一般選抜

創刊40周年を迎えます、ICU(国際基督教大学)唯一の週間学生新聞、WG(The Weekly GIANTS)2016年度版入試特別号の販売等に関するお知らせです。

ICU入試特別号(毎年ICU入試前日とICU入試当日に売っている学生新聞)
当方BUCHOも記事を執筆しております。

発売場所:ICU学内、ICU教会前付近/新D館前等を予定
(販売場所に学生新聞The Weekly GIANTSの看板が出ています)

発売予定日時:
2016年2月5日(金)が9:00?17:00
2016年2月6日(土)が7:30?14:00
(荒天、完売、販売する人員の都合等により販売場所、予定時間は変更される場合あり)

販売価格:300円

内容:入試対策、合格体験記、入試の心構えやICU学内案内など
*入試をリラックスして受けていただくための読み物が中心です。

その他:

*販売しているのはICU生で、一般入試合格者も販売に当たっておりますので、入試前の相談、質問等お気軽にどうぞ。

*例年前日の方が在庫、人員、時間とも余裕があります。

一般選抜

今年度もBUCHO.NETは、ICU(国際基督教大学)学生新聞 The Weekly GIANTSからの要請を受け、ICU祭で発行されたICU学生新聞に、来場するICU受験生を対象とした、入試関連記事を執筆させていただきました。国際基督教大学学生新聞に掲載されたBUCHO.NETの2016年度向けICU一般入試対策の記事を、以下にご紹介いたします。

(ICU学生新聞 WG 2015年10月24日、25日発行 ICU祭速報号2,3面 )

2016年度 ICU一般入試対策

筆者はICU OBで、1999年よりICUの入試情報サイト(BUCHO.NET)を運営しており、ICU対策講座も実施しているが、その経験を踏まえて、昨年度ICU一般入試の分析と、来年度以降の対策方法を述べていきたい。

・昨年度入試の結果分析 受験者数が増加-

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2015年度のICUの一般入試志願者数(A方式)は、1,894人と、昨年度の1,576人を大きく上回った。以下は過去5年間(2011-2015年度)のICU一般入試志願者数を表したグラフである。

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2014年度と比較すると、2015年度は、約20%も受験生が増加した。受験生増加の要因としては、2015年度から受験生度が変更され、入試科目が4科目から3科目へと変更され、それまで全ての受験者に課されていた文系科目の試験(人文科学)が必須ではなくなったことで、理系の受験生が増えたところが大きい。実際にBUCHO.NET調査では、「人文・社会科学」の受験者が約19%増えたのに対し、「自然科学」の受験者は約27%増加している。また、2015年度のAO入試で秋篠宮家次女・佳子さまが合格され、ICUに関する報道が増えたことも少なからず影響しているものと考えられる。なお2016年度のAO入試志願者は昨年度から約21%増加しており、2016年度の一般入試の受験者も、昨年度から更に増加する可能性がある。

・対策1 英語、人文・社会科学(または自然科学)の2教科で高得点を狙う

2015年度から実施されている総合教養(ATLAS)は、旧リベラルアーツ学習適性がそうであったように、問題内容が完全には公表されていない。よって、まずは確実に出題される既存科目(英語、人文・社会科学(または自然科学))の対策を重点的に行うべきである。これら既存教科に関しては、細かな変更はあるものの、試験形式等はICUの伝統的な試験形式が踏襲されている。よって総合教養以外の科目は、ICUの過去問しっかり研究することで十分に対策が可能である。対策可能な2教科でしっかりと対策を行うことが重要である。

2016年度(一般入試A方式)

1.総合教養(ATLAS) (80分80点)

2..「人文・社会科学」または「自然科学」(80分80点)

3.英語(リスニングを含む)(約90分90点)

