ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜

ICU入試対策、Mさんインタビュー第2回

NPO校、シュタイナー教育

(Mさんが在学されていた学校はNPO校で、シュタイナー教育校であるとういことですが、シュタイナー教育に関して教えて下さい)

はい、シュタイナー教育はルドルフ・シュタイナーによって提唱されたもので、ドイツ発祥のものです。

シュタイナー教育の理念は哲学的で多岐にわたっているので説明するのが難しいのですが、机上の学びだけではなく、実習を重視しているのは特徴の一つだと思います。

例えば僕の通っていた学校では九州の有機農家で3週間の農業実習をしたり、長野県の牧場で測量実習を行って牧草地の地図を完成させるというものがありました。

また、僕の代ではコロナの影響で実施されなかったのですが、福祉施設で3週間働かせてもらう福祉実習も毎年行われていました。

(牧場での測量実習の様子 Mさんご提供 以下同じ)

座学にしても自主的に学ぶ事が重視されていて、シュタイナー教育では基本的に教科書を使いません。

学生がノートを作ることで各教科を勉強していきます。

(シュタイナー学校は日本に何校あるのですか?)

日本にはシュタイナー学校は7校あって、その内、関東には3校あって、神奈川に2校、東京に1校あります。

それぞれ違う運営母体で、僕が通っていたのは東京の学校です。

(教科書を使わないと言うことですが、普通の学校で教える英語とか国語とか世界史などの教科はあるのですか?)

高校で習うような科目は一通り授業があります。

ただし受験用の勉強という形では授業をしていないので「これは入試に出るから覚えないとダメだよ」という事は一切ないです。

(学校では入試対策はやらないという事ですか?)

基本的には入試対策用の授業ではないですね。

むしろ他の高校では受験に集中している高3でもいろいろと行事が普通にあります。

高3では卒業論文が必須で、1年かけて卒業研究したり、演劇が重視されているので、全員参加で劇をやるという行事が高3でもあります(笑)。

こんな様子なので、特に大学受験を控えている学生は大いに葛藤があります(笑)。

高卒認定試験

(NPO校ということは高校の卒業資格はどうなるのですか?)

在籍していた学校は文科省の定める学校ではなく、NPO校の扱いだったのでそこを卒業するだけでは高校の卒業資格はもらえません。

大学を受験するには高卒認定試験を受ける必要があります。

(高卒認定試験はどのタイミングで受験をするのですか?)

高2の時に受験します。学校としても高卒認定はみんな取れるよう、関連する内容は授業内でもやってくれます。

僕も高2で受験して合格しました。

高認の最低点は、公式なものはないと思いますが、40-50と聞いています。高認ではテキストとプラスで過去問を用いた対策がとても重要だと思います!

ちなみに高認では各教科A,B,Cの3段階の評価が出されます。

80点以上を取るとAがもらえるという形です。

ICU入試を高卒認定で受験する場合は、高卒認定試験の「合格成績証明書」というのを提出しますが、これには高卒認定試験を受けた際の各教科の評価が書かれています。

全教科A評価で高卒認定試験に合格できるように勉強して、1教科を除いてA評価が取れました。

NPO校出身ですから、高校の調査書や成績を提出する訳ではないので、高卒認定試験の合格成績証明書の見栄えを少しでもよいものとしたいと考えていました。

(NPO校だから高校の調査書も無いわけですね。そうするとICU入試に出願する際に、ICUの方にはMさんがNPO校出身だという事は分からないのですね?)

はい、NPO校からICUに提出する資料はないので、高卒認定で受けているということしか分からないです。

文科省の高卒認定試験の合格成績証明書。ほぼ全科目A評点で合格。英国数世界史が必修で、地歴公民理科の各分野で選択要件がある

(NPO校の同じクラスの高3の方は、それぞれどのような進路を選択されているのですか?)

出身校の卒業生の進路に関しては、クラスによってバラツキがあります。僕のクラスは十数人いて、AOなどで大学に進学する人が数人、専門学校が数人、残りが卒業してから浪人して一般選抜で大学に進学するという感じだったと思います。

過去にはドイツの教育に触発されて卒業後にドイツに行く学生や、劇に参加した経験から演劇関係の進路を選ぶ学生もいたそうで、進路は人それぞれという感じですね。

(指定校推薦はないですよね?)

