ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,ICU総合型選抜(AO入試),ICU入試統計倍率偏差値

ICU(国際基督教大学)の2025年度総合型選抜の合格発表が11月1日に行われました。今年度の志願者数は367人で、昨年度の300人から22.3%増加。合格者数も117人(昨年度111人)と5.4%増え、競争倍率は2.7倍から3.1倍に上昇しています。

<ICU総合型選抜結果>

志願者増加の背景を探る

総合型選抜人気の高まりには、複数の要因が考えられます。

  1. 総合型選抜の募集人員の拡大
  2. オープンキャンパスを中心とした大学の効果的な広報活動
  3. 早期進路決定へのニーズ
  4. 海外大学進学の代替先としての位置づけ

特に注目すべきは、海外留学を断念せざるを得なかった層の動向です。円安や学費の高騰の影響で海外大学への進学困難となる中で、国内で英語による高等教育を提供する選択肢が限られている現状において、ICUは数少ない受け皿となっています。

代替としてのICU

ICUは英語での授業が豊富で、国際的な環境が整っていることから、海外大学進学を検討していた学生たちにとって、現実的な選択肢として浮上している面もあるでしょう。特に、総合型選抜では英語力や国際経験を評価される機会があり、海外大学進学を目指していた層のニーズと合致している面があります。

一般選抜への影響

しかし、総合型選抜の人気が必ずしも一般選抜の志願者増加につながるとは限りません。実際、昨年度は総合型選抜の志願者が増加したものの、一般選抜の志願者数は横ばいでした。これは「需要の先取り」という見方もできます。他大学を含めて総合型選抜で早期に進路を決める受験生は増加傾向にあるため、必然的に一般選抜の志願者数は影響を受けることになります。

今後の展望

2月に実施される一般選抜においては、総合型選抜ほど国際性を重視しない高校生をどれだけ引きつけられるかという点も問われるでしょう。総合型選抜の人気が高まる一方で、一般選抜がこの層のニーズに対して十分な魅力を提供できているかどうかは、今後の入試動向を左右する重要な要素です。

特に理系の受験生の確保は課題の一つです。ICUはリベラルアーツのイメージが強く、理系プログラムの認知度が十分ではない点はあるでしょう。しかし、グローバル化が進む科学技術分野において、幅広い教養と英語力を備えた理系人材への需要は確実に存在します。ICUの特徴である文理融合型の教育は、将来的には大きな強みとなる可能性を秘めています。

2月の一般選抜の結果は、総合型選抜の志願者増加が単に早期進路決定を目指す層を取り込んだのか、それともICU全体として新たな層を開拓できたのかを示す指標となりそうです。また、ICUが国内外問わず多様なバックグラウンドを持つ学生を引き続き引きつけられるかどうか、今後のICUのリベラルアーツがどのように進化するかにも注目が集まります。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,ICU祭(学園祭)

今年度ICU祭は10月13日、14日の2日間実施されました。2024年のICU祭のテーマ「燦々/SUN SUN」で、当日は天候に恵まれ、まさに太陽の輝きを感じられました。バスロータリー付近に設置されたゲートは、多くの来場者の写真スポットとして人気を集めていたようです。

入り口を入ってすぐには総合案内所があり、ここでICU祭のパンフレットが配布されています。

ICU教会までのスペースには業者によるワゴン出店が並び、プロっぽい、比較的高価な食品が提供されていました。

学生による出店はICU教会から先のバカ山周辺で展開されており、多彩なフードテントが並んでいました。

今年度は本館が改装工事中のため、各団体の企画は主にN館の教室を用いて行われました。本館の裏側からは改装工事が本格的に行われている様子もうかがえます。

N館内部の様子。アーチェリー部のアーチェリー体験は今年も大人気でした。プレミアム版も登場し、競技用の弓を試すこともできたようです。N館の吹き抜けではICUのメジャーを紹介するパネル展示が行われていました。ICU入試受験生向けの企画もN館で行われており、熱心に各メジャーの紹介を読んでいる高校生もいましたね。

写真左はN館1Fの教室です。N館は昨年度に改装が終わって、今年度は主に授業用の教室として活用されています。2025年度2月に実施されるICU入試では改装中の本館が使えないため、N館の教室が活用されることになりそうです。