・対策2 総合教養(ATLAS)対策

総合教養はリベラルアーツ学習適性(一般能力考査)に代わって2015年度から導入された試験である。その形式は冒頭に15?20分ほどのミニ講義を聴き、それを元に40?45問程度の問題に答えるというものである。試験時間は80分で、試験冊子は講義の放送終了まで見ることができない。問題は4部構成で、Part Iは放送に直結した問題、Part IIは人文科学、Part IIIは社会科学、Part IVは自然科学に関連した問題がそれぞれ10問程度出題され、Part II, II, IVの問題の前には、放送と関連した各分野の短い論文が掲載される。旧リベラルアーツ学習適性と同様に、非常に出題範囲が広い。よって満点を狙うような試験ではない。実際にICUの公式Webサイトでは、一般入試B方式、社会人入試での総合教養の合格最低点が公開されており、いずれも80点満点中42点であり100点満点に換算すると52.5点であった。また、読解・聴解の要素が強い。文系の受験生の場合は、まずは人文・社会科学の過去問をよく研究して、それらの出題をしっかりと押さえておきたい。その上で、数学や理科を、高校の授業で習った範囲だけでも復習しておくとよい。一方、理系の学生は、人文科学の試験が昨年度から必須でなくなったことを含め、読解の要素がこの試験に盛り込まれているので、素早く論文に書いてある内容等を把握するために、人文科学の過去問を見ておいた方がよい。いずれにせよ、およそ全ての教科が出題範囲となり得る試験であるので、全てに対応するというより、併願校や選択科目等によってそれぞれ違ったアプローチが可能な試験と言える。まずは自分の選択している科目に関してはきちんと答えるという姿勢で試験に臨みたい。また、他校にはない特殊な試験であるので、ICUが一部公開している問題は必ず確認し、少なくとも試験の形式に関しては戸惑うことのないようにしておきたいところである。

・対策3 英語 リスニング対策が重要、リーディングは空所補充対策を

ICUの英語の特色として、英語の問題の約半分がリスニングであるということが挙げられる。これは難関私大でも中でも珍しく、リスニングを全面的に実施しているのは、早大の国際教養学部などごく一部の学部に限定される。よって、多くの受験生はリスニングの対策が必ずしも万全ではない。ICUを志望する受験生は、英語リスニングの対策をしっかりやっておくことが、大きなアドバンテージとなり得る。伝統的にICUのリスニングは、TOEFLの形式に類似しており、TOEFL教材(特にPBT/ITP形式)を使っての学習は有効である。また、ICUの過去問も出題形式や出題内容(大学生活をベースとした日常会話や大学での講義など)は概ね一定しているので、ICUの過去のリスニングの問題を用いての学習も非常に有効である。

英語リーディングに関しては、典型的な読解・内容一致問題(Part I)が中心であるので、英語の受験勉強をしっかりとしている人にとっては、さほど心配はない。ただしPart IIには300-400wordsの英文の中に20もの空所があるという、やや特殊な空所補充問題があるので、Part IIに関しては演習を重ねておくとよい。Part IIの空所補充問題には文法、語法、語彙のみならず、ライティングや文脈理解の要素も入っているので、英語の総合力が問われている。

全体として、ICU入試では総合的な英語力が問われており、特に大学での学ぶ上での英語の運用力、つまりアカデミックな英語力を測る試験であると言える。また、英語の実力を測る上で問題がよく練られており、概ね受験生の英語力に比例した点数が出る。よって、英語は十分に時間をかけて勉強し、試験に臨みたい。また、ICUでは、入学後もELAや英語で開講される授業等で、常に英語力が問われている。

・対策4 人文・社会科学 過去問演習が有効

人文・社会科学は大学入試としては非常に長い論文を読んだ上で、約40問の問題に答える形式で出題されている。2015年度の問題文の長さは、約12,000文字、B5用紙で10枚程度、問題数は41問であった。試験時間は80分で、回答に要する時間を考えると、20分?30分程度で約10,000文字以上の学術的文章を読み切る能力が必要となる。高1や高2の段階では、まずは読書の習慣を付け、新聞や新書等を継続的に読むなど、日本語の論文を読む訓練を行うとよい。その際、読んだ文章の要約をノートなどにまとめてみると、短時間での内容を把握や、文章読解の訓練となる。すでに高3で試験が控えている場合、あるいは高2などでICU志望が決まっている場合などは、ICUの人文・社会科学の過去問の演習を始めた方がよい。

人文・社会科学の特徴は、ICUの教授らによって、本文が試験のために書き下ろされたものであるということである。その他の大学の入試の現代文や小論文等の資料は、ほとんどの場合、既存刊行本や新聞記事等の文章を引用したものであるが、ICUでは、入試のためだけに、教授らが試験用の文章を毎年作成している。よって、ICUの人文・社会科学はICUの先生方から、未来のICU生へのメッセージという側面も持っており、内容の充実した論文が多い。また、毎年様々な教授らが論文の執筆を担当しているので、人文・社会科学の過去の論文をたくさん読んでいると、多様な学問分野を試験対策としてカバーできると同時に、固有の出題形式にも慣れることができる(経験上10年分以上の過去問を解くと出題が一巡し、得点力が一気に上がるようだ)。

