ICU入試対策ブログ 国際基督教大学入試最新情報,一般選抜,ICU総合型選抜(AO入試),ICU入試統計倍率偏差値

ICU(国際基督教大学)の2025年度総合型選抜の合格発表が11月1日に行われました。今年度の志願者数は367人で、昨年度の300人から22.3%増加。合格者数も117人(昨年度111人)と5.4%増え、競争倍率は2.7倍から3.1倍に上昇しています。

<ICU総合型選抜結果>

志願者増加の背景を探る

総合型選抜人気の高まりには、複数の要因が考えられます。

  1. 総合型選抜の募集人員の拡大
  2. オープンキャンパスを中心とした大学の効果的な広報活動
  3. 早期進路決定へのニーズ
  4. 海外大学進学の代替先としての位置づけ

特に注目すべきは、海外留学を断念せざるを得なかった層の動向です。円安や学費の高騰の影響で海外大学への進学困難となる中で、国内で英語による高等教育を提供する選択肢が限られている現状において、ICUは数少ない受け皿となっています。

代替としてのICU

ICUは英語での授業が豊富で、国際的な環境が整っていることから、海外大学進学を検討していた学生たちにとって、現実的な選択肢として浮上している面もあるでしょう。特に、総合型選抜では英語力や国際経験を評価される機会があり、海外大学進学を目指していた層のニーズと合致している面があります。

一般選抜への影響

しかし、総合型選抜の人気が必ずしも一般選抜の志願者増加につながるとは限りません。実際、昨年度は総合型選抜の志願者が増加したものの、一般選抜の志願者数は横ばいでした。これは「需要の先取り」という見方もできます。他大学を含めて総合型選抜で早期に進路を決める受験生は増加傾向にあるため、必然的に一般選抜の志願者数は影響を受けることになります。

今後の展望

2月に実施される一般選抜においては、総合型選抜ほど国際性を重視しない高校生をどれだけ引きつけられるかという点も問われるでしょう。総合型選抜の人気が高まる一方で、一般選抜がこの層のニーズに対して十分な魅力を提供できているかどうかは、今後の入試動向を左右する重要な要素です。

特に理系の受験生の確保は課題の一つです。ICUはリベラルアーツのイメージが強く、理系プログラムの認知度が十分ではない点はあるでしょう。しかし、グローバル化が進む科学技術分野において、幅広い教養と英語力を備えた理系人材への需要は確実に存在します。ICUの特徴である文理融合型の教育は、将来的には大きな強みとなる可能性を秘めています。

2月の一般選抜の結果は、総合型選抜の志願者増加が単に早期進路決定を目指す層を取り込んだのか、それともICU全体として新たな層を開拓できたのかを示す指標となりそうです。また、ICUが国内外問わず多様なバックグラウンドを持つ学生を引き続き引きつけられるかどうか、今後のICUのリベラルアーツがどのように進化するかにも注目が集まります。

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『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』

今回は『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』という本について紹介します。この本は、ICUの教授たち(伊東先生、森島先生)が執筆した、リベラルアーツ教育の魅力と可能性を探る一冊です。ICU入試受験生が読むべきかどうかという視点からレビューしたいと思います。

伊東辰彦・森島泰則 編著、『リベラルアーツという波動: 答えのない世界に立ち向かう 国際基督教大学の挑戦』、学研プラス、2019

1. リベラルアーツ主義の提唱

本書は、「リベラルアーツ主義」の提唱から始まります。著者たちは現代社会における大学教育の使命について深く考察し、幅広い知識と柔軟な思考力を養うリベラルアーツ教育の重要性を説いています。

2. 高校生からの問いかけ

特に興味深いのは、「大学教授、高校生のチャレンジを受ける」という章です。ここでは、高校生からの深遠な問いに大学教授が答えています。「過去のことはなぜ美化されてしまうのか?」「人間には生きる目的があるのか?」といった哲学的な問いかけに対する教授の回答は、リベラルアーツ的思考のプロセスを体現しており、皆さんの知的好奇心を刺激するでしょう。