写真右は300人を収容できるT館の大教室です(T-171)。ICUにはN館の大教室(N-220)が以前からありましたが、階段が急あったり、机の1列が長くて移動や着席に時間がかかるなどの問題がありました。この大教室はそれらの点も踏まえて、勾配が緩やかながらも、奥の席からでも見やすい構造になっていますね。

新D館1Fに今年度からオープンしたファミリーマート。コンパクトながら、学生向けに食品が充実しています。営業時間は8:00から20:00まで。キャンパス内での買い物がぐっと便利になり、学生生活をサポートする心強い味方となっているようです。

ICUキャンパスの魅力を象徴するバカ山付近の牧歌的な風景は、学生たちにとっても訪れる人々にとっても心和む場所です(写真左)。右の写真は今年度ICU祭のパンフレットと、グッズのICU用語辞典クリアファイルです。

今年度のICU祭は本館が使えないながらも、創意工夫のある企画が多数実施されていました。

一方で、本館が持つ収容力の重要性が再認識されたICU祭でもありました。本館改装期間中に行われる2025年度のICU入試は、N館やT館が利用されると思われますが、トイレなどのインフラ面での課題が浮上しそうです。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,オープンキャンパス,ICU祭(学園祭)

2024年度ICU祭について

2024年度ICU祭のイメージ画像。ICU祭実行委員会X(Twitter)アカウントより

2024年度のICU祭は、10月13日(日)10月14日(月)に開催されます。ICUへの進学を考えている受験生の皆さんに向けた特別なイベントが多数用意されていますので、ぜひこの機会をお見逃しなく。中でも特におすすめのイベントをご紹介します。

お早めの予約をおすすめします。人気のイベントは定員に達する可能性があります。特にELA。

アカデミック企画(受験生向け企画)

◎ELA体験授業【特におすすめ!予約を急げ!】

  • 日程: 10月13日(日)、10月14日(月)
  • 時間: 13:00-
  • 場所: 理学館E202
  • 内容: ICUの誇る英語教育プログラム「ELA」の授業を特別に体験できます。

○キャンパスツアー【おすすめ!】

  • 日程: 10月13日(日)、10月14日(月)
  • 時間: 11:00-、15:00-
  • 集合場所: 学生食堂前
  • 内容: 在校生がガイドとなり、ICUの広大なキャンパスを案内します。

受験生向けトークセッション

  • 日程: 10月13日(日)、10月14日(月)
  • 時間: 11:00-
  • 場所: 理学館E203
  • 内容: ICUでの勉強や生活について、在校生から直接話を聞くことができます。

その他の企画

<キリスト教企画>
○公開キリスト教概論【おすすめ!】

  • 日程: 10月13日(日)のみ
  • 時間: 15:00-
  • 内容: ICUで唯一の全員必修授業である「キリスト教概論」を体験できます。

新企画:ICU自然ツアー

  • 日程: 10月13日(日)、10月14日(月)
  • 時間: 11:00-、13:00-
  • 内容: 環境団体や教授がガイドとなり、普段は入れないICUの自然を紹介します。

特におすすめの「ELA体験授業」と「キャンパスツアー」は、ICUの特徴的な教育と環境を直接体験できる貴重な機会です。これらのイベントを通じて、ICUでの大学生活をより具体的にイメージすることができるでしょう。ただし、現在アナウンスされている情報ではELA体験授業は各日程で1回のみで、大ホールでの実施ではないため、予約が早期に埋まる可能性もあると思われます。早めに予約することをお勧めします。また、公開キリスト教概論は、ICUのモデル授業に相当すると思われますが、キリスト教概論はオープンキャンパスでもあまり実施されておらず、貴重な機会です。2024年10月13日、14日の2日間、ぜひ複数のイベントに参加して、ICUの魅力を存分に感じてください。受験生向け企画は予約は必須ですので、ICU祭実行委員会のSNSアカウントからQRコードを読み込み、予約フォームから早めに手続きを行ってください。