はい、指定校推薦はないです!

(高卒認定でも総合型選抜は受けられるのですね?)

はい、AOは自己推薦であって学校推薦ではないので、高認でもAO入試を受けられる大学もあります。

シュタイナー教育では他の学生がやっていないような活動や研究をしているので、AOとの相性は悪くなくて、総合型選抜で大学に進学する人は増えてきていますね。ただしAOが増えてきたのはここ5-6年ぐらいの事です。母校の進学支援体制には改善の余地がありますし、AOに強いというほどではないです(笑)

(入試対策を高校でやらないというのは、一般選抜は大変なのでは?)

そうですね、時たま現役で一般選抜で進学する人もいるのですが、一般選抜を受ける学生は卒業後に浪人して予備校に通うというのが基本でした。

(次回浪人時代の勉強法に続きます)

(注1:ICUの総合型選抜は高校の評定平均値の要件があるため、高卒認定ではICUの総合型選抜を受験することはできない)

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今回は2023年度一般入試(A方式)でICUに合格されたKaoru-M(以下Mさん)さんにお話を伺います。

MさんはNPO校のご出身で、当サイトのオンラインレクチャーを受講され、4月1日のICUの入学式では新入生代表として学生宣誓をされました。

ICU入試成績優秀者として学生代表に選ばれた様子や、オンレクを用いたICU入試対策法などを伺いました。

入学式当日のICUマクリーン通りの様子(Kaoru-Mさんご提供 以下同じ)

入学式と学生宣誓

(学生代表として宣誓をするまでのいきさつや、入学式の様子を教えてください)

はい、ICUから、入学式で学生を代表して宣誓を読み上げてもらえませんかという電話がありました。入学式の10日ほど前でした。

その後、入学式の数日前に担当の先生がオンラインで学生宣誓の内容や意義など説明してくださいました。宣誓をする際のアドバイスもいただきました。

4月1日の入学式当日は、会場であるICU教会に早めに行って、簡単なリハーサルをしました。

入学式が始まってからは最前列に座って待機していました。

学生宣誓を担当したのは自分を含めて2人です。
学部生代表が1人で自分が担当しました。
他に大学院生が1人いらっしゃって、英語での宣誓を担当されました。

ICUの入学式では入学生全員の名前が一人ずつ呼び上げられるのですが、
学生宣誓はその後だったので、待機している時間がとても長く感じました。

大学院生代表で宣誓をされた方が隣の席に座っておられたのですが、
緊張するので早く終わらせたいですねとお互いに話していました。

その後ようやく出番がきまして、学生代表が演台に並ぶ形で宣誓をしました。

宣誓を無事に終えられてほっとしました。

(学生代表にはICUから何か記念品が贈られたりするのですか?)

いえ、そういうのはなかったですね。

(入学式のプログラムに名前が掲載される?)

いえ、プログラムに個人名が載る事もないです。宣誓をするという名誉だけですね(笑)。

入学式が終わった後に担当の先生からお疲れ様でしたと声をかけていただきました。

ICU入学式のプログラム

(今年の入学生は対面で全員参加ということでしたが、保護者の方の参加も可能でしたか?)

はい、保護者も2名まで来場できました。ただしICU教会には保護者が入れるほどの席がないので、新入生に同伴した保護者は、本館の教室でライブ映像を見る形で参加しました。

その他にオンライン配信でも式の様子が見られたということです。

ICU新入生向けのオリエンテーション

(新入生向けのオリエンテーションの様子を教えてください)

今年のオリエンテーションは入学式に先立ってオンラインでのオリエンテーションが2日間行われて、
入学式後は主に対面のオリエンテーションがありました。

(オリエンテーションで印象に残っているものはありますか?)

印象に残っているのはICUの新館で行われた、ICUの各メジャーを紹介するポスターセッションです。このポスターセッションでは、ICU新館の各教室でそれぞれのメジャーが研究内容を紹介する展示を行って、そこに各メジャーの先生方が待機しておられて、随時説明をしたり質問に答えてくださるというものでした。

(その他のオリエンテーションはどのような内容でしたか?)

学生生活のオリエンテーション、カウンセリングセンターの紹介、就活支援の紹介、ELAの説明、授業履修、登録の説明、健康診断やアドバイザーの先生との面談などです。

ELAのクラス分けテスト

(ICUは伝統的に入学式前後にELAのクラス分けのテストをしていますが、今年はどのタイミングで行われましたか?)