・対策5 自然科学 記述問題が登場、数学は難化傾向

リベラルアーツカレッジ、あるいは教養学部系統の大学の中で、理系の学問もできるというのは、ICUの大きな特徴である。英語のできる理系の大学生は、就職や院進学など多方面で需要がある。一方、文系のイメージの強いICUで、理系の優秀な学生をいかに確保するかというのは長年の課題であり、入試では理系の学生は若干有利と思われる傾向がある。BUCHO.NETの調査では、2015年度の社会科学選択者の倍率が約3.29倍であったのに対し、自然科学選択者は2.67倍であった(2014年度はそれぞれ2.9倍、2.4倍)。自然科学の試験は、数学、物理、生物、化学の4教科から2教科を選択する形式である。また、4教科は同一の冊子に印刷されており、当日問題を見てから、回答する2教科をその場で選択することが可能である。自然科学の問題は、標準的な問題が多く、一般的な受験勉強をしていれば対応できる問題が多い。よっていかにミスをしないかというハイスコアゲームの要素がある。なお近年では数学において他の教科より難度の高い問題が出題される傾向にある。また、昨年度から各教科2-5問程度の筆記問題が出題されるようになった。特に筆記の計算問題では、マーク方式とは違って概算が使えず、正確な計算結果が求められるため、よりスピーディーに解答する必要がある。

・その他

筆者の主催するWebサイト(BUCHO.NET)では学内取材や過去の傾向に基づいた、放送付きの総合教養対策問題を多数用意している。また、その他教科も1988年の公開以降のほぼ全てのICUの過去問の閲覧・演習が可能である。興味のある方は下記Webサイトを参照されたい。(筆者はICU OBで、入試情報サイトを運営)【https://icu.bucho.net】(「BUCHO」で検索)

PDF版はこちら

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一般選抜,オープンキャンパス

2015年度ICU(国際基督教大学)オープンキャンパスフォトレポート

恒例のICUオープンキャンパスレポート。

今年は(1)総合教養(ATLAS)、(2)ELAのモデル講義、(3)在学生のトークライブの3つは事前エントリー制で、他は予約不要という形になった。icuopencampus201500

ちなみに事前エントリー制であった上記の3つは、概ね2週間前くらいにはエントリー数が定員に達していた模様。

来年度以降の参考として、事前エントリーが必要なものに興味がある場合で、事前エントリーができなかった場合なども、キャンセル待ちで並べば概ね入れた様子だったので、とりあえずICUまで行くべき。

事前登録が必要だったものに関して、一般入試受験者は総合教養(ATLAS)の体験は行って損はない。トークライブは時間がなければいかなくてもよいので、ICU生や先生方と個別に話せるラウンジの利用の方が個人的にはオススメか。

icuopencampus201501教会前の受付。こちらでパンフレットやモデル授業のスケジュールなどがもらえる。

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この日は台風の影響が心配されたが、午後には段々と晴れてきて、段々と例年通りの賑わいに。

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バカ山付近。夏休みを利用して遠方から来ているっぽい方も多かった。

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新D館のキャンパスツアー受付。30分おきにキャンパスツアーをやっているので、目当てのモデル講義の合間に参加するとよい。?むちゃくちゃ歩くという訳では無いのだが、ICUのキャンパスは広いので、普段あまり運動していない受験生の中には翌日筋肉痛になる人もいるとか。歩きやすい服装を推奨。ちなみに(J/E)の回は英語でも説明がある回。

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同じ新D館のラウンジではICUの先生方やICU生と個別にかつ気軽に対話できるコーナー(リベラルアーツ・ラウンジ)が用意されている。先生や学生と対面で話すのは、若干緊張するかもしれないが、贅沢な内容の割には、比較的待ち時間なく利用できたりするので、このコーナーの利用は特にオススメ。特定の質問があると答えられる学生スタッフが飛んでいったり(受験科目別の質問など)、興味関心の近い専門の先生を紹介してもらえたり、なかなか柔軟に対応してもらえる様子だった。

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本館入り口付近。Welcome to ICU!

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本館ではモデル授業 が多数行われていた。写真はMCC(メディア・コミュニケーション・文化)メジャーの有元先生。学内情報によると、MCCメジャーはICUの数あるメジャーの中でも特に人気のあるメジャーで、今年先生が担当されたMCCメジャーの必修科目「カルチュラル・スタディーズ入門」は、基礎科目であるにもかかわらず、抽選制であったとか。表象という一見難しいテーマだったが、サッカーやバレーの日本代表の試合のメディアがどのように伝えているかなど、実例を交え、とても充実した講義だった。ICUのモデル講義はなかなか良い先生がそろってますな。

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こちらはICU入試の総合教養(ATLAS)の体験講義。写真は終了後に撮ったが、今回一番人気があったと思われる講義で、キャンセル待ちの長い列ができていた。 講義を踏まえた総合教養(ATLAS)対策に関しては後日詳しく書きたいと思います。

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入試説明(個別相談)の教室。受験生のみならず保護者の方も多く相談にいらっしゃっていたようだ。今は受験制度も増えていて、個別に確認したい事はいろいろと出てきそうですね。