3. 卒業生の声

リベラルアーツ教育の効果を知るには、卒業生たちの声を聞くのが一番です。本書では、教員として活躍する卒業生や、様々なキャリアを歩む卒業生たちの座談会が収録されています。

4 ICU入試「ATLAS」

ICUが導入した「ATLAS」(総合教養)についても解説されています。日本語のリスニング試験を行う理由や、その背景にある教育理念が説明されており、大学入試の新しい形を知ることができます。

5. グローバルな視点でのリベラルアーツ

最後の章では、世界のリベラルアーツ教育の動向が紹介されています。日本だけでなく、グローバルな視点で教育を考えることの重要性が強調されています。

ICU創立のいきさつ:印象的なエピソード

特に印象的なのは、ICU創立のいきさつに関する記述です。戦後間もない1949年、日本の民主化と平和構築に貢献する人材を育成するという理念のもと、ICUが設立されました。この創立の精神が、現在のICUのリベラルアーツ教育にも脈々と受け継がれていることがわかり、大学の理念と実践の一貫性を感じることができます。

リベラルアーツとは?

リベラルアーツの定義は一概に言い表すのが難しいのですが、ICUで実践されている教育は以下のように捉えることができるでしょう。それは、多岐にわたる学問分野を横断的に学ぶことで、幅広い知識を獲得し、同時に物事を多角的に分析する批判的思考力や、新たな発想を生み出す創造性を育むことです。つまり、特定の専門分野に特化するのではなく、人文科学、社会科学、自然科学などの様々な領域を学ぶことで、柔軟な思考力と豊かな教養を身につけ、複雑な現代社会に対応できる総合的な能力を養成することを目指しているのです。この内容はICU入試にも反映されています。

本書を読むと、ICUのリベラルアーツは、単なる知識の習得を超えて、未知の課題に立ち向かい、未来を切り拓くための学びを目指しているように思われました。

おわりに

『リベラルアーツという波動』は、大学での学びや入試について考えるきっかけを与えてくれる本です。ICUについて詳細に書かれた貴重な資料であり、ICUの教授陣が執筆しているため、通常の大学案内では触れられないような深い洞察や内部の視点が含まれています。カリキュラムの背景にある教育哲学、教室内での具体的なディスカッションの様子、さらには卒業生たちの座談会などの内容も盛り込まれています。

これからICUを目指す高校生にとっては、一読の価値がある本です。ICUに興味がある、あるいはリベラルアーツ教育について詳しく知りたいと考えている学生にとって、参考になる一冊だと思います。ただし、入試に際して読まなかったからといって不利になるようなものではありません。

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ICU(国際基督教大学)の入試関連の公式サイトが更新され、2025年度総合型選抜の要項が公開されています。

スケジュール

スケジュールなどは昨年から大きな変化はありません。夏休み明けに出願で、10月に1次合格発表と二次面接、11月1日に合格発表です。

2025年度ICU総合型選抜スケジュール:英語外部試験利用の場合
Web出願期間:2024年9月2日(月)10:00 ~ 9月10日(火)23:59(日本時間)
出願書類提出期限:2024年9月11日(水)当日消印有効
第一次選考(書類選考)結果通知:2024年10月11日(金)
第二次選考(オンライン個人面接):2024年10月19日(土)
合格発表:2024年11月1日(金)【入学手続締切:2024年11月11日(月)】

必要書類

ICUの総合型選抜で応募者が作成し、選考の重要な要素となるのが以下の2つの書類で、文字数等は例年通りです。

1.小論文(1500文字)
2.学校内外における自己活動歴と自己分析(800文字)

また、要項を確認して、以下の書類などをそろえる必要があります(外部英語試験利用の場合、詳しくは入試要項を参照)