プレースメントテストは入学式の前日でした。会場試験ではなくてオンラインで自宅から行う形式(*TOEFL ITPテストデジタル版)でした。

(プレースメントテストに際してTOEFL ITPの対策はしましたか?)

ITPは誤所指摘など文法問題に特徴があって、文法は以前からやっておいた方がよいと思っていたので、TOEFL ITPの文法対策で評判のよいテキスト(『全問正解するTOEFL ITP TEST文法問題対策』)をやりました。

(スコアやクラス分けはいかがでしたか?)

デジタル版のITPではその場でスコアが出て、なかなかよい点数でした。その後クラス分けが決定する前にELAの先生からインタビューを受けて、結果的にStream-3になりました。純ジャパで海外経験はなく、スピーキングは苦手なのでそのようなクラス分けになったのだと思います。ELAはしっかりやりたいと思っていたのでStream-3でよかったと思っています。

*ICUのELAではTOEFL ITPのスコアでクラス分けがされるが、Mさんのようにテストが高スコアで海外経験が少ない場合などは、個別にインタビューを受けて最終的にクラス分けが決定される事がある。

『全問正解するTOEFL ITP TEST文法問題対策』

(そのほかにICUに入学して印象的だった事などはありますか?)

はい、入学後にはアドバイザーの先生と面談があるのですが、その面談に関するメール連絡が全て英語だった事には驚きました。ICUに入学した事を実感した気がしました。

(次回に続きます。)

昨年度の入学式から新入生に配布されている『日英仏3言語 ビジュアル版 世界人権宣言』。同書にはICUのプロジェクトチームが参加している。

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ICU国際基督教大学から、2024年度より新入生向けの奨学金が拡充される事が告知されています。

ICUの奨学金はICU入試の出願時に申し込める制度で、合格発表と同時に採用が通知される奨学金(新設のCherry Blossomは出願前に決定される予約採用型) であるため、ICU入試受験生にとってはうれしいニュースです。

ICU公式サイトより

ICU Peace Bell 奨学金 が拡充。4年間学費、寮費が免除に

ICU Peace Bell奨学金は4年総額400万円の給付型奨学金ですが、2024年度から入学金、学費(施設費を含む)、寮費(入寮費を含む)が全て免除される奨学金になります。ICUの試算によると2024年度は2,346,500 円相当、4年間で831.8 万円相当になるとのことです(Global Houseに住んだ場合の試算)。

現金給付型から免除型に変更されてはいますが、奨学金の内容は倍以上に拡充されています。

採用人数は14人で現在と変わりません。

現行の400万円の給付も十分にインパクトがありますが、2024年度以降は学費ゼロ寮費ゼロという、まさに特待生扱いの奨学金に拡充されます。

過去の奨学金において寮費免除というのはなかったので、ICUとしては新しい試みと言えます。現在のICUは学生寮がとても充実していますので、ICUとしてはその資産を活かす形の奨学金であり、学生にとってはキャンパス内の寮に費用免除で住めるというのは大きなメリットになります。

ICUトーチリレー High Endeavor奨学金が原則4年継続に

ICUトーチリレー High Endeavor奨学金は入学金および年間授業料・施設費の3分の1相当額が免除される奨学金です。現行では新入生の46名が採用され、その内、入試成績等が特に優秀な16名は4年次まで免除が継続されるという制度でした。

新制度では原則4年継続にとなり、採用人数が24 名になります。

ICU Cherry Blossom 奨学⾦が新設、(*1都3県民を除く)

こちらは新規の奨学金です。1 都3 県以外の国内の受験⽣を対象に授業料・施設費2 学期分が免除される奨学金 で、こちらも4年間継続されます。⼊試出願前に奨学⾦の採⽤可否を通知する「予約採⽤型奨学⾦」となる模様です。受かる前に奨学生になるかどうかが分かるとうい事ですね。

採用人数は20名です。

1 都3 県が除外されている所は気になりますが、確かに大学進学に際して地方から東京に出てくるというのはとても大きな負担でありますし、出願時に採用の可能性が判明している予約型であることで、地方からICU入試を受ける際に大きな励みになりそうです。