その他本館内では留学や寮、奨学金や就職などの案内・説明がそれぞれの会場で随時行われていた。

icuopencampus201508?なおこの日は雨で比較的涼しかったが、別日程はむちゃくちゃ暑かったとのこと。ICUに限らず夏のオープンキャンパスでは水分補給など各自で熱さ対策が必須ですな。

一般選抜,学食・学生寮

このブログではICU(国際基督教大学)の寮を以前からご紹介しておりますが、以前からアナウンスされていたICUの新しい寮の工事が始まったようです。場所はICU教会に向かって左側手前、ICUのキャンパスに入ってすぐの一等地という感じでしょうか。

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(写真左側が建設予定地)

現場では寮のイメージも掲示されていました。マンションのような立派な建物ですな。

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新々2寮という割に一見すると1棟に見えますが、よーく見ると2棟の建物になっています。念のためイメージ(予想)を追加するとこんな感じになると思われます。

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(ここだけ見るとなんだかICU入試のATLASというか旧リベラルアーツ学習適性の問題のようですな。)

さて、ICU学生寮に関してICU受験生にはうれしいニュースがあります。

新々2寮が2017年に開寮が決まったことで、ICU学生寮のキャパシティが大きく増えて、現在3つある新寮(欅・銀杏・樫)は今まで原則2年で退寮だったのですが、2015年度入寮者からは、4年間在寮できるようになりました(ただし4年間同じ寮とは限らない)。

新寮は設備は新しくセキュリティ等もしっかりしているが、2年間のみ在寮可能というのがややネックであったので、4年間在寮できるようになったのはとても大きいですね。

また、2015年度から新寮の寮費が、54,000円から、49,000円に値下げされています。学内寮なので保護者も安心ですし、賃料も周辺物件より訴求性のあるものになりました。大学進学時には、特に東京以外からの進学者には東京での賃料、物件探し等が大きな負担となりますが、ICUは学生寮のキャパシティが一気に増えつつあるので、寮費がリーズナブルかつセキュリティや勉強や他の学生との交流といった住環境の面で学生寮が充実いる点を含めると、総合的な大学としての魅力が増していると思います。ICU生情報によると、現在学生寮は、入学時に希望すれば概ね入寮できるようだが、新寮の値下げや在寮期間の延長の効果もあって、現在は概ね満室とのこと。

一方、今までの寮は新寮も含め3F程度の高さの建物が標準であったのに対し、新々2寮はICU学内にしては比較的高さのある建物(イメージでは5F/7F)で、思ったよりICU教会も近い位置に建てられるので、ICU OBの視点から見ると、ICUのエントランスの印象は結構変わるだろうなという印象も受けました。敷地も既存寮と比べると必ずしも広くはないので(基本的には旧第二男子寮の跡地+α)、例えば再開発で駅前の一等地に背の高い立派なマンションができるようなイメージかもです。

いずれにせよ毎年ICU合格者にインタビューすると住居への不安は入学前、あるいは受験時の悩みの一つとして出てくるので、ICU受験生にとっては入学後の住まいのオプションがぐっと増える、良いニュースだと思います。

一般選抜,花見・桜

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2015年度ICU入試合格者の皆様のお花見のため、桜満開のICUに行ってきました(上の一部の写真は2015年度オンレク受講者、ICU入試合格者の方からご提供をいただきました)。今年のICUはちょうど入学の時期に桜が満開だったようですねぇ。今年のICUはいろんな意味で華やいでおるようでございますよ。オンレク受講者の皆様、サイト利用者の皆様、ICUご入学おめでとうございます。皆様のキャンパスライフが豊かなものとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。2016年度入試受験の皆様、来年の春に桜を咲かせましょう。などと受験業者のような事をいいつつも、よく考えたら一般入試合格は2月で真冬ですな。桜咲くというよりギリ梅のつぼみ芽吹くぐらいですわ。AO入試に至っては紅葉が綺麗だったり。個人的に受験生を応援する際は、「桜咲く」は明らかに季節感が変なので、「AO入試に受かって、君のモミジを紅葉させよう!鹿せんべいYeah!」とかでいきたいと思います。とりあえずどちらもICUで見られますので(鹿を除く)、今年度もがんばって参りましょう。

一般選抜,ICU入試統計倍率偏差値,志願者数・受験者数

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2015年度ICU入試(国際基督教大学入試)は上記のような結果となった。社会人入試を除くすべての方式において志願者数が増加した。