予約方法について

ICU祭は予約なしで参加できますが、受験生向け企画は事前予約が必要です。予約方法は以下の通りです:

  1. ICU祭実行委員会のX(旧Twitter)もしくはInstagramアカウントにアクセス
  2. 各アカウントに掲載されているQRコードを読み取る
  3. 表示された予約フォームから希望のイベントを予約

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,ICU総合教養対策(ATLAS),一般選抜,指定校推薦,ICU総合型選抜(AO入試),リベラルアーツ学習適性

『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』

今回は『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』という本について紹介します。この本は、ICUの教授たち(伊東先生、森島先生)が執筆した、リベラルアーツ教育の魅力と可能性を探る一冊です。ICU入試受験生が読むべきかどうかという視点からレビューしたいと思います。

伊東辰彦・森島泰則 編著、『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』、学研プラス、2019

1. リベラルアーツ主義の提唱

本書は、「リベラルアーツ主義」の提唱から始まります。著者たちは現代社会における大学教育の使命について深く考察し、幅広い知識と柔軟な思考力を養うリベラルアーツ教育の重要性を説いています。

2. 高校生からの問いかけ

特に興味深いのは、「大学教授、高校生のチャレンジを受ける」という章です。ここでは、高校生からの深遠な問いに大学教授が答えています。「過去のことはなぜ美化されてしまうのか?」「人間には生きる目的があるのか?」といった哲学的な問いかけに対する教授の回答は、リベラルアーツ的思考のプロセスを体現しており、皆さんの知的好奇心を刺激するでしょう。

3. 卒業生の声

リベラルアーツ教育の効果を知るには、卒業生たちの声を聞くのが一番です。本書では、教員として活躍する卒業生や、様々なキャリアを歩む卒業生たちの座談会が収録されています。

4 ICU入試「ATLAS」

ICUが導入した「ATLAS」(総合教養)についても解説されています。日本語のリスニング試験を行う理由や、その背景にある教育理念が説明されており、大学入試の新しい形を知ることができます。

5. グローバルな視点でのリベラルアーツ

最後の章では、世界のリベラルアーツ教育の動向が紹介されています。日本だけでなく、グローバルな視点で教育を考えることの重要性が強調されています。

ICU創立のいきさつ:印象的なエピソード

特に印象的なのは、ICU創立のいきさつに関する記述です。戦後間もない1949年、日本の民主化と平和構築に貢献する人材を育成するという理念のもと、ICUが設立されました。この創立の精神が、現在のICUのリベラルアーツ教育にも脈々と受け継がれていることがわかり、大学の理念と実践の一貫性を感じることができます。

リベラルアーツとは?

リベラルアーツの定義は一概に言い表すのが難しいのですが、ICUで実践されている教育は以下のように捉えることができるでしょう。それは、多岐にわたる学問分野を横断的に学ぶことで、幅広い知識を獲得し、同時に物事を多角的に分析する批判的思考力や、新たな発想を生み出す創造性を育むことです。つまり、特定の専門分野に特化するのではなく、人文科学、社会科学、自然科学などの様々な領域を学ぶことで、柔軟な思考力と豊かな教養を身につけ、複雑な現代社会に対応できる総合的な能力を養成することを目指しているのです。この内容はICU入試にも反映されています。

本書を読むと、ICUのリベラルアーツは、単なる知識の習得を超えて、未知の課題に立ち向かい、未来を切り拓くための学びを目指しているように思われました。

おわりに

『リベラルアーツという波動』は、大学での学びや入試について考えるきっかけを与えてくれる本です。ICUについて詳細に書かれた貴重な資料であり、ICUの教授陣が執筆しているため、通常の大学案内では触れられないような深い洞察や内部の視点が含まれています。カリキュラムの背景にある教育哲学、教室内での具体的なディスカッションの様子、さらには卒業生たちの座談会などの内容も盛り込まれています。

これからICUを目指す高校生にとっては、一読の価値がある本です。ICUに興味がある、あるいはリベラルアーツ教育について詳しく知りたいと考えている学生にとって、参考になる一冊だと思います。ただし、入試に際して読まなかったからといって不利になるようなものではありません。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,編入・転入本科,ICU合格者インタビュー

2024年度に編入でICUに合格したこくさいさん(以下Iさん)インタビュー後編

–ICU入試、編入試験の実際–
(ICU入試では編入生と一般生は区別なく同じ試験を受けるが、編入生は試験教室が違う?)

