ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2015 けんてぃーさんの場合〜

1. お名前、プロフィール

<お名前>

けんてぃー

<プロフィール>

静岡県にある私立高校で国際バカロレア(IB)教育を受けていました。
予備校などは一切通っておらず、部活は陸上部です。
陸上では三段跳をしており、静岡県で3位、東海大会では五位の戦績を収めました。
”文武両道”をモットーに高校生活は過ごしていました。

2. 受験形態

AO入試入試

5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

国際基督教大学 (ICU) を知ったのは、私が中学三年生の頃でした。
私は小学校三年生から中学校二年生まで米国で暮らしていた経験があり、
中高一貫のIB教育を取り入れている学校に編入しましたが、ちょうどその年に
本校からICUに合格された先輩がおり、興味を持ちました。

その後大学フェアなどでICUを見かけた際には、必ずお話をきかせていただき、
高校一年生からは必ず年に一回はオープンキャンパスにいっていました。

さらには中学三年生からICU専用のフォルダーを作り、ICUの情報はすべて
こまめにファイリングをしていました。それほどICUに入学したいという
想いが強かったからです。

ICUを選んだ理由はただ一つです。日本国内の他大学とは異なる魅力を感じました。

最初は日本国内の大学に抵抗を感じており海外への進学を考えていましたが、
ICUに出会った瞬間、この大学は日本の他大学とは違うと感じました。

それは、リベラルアーツ教育であったり、授業の進め方であったりなどです。

6.ICUに期待するところ

ICUに期待するところは沢山ありますが、最終的に入学してから卒業するまでの間で、
自分がどこまで他の学生と切磋琢磨できるのか、どの程度のグローバル人材になれるのか、などがとても楽しみです。
もちろん、大学に入るまでは高校生として、親元で生活をしますが、私を含めほとんどの人が大学に入ってからは親元を離れ、自力で生活をしていかなければならなくなります。
ICUは多様な文化で育った学生同士が切磋琢磨して学ぶ環境にとてもふさわしいと考えていますが、自分の力が果たしてどこまで大学で通用するのかもとても楽しみですね。

7.受験対策

a.願書

a.願書-1<1.ICUに入学することを強く希望する理由を述べて下さい。>

ICUのリベラルアーツ教育に大きな魅力を感じているということを書きました。そこで、私が中学二年生まで米国で暮らしていたことを話し、今は国際バカロレア(IB)教育を受けているということも書きました。IB教育はICUの教育方針と同様、文理といった既成の枠組みがないので、ICUでの学びは今まで自分が米国、そしてIB教育を通じて学んできた世界基準の教育の延長だと結論付けました。
更には、オープンキャンパスに行ったことで感じたICUの雰囲気も書きました。私はオープンキャンパスでICUを訪れた際に、米国滞在中に遠足で訪れた大学の雰囲気と非常に似ていることにとても驚きました。多様な文化で育った学生が共に切磋琢磨しながら学び、交流する私の理想とする大学の環境だとも思いました。さらには、授業においても先生と学生が共に答えを導き出そうとする姿勢に他大学とは異なる魅力を感じた、ということも書きました。
最後に結論付けるために、私の考える今の日本に必要な人材の特長を挙げ、ICUで学ぶことにより自分は日本に必要不可欠な人材になる、ということを書きました。

a.願書-2<2.ICUで何を学びたいかを簡単に述べ、また将来の志望とその理由を述べてください。>

メディア・コミュニケーション・文化(MCC)にとても魅力を感じているということを書きました。最初に、MCCではメディア研究、コミュニケーション、通訳と翻訳、そして言語と社会といった4つの領域を同時に学ぶことができますが、これらを同時に学ぶことができるのはICUしかないと書きました。
更に、私はネット社会における異文化コミュニケーションに興味があるということを書き、SNS等が普及している中、ネット上では都合の良い人とだけ繋がり、都合の悪い人とは繋がらない、または繋がっていても都合が悪くなれば簡単に切れるという精神的に貧困な繋がりになっているということを書きました。
この問題点を挙げた上で、MCCを学ぶことにより、先生と学生と多くの議論を重ね、ネットの在り方について理論や方法論を学び、ネット社会における異文化コミュニケーションの問題の解決策や方向性を明確にしていきたい、と結論付けました。