2024年度のICU入試以降は拡充された奨学金を利用可能

2024年度以降のICUの奨学金をまとめると以下のようになり、充実した奨学金が多数の学生に与えられる事が分かります。

ICUの試算によるとこれらの奨学金制度を利用してICUに入学する学生が各学年に行き渡る2027年度には、全学⽣の14%が⼤学独⾃の奨学⾦給付対象になるということです。一学年600人しかいないのにこれだけ奨学金が充実しているとういのはすごいことですね。

奨学金では入試成績がものを言う事になるので、ICU入試対策を万全にしつつ、大幅に拡充されたICU奨学金への採用も狙って行きたいところですね。

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前回に引き続き2025年度以降のICU国際基督教大学の入試制度変更に関する内容をお伝えします。

2025年度以降の募集人員の変化

ICUの3月末に公表した2025年度以降のICU入試の募集人員では、一般選抜の募集人員が70人減り、総合型選抜(AO)や推薦入試、帰国生向け入試の募集人員が70人増加しています。

(*ICUの公表する募集人員の合計は620人であると表記されている。社会人の募集人員は「若干名」で、社会人以外の募集人員の合計は615人であるため、その他を5人と表記した)

一般選抜の募集人員を減らして、推薦等を増やす方向性が見て取れます。

ただしICU入試の過去の傾向を考えると、これによってただちに一般選抜が大幅に難化するという訳ではなさそうです。

今回の変更は、一般選抜の合格者数を減らすのが狙いではなく、一般選抜の受験者が減少傾向あるなかで他の方式の受験者が増えているため、試験全体で合格者の水準を維持するため実情に合わせて変更したという印象を受けます。

過去においても一般選抜の募集人員は変更されているものの、オンレクのデータを見ても近年の合格水準はあまり変化していないため、今後も一般選抜の難易度そのものはさほど変わらないと予想します。

一般選抜の募集人員

2025年度以降はICUの一般選抜が4方式に変更され、それぞれの募集人員は上記のようになっています。新方式では併願がしやすくなっています。

併願がしやすくなるという事は、重複合格する受験生も増える事になるので、その分を見越して合格者は多めに出す必要があるため、結果的には合格者数は今と大して変わらないという形になるかもしれません。

数学の出題範囲の表記の変更

2022 年度高等学校入学者から適用された学習指導要領の表記に対応するため、数学の表記が以下のように変更されています。ベクトルが数学Cに移動した事による表記の変更で、出題範囲そのものは変わっていません。この変更点はあまり気にしなくてもよさそうです。

<自然科学 現行>
数学 数学 I、数学 II、数学 A、数学 B(数列、ベクトル)
物理 物理基礎、物理
化学 化学基礎、化学 生物
生物基礎、生物

<自然科学 2025 年度以降>
数学 数学 I、数学 II、数学 A、数学 B(数列)、数学 C(ベクトル)
物理 物理基礎、物理
化学 化学基礎、化学
生物 生物基礎、生物

2025年末以降の変更まとめ 併願の活用がポイントに

ICU入試の募集人員は以前から実状に合わせて随時変更されてきたので、あまり気にしなくてよいでしょう。

重要な変更点としては一般選抜がより併願をしやすい4法式が変更される事です。

併願を活用する事で一般選抜の複数の法式で合格が狙えるため、特に2025年度以降にICUを第一志望とする受験生は、複数の入試方式の併願をいかに活用するかがポイントになりそうです。

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ICU国際基督教大学の入試関連のWebサイトが更新され、2025年度の入試からの変更点が発表されました。

2025年度ICU入試の変更点は4つです。

1.総合教養(ATLAS)の形式の変更
2.一般選抜が2方式から4方式へ変更
3.募集人員の変更
4.新学習指導要領に基づく数学の出題範囲の変更

この変更は2025年度ICU入試(2025年度一般選抜)から適用されるもので、来年2月に行われる2024年度ICU入試には変更はありません

この記事では総合教養(ATALS)の形式の変更4方式へ変更に関して見ていきます。

総合教養(ATLAS)の形式の変更

<現行>
講義を聴き、資料を読み、以下の 4 つの分野の設問に答える。
① 講義に関する学際的な設問
② 「人文科学」の観点からの論述や資料を用いた設問を解く。
③ 「社会科学」の観点からの論述や資料を用いた設問を解く。
④ 「自然科学」の観点からの論述や資料を用いた設問を解く。