周りの机には編入生用の受験番号が貼ってあったので、編入生同士は近くで受験していたと思います。編入生専用の教室であるかどうかは分かりませんでした。一般の受験生に混じる形だったかもしれません。

(実際に編入でICU入試を受けてみた感想は?)

現役で受験したときより全体によく解けたという感じはありました。過去問演習をこなして慣れていたのが大きいと思います。知識問題などは答えられない問題もありましたが、読解は解きやすい問題が比較的多いと感じました。

–外部英語試験利用、二次試験の面接に関して–

(面接をしたのはどんな先生で、どんな質問をされた?)

生物学と経営学の先生でした。経営学の先生は私の所属していた経済学部に学問領域が近いので、学術的な踏み込んだ質問もありました。

(ICUでは現役生も編入生も同じ試験を受けるが、面接で聞かれる質問は、編入生であることが前提の質問?)

はい、編入希望であることは面接官の先生はご存じでしたね。なんでわざわざ編入するのかということは詳しく聞かれました。

(編入したい理由としてはどう答えた?)

前の大学で自分なりに色々な分野の勉強をしたり、活動をしている中で、お互いに高め合えるような環境に身を置きたいと思うようになった、という事を具体例を交えて答えました。

(本音で答えた?)

本音で答えました。自分の場合はこの学問がやりたいというのはまだはっきりとは決まっていなくて、勉強するための環境を求めてICUに入った感じです。

(面接の雰囲気は?)

前半は踏み込んだ質問などもありましたが、途中から和やかな雰囲気になって、最後は雑談のようになっていましたね。サークルの話などをいろいろ聞いて下さった事が印象に残っています。学生の素の部分を見てくれているのかもしれませんが、落とすための面接ではないのかなという印象は持ちました。

ICU入試合否参照画面(Iさんご提供) 編入生は受験番号のアルファベットが異なる

(オンライン面接だが、面接は自宅の部屋で受けた?)

はい、自分の部屋で受けました。事前に接続テストがあって、その際に音声やカメラのチェックがありました。面接時は必ずイヤホンを使うように言われたと記憶しています。

–ICU入学後の様子–

(実際にICUに入学した印象は?)

ICUは学問に対する意識が高くて、その点は前の大学とは全く違うと感じています。

前の大学の経済学部で、大学院に行く学生は少数派でした。100人いて1人か2人という感じです。効率的に単位を取って卒業すればよいと割り切っている人が多かったと思います。

ICUでは全体で20%、理系は70%の学生が大学院に進学しているそうなので、アカデミックな意識がとても高い大学だと思います。学生同士で話しをしていても、今はどんな領域に関心を持っていて、将来はどんな研究を進めていきたいとか、そういう会話が普通に出てきます。前の大学ではほとんどなかった雰囲気ではありますね。

(授業の違いは?)

ICUでは授業に出席して当然、というのは大きな違いですね(笑) 前の大学ではどれくらい休めるかということを確認してそれに合わせて出席したり自主休講したりという雰囲気があったのですが、ICUの場合は少なくともELAは全部の授業に全員が出て当然とみなされています。

また、ICUは学部の垣根が無く、どの授業も履修できるというのはよい所ですね。前の大学では経済学部にいたのですが、企業でインターンをする機会があって、経済よりは経営の方に興味が出てきました。しかし法政大の場合、経済学部と経営学部は全く別の学部でキャンパスが50kmぐらい離れているので、特に必修の多い1年生や2年生が別のキャンパスで授業を受けるのは難しいです。

ICUは学部の垣根なく授業を受けられて、入学後に興味関心を持った内容をメジャーにできるので、そこは魅力ですね。

2024年度 ICU ELA Reader(Iさんご提供)

(編入してからは3年で卒業できそう?)

自分の場合は前の大学から編入できる授業をあまり履修していなかったので、編入できる単位は最大で20単位ぐらいになりそうです。授業を多めに取っていけば3年で間に合う計算ではありますが、実際にどうなるかはまだ分からないですね。

(編入生同士はコンタクトを取っている?)

