1名)で倍率は約6.95倍。

英語外部試験利用では、志願者93名(編入生3名)、合格者6名(編入生0名)で倍率は15.5倍。

両方式を合計すると、志願者数225名、合格者数25名で倍率は9.0倍。

2024年度

B方式(現・英語外部試験利用)では、志願者70名(編入生5名)、合格者10名(編入生1名)で倍率は7.0倍。

年度試験方式志願者数合格者数倍率
2025日英バイリンガル面接利用132 (14)19 (1)6.95倍
英語外部試験利用93 (3)6 (0)15.5倍
合計225(17)25(1)9.0倍
2024B方式(英語外部試験利用)70 (5)10 (1)7.0倍

志願者増加の背景:併願制度の拡充

ICU一般選抜における面接利用型入試では、2025年度は2024年度と比較すると総志願者数が約3倍増え、総合格者数も2.5倍増えました。

今年度から最大3方式まで併願可能となり、併願制度の拡充が志願者数に大きな影響を与えたものと推察されます。

年度内容
2024年度まで 最大2方式併願可A方式、B方式のみ
2025年度から 最大3方式併願可「人文・社会科学選択」、「自然科学選択」、「日英バイリンガル面接利用」もしくは「英語外部試験利用」から最大3方式併願可。ただし、「日英バイリンガル面接利用」と「英語外部試験利用」は併願不可。

受験料変更も累計志願者数の増加に貢献か

さらに、今年度から併願費用が見直され、受験生にとって負担が軽減されたことも志願者増加の一因とみられます。

年度1方式受験料2方式受験料3方式受験料
2024年度35,000円50,000円
2025年度30,000円40,000円50,000円

この費用改定により、例えば2方式併願の場合は1方式に1万円追加するだけで受験機会を増やすことが可能になりました。過去の年度より多くの受験生が複数の方式を併願し、志願者数全体の増加につながったと考えられます。

一定数の二次面接辞退者が存在

併願制度の拡充と費用負担の軽減により、「日英バイリンガル面接利用」や「英語外部試験利用」を保険的に出願するケースがかなり増えたと考えられます。また、3教科型である「人文・社会科学選択」や「自然科学選択」で合格が確定し、面接型試験の2次面接を辞退する受験生も相当いたものと予想されます。このため、実際には1次試験に合格しても2次試験を受験しなかった人が一定数存在し、その結果として倍率が高くなっていると考えられます。

「日英バイリンガル面接利用」と「英語外部試験利用」の倍率の差

2025年度の「日英バイリンガル面接利用」と「英語外部試験利用」の倍率の差については、複数の要因が影響している可能性があります。

まず、「英語外部試験利用」では、出願に際して一定基準以上の外部英語スコアが必要であることから、志願者全員が高い英語能力を有しています。受験生の多くはICU一般選抜の3教科型も併願しており、「人文・社会科学選択」や「自然科学選択」における英語試験でも高得点を獲得した受験生が多かったと考えられます。その結果、これら併願した3教科型で既に合格し、「英語外部試験利用」の二次面接を辞退したケースが一定数存在したと推測されます。このような二次辞退者の多さが、結果として志願倍率を高水準に押し上げた可能性があります。

その反面、「英語外部試験利用」には、他大学や総合型選抜をメインに受験していた層も一定数含まれていたと考えられます。ICU独自の一般選抜の独自科目であるATLAS(総合教養)の対策が十分でない場合も考えられ、結果として「英語外部試験利用」の倍率がさらに高まった要因となったかもしれません。

いずれにしても両方式の倍率差は受験者層や準備状況、辞退者数など複数の要因が複雑に影響した結果といえるでしょう。

まとめ ATLAS(総合教養)対策が重要

今回の合格者数の公表で2025年度一般選抜の結果が一通り出そろいました。全体としては併願の影響が大きく、志願者が増加すると同時に、合格者数も大幅に増えました。併願の活用は来年度以降の入試でも考慮すべき点になるでしょう。

また、全方式で共通しているICU独自の教養科目、ATLAS(総合教養)の対策をしっかり行っておくことが、一般選抜の合格に向けては重要なポイントになりそうです。

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併願制度導入で志願者と合格者が増加

2025年度の国際基督教大学(ICU)の一般選抜では、入試制度が大きく変更され、「人文・社会科学選択」と「自然科学選択」の併願が可能となりました。この変更により、併願によって受験生にとっての選択肢が広がり受験者数が増加しました。一方、合格者数も増加しています。また、それぞれの受験者数と合格者数が公開されることで、科目ごとの違いが可視化されました。本記事では、2025年度の入試結果を分析し、新制度の影響を考察します。