<2025 年度以降の入学者選抜>
特定のテーマに関する講義と1つの論述や資料に基づく設問を解く。
(講義、資料、設問の順番は未定)

現行の総合教養では15分の放送講義が流れた後に、60分で3パートに分かれた3つの論文を読み、それぞれの問題に答えるというものでした。

2025年以降の入試では、論文の部分が統合され、1つの総合的な問題となる予定です。

予想ですが、現行の人文・社会科学のように1つの大きな問題になり、そこに講義も加わるという形で、講義と問題冊子の内容はより一体感のあるものとなるようです。

入試説明会の段階では詳しいフォーマットは現在検討中で、現在は講義が最初に流れますが、資料を読んだ後に講義を流すようなフォーマットも可能性としてはあり得るということでした。

<ATLAS形式変更の狙い>

今回のATLASの変更は「総合教養」というようにより統合的かつ一体的な試験にしたいという狙いがあるようです。現段階では「総合教養」でありながら各パートが実質的には独立しており、また分野ごとに出題されることで、ある種のパターン化がなされているとも言えます。試験全体として一体感のある講義と資料に変更することで「総合教養」というコンセプトに立ち返るという狙いがあるようです。

また、受験生の負担軽減という狙いも見えます。現行ではPart IVに「自然科学」のパートが用意されており、一部の問題は自然科学の知識を必要とします。現行の試験でも文系の受験生には配慮されていて、実際には完全に理系の問題はほとんど出ていないのですが、当サイトでも「文系なのですがPart IVの自然科学の対策はどうしたらいいでしょうか?」というのは受験生からも多く寄せられる質問の一つです。ATLASを統合的な問題に変更することで、「自然科学が必ず出される」という現行のイメージを払拭して、文系理系を問わずより多くの受験生にチャレンジしてほしいという狙いが見受けられます。

一般選抜が2方式から4方式へ変更

<現行>
A 方式 総合教養、英語(リスニングを含む)、人文・社会科学又は自然科学
B 方式 第一次選考:総合教養、英語(出願書類として提出する英語外部試験の公式スコア)
第二次選考:個人面接(日本語:2024 年度選抜よりオンライン実施)

<2025 年度以降の入学者選抜>(方式名称は仮称)
一般選抜① 総合教養、英語(リスニングを含む)、人文・社会科学
一般選抜② 総合教養、英語(リスニングを含む)、自然科学
一般選抜③ 第一次選考:総合教養、英語(リスニングを含む) 第二次選考:オンライン個人面接(日本語および英語)
一般選抜④ 第一次選考:総合教養、英語(出願書類として提出する英語外部試験の公式スコア) 第二次選考:オンライン個人面接(日本語)

*一般選抜③と一般選抜④は併願不可(その他は併願可)

要するにA方式、B方式がさらに2つに分岐するようなイメージですね。

現行のA方式では人文社会科学と自然科学のいずれかを選択しますが、新方式ではこれらを併願することができるようになりました。

現行の時間割は以下のようになっています。

(1限)人文社会科学(もしくは自然科学を選択)、(2限)総合教養、(3限)英語

2025年度以降の時間割ではおそらく以下のようになると思われます。

(1限)人文社会科学、(2限)総合教養、(3限)英語、 (4限)自然科学 

一般選抜① の人は(1限)から集合して(3限)まで(=4限の自然科学なし)
一般選抜②の人は(2限)から集合して(4限)まで(=1限の人文社会なし)
一般選抜① ②を併願する人は(1限)に集合して(4限)まで(=1限,4限ともあり)
試験を受けるという形になると思います。

さらに、現行のB方式が2つの分岐したようなイメージで、一般選抜③と一般選抜④ が用意されます。

一般選抜③: 総合教養+ICU入試の英語+二次面接
一般選抜④: 総合教養+外部英語試験(TOEFL, IELTSなど)+二次面接

一般選抜③と一般選抜④は併願できませんが、その他は併願可能であるため、最大3方式の併願が可能になります。

<4方式変更への狙い>

併願のバリエーションを増やして、より多くの受験生にICU入試を受けてもらうというのが狙いだと考えれます。

現行の入試では人文社会科学と自然科学はいずれか1つを選択しなくてはいけませんが、2025年度以降のICU入試では両方を選択し、併願することが可能になります。特に国公立を併願している人は文理を問わず勉強をしてきているので、両方の方式を受ければ受験のチャンスを増やすことができます。人文社会科学と自然科学の選択でどちらか迷うという、読解を得意とする理系の学生にとっても今回の変更は両方を選択することが可能になるので、歓迎すべき変更点でしょう。