特にICU一般入試(A方式)の志願者数は、前年度比で20%の大幅贈となった。

背景には、ICU入試方式の変更(人文科学が必須ではなくなり、自然科学との選択制になった)によって、特に理系の受験生が受験しやすい方式となり特に理系・もしくは文転した元理系の受験生が増加したということが考えられる。また、皇族の佳子さまが学習院が中退され、ICUにAO入試で合格したことも全国的な話題となり、報道効果によって受験生が増加したという要因も考え得る。

なお、今年度からICU入試に新たに導入された英語の外部試験を利用する、一般入試B方式は、志願者数が39人に留まった。これは、IELTS 6.5以上、TOEFL iBT 79(PBT 550)以上という合格最低点が課されているため、受験者が多く集まらなかったものとも考えられる。一方当該方式の合格者は17人で、倍率が2.29倍と、一般入試A方式と比較すると、倍率が低い結果となった。A方式とB方式は併願可能であるので、意外にTOEFL550点以上のスコアを持つ受験生は少なかったという見方もできる。ただしTOEFLの受験は受験料が高く、受験の申し込みから試験結果の送付までには時間がかかることから、TOEFL550点以上の実力を持ちながらも、一般入試A方式のみで受験した学生も多くいたものと考えられる。

また、社会人入試も試験方式が変更され、一般入試B方式と同じく、英語の成績要件が加わった。社会人入試の英語成績要件は、IELTS 6.5以上、TOEFL iBT 79(PBT 550)、TOEIC 800以上と高く(*ICU関係者としては高いとまでは言えないスコアだが、一般的に当該英語成績を取れる社会人はそうはいない)、社会人入試の志願者数は4名にとどまった。また、そのような成績要件をかされながらも、合格者は2名で、倍率は2倍であるが、成績要件を考えると難度の高い入試になった。

総じて2015年度の一般入試は倍率等が高まり、統計上は昨年度入試より難化したと言える。ただし、今年度は総合教養(ATLAS)の導入や、皇族の佳子さまがAO入試で合格されたという報道効果などもあり、例年以上にいわば記念受験に近い受験生も多かったのではないかと考えられる。

<合格最低点>

ICUの公表した2015年度一般入試(A方式)合格最低点(得点調整後)は、140点(250点満点)であり、100点満点に換算すると56.0点である。当該数値は2014年度は約55.8点、2013年度は約55.8点であった。

いずれも得点調整後の数値であり、2014年度以前は4教科であったので、厳密には比較できない。しかし3教科化したことで、合格に求められる1教科あたりの得点が上昇した可能性がある。

いずれにしても、公表されている合格最低点からは、ICUは伝統的に出題が広範囲に渡り、総合力や適正を重視した試験を実施しているので、満点に近い数値が求められているわけではないことが示唆されている。

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(ICU Webサイトより)

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また、B方式、社会人でもATLASの合格最低点が公開されており、80点満点中、42点、100点満点に換算すると52.5点という計算になる。この点から、ATLASの得点ではあまり高得点が必要とされている試験ではないということが示唆されている。

ATLASは多様な分野から出題され、広く教養や適応力を問う、広大な試験範囲を持つ試験で、文系理系を問わず受験できるよう配慮されている。未知の問題も多く、出題範囲が広大であるので、満点を狙うような試験ではないことが示されている。

 

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*上記受験形態別受験者数はBUCHO.NET調べ
ICU公式の統計ではありません。

一方、BUCHO.NETの調査によると、受験科目別志願者数、合格者数は上記のようになった。

一般入試(A方式)の社会科学志願者は昨年度比で約20%増加、自然科学受験者は約27%増であった。若干ではあるが、増加率は自然科学受験者の方が高かった。

また、一般入試の合格者は、社会科学が549人、自然科学が162人であった。倍率は社会科学が3.29 倍、自然科学受験者が2.67 倍であったので、理系の受験生の方が倍率が低くなる結果となった。

転入本科(編入試験)の倍率に関して、BUCHO.NETの調査によると、人文・社会科学受験が6.5倍、自然科学受験が7倍であった。ただしICUの公式サイト、あるいはオープンキャンパス等での入試の説明では、一般入試の転入本科学生は一般の受験生(高校生など)と同一の基準で合否を判定していると述べられている。編入試験受験者の出身大学のレベルも様々であり、また、大学の授業と並行して入試の勉強を行う必要があるため、結果として一般の受験生より統計上合格率が低くなっているものと考えられる。

以上2015年入試を総括すると、文系、理系とも受験者数が増えたことで、倍率が高まった。ただし合格者も増加しており、急激に倍率が高まった訳ではない。また、科目数が減少したことにより、1教科あたりのウエイトが増え、結果的に合格に必要とされる得点が上昇した可能性も示唆されている。