はい、編入生はICUの入学式で一番前の方に座っているのでそこでLINEを交換したり、後から紹介してもらったりして繋がりができています。編入生もいろいろな方がいるなぁという感じです。やはりオンレクを受けていた人は多いですね。

(これから編入する人にアドバイスはある?)

編入生であってもICUでは最初は授業を取り過ぎない方がよいと思いました。

ELAは基本的に対面授業で、課題が多いです。私は授業を目一杯入れてしまい、通学時間が倍になった事もあって、入学後に体調を悪くしてしまった時期がありました。オーバーワーク気味だったと思います。前の大学に1年間通って慣れていたつもりですが、それでもきつく感じました。

また、入学当初は自宅から2時間かけて通っていましたが、6月からより近いエリアに引っ越して一人暮らしを始めました。ICUは1年生の間は1限目から(8:50~)の授業が週に何回かあるのですが、家が遠いと朝の授業に出るのが大変です。また、帰りの通学時間を考えると、勉強やサークル活動などでも遅くまではいられません。時間をかけてICUに通学している学生も中にはいるので、実際に通ってみて考えるべきところだとは思いました。

後はサークルですね。編入生は体育の実技など、新入生が取る授業の一部が免除されている事が多いと思いますが、その分、積極的に知人を増やしていく必要があります。居場所を作る意味でもサークルには入った方がよいと思います。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,B方式,一般選抜,仮面浪人,編入・転入本科

今回は2024年度ICU入試でICUに編入で合格したこくさいさん(以下Iさん)にお話を伺いました。2024年度のオンラインレクチャーを受講し、外部英語試験利用を編入で合格されました。

注:*外部英語試験利用は、3教科型と併願する学生が多く、併願で合格が確定している受験生が二次面接を辞退するため、最終合格者が少ない。記事の最後に説明図あり

(高校はMARCH附属出身?)

はい、法政大学の付属高校に通っていました。法政の付属校の中では新しい学校で、全体の8割ぐらいの学生が法政大学に進学しています。

(現役の時も一般選抜でICUを受験しているが、法政大学には一般選抜で進学?)

いえ、推薦で進学しました。私の出身高校の場合は、法政大学への推薦資格を保持したまま、他大学を受験することが認められていました。

(法政大学に進学後、サークル活動を複数やっていた?)

はい、9月ぐらいまではサークル活動を普通にやっていました。映像制作や音楽サークルを掛け持ちしていました。

(授業やサークルに加えてICU受験を両立させるのは大変だったのでは?)

私のいた学部では、英語で一定以上のスコアを持っていると、英語の授業が免除になる上に、単位ももらえるという仕組みがあったので、他の学生よりは授業時間が少なかったです。

進級するためだけならあまり授業を多く取らなくてもよかったので、履修には余裕がありました。仮面浪人をする上ではありがたかったですね。

(仮面浪人では何の勉強から始めた?)

まずは英語外部試験のスコアを確保しようと思って、TOEFL iBTの勉強から始めました。英検は持っていましたがICUの英語外部試験では使えないというのもありました。

(英検との違いは?)

英検はやはり語彙ですね。TOEFLはアカデミックな英語にどう対応するかだと思いました。英検は語彙が特殊とも言われますが、語彙力さえあればある程度得点できる試験ではあるので、今思うとTOEFLでスコアが出せたのもその時の貯金が大きかったと思います。

(TOEFL iBTは何点で提出した?)

89で提出しました。2回目で出たスコアです。初めてTOEFL受けた時のスコアは73でした。

*IさんのTOEFL iBTのスコア

(TOEFLはICU対策として役立った?)

TOEFLはやってよかったと思います。ICU入試の英語の形式に似ているという点で一般選抜でもオススメですね。大学生になると模試を受けて成績を確認するということは基本的にはないので、英語のスコアが出ることは自信にも繋がりました。

(総合教養ATLASなど対策は?)