入学願書、推薦状2通、高等学校調査書、英語の能力を証明する書類、その他要項が定めるもの

小論文の課題が一部変更される

総合型選抜の英語外部試験利用では小論文のトピック(3)が探求型学習に関する内容に変更されています。

ちなみに2023年度以前のICUの小論文は応募者の経験を問う出題でした。2024年度から応募者の見解を強調した内容となり、2025年度はさらにそこに探求型学習が加わった形です。

<2025年度>
以下からトピックを 1 つ選び、1,500 字以内の小論文を書いてください。
小論文の冒頭にはタイトルを付け、自分自身の見解と具体的な事例を含めてください。
(1)社会的または国際的に関心が高まっている時事問題
(2)あなたが感銘を受けた芸術作品(絵画、文学、音楽など)、歴史的エピソード、科学的業績など
(3)古典探究、日本史探究、世界史探究、理数探究基礎、あるいは総合的な探究の時間などの探究型
学習で取り組んだ課題とその成果の要約

<2024年度(参考)> 
以下からトピックを1 つ選び、1,500 字以内の小論文を書いてください。
小論文の冒頭にはタイトルを付け、自分自身の見解と具体的な事例を含めてください。
(1)社会的または国際的に関心が高まっている時事問題
(2)あなたが感銘を受けた芸術作品(絵画、文学、音楽など)、歴史的エピソード、科学的業績など
(3)あなたがこれまでに直面し、克服した困難な課題
<2023年度まで(参考)>
以下の課題について1,500 字以内で書いてください。
課題:初対面の人(複数)に、自分の特長を深く、かつ正確に知ってもらおうとする時、あなたは自分の経験を、どのように伝えますか。以下からテーマを一つ選んで書いてください。選んだテーマにチェック
をしてください。
(1)あなたに深い感動を与えた人物との出会い
(2)あなたの人生の転機となった経験
(3)あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験
「経験」は、体験、人との対話、芸術との出会い、その他広く考えて構いません。

2025年度ICU総合型選抜 小論文より

トピックの方向性の変化

2023年度から2025年度までの小論文のトピックの変化をみると、以前は応募者の経験を問う「エッセイ」の要素が強かったのですが、現在は応募者の見解を問う「小論文」へとシフトしているように見えます。

トピックを変更した事で、いわば一般的な「小論文」の内容に近づけて入学試験としての整合性を図り、さらに最新のカリキュラムにも対応しているように見えます。

その上で、実際的な目的として、トピックを書きやすくして応募者を増やすという狙いがありそうです。

2023年度までのICUの総合型選抜の小論文は、高校時代に顕著な経験・活動をしてきた学生であれば充実した内容が書けるが、そうでない人は書く事がほとんどないという「経験」を重視したものでした。現在のICUの総合型選抜の小論文は、とりあえず「見解」を書かせる事で、提出書類は書くだけなら誰でも書けるものにして、より多くの受験生を確保したいという意図もあるのかもしれません。

2025年度入試からICU総合型選抜の募集人員が増員されているので、大学としては一人でも多くの受験生を確保する事が重要であることは確かでしょう。

「探求型学習」が加わった理由は?

日本の高校では「総合的な探究の時間」は2023年度から必修となり、2025年度の大学入試を受ける現高3生は1年生の時から探求型学習に取り組んでいます。そして2025年度のICU総合型選抜から小論文で選択可能なトピックに「探求型学習」が含まれるようになりました。この変化は2025年度の文科省の「大学入学者選抜実施要項」の変更点に対応するためのものと考えられます。

文部科学省 令和7年度大学入学者選抜実施要項について(通知)第6-5より

また、ICUはアカデミックな意識が高い大学ですので、高校での研究成果という視点からも学生を評価したいという意図もありそうです。実際にIB認定校対象の総合型選抜では、以前から課題論文(Extended Essay、卒業論文に近い形式で独自に行う課題研究)の内容と成果の要約を提出させていました。

同時に、すでに述べたように、小論文のトピックを書きやすくして、より多くの高校生に総合型選抜を受験をして欲しいという意図があるのかもしれません。「探求型学習」は「必修」であるのですから、日本の高校生なら全員が経験しています。そのような意味では誰でも書けるトピックと言えます。