a.願書-3<3.あなたを学生として受け入れることがICUにとって重要であると思われる理由を述べて下さい。>

私は常に前向きに挑戦する姿勢と、実際に物事にぶつかる気概を持っており、今までに計五回の転校を経験したことから、他者に積極的にかかわり、コミュニケーションを図ろうとする姿勢を身に付けたと書きました。更には、帰国後に編入した本校のIB教育により、今までの経験が整理されると共に、あらゆることにおいて常に前向きに挑戦する姿勢が自分の基軸として育まれた、と書きました。その証拠として、学習面だけでなく、地域のボランティア活動での役割や、陸上部での誇れる戦績にもこの姿勢が表れている、と書きました。
思考活動においては、まず自分で多角的に考える、という行為が習慣化し、一般論を理解すると共に、独創的な意見を能動的に発信する力が身に付き、授業中の積極的な発言や、グループワークの際にリーダーシップをとってアイデアをまとめる行動へと展開したことも書きました。
更には私が考えるICUの校風を書き、私がICUに入学することにより、既存を打破する発想のきっかけを作り、多方面からより一層、キャンパス内を活性化できると書きました。
将来的には六年後の東京オリンピックにおいて、特にネットの分野から、スポーツの理解者として、世界各国の人々を活気づける人材へと私はICUで必ず成長する、と書きました。

b.エッセイ

(参考) 以下の課題について十分に考えをまとめ、1500字以内でエッセイを書いてください。
【1】 あなたに深い感動を与えた人物との出会い
【2】 あなたの人生の転機となった経験
【3】 あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験

【3】
あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験
を選択しました。
私は米国に住んでいた経験があるので、本来なら米国での経験をエッセイのテーマとして書くのが一般的だと考えていますが、私はあえてそうはしませんでした。
私はIB教育を自分の物の見方や考え方に大きな影響を与えた経験としました。IB教育が何かを知らない人も多いかとは思いますが、IB教育とは簡単に言うと日本の教育ではなく、スイスに本部がある、国際教育のことです。
私は中学二年生までの五年間、米国に住んでおり、度重なる転校から、新たな環境や異なる言語でも積極的に他者とかかわる習慣が身についたが、帰国してから編入した本校でのIB教育により、今までの経験が意味を持って整理されると共に、自分を”挑戦者”として成長させてくれた、と書きました。
これを結論付けるにあたって、自分がIB教育で挑戦したことをリストアップしました。それは陸上部での活躍であったり、授業中の積極性であったり、ボランティア活動であったりなどです。
最終的に、IB教育の経験を通じ、私の物の見方や考え方が大きく進化し、私自身が高校生活で成長するための確固たる心髄になった、と結論付けました。

c. 学校内外における自己活動歴と自己分析

陸上競技部での経験をもとに、作成しました。
私は静岡県の強化選手に指定されており、高校一年生で地区予選一位、高校二年生では県内三位、東海四県では五位という戦績を残していました。私は強い物がリーダーになると思いこんでいたので、自分が次代の部長になると思いこんでいましたが、私は部長に選出されませんでした。
何故だろう、と考えたところ、リーダーとはただ単に才能や実力で決めるものではなく、環境に合わせて選出することが必要なのだ、と考えました。同時に、部長という肩書きを持つ者だけが部内のリーダーなのではなく、上級生各々がリーダーと言う役割を担っているのだということにも気が付いた、と書きました。
最終的に、私は部内で誰よりも早く周囲を把握するように努め、適切に動き、他者と気持ちを分かち合うことで、部長とは異なる立場からリーダーとしての資質を発揮することができたと、と結論付けました。

d推薦状2通
一枚は中学二年生から高校三年生までの五年間、クラスの担任を務めてくださいました、担任の先生に書いていただきました。運よく、担任は陸上部の顧問でもあったので、学校生活を含め、部活動での役割や活動に携わってくださった方に書いていただきました。
二枚目は、IBのENGLISHの外国人の先生に書いていただきました。
ICUのようなグローバル性を重視する大学では、外国人と日本人、両方から評価されている人材を欲しているのではないか、と考えたからです。

e. 成績書類

・英語

TOEFL iBT では98点。
英検は準一級で提出しました。

・評定平均

IB教育は日本の教育制度とは異なるので、評定平均というものは出ていませんでしたが、学校側がIBの成績を日本の評定平均に変換したところ、4.1を超えているということで出願の許可をいただきました。
なので、評定平均は正直言うと知りません・・・。申し訳ございません。