ICUの入試科目の対策は基本的にオンレクでやっていました。

ATLASに関してはICU以外には同じ問題がないので、オンレクで過去問をやるのが一番だと思います。

特にメモを取る練習はやっておいてよかったですね。今年は講義の細かい箇所まで問題で問われていましたので。

(ATLASは講義形式であるが、前の大学で受けた講義がICUの入試で役立った所はある?)

ICUの入試とは講義の内容が全然違うので、直接は役立ってはいないです。経済学部の授業は1年から専門的でしたし、教養が広く問われるICUの入試科目とは方向性が違うと感じました。これは学部にもよると思います。

(周りに仮面浪人や受験志望の人はいた?)

滑り止めで入学したという学生は結構いますので、仮面浪人もそれなりにいたのではないかなと思います。しかし仮面浪人をしている事は周りには言わないものなので、実際にどれくらいいたかということまでは分からないですね。

(TOEFLのテキストで役立ったものはある?)

Z会のTOEFL iBT TESTリーディングのエッセンスとリスニングのエッセンスはオススメです。収録されている問題量が多いので、1冊買って演習をたくさんやりたいと思っていた自分には合っていました。

(参考)

外部英語試験利用は3教科型と併願する人が多く、3教科型に合格した受験生は外部英語試験利用の1次にも合格しているパターンが多い。このため、外部英語試験利用は二次面接辞退者が多く、最終合格者が少ない。

併願合格者が外部英語試験利用の二次面接を辞退するパターン

ICU Cherry Blossom奨学金,ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜

<後半>

引き続きCherry Blossom奨学生のカンサイジン(K)さんにお話を伺います。

—一般選抜英語外部試験利用について—

(一般選抜の英語外部試験利用で課される総合教養(ATLAS)の対策は?)

基本的にはオンレクで演習をやっていました。過去問をやっていると時間が足りなくなる年度もあったので、オンレクで事前演習できた点はとても有利だったと思います。時間配分はとても大事ですね。

(口頭試問用の対策として想定問答は作成した?)

志望理由などは説明できるようにしていましたが、この質問がきたらこう答えるみたいな事を細かく用意するような事はしませんでした。実際に面接で出たのも予想のできないような質問が多かったですね。

(英語外部試験利用は面接重視?)

必ずしもそうだとは感じませんでした。その場で出た先生方からの質問の中には、答えがすぐには思い浮かばないようなものもあって、でもとりあえずその場で言えることはちゃんと言おう、という感じでした。たぶん総合型選抜に比べるとそこまで面接を突き詰めてやる感じではないのかなと思いました。

(二次試験のオンライン個人面接はどこで受験した?)

自宅の自分の部屋で受験しました。背景に何もない場所を選びました。

試験の何日か前に、Zoomで接続チェックをする事になっているので、カメラやマイクなどはその時に確認できます。

(受験生と試験官の比率は?)

1:2でした。

(一般選抜の外部英語試験利用で合格できた勝因は?)

特にはっきりしたものは無いと思うのですが、総合型選抜を受験していたので、志望理由などはきちんと書けたと思います。

また、総合教養(ATLAS)は必須ですが、オンレクで事前演習できたのと、高校の授業は理系を含めきちんと聞いていたことは役立ったと思います。

後は英語のスコアですね。元々は総合型選抜を受験するために取ったものですが、一般選抜の外部英語試験利用で使う事ができたので、英語のスコアは取っておいてよかったです。

(提出した英語の外部試験のスコアは?)

IELTS 6.5を提出しました。

—合格後の手続きなど—

(一般選抜の外部英語試験利用で合格後、Cherry Blossom奨学金に関する手続きは?)

入学手続きの際にCherry Blossom奨学金の誓約書にサインをして提出しました。それ以外は特にありませんでした。

(受験生にアドバイスをお願いします!)

私は関西からだったのでICUを見学する機会は限られていましたが、平日のキャンパス個別見学(Campus Visit on Week Days)に参加して、ICUの様子がよく分かったのはよかったです。ICU生の方にとても丁寧に学内を案内をしてもらいました。

また、Cherry Blossom奨学金に関しては、Peace Bell奨学金に課せられているような式や報告会などは無く、採用されると授業料が2/3免除されるとてもありがたい奨学金なので、対象となっている地域の方は募集要項を確認してみて下さい!