一方で、この「探求型学習」のトピックを選択した場合に、応募者は、全員が経験している必修の授業に事に関して書く事になるので、よほど充実した内容でなければ、平凡な内容になってしまうかもしれません。

「学校内外における自己活動歴と自己分析」は変化なし

「学校内外における自己活動歴と自己分析(800字)」は従来と変わらず提出が求められています。他大学の総合型選抜で提出が求められている「活動報告書」に相当するものです。

2025年度ICU総合型選抜 学校内外における自己活動歴と自己分析より

他大学の総合型選抜では、指定された項目の枠の中に入賞歴などを記載するケースが多いのですが、ICUの総合型選抜の場合は、全て文章で記載する必要があります。実際には800字以内で全ての活動実績を述べることは困難なので、多くの受験生は小論文の中でも活動実績を書いていく事になります。

入試要項

入試要項は下記URLから確認できますので、総合型選抜を受験する予定の方は早めにチェックしておきましょう。

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/exam/special/

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ICU入試2024年度合格体験記は下記URLで公開されています。総合型選抜に引き続き、2024年2月には一般選抜も行われますが、これから受ける方にも参考になる内容です。ぜひ合格に向けた勉強のモチベーションにしてください!

https://icu.bucho.net/icu_exp/

また、引き続き合格体験記を募集中です。投稿者の皆様にはギフト券やICU入学に役立つWeb小冊子をプレゼント中です。

https://icu.bucho.net/forms/

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11月1日に2024年度ICU国際基督教大学の総合型選抜(AO入試)の合格発表が行われました。

<2024-2022年度の総合型選抜の結果>

2024年度のICU総合型選抜の受験者数は、前年から1.46倍増えて、300人でした。

また、合格者数は111人でした。総合型選抜の合格者は去年はじめて100人のラインを超えたのですが、今年も超えたため、2年連続で100人以上が合格する結果になりました。来年度以降も100人以上の合格が定着する方向になっているように思われます。ただし、受験者数の増加に比べると合格者数はあまり増えておらず、結果的に倍率は去年から上がっています。

受験者数が増えた背景には、2024年度入学から拡充された奨学金や、T館の完成によって新しい大学施設の魅力がアピールできたという点があげられると思われます。

その上で、コロナ禍が収束に向かい、大学生がキャンパスに回帰する中で、コロナ禍に制限されないキャンパスツアー等で大学の魅力が広く発信できるようになった点も受験者の増加につながったのかもしれません。

2024年1月には一般選抜の志願受付が開始されますが、一般選抜の受験者数がどうなるかも注目されます。

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ICU国際基督教大学の入試関連の公式Webサイトにおいて、2024年度総合型選抜(AO)入試の入試要項が公表され、2024年度総合型選抜の詳細が判明しました。

日程や内容は概ね前年度の入試と概ね同じですが、外部英語試験利用型の小論文の課題が変更されています。以下の記事においてはICU総合型選抜入試対策として小論文のトピックの変更内容を中心にお伝えします。

ICU総合型選抜の小論文の課題トピックが刷新される

2024年度の小論文(外部英語試験利用)では、以下のように課題のトピックが刷新されています。

<2024年度> 
以下からトピックを1 つ選び、1,500 字以内の小論文を書いてください。
小論文の冒頭にはタイトルを付け、自分自身の見解と具体的な事例を含めてください。
(1)社会的または国際的に関心が高まっている時事問題
(2)あなたが感銘を受けた芸術作品(絵画、文学、音楽など)、歴史的エピソード、科学的業績など
(3)あなたがこれまでに直面し、克服した困難な課題