一般選抜

昨年創刊39周年を迎えた、ICU(国際基督教大学)唯一の週刊学生新聞、WG(The Weekly GIANTS)2015年度版入試特別号の販売等に関するお知らせです。

毎年ICU入試前日とICU入試当日に売っている、ICU学生新聞WGのICU入試特別号で、当方BUCHOも12年連続(13年?)で記事を執筆しております。

発売場所:ICU学内、ICU教会前の旧ロータリー付近。

バスを降りてまっすぐ教会の方へ行くと新聞販売場所がございます。
(学生新聞The Weekly GIANTSの看板が出ています)

発売日時:
2015年2月6日(金)が9:00-15:00
2015年2月7日(土)が7:30-14:00
(荒天、完売等により販売時間は変更される可能性があります。今のところ在庫には余裕があります。)

販売価格:定価300円
*「BUCHO NET(ブチョウネット)を見た」もしくはオンレク生の方は「オンレク生です」と購入時に言うと100円割引き(200円)でご購入いただけます。

内容:ICU入試攻略法、入試前の心構えやICU学内案内、入学後の授業紹介など
*概して入試をリラックスして受けていただくための、緩やかな読み物が中心です。

その他:

*もちろんICU生のスタッフ(一般入試合格者、オンレク合格者等を含む)が販売に当たっておりますので、入試前の相談、雑談、質問等お気軽にどうぞ(新聞を買わなくても、雑談・相談・質問だけでも全く大丈夫です。約40年間続いているICUの学生新聞ですので、どうぞお気軽に)。

*ICU入試当日にもお買い求めいただける予定ですが、ICU入試前日の下見の際の方が、来場者が少なく、スタッフ、時間とも余裕があります。

一般選抜,ICU入試統計倍率偏差値,志願者数・受験者数

2015年1月28日、ICU(国際基督教大学)は一般入試志願状況を更新し、一般入試(A方式)は、28日現在で1,894人と、昨年度の1,576人を大きく上回ることが確実となりました。

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ICU Webサイト「入学者選抜の動向」(2015年1月28日時点)より

過去5年間のICU入試の一般入試志願者数は以下のようなグラフになります。

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ICU(国際基督教大学)一般入試志願者数(2011-2015)

昨年度から20%を越える増加ですね。1999年からこのサイトを運営しておりますが、こんなに志願者数が増えたのは初めてです。

4教科から3教科への科目数減のよる、理系受験者の増加、
新試験 総合教養(ATLAS)の導入効果などが考えられますが、
一番大きいのは佳子さまのICU合格だと思います。

前回の投稿で、眞子様の際(2010年度入試)は志願者数にはそれほど影響がなかった旨を書きました。

2009年度入試1865人→2010年度入試1752人

上記くらいの細かな変化は、併願校と試験日程が重るなど、ICU入試ではよくあることです。

眞子様の際は、AO入試に合格されてから報道があり、多くの受験生が志望校をすでに決めているとも言える時期(2009年11月5日)にニュースとなりました。恐らく秋頃報道されて、ICUに受験生が着目したとしても、そこから受験校を考えるというのは、なかなか難しいところもあったと思います。

しかし佳子様の場合は以下のように明らかに志願者が増えました。

2014年度入試1,576人→2015年度入試1,894人

佳子様のケースでは、学習院大学を中退され、ICU受験を表明されたのが夏(2014年9月11日)、ICU AO入試合格発表が秋(2014年10月30日)、さらに佳子様成人されたのが冬(2014年12月29日)と、およそ受験生が注目する全ての時期で「ICU 国際基督教大学」の大学名が全国報道されました。

特に理系の受験生がICU入試を受けやすくなった入試科数及び科目の変更に加えて、上記のような報道があったことが、ICU入試の志願者増に結びついたのではないかと考えられます。

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p.s.

佳子さま効果と書きましたが、眞子さま現役でICUに合格され、立派にICUで学業を成就されたことが、佳子さまのICU入学に繋がっているのですから、ICU OBの立場からすると、これは遅れてきて現れた眞子さま効果だと思います。

ICU総合教養対策(ATLAS),一般選抜

ICU(国際基督教大学)のフルスペック総合教養問題の音声講義2を公開させていただきます。ぜひICU入試対策の参考としてください。ICU入試総合教養(旧リベラルアーツ学習適性過去問対策を含む)レクチャーの一部です。

上記ICU入試総合教養対策音声講義の問題・解答・解説はオンラインレクチャーにてご利用いただけます。

ICU入試対策オンラインレクチャー

ICU総合教養対策(ATLAS),一般選抜

(ICU学生新聞 WG 2014年10月25日、26日発行 ICU祭速報号3-4面)

2015年度ICU一般入試は、以下のように変更される。

2014年(一般入試 /前年度)

