今回はICUに関する本の書評をICU受験生の皆様にお届けしたいと思います。
取り上げる本は『ここが!(ビックリ) だよ ICU (国際基督教大学がよくわかる本)/全日本大学研究会(編)』という一見怪しいが意外にICUの事が真面目に書いてある昨年発売された本です。
この本の内容が果たして本当に正しいのか、現役ICU生のAKNさんにレビューをしていただきました。
ANKさんはICUの2年生で化学を得意とされているリケジョです。
英語もできるから将来有望ですな。
<以下AKNさんによるICU紹介本のレビュー>
みなさんこんにちは!ICU 2年生のAKNです!三省堂でも特集コーナーが組まれていて、非公式指定教科書(笑)に制定されていたので存在は知っていたのですが、今回はじめて最初から最後まで読みました!色々と突っ込みどころ満載でしたが、「あーそうだよねー笑」と思うようなものやICU生のわたしでも「へーそうなんだ!」と思うようなものもあり楽しく読めました。
それではまず、あーそうそうそれある!と思ったものからあげていこうと思います!
(ICU学内の三省堂で山積みにされている『ここが!(びっくり)だよICU(国際基督教大学)』
◯ICUは日本一面白い大学!?(p.9)
面白いですよ!笑 p.12にあるようにとても国際色豊かです。学内は英語と日本語が飛び交い、ルー大柴状態になっている人もちょくちょく目にします笑 思いついた時に話しやすい言語でしゃべるという感じ? ユニークだなぁと強く思うポイントの一つです。また、校内でディスカッションをしている姿も見かけます。特に一年生の頃はELAの中で終わりきれなかったディスカッションを休み時間にまだ話し合っている…なんてこともよくありました。笑 話題も人種差別やジェンダーの問題などかたーいものから芸能界の事件についてまで様々な範囲に及ぶものでした。ICUに入ってからディスカッションも面白さを知ったという人も多いと思います!発言するのが怖い…なんて言ってられなくなるくらいたくさんの機会が待ち構えていますよ!笑
◯ICUでは文系と理系の両方を一度に専攻できてしまう!?(p.19)
ちゃんと計画を立てて、真面目に取り組む意気があれば可能だと思います!実際に理系と文系の科目両方をメジャーにしている先輩方もいらっしゃいます。 またICUの大きな特徴の一つとして、入学したあとで専攻科目を決められるというものが挙げられます。私は高校1年生の時は文系で心理学を勉強したい!と思っていたのですが、2年生の時に歴史科目の苦手さと、化学の面白さに気付いて理転し、入学試験も理系科目で受けました。 そして大学2年生になった今、何を勉強しているかというと、心理学です。笑 でも化学のクラスも取りました!言語学の授業やジェンダーの授業もとってみたいと思っています。私のような友達は決して少なくなく、生物学専攻の予定が言語・心理に決めかけている子や、理系科目で入ってきて、宗教学をメジャーにしようかと検討している子もいます。本当に自由です!自分の興味をある分野を試してみてからメジャーが決められるというのは本当に大きな利点だと思います。しかし何もかも自由かというとそうではありません。大体のメジャーには「メジャー要件」というものがあり、そこに書いてある授業及び成績を満たさないとその科目は専攻できないことになっています。なんでも試せるぞ?!!!!と思って好き勝手に授業をとっていると2年生の最後に絶望する危険もあるので、メジャー要件はしっかり確認して欲しいと思います!英語開講だったり、毎年開講されている授業ではなかったりと色々なトラブルも起こりうるので履修も計画的に立ててくださいね!困ったら、履修を組むのを手伝ってくれる「IBS」という団体もあるので手を借りてみるのもいいと思います。
◯ICUでは英語が苦手だと1年次はほとんどが英語の授業になってしまう!?(p.77)
なりますよ笑 でもちゃんと自分の希望する授業も2つくらいは選べるようになっていたと思います! 私はELAの中で最もクラス数が多いstream 3というレベルだったのですが、このレベルによって取らなければならない英語のクラス数が変わってきます。しかもこの英語のクラスは占める単位数が多いので、ここを頑張っておかないと留学に行きたい人などは後で大変苦しい思いをすることになってしまいます…。 このELA、なかなかに大変で毎日課題に追われていました。授業内ではもちろん日本語禁止なのでなかなか言いたいことが伝えられず、自分の力不足を痛感することも多々ありました。そんな厳しいELAですが、この授業のおかげで英語のレベルは格段に上がったと思います。間違えるから無理…恥ずかしいから話したくない…などの言葉に、全くと言っていいほど耳を貸さない先生方によって、英語を使うチャンスが格段に増えたためだろうと思います。やればやっただけ身になるのでやりがいもありましたよ!