<2023年度まで(参考)>
以下の課題について1,500 字以内で書いてください。
課題:初対面の人(複数)に、自分の特長を深く、かつ正確に知ってもらおうとする時、あなたは自分の経験を、どのように伝えますか。以下からテーマを一つ選んで書いてください。選んだテーマにチェック
をしてください。
(1)あなたに深い感動を与えた人物との出会い
(2)あなたの人生の転機となった経験
(3)あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験
「経験」は、体験、人との対話、芸術との出会い、その他広く考えて構いません。

(2024年度 小論文の課題)
(2023年度 小論文の課題)

エッセイから小論文へ

2023年度までの1500文字以内の小論文は「応募者自身の経験」をどのように第三者に伝えるかという課題でした。

2024年度以降の課題では1500文字以内という分量は変わっていませんが、「(1)時事問題」や「(2)感銘を受けた芸術作品、歴史的エピソード、科学的業績」というトピックが加わっているのが特徴です。応募者自身ではなく、諸問題や作品等をテーマにして、自分の見解を書く、新しい課題内容が加えられたと言えます。

その一方で、「(3)あなたがこれまでに直面し、克服した困難な課題」は引き続き「応募者自身の経験」に関連した、従来の内容に近いトピックと言えます。

従来は応募者自身の経験を語る「エッセイ」の要素が強かったのですが、2024年度からはより「小論文」のような書き方も可能になったと言えるでしょう。

本人の経験に限定されないトピックが用意された事で、自分自身の経験をテーマとした文章を書くことが難しいと感じていた一部の受験生にとっては、小論文を書くハードルが下がったと言えます。ICUは2025年度からは総合型選抜の募集人員を増やすことを公表していますので、従来より小論文のトピックの幅を広げることで、より多くの受験生に応募してほしいという狙いもあるのかもしれません。

ただし、後述するように、総合型選抜ではもう1つの提出書類である「自己活動歴と自己分析」を800字以内で書くことが引き続き求められていますので、実績として書くに値する活動を全くしていない学生をICUの総合型選抜が歓迎しているのかというと、必ずしもそうではでしょう。

加えて、従来のトピックでは「小論文」と「自己活動歴と自己分析」はどちらも本人の経験を書くものであったことから、内容が重複している部分がありました。「小論文」と「自己活動歴と自己分析」の内容の重複を解消して、それぞれを別の提出課題として評価したいという狙いがあるのかもしれません。

小論文のタイトルも付けさせる

今回の変更で応募者は小論文のタイトルも自分で付けることになります。従来の小論文は「応募者自身の経験」という内容で決まっていたのですが、2024年度以降は小論文の自由度が高くなり、内容を明確にするためにタイトルも各自で考えるように変更したものと考えられます。

自由度が高まった分、従来と比較すると小論文の方向性まで自分で決めないと行けないので、受験生には早めの対策と準備が求められるでしょう。

「自己活動歴と自己分析」は引き続き同じ内容

ICUの総合型選抜(外部英語試験利用)では1500文字の小論文に加えて、800文字の「自己活動歴と自己分析」を提出しますが、こちらの内容は昨年度とほぼ同じです。

<学校内外における自己活動歴と自己分析>
高等学校在学中に、学校の内外で比較的長期(少なくとも 2、3 週間以上)にわたり参加した教科外の諸活動を通して、自主性、リーダーシップ、または創造性をどのように発揮したかを、的確に分析し 800 字以内で述べてください。
-「教科外の諸活動」は、クラブ活動、生徒会、ボランティア活動、自主研究、学外団体や各種コンテストへの参加など、広く捉えて構いません。

厳密には去年まで「指導力」と書かれていたものが「リーダーシップ」に変わっていますが、意味は同じであるため、実質的には変更はないと考えてよいでしょう。

従来よりICUの総合型選抜は「成績」だけではなく「活動」も踏まえて評価してきました。「小論文」の課題が刷新される中で「自己活動歴と自己分析」が変化していないということは、ICUは引き続き「活動」も評価するとうい方向性が示唆されていると言えるかもしれません。

