文科省は6月19日に、各大学に当て、「令和3年度大学入学者選抜実施要項について」を通知しました。この中で、「大学入学者選抜に係る新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドライン」が明記されています。その最初の箇所では以下のように記されています。
https://www.mext.go.jp/content/20200624-mxt_daigakuc02-100001251_1.pdf
1.基本的な考え方より(P27)
この箇所から、文科省としては余程の事が無い限り大学入試は実施する方針を明記しています。
また、「新型コロナウイルス感染症対策に伴う試験期日及び試験実施上の配慮等」が求められており、具体的には、追試をするか、(元からある)別日程での受験を追加料金なしで認めろという旨が示されています。
令和3年度大学入学者選抜実施要項
第14 新型コロナウイルス感染症対策に伴う試験期日及び試験実施上の配慮等
(2) 個別学力検査(P11)
ICUの場合は、(ア)の追試験の設定が予定されています
令和3年度入試新型コロナウイルス対応状況調査(国際基督教大学)-文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/20200817-mxt_daigakuc02-000008996_034.pdf
(8月中旬にUPされている事を確認)
あくまでも現時点(2020年8月末)で公表されている事ではありますが、方向性としては従来通りの入試をベースとしつつ、受験生できない場合に何らかの配慮する形で入試を実施することが各大学から示されています。
私立大学に関しては、大学入学共通テスト(旧センター試験)参加校(早稲田、上智など)は共通テストを追試として利用し、共通テスト不参加校(ICUや慶應など)は何らかの形で追試ということになりそうです。
早稲田、上智、明治、法政など→各校で詳細は異なるが、要するに独自試験に参加できなかった場合は共通テストの成績を追試として利用
ICU→追試(追試の詳細は現時点では不明、ICUは共通テストには不参加)
慶應→検討中(慶應は共通テストには不参加)
各大学がどのような方向で対策をするかは以下の文部科学省Webサイトで公開されています。
令和3年度大学入学者選抜での新型コロナウイルス感染症対策に伴う各大学等の試験期日及び試験実施上の配慮等の対応状況についてhttps://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/mext_00060.html
結局のところ、文科省的には共通テスト参加校はとりあえず共通テストのスコアを追試にしておけば許すということですね。しかしながら、私大の共通テスト利用の追試で合格できる成績がある人は、追試の設定をするまでもなく、元から私大の共通テスト利用型入試に出願している人が多そうです。そのような意味で一般入試(各大学の独自試験)の代替にはなっていないように思われます。
困るのは慶應のようなセンター不参加校で、特に慶應の場合は学部統一型の試験もないので、何らかの独自の追試の設定をする形になるのでしょうか。文科省のページでも慶應は「検討中」になっています。
ICUもセンター不参加校ですが、1学部1学科の試験だけなので、とりあえず一般入試から2週間以上おいた日程で、例えばICUの指定校推薦入試でやっているような試験を追試として設定をしておけば大丈夫なような気がします。場合によっては追試の該当者がゼロになる可能性もあるので、フルの入試問題を2セット作るとかはしないでしょうね。
(2021年2月追記、ICU一般選抜の追試は通常日程の一般選抜と同じく3教科かつ別の問題で行われで行われたとのことです)
ちなみに、すでに追試の予告をしている早稲田、上智、明治などは、追試の該当要件がとても厳格で、当てはまる受験生はごく限定的になるかも知れません。