桜の咲くICU学内の様子 Kさんご提供

<参考>

ICUの新入生向けの奨学金。Cherry Blossom奨学金では入学金と1,2学期の授業料が免除される。

ICU入学生向けの奨学金の例。ICU Webサイトより

ICU Cherry Blossom奨学金,ICU奨学金,ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜

今回は第1期のICU Cherry Blossom奨学金に採用され、オンラインレクチャーを利用してICUに合格したカンサイジンさん(以下Kさん)にお話を伺いました。

Cherry Blossom奨学金は2024年度から始まった新しい奨学金で、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)以外の高校出身の学生を対象としています。給付対象は20名で、採用されると入学金全額と、授業料の2/3が免除されます。つまり1/3の授業料でICUに通うことができます。また、予約型の奨学金であるため、入試を受験する前に結果が分かります。

ICU Cherry Blossom奨学金採用候補者内定通知(Kさんご提供)

(Cherry Blossom奨学金に応募したきっかけを教えてください)

はい、総合型選抜に応募するためにこまめにWebサイトをチェックしていたので、Cherry Blossom奨学金の募集が始まるということは高3の春の段階で確認していました。

それから高3の6月に募集要項が公表されて、申請開始から締め切りまでの期間が短かったため、すぐに手続きを始めました。

(Cherry Blossom奨学金の応募方法は?)

応募には「収入を証明する書類」と「調査書」が必要です。収入を証明する書類は取得を親に頼んで役所で取ってきてもらいました。調査書は高校で発行してもらう手続きをしました。これらの書類はレターパックで指定された宛先に送ります。

奨学金の応募はガクシー(https://gaxi.jp/)というサイトで行います。ガクシーの所定の申請フォームに入力して、レターパックの番号を画像をアップロードするなど、指示された手順を経て応募しました。

(志望理由などは記入しましたか?)

いえ、志望理由の記入は無かったです。調査書だけで決まるんだなと思いました笑

(調査書の評定平均はいくつでしたか?)

調査書は高3の6月に発行してもらう必要があったので、自分の高校の場合は2年までの成績で提出しました。評定平均は4.8でした。

(結果はいつ頃、どのような形で分かりましたか?)

結果は8月に分かりました。ガクシーのサイトにログインして、採用された事を確認しました。奨学金の採用通知書が表示されて、予約採用番号が書かれていました。

(予約採用番号とは?)

Cherry Blossom奨学金は予約型の奨学金なので、先に奨学金への内定が決まってから入試を受ける形です。そのため、ICUの入試を受ける際には、Cherry Blossom奨学金の予約番号を入力します。

(応募手続きを経て、Cherry Blossom奨学金の採用候補者に内定した感想は?)

手続き自体は事務的な作業なので、大変ではありませんでした。特に小論文を書くなどはなく、調査書などの書類をそろえて応募するだけなので、対象となる人は応募すべきだと思いました。

私は関西出身なので、東京に出て生活すると費用がかかりますし、奨学金への内定はとてもありがたいと思いました。もちろんその段階ではまだICUに受かった訳ではないので、入試を頑張ってICUに入学しようという気持ちになりました。

また、第1期の募集ということもあったと思うのですが、募集開始から締め切りまでがとても短かったです。こまめに情報収集しておくことは大事だと思いました。

(後半に続きます)

*参考:
今年度の場合は入学金30万円と授業料97万4千円が免除されるので、4年間合計で419万6千円に相当する。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,ICU総合教養対策(ATLAS),一般選抜

今回は2025年度から実施形式の変わる総合教養(ATLAS)についてお伝えします。

総合教養(ATLAS)とは?

総合教養(ATLAS アトラス)はICU国際基督教大学の一般選抜の試験科目の一つです。一般選抜は文系、理系、英語外部試験利用型など4つの形式がありますが、いずれの形式でも総合教養(ATLAS)は必須です。

2025年度からの変更点は?