入学願書に記入する志望動機等の質問項目は変更なし

ICUの入試では願書に志望動機を記入することが求められており、総合型選抜では以下の質問項目に回答する形で記入します。この内容は例年通りで変わっていません。

1.ICU を志望した動機または理由を述べてください。あわせて、ICU で何を学びたいか、その理由も含めて述べてください。
2.あなたの人生観に大きな影響を与えたと思われることを述べてください。
3.あなたはICU の学生として、ICU の理念を実現するためにどのような貢献ができると考えますか。その理由も含めて述べてください。

これらの願書での志望動機等の記入は一般選抜などを含め、全てのICU出願者に求められているものです。入試要項の中でもこれらは「入学願書」の一部として扱われており、いわばICU独自の伝統として全員に提出を義務づけているものです。入試制度は問わず、ICUで学ぶ意義や目標を各自で明確にした上でICUに出願してもらいたい。ICU願書の志望動機の記入は、選抜のためのだけの項目と言うよりは、そのようなメッセージが込められているICUの伝統とも言えるので、やはり総合型選抜として重要なのは一般選抜など他の入試では求められない独自の提出課題である1500文字の小論文と800文字の活動歴です。

ただし、総合型選抜では二次面接があるため、特に志望動機として書いた願書の内容は面接での質問として使われるケースがあります。よって、他の書類にも通じるところですが、ICUで学びたいことを自分自身でよく考えた上で、他人の意見ではなく自分の考えを率直に述べることが面接での評価につながると思います。

総合型選抜の募集要項をチェック

小論文の課題が変わっている点などを含めて、ICUの総合型選抜入試への出願を考えている受験生は、公式サイトで内容を早めにチェックしておくとよいでしょう。入学試験要項は下記URLの「詳細は入学試験要項で必ずご確認ください」というリンクから確認できます。

https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/exam/special/

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2023年度のICU総合型選抜入試の合格発表が本日行われ、105名が合格したことが公表されました。

近年のICU総合型選抜では概ね100名弱が合格していましたが、今年度は100名を超えるICU受験生が合格しています。「ICU総合型選抜」の合格者は100名を超えるのははじめての事です。ICU総合型選抜が広く大学受験生に認知され、受験者の提出する英語成績等が向上している傾向がその背景にあると思われます。

当サイトでは2023年度総合型選抜の合格者の皆様の合格体験記を募集したしております。

体験記をご投稿くださった皆様には

「BUCHOのICU入学対策-ICU新入生向けWeb小冊子」
(ICU ELA授業の様子、下宿寮の情報、授業紹介、単位の取り方、ELAなどの情報、入学後の心構え等)

をプレゼント中です。希望者には図書カードはAmazonギフト券もお送りいたします。

ICU総合型選抜の合格体験記は下記URLよりご投稿いただけます。

https://icu.bucho.net/mail/exp-ao.html

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ICU(国際基督教大学)入試総合型選抜合格者インタビュー豆もやしさん4

(引き続き総合型選抜対策全体を通して、一般選抜対策も平行して勉強するべきでしょうか?総合型選抜の準備中も過去問演習は続けていましたか?

はい、AO対策と平行して、オンレクの過去問の一般選抜対策の演習は続けていました。
ICUの問題からは離れないようにしていました。

(一般選抜対策が総合型選抜対策に役だった部分はありますか?)

そうですね、ICUの場合、本当に特殊な入試で、入試問題自体をICUの教授が作っているので、ATLASや人文・社会科学の問題を解いて、解説を読むのはICUの先生方の考え方や、ICUの教育や研究の方向性がとてもよく分かったと思います。

そういった意味で、総合型選抜に必要な大学分析は深くできたのではないかと思いました。

もちろんICUのWebサイトにも建学の精神や教育方針などが描いてありますが、
浅い情報しかないと思います笑

学生に何を学んで欲しいという教授はICUの過去問題によく表れていると思いました。

ICUの受験生はICUの過去問を解いていったほうがいいと思います。

(総合型選抜に関しては確実に合格を狙えるものではないので、チャンスが増えたと考えるべきでしょうか?