予想ではありますが、人文社会科学と自然科学は同日別時限に実施される可能性が高いと思います。会場の集合時間と解散時間を変える事によって調整する形になると思います。ちなみに2015年までのICU入試は4教科で行われていたので、4教科を同日に行うことは可能です。

さらに現行のB方式(=一般選抜④)に加えて一般選抜③が用意され、外部英語試験の成績がなくて、ICU入試の英語を受ける形で総合教養と英語の二科目+二次面接での受験も可能になります。これにより英語は得意だが外部英語試験の成績が間に合わなかったという受験生も一般選抜を受ける機会が生まれます。

併願のバリエーションも増えて、例えば一般選抜①の受験生は以下の6パターンの受験方法が可能です。

一般選抜①
一般選抜①②
一般選抜①③
一般選抜①④
一般選抜①②③
一般選抜①②④

併願のバリエーションを増やすことで、受験生の受験機会を増やしたいという狙いが見受けられる変更点です。

次回のエントリーではその他変更に関してもみていきます。

変更点は下記URLの「2025年度以降の入学者選抜の変更点について」のリンクから確認できます。

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/exam/general/

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引き続きICU入試受験生向けのICU春のオープンキャンパスのレポートです。

キャンパツツアーの起点となる新D館。ICU生がキャンパスツアーへの参加を呼びかけていました。雨でしたが本降りではなかったので屋外も含めキャンパスツアーは通常通り行ったとのことです。

ICU本館。恒例の歓迎バナーも掲示されています。

本館3Fで行われた入試説明会の入り口様子。説明会とALTAS体験は同じ会場で行われたので、興味のある方は移動せずに連続して受講できる形でした。やはり夏に比べると人数は少なめでしたが、入試担当者の職員の方、アドミッションセンター長の教授、ICU生の入試体験談と質疑応答もあり、熱心にメモを取る受験生の様子も見られました。

現役ICU生の入試体験と質疑応答は公式説明とは別に時間を取って行われて、ICU生の登場に際して、「大学の職員は立場上、大学の良い所しか言えないので、現役ICU生たちの本音をぜひ聞いてください!」と、職員の方ご自身がおっしゃっていたのが印象的でした。いかにもICUらしいシーンでよかったです。

その他2025年から、ICUの入試の方式が現行のA,B2方式から4方式に変更される旨がアナウンスされていました。この点は別エントリーで紹介します。

恒例のATLAS(総合教養)の体験。実際の過去問が配布された上で簡易な問題演習も行われ、担当教授による解説を含めた試験の紹介が行われました。配付資料や当日の内容は当サイトICU入試受験対策講座のオンラインレクチャー(オンレク)の解説にも反映させていただきます。

また、2025年度から総合教養の形式に変更がある旨もアナウンスされました。別エントリーで詳しく紹介します。

ICU新館も完成しています。現在は新学期に向けて最終的な準備を行っているそうで、4月以降に学生が通常利用可能になる予定との事でした。

大学寮のガイダンスと学生による座談会がICUの新々寮の樅寮・楓寮で行われました。春のオープンキャンパスでは学生が在寮中のため、残念ながら寮の部屋の見学はできませんでした。代わりに寮生参加の質疑応答などが行われていて、食事をどうしているか(多くの方が自炊)や、各寮の特徴などを現役の寮生が説明してくれました。

ちなみに夏のオープンキャンパスは退寮期間中のため、寮の部屋の見学が可能である年度が多いですね。

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ICU入試対策として行っておきたいICUオープンキャンパス。恒例のフォトレポートをお送りします。

バスを降りて正面に受け付けが見えます。テントでスマホのオープンキャンパス予約証を提示して入場手続きをして入場し、ICU入学案内など、受験生向けの資料セットの入った手提げをもらいます。