  1. リベラルアーツ学習適性(旧)(70分80点)
  2. 人文科学(70分 80点)
  3. 「社会科学」または「自然科学」(70分80点)
  4. 英語(リスニングを含む)(約90分90点 内リーディング60分)

2015年度(一般入試A方式/今年度)

  1. 総合教養(新)(80分80点)
  2. 「人文・社会科学」または「自然科学」(80分80点)
  3. 英語(リスニングを含む)(約90分90点 内リーディング60分)

大きな変更点は以下の3点である。

  1. 人文・社会科学が統合され4教科型から3教科型に
  2. 自然科学選択者は人文科学の受験が不要になった
  3. リベラルアーツ学習適性から放送型の総合教養に変更された

筆者はICU OBで、1999年よりICUの入試情報サイト(BUCHO.NET)を運営しており、ICU対策講座も実施しているが、その経験を踏まえて、新試験の対策方法を論じていきたい。

 

<対策1> 変更点を踏まえた対策

英語(リスニングを含む)、人文・社会科学(または自然科学)の2教科で高得点を狙う

今回新たに加わった総合教養は、旧リベラルアーツ学習適性がそうであったように、問題内容が完全には公表されていない。よって、まずは確実に出題される既存科目(英語、人文・社会科学(または自然科学))の対策を重点的に行うべきである。これら既存教科に関しては、人文・社会科学が統合され、その試験時間が70分から80分に変更されたという細かな変更はあるものの、試験形式等は踏襲される予定である。また、4教科型から3教科型になったことで、1教科のあたりのウエイトは大きくなった。よって、過去問等から対策が十分に可能な既存教科(英語、人文・社会科学(または自然科学))の演習をしっかり行っておくことが、確実な得点アップに繋がる。また、4教科から3教科へと科目数が減少したことにより、英語や人文・社会科学(または自然科学)などで合格に必要なボーダーラインが上昇する可能性も否定できない。

<対策2> 英語

比重が大幅アップ、特にリスニング対策が重要

ICUは文系の難関私大(早慶上智ICU)の中では、英語の比重が比較的低い大学であった。昨年度まで、入試全体に占める英語の比重は約28%で1/4強であったが、今年度から36%で1/3強になり、大幅に英語の重要度が増している。各種ランキングが示すように、ICUは元々英語の意識が高い学生が集まりやすい大学であり、難関私大を併願する受験生の多くは英語のレベルも高い。その中で、英語のウエイトが増し、また最大の配点であるといことは、以前にも増して、英語の出来映えが合否を左右することになりそうだ。文系理系を問わず、併願校においても英語は重視され、ICU入学後も英語は必須であるので、入試対策として、まずは英語に取り組むべきである。icu-exam-graph-2014 icu-exam-graph-2015

また、ICUの英語の特色として、英語の問題の約半分がリスニングであるということが挙げられる(リスニングの配点は非公表だが、過去の合格者の成績等から、配点は約半分と推測される)。これは難関私大でも中でも珍しく、リスニングを全面的に実施しているのは、早大の国際教養学部などごく一部の学部に限定される。よって、多くの私大受験生はリスニングの対策が必ずしも万全ではない。ICUを志望する受験生は、英語リスニングの対策をしっかりやっておくことが、大きなアドバンテージとなり得る。

伝統的にICUのリスニングは、TOEFLの形式に類似しており、TOEFL教材(特にPBT/ITP形式)を使っての学習は有効である。また、ICUの過去問も出題形式や出題内容(大学生活をベースとした日常会話や大学での講義など)は概ね一定しているので、ICUの過去のリスニングの問題を用いての学習も非常に有効である。

英語リーディングに関しては、典型的な読解・内容一致問題(Part I)が中心であるので、英語の受験勉強をしっかりとしている人にとっては、さほど心配はない。ただしPart IIには300-400 wordsの英文の中に20もの空所があるという、やや特殊な空所補充問題があるので、Part IIに関しては演習を重ねておくとよい。

<対策3> 人文・社会科学

過去問演習が有効

人文・社会科学は今年度から統合されるが、問題形式等は従前の形が踏襲される予定である。大学入試としては非常に長い論文を読んだ上で、約40問の問題に答える形式で出題されてきた。2014年度の問題文の長さは、人文、社会どちらも約10,000文字、B5用紙で10枚程度であった。試験時間は70分から80分に変更され、若干のゆとりができるが、それでも回答に要する時間を考えると、15分-25分程度で約10,000文字の学術的文章を読み切る能力が必要となる。高1や高2の段階では、まずは読書の習慣を付け、新聞や新書等を継続的に読むなど、日本語の論文を読む訓練を行うとよい。その際、読んだ文章の要約をノートなどにまとめてみると、短時間での内容を把握や、文章読解の訓練となる。すでに高3で試験が控えている場合、あるいは高2などでICU志望が決まっている場合などは、ICUの人文・社会科学の過去問の演習を始めた方がよい。