◯他大生とは夏の予定が立てづらい!?(p.95)
これは本当にそう思います!本書にもあるように、ICU生は早い人なら6月中盤には夏休みに入り、9月の頭には全員もう秋学期が始まるのですが、これがとにかく他大の友達と合いません!!!飛行機代の安い6月に旅行に行ってしまおう!と思い他大の友達に声をかけても「学期中だわ!!」の一言。更に時期が悪いと「テスト期間中だわ!」と一喝される始末です笑 いざ向こうが夏休みに入ってもICU生は長い長い夏休みがもう残り1ヶ月になってしまう頃。さらに一般の大学生は夏休みが9月中盤、長い人では10月まであるのに対し、冒頭でも述べたようにICU生は9月頭に秋学期が開始になります。なので観光地が空いてくる9月に他大の友達に「旅行に行こう!」と声をかけられても泣く泣く断らなくてはならず、つらい思いをすることになる人も多いと思います。笑 じゃあICU生と遊べばいいじゃん!と思う方もいるでしょうが、新入生の夏はSea Programに参加する人が多く、2年生になるとSophomore向けのSea programやその他の海外プログラム、裕福な人は自費での短期留学や長期旅行に行ってしまう人もいて、結局そんなに遊ぶ機会があるわけでもないように感じます!遊ぶチャンスがあるのは留学・旅行組が帰ってくる8月後半くらい…?
(P79 ICUの学習要項/リベラルアーツ英語プログラム(ELA)とは?)
◯ICUでは、食事事情があまりよろしくない!? (p.141)
これも学生間で度々話題に上ります。まず、お昼時は学食が結構混雑します!!!!晴れの日は芝生でお昼が食べられるのであまり場所に困ることはないのですが、雨や雪が降ったり、寒かったりすると、学生数が多くない大学であるにも関わらず、ガッキ内では席を見つけるのにちょっと苦労することもあります。ちなみにガッキとは他大でいう学食です! お昼に関しては新D館にも多少座るところがありますが。
それに加えて、ガッキのメニューは少ない!学食にしてはちょっと高い!の悪評が絶えません。私個人的には味も量も(少食なので)そんなに問題ないのでは?と思いますが、やはり値段はマンモス大学の学生食堂と比べるとちょっとだけ高く感じます…。セクメの中には「もうガッキでは食べない!(量が)少ないから!」と宣言していた人もいました。笑 美味しいと思うけどなぁ…。でも油断すると、思っていたのと全然違うメニューが出てくることもあります!「鮭といくらの親子丼セット」と書いてあったのでサーモンといくらの丼かと思って注文すると、焼き鮭と申し訳程度のいくらが乗ったどんぶりが出てきた時はさすがにちょっと悲しくなりました笑 また、ICUのロコモコ(ハワイの丼のような料理)はなかなか変わっていると思います笑 運良く見つけたら注文してみるといいと思います、「あれ…ロコモコってこれか…?」と思うことまちがいなしです。美味しいですよ!笑
ガッキでは満足できない人たちの中には近所のラーメン屋さんに旅立っていく人たちが結構います。自転車ですぐのところに何件かラーメン屋さんがあり、趣味の合ったところを見つけているみたいです。2大勢力は「武蔵屋」と「ぐうたら」かな?反対側に走って行くと「豚力屋(ぶりきや)」というラーメン屋さんもあります。あまり詳しくないのですが他にも色々あるみたい?またすぐちかくにマクドナルドやHAPPYばーぐというハンバーグ屋さん(ただしお休み多め)、ペンギン村という定食屋さん、パッパパスタというイタリアンのお店、自転車でちょっと走ると回転寿司屋さんもあるので学外を開拓するのも面白いと思います!
◯ICUでは槍が降ろうが、絶対に休講にならない!?(p.108)
少なくとも、天候が理由で休講になったことは殆ど無いと思います。台風が来た1年生のある日、これは絶対に一日休校になるはずだ!とセクメ(=セクションメイト)とグループラインをしながら学校のホームページの更新を待っていると、「午後からは通常通りの授業を行います」という内容の文章と学部長の名前。またある大雪の日、JRのダイヤは大混乱に陥り、駅からは人が溢れ、これはもう絶対に休校だ。と確信した時も「午後からは通常通り…」本当にやめてくれ!!!!!!と思ったのを覚えています笑 さすがに大雪の日の出席率は低かったそうですが、教授はしっかりと教室に来ていたとのことでした。なんで!!?!??!!!!!!と某SNS上で大変話題となりました。さすがに教授が出張の時は休講になることもありましたが、土曜日を利用してきっちり補講が開かれました。笑
◯ICUでは、授業の移動に自転車を使う!? (p.171)
使います!!!!!!笑 体育の後に別の授業が入っていて、しかもそれがN館(主に理系科目の授業が開講されていますが、大教室があるので特に一年生の間は割と行きます。)だったりすると、徒歩では確実に間に合いません。本館3階でも絶望するレベルです。ましてELAなんて絶対遅刻できない授業なので自転車は必須です。イギリス人の時間に厳しい先生だと、教室に2分前に到着しても「きみはほとんど遅刻だぞ」と睨まれ、体育で遅刻した男の子たちは「前の時間は体育だったんです!」と弁明しても「それは理由になるのか?遅れないように先生に交渉しなさい」という旨のお説教を受けていました。笑(もちろん英語ですよ!) 通学はバス!という友達も学内及びお昼ごはん遠征時専用の自転車を学内においていました。バス停から本館までもかなりの距離があるので、1台あったほうがいいと思います。
ここまでがこの本の中で「確かに!!!!!」と思った7項目になります。
次回は「うーん…?」と思ってしまったパートについて書いてみようと思います!
(次回に続きます)