f.一次試験(書類審査)のポイント

まずは信頼できる先生を見つけることです。
私は、出願の三カ月前の6月から出願準備を始めました (合格者の中には出願の一週間前から始めた方もいましたが・・・)。
私は夏休み中に信頼できる添削をしてくださる先生を学校で見つけ、その先生にすべての書類の添削をお願いしました。結果的には、面接まで丁寧に指導してくださり、とても感謝しています。
出願書類のポイントとして自分が意識したことは、入学願書、エッセイ、自己分析の三つを読んで、書いてあることがすべて繋がるように意識しました。
例えば、入学願書で陸上の戦績のことを少し触れましたが、それに関しては入学願書ではあまり触れず、エッセイなどで詳細を書きました。
とにかく、すべての書類を通して、同一人物を頭の中ではっきりとイメージできるように書類作成を行っていったほうがいいと思います。
ちなみに、私は書類は最初にパソコンで作り、最後に手書きで書類に書き写した感じですが、私は手書きに二週間かけました。入学願書に関しては、エッセイなどと違いマスがないので、とても手間がかかりました。
本来ならここまで時間はかけないでいいと思うのですが、読み手が自分の手書きを読んでどのように感じるのか、なども多少意識したほうがいいのではないか、と思います。
結果的に、”第一印象”は重要です。

g.面接 (二次試験)

私は面接の集合時間の二時間前にICUに行きました。そしたら、同じく二次試験を受ける受験生の人たちが何人かおり、集合時間までカフェテリアで話をしていました。その際にみんなと仲良くなり、大学の雰囲気も再確認することができました。そこでLINEなども交換しました。
今年の二次試験で驚いたのは、自分が今まで集めていたデータとは真逆の光景があった、ということです。私の集めていたデータでは、一次を受かれば二次はほぼ落ちない、というものでしたが、実際に二次試験にいた学生の数は、80人近くでした。例年AOの合格者は50人前後なので、今年は虹で大量に落とされるのではないか、と少し焦りました。男子も例年より少し多いのかな、という印象を持ちましたね。でもやはり、女子は多かったです。

面接は四人一組になりますが、私のグループは男子三人、女子一人でした。女子の子は愛知県出身で、私は静岡県出身だったので、東海仲間だねー、みたいな話で盛り上がっていました。面接が始まるまではみんなで仲良くなることを心掛け、さらには面接においての作戦も四人でねりました。

面接の内容は教育についてでしたが、例年よりも少々難しかった印象を持ちました。というのは、テーマが例年よりも難しく感じた、ということです。ディスカッションが終わった際に一人教授たちに結論を発表するリーダーをグループ内で決めるのですが、メンバーが皆私を選出してくださり、結論を言いました。

小論文においても自分は積極性がある者だ、と書いていたので、面接においてもそれを証明することができたかな、と感じています。

面接が終わったら、お茶会があります。
お茶会は、教授たちと受験生が一つの部屋に集まり、先輩たちも来てくださり、お話をするという会です。お菓子や飲み物が用意されていました。

解散は五時半くらいでしたね。

h.二次試験のポイント

二次試験では落ちる人は少ないと言われていますが、だからと言って気を抜くのは良くないです。現に、面接が始まる前に仲良くなった友達の何人かが今年の面接で落ちています。
私は過去の面接のテーマや質問を集め、それを研究したくらいしか対策はしませんでしたが、何らかの対策をしておいたほうがいいかな、と思います。
IB教育ではディスカッションが授業の大半なので、私は有利だったのかもしれませんね。
8.最後に一言

私はBUNCHOさんのICU受験対策にとても助けられました。
過去に合格したAOの先輩方のメッセージを読むたびに、励まされました。
これを読んでいるあなたもAO入試に興味があるということでしょう。

AO入試は皆さんが思っているほど甘くありません。合格発表の日はとても怖く、緊張していたのを今でも覚えています。ですが、合格した時には涙が止まりませんでした。

私はICUの帰国生入試も受けていますが、それでは落ちています。その一週間後にAO入試の合格発表だったので、ICUにまた落とされるのではないか、と不安でしたが、ICUは私を見捨てずに、受け入れてくださりました。

私はICUに入学できることを誇りに思い、ICUに貢献できる人材に必ず成長します。
受験生の皆様も、自分に自信を持ってください。AO入試は、ある意味ナルシストではないと合格できません。自分の良いところを沢山大学側にアピールしてみてください。そうすれば、ICUは何かを感じ、必ずあなたを受け入れてくださるはずです。

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