人文・社会科学の特徴は、ICUの教授らによって、本文が試験のために書き下ろされたものであるということである。その他の大学の入試の現代文や小論文等の資料は、ほとんどの場合、既存刊行本や新聞記事等の文章を引用したものであるが、ICUでは、入試のためだけに、教授らが試験用の文章を毎年作成している。よって、ICUの人文・社会科学はICUの先生方から、未来のICU生へのメッセージという側面も持っており、内容の充実した論文が多い。また、毎年様々な教授らが論文の執筆を担当しているので、人文・社会科学の過去の論文をたくさん読んでいると、多様な学問分野を試験対策としてカバーできると同時に、固有の出題形式にも慣れることができる(経験上10年分以上の過去問を解くと出題が一巡し、得点力が一気に上がるようだ)。

<対策4> 自然科学

標準的な問題が多いハイスコアゲーム 自然科学選択者は有利?

2014年度入試まで自然科学選択者も、人文科学の試験が課せられていたが、2015年度入試からは自然科学のみで受験できるようになった。リベラルアーツカレッジ、あるいは教養学部系統の大学の中で、理系の学問もできるというのは、ICUの大きな特徴である。英語のできる理系の大学生は、就職や院進学など多方面で需要がある。一方、文系のイメージの強いICUで、理系の優秀な学生をいかに確保するかというのは長年の課題であり、入試では理系の学生は若干有利と思われる傾向がある。

よっていかにミスをしないかというハイスコアゲームの要素がある。また、他教科と同様に全問マーク方式である。計算問題に関しても数値記入ではなく、計算結果がいずれかの選択肢の中に書かれている。よって全部を計算しなくても、概算をして、短時間で問題を解けるようにしておくとよい。筆者が主催するBUCHO.NETの調査では、2014年度の社会科学選択者の倍率が約2.9倍であったのに対し、自然科学選択者は2.4倍であった(2013年度はそれぞれ2.9倍、2.6倍)。2014年度までの自然科学の入試は、数学、物理、生物、化学の4教科から2教科を選択する形式であり、この形式は踏襲される予定である。また例年通りであれば、4教科は同一の冊子に印刷されており、当日問題を見てから、回答する2教科をその場で選択することが可能である。自然科学の問題は、標準的な問題が多く、一般的な受験勉強をしていれば対応できる問題が多い。

<対策5> 総合教養

様々なアプローチが可能な全方位型試験

 総合教養はリベラルアーツ学習適性に代わって2015年度から導入される試験である。その形式は冒頭に15-20分ほどのミニ講義を聴き、それを元に40-45問程度の問題に答えるというものである。試験時間は80分で、問題冊子は講義の放送終了まで見ることができない。問題は4部構成で、Part Iは放送に直結した問題、Part IIは人文科学、Part IIIは社会科学、Part IVは自然科学に関連した問題がそれぞれ10問程度出題され、Part II,III, IVの問題の前には、放送と関連した各分野の短い論文が掲載される。旧リベラルアーツ学習適性と同様に、非常に出題範囲が広い。よって満点を狙うような試験ではない。また、読解・聴解の要素が強い。文系の受験生の場合は、まずは人文・社会科学の過去問をよく研究して、それらの出題をしっかりと押さえることだろう。その上で、数学や理科を、高校の授業で習った範囲だけでも復習しておくとよい。一方、理系の学生は、人文科学の試験が必須でなくなったことを含め、読解の要素がこの試験に盛り込まれているので、素早く論文に書いてある内容等を把握するために、人文科学の過去問を見ておいた方がよい。いずれにせよ、およそ全ての教科が出題範囲となり得る試験であるので、全てに対応するというより、併願校や選択科目等によってそれぞれ違ったアプローチが可能な試験と言える。まずは自分の選択している科目に関してはきちんと答えるという姿勢でよい。また、対応関係を完成させる問題など、旧リベラルアーツ学習適性の要素も含まれているので、過去の出題を研究しておくとよいだろう。

なお筆者の主催するWebサイト(BUCHO.NET)では学内取材や過去の傾向に基づいた、放送付きの総合教養対策問題を多数用意している。また、その他教科も1988年の公開以降のほぼ全てのICUの過去問の閲覧・演習が可能である。

https://icu.bucho.net

ICU学生新聞 WG 2014年10月25日、26日発行 ICU祭速報号掲載記事

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2015年度ICU新入試対策学内新聞WG記事