ICU理学館の教室の様子。2025年度は本館が改装中のため、理学館も活用して一般選抜が実施された

2024年度と2025年度の志願者数と合格者数の比較

年度選択科目志願者数(編入)合格者数(編入)倍率
2025年度人文・社会科学選択885人(52人)256人(6人)約3.46倍
自然科学選択198人(7人)73人(0人)約2.71倍
合計1,083人(59人)329人(6人)約3.29倍
2024年度A方式合計926人(55人)273人(10人)約3.39倍

志願者数、合格者数が増加

2025年度では志願者数が1,083人と、昨年度の926人から約17%増加しました。併願制度導入による重複受験者もいるため、重複しない受験者数は不明ですが、累計受験者数としては増加しています。

合格者数は329人と、昨年度の273人から約20%増加しました。これは併願制度導入による重複合格者が存在することも影響していそうです。

総志願者数と総合格者数で計算した倍率は、2024年度が約3.39倍、2025年度が約3.29倍と大きな変化はありません。

併願制度の導入によって累計の受験者数が増えると同時に、重複合格を見越して合格者も多めに出たものと推測され、受験者も合格者も増えたというのが併願制度の導入の効果と言えそうです。

人文・社会科学と自然科学の倍率の比較

昨年度まで「人文・社会科学」と「自然科学」のいずれか1つを選ぶ方式であったため、選択科目別の倍率は公開されていませんでした。しかし、今年度から選択科目をそれぞれ受験して併願することが可能になったため、選択科目別の倍率が明らかになりました。その結果、人文・社会科学選択の倍率が約3.46倍、自然科学選択の倍率が約2.71倍となり、自然科学選択の方が倍率が低いことが明らかになりました。

ちなみにこの傾向は以前から受験番号や教室割りなどによって非公式に確認されていました。具体的には、いまから10年前の2015年までは学内で合格者番号の一覧が掲示されており、科目別の合格者数と倍率を推測することができました。例えば2015年度の推計データでは、人文・社会科学選択の倍率は約3.29倍、自然科学選択は約2.67倍でした。これらと比較すると、2025年度の倍率は大きく変化していないことが分かります。

つまり、2025年度の入試から急激に人文・社会科学の倍率が上昇したわけではなく、以前から存在していた選択科目の倍率のギャップが、今回初めて公式データとして可視化されたと言えます。

年度選択科目倍率
2025年度人文・社会科学約3.46倍
自然科学約2.71倍
2015年度(推計)人文・社会科学約3.29倍
自然科学約2.67倍
2015年度入試まではICU学内で合格者の受験番号の一覧が掲示されていた。写真は2015年度指定校推薦入試の合格発表

選択科目でこのような差が出る背景には、自然科学選択者には国立併願者が多く受験者の質が高いこと、相応の辞退者が出ること、ICUが理系専攻を持つ大学として自然科学分野の研究を担う学生を確保したいという学内事情などが影響している可能性があります。

ICUは文系のイメージを持つ受験生も少なくないことから、大学側は理系志望者へのアピールを強化しています。例えば、近年では理系特化型ミニオープンキャンパスを実施するなど、理系専攻も可能であることを広く周知する努力が行われています。

ICUが「College」ではなく「University」を名乗る理由には、文系・理系を問わず幅広い学問分野を提供している点があります。米国のリベラルアーツカレッジは主に文系教育に特化している場合が多いですが、ICUでは理系専攻も充実しており、この点が大きな特徴です。ICUでは文理横断型の専攻も可能ですし、このような学問領域の広さこそ、「University」としてのICU独自の魅力といえるでしょう。

なお、文系専攻希望者であっても理系科目で受験することが可能ですし、その逆も可能です。入試の選択科目によって入学後の専攻(メジャー)が制約されることはありません。

編入は個人差が大きい

編入合格者は2024年度の10名から2025年度には6名になりました。編入志望者は各受験生の個人差が大きく、結果として年度ごとの合格者数にばらつきがあります。この点については特定の傾向を見出すことは難しいものの、新制度導入後も編入制度に変更はありませんでした。

まとめ

今回の新制度導入により、複数科目の受験が可能となり、受験者数が増えると同時に、合格者数も増加しました。また、選択科目ごとの倍率が可視化されました。今月中旬に二次試験が実施される面接型入試も受験者数が増加しており、併願による複数の入試方式の活用が来年度以降の入試でもポイントになりそうです。

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2025年度のICU入試受験、お疲れ様でした。

合格者の皆様はぜひ合格体験記をお寄せ下さいませ。

投稿者にはICU入学に役立つWeb小冊子「BUCHOのICU入学対策」やAmazonギフト券などをお送りいたしております。

体験記の投稿は下記URLからお送りいただけます。

https://icu.bucho.net/mail/exp01.html