ICU国際基督教大学配付資料『教養学部入学選抜「一般選抜」の変更について』より

2025年度の変更点、および判明している注目ポイントは以下の通りです。アンダーライン黄色を付けた箇所はICUの公表する資料には書かれていないものですが、取材等で明らかになった内容です。

・従来は冒頭に放送が流されていたが、2025年度からは開始10分後に約15分の放送が流れる

・試験開始10分間は資料を読む時間として確保されている。この時間は冊子1(資料+メモ冊子)を読む。

・放送時間中(15分)は冊子1を見ながらメモ等をする

設問への回答は放送終了後のみ可能。冊子2(問題冊子)には封がされており、放送終了後に封を開くことができる

・45分間で冊子2の問題に答える。

・問題は40問程度(変わらず)、試験時間は70分(10分短縮)

従来は4パートに分かれていたが、2025年度からはパート分けがなくなる

ATLASの冊子構成と時間のイメージ図

2025年度以降の対策として、2024年度以前の過去問を解く場合の手順

2025年度以降の総合教養の変更点を踏まえて、2024年度以前の総合教養の過去問を解く際は次の手順で解くとよいでしょう。

(1)問題冊子の資料部分だけを10分間読む。この際、設問部分(問1-40)は見ないようにする。

(2)放送講義(約15分)を聴きながら、メモ冊子にメモを取る。問題冊子の資料(論文)部分は見てもよいが、設問部分(問1-40)はまだ見ないようにする(*2025年度以降の試験でも放送を聴きながら問題を解くことはできないので注意)。

(3)放送終了後、45分間で設問を解く。

ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,オープンキャンパス

今回はICU国際基督教大学で2024年3月20日に行われた、2024年春のオープンキャンパスのフォトレポートをお届けします。

会場入り口付近の様子。全体に夏のオープンキャンパスよりは空いていて、ゆっくりと見学できる雰囲気でした。

まずは学食に行きます。オープンキャンパスの日は均一料金でどのメニューも500円で提供されていました。メニューを番号で選び、隣にある券売機の番号を押して、Suica(交通系カード)で支払うと簡単です。お昼前の時間に行きましたが比較的空いていて快適でした。

入試関連の説明会はD館東棟(旧D館)のオーディトリアムで実施され、「ICU一般選抜説明」では2025年度入試の変更点や、入試の狙いなどを担当教授が詳しく説明されていました。2025年度の入試の変更点に関しては今回確認できたこともあったので、次回のブログ記事でご紹介します。

写真左は改装中の本館です。すでに工事期間に入っていて立ち入り禁止になっていました。写真右はT館エントランス付近。モデル授業や大学紹介など主要なイベントはT館をメインに行われていました。恐らく2025年度入試でも本館が使えないはずなので、今回のようにいくつかの建物に分かれて実施する形になりそうですね。

T館内部の様子。事前予約制のモデル授業が主に行われていました。一部の席に余裕のあったモデル授業では当日参加も可能だったようで、実際にスタッフの方が呼び込みを行っていました。写真右はT館売店で限定販売されていたICU大学ロゴ入りトレーナー、1枚4000円。元は学生有志の方がデザイン・企画されたものだそうで、今後は大学側のオフィシャルグッズとしてこのデザインが引き継がれるとのことでした。今回のトレーナーは限定販売のようでしたが、今後はこのデザインのものがICUオフィシャルグッズとして購入できるようになるかもという事のようですね。

こちらは来場するともらえるパンフレットなどのセットです。

2025年度春のオープンキャンパスを振り返ると、ICU本館が使えないことで、大学の複数の建物を幅広く使った運営がなされていた事が特徴的だったと思います。

各種イベントに参加していくとICUの各施設が見学できる形になっていたので、学生にとってはICUの雰囲気をよりよく理解できる機会になっていたと思います。一方で、イベントの選択のしかたによっては、広いICUのキャンパスを短時間で移動しなければ次のイベントに間に合わないという状況もあったかもしれません。

ICU学内の全部の会場を移動するのは無理なので、学生はモデル授業に参加し、保護者は各種説明会に出席するなど、役割分担している親子連れの方も多かったようですね。モデル授業への参加は学生に限定されているので、効率的な方法だと思いました。

2025年度入試の変更点は、入試説明会の内容と合わせて次回以降の投稿でご紹介します。