昨年のオープンキャンパスとは違って検温はありませんでした。

バス停から正門方面の眺めです。ICU生によると桜は2,3日前に満開になったそうです。

オープンキャンパス当日は雨は降っていましたが寒くはなくちょうどよい気候で春の雰囲気でした。

ICU教会方面から滑走路の眺めです。こちらもよく咲いていますね。

ICU教会。オルガンコンサートが行われいて、多くの方が入場されていました。

オープンキャンパスの前日には2023年度の卒業式がICU教会で行われました。

学食の様子です。オープンキャンパス用のランチが用意されています。営業は3時まででした。

オープンキャンパスでの大量の注文をさばくためか、券売機のチケットは「オープンキャンパスランチ」(500円)に統一されていました。券売機は現金と交通系ICカードが利用可。定食の方がお得かも。普段の学食はもうちょっと安いシンプルな400円のメニューもあります。

例によってカレーをいただきました。昨年度から学食の業者さんが変わっておいしくなったと評判で、確かにおいしかったですね。学食には午後に行きましたが、結構混雑していました。

ただし昨年度とは違ってコロナ対策の制限が緩和されていたので、座れる席には余裕がありました。

カフェも併設されているので、オープンキャンパスの休憩にお茶だけでも学食の利用は可能です。

次回引き続き入試説明会等の様子をレポートします。

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いよいよ来週末の3月25日(土)に開催される2023年春のICUオープンキャンパス。ICU入試受験対策として、2024年度受験生は参加しておきたいところですが、予約状況はどうなっているでしょうか。

今のところ予約が必要なプログラムはいずれも予約が可能な状況でした。

ICUの夏のオープンキャンパスは予約開始から数日で主要なプログラムの予約が埋まってしまう年度もありますが、春のオープンキャンパスは比較的すいていそうですね。ゆったりと見学できそうです。

また、東京では桜が来週末頃には見頃になりそうなので、ICU滑走路の桜並木を見学するにも絶好の機会になりそうです。

元から春は夏より小規模ではあるのですが、3年ぶりの会場開催であることや、春は他校も開催が少ないことから、結果的に参加人数は少なく、夏よりは少人数での見学ができそうですね。

ICUの一般選抜や総合型選抜を検討している方はぜひこれを機会にICUのキャンパスを見学しておくと、ICU入試対策にもなります。

2023 Spring OPEN CAMPUS 3/25

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/event/oc/23sp.html

追記

後日確認したところELAや心理学のモデル授業は満席になっていました。やはりELA等のモデル授業は人気があるので、今後オープンキャンパスやイベントで来場予定のICU入試受験生は早めに申し込んだ方がよさそうですね。

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2024年度ICU入試対策オンラインレクチャーの募集を開始いたしております。3月末に早期開講いたします。

2024年度ICU入試対策、オンラインレクチャーの詳しいご案内は下記URLをご参照くださいませ。
https://icu.bucho.net/icu_onlinelecture/

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ICU国際基督教大学のWebサイトが更新され、2023年3月25日開催のICUオープンキャンパスの応募受付は3月6日の正午からである旨が告知されています。専用サイトも開設されています。

春のオープンキャンパスは受験生の方にはICU入試対策として、ICUを見学する貴重な機会になりそうです。

オープンキャンパスへの参加は事前予約が必須で、3月6日の正午から応募受付が開始されます。

また、オンラインの企画も同時に発表されていて、今回はICU OGの英語学習系YouTuberの方のライブ配信も予定されています。ただし昨年度までと違って、モデル授業や入試説明など、大半のプログラムは来場を前提としているものが多く、オンラインの内容は限定されているため、予定の合う方はICUのキャンパスを訪れた方がICU入試対策としてはベターだと思います。

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/event/oc/23sp.html

春と夏のオープンキャンパスの違いは?

ICUは春1日、夏3日のオープンキャンパスを実施していますが、春と夏の内容は概ね同じです。

春の方がモデル授業の数が限定的であったり、ややこじんまりとしている印象がありますが、プログラムの内容は概ね同じなので、春の段階でICU入試の受験を検討している方は春から参加すべきでしょう。春のメリットとして夏より暑くなく、タイミングがよければICUキャンパスに咲く桜を見ることもできますよ。

オススメは春・夏両方行っておくことですね。

春と夏ではそれぞれ違うモデル授業が開講されているので、ICU入試に向けて、あるいは入学後の学びの方向性を考える上で、様々なモデル授業を受けておくのは大いに有用です。モデル授業を受ければICU入試が行われるICU本館の教室の見学にもなりますし、タブレット型の机を体験しておくことができますね。