はい、総合型選抜はチャンスを増やす意識で受けていました。

一般入試とバランスを取りながら総合型選抜対策をやったのは自分としてはよかったです。

2022年度のICU ELAリーダー 豆もやしさんご提供

(総合型選抜受験生へのメッセージがありましたらお願いします)

総合型選抜は自分についてを応募書類に書く部分が多いのですが、
そこはなるべく率直に書くようにしていました。
嘘を書いて落ちたらつまらない、という意識でやっていました。
率直に書いた方が、結果的にはよかったですし、自分でも納得できたと思います。

ICUの総合型選抜は応募できる成績の資格を超えていれば誰でもチャンスはあると思います。

何を学んだかとか毎日の中から気づきなど、大きな事ではなくていいで、
何事にも自分の考えがあるのは大事かなと思いました。

活動に関しても大きなものでなくていいので、何か自分から動けたことで、
そこに心に動きがあるんだったら、それは何かしら訴える内容になると思います。

(なるほど、最後にICU入学後ですが、今年は大学内での対面の授業に戻っているということですが実際はどうですか?)

授業はELAは対面でやっていますね。
大教室でやるような大きい授業はオンラインでやっています。
対面が毎日ある感じなので、一学期の間平日は毎日ICUのキャンパスに通っていました。
毎日とても充実しています!

(ありがとうございました。)

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ICU入試総合型選抜合格者インタビュー豆もやしさん3

(引き続き二次試験のオンライン個別面接に関して伺います。オンラインで2名の先生が担当される形ですね?)

はい、一人の先生が願書に関連した質問、もう一人の先生が小論文と活動歴から質問をする形でした。

(いくつか覚えている質問と、その質問にどう答えたかを教えていただけるとありがたいのですが)

はい、実際には面接試験が終わって時間が経っているのと、面接が終わった瞬間に頭が真っ白になったので、記憶はかなり曖昧なのですが、敢えて再現すると以下のような感じでした。

Q1 「活動歴に書いているアンサンブル部の部長としての経験は留学で役に立ったか?」

A1 実際のところ部活の部長としての役割がアメリカで役立ったというのはあまり有りませんでした笑

なので面接では適当に答えてしまったという事だけ記憶していて、何と答えたのか正直よく覚えていません。

Q2 「留学の時のエピソードとして、ホストファザーに人種差別的とも取れるジョークを言われた事が書かれていたが、その発言には怒りを感じているか、あるいはその事象に対してよくないと思ったのか?」

A2 ホストファザーの性格というよりは、育ってきた環境や文化の背景があってそういう発言に至ると思うので、個人的なものとして受け取るよりは、そういった背景がホストファザーにそういう発言をさせているのだという風に考えた、と答えました。

ちなみにこれは自分の書いた小論文の中でもポイントだと自分でも考えていた箇所でした。差別や偏見に際しても、単に人を糾弾するのではなくて、まずは社会や文化的な背景を理解しようというのは自分の主張の一つではあったので、この質問には答えやすかったです。

Q3「願書でジャーナリズムを学びたいと書かれているがその理由は何か。(また同じく願書に書かれているフィールドワークはどこに行きたいと考えているか)」

Q3 部活の部長としてメンバーの話を引き出す経験があったが、まずは内側からよく話をよく聞いて、そういった内なる話を引き出していくのはジャーナリズムの力なのではないかと思った。また、大きな意味でのジャーナリズムというのは、マスコミや報道機関だけではなくて、人と人とのコミュニケーションはいずれもジャーナリズムに関連すると思う。

Q4「フィールドワーク」はどこに行きたいか?

A4 これも記憶が曖昧なのですが、答えの一部として、難民に興味があったので、例えば日本の入国管理局などに取材に行って生の声を聞けたらよいというような事を答えたかと思います。

Q5 「ジャーナリズムが記者だけのものになっている、という趣旨の事が願書に書いてあるが、どういうところでそう感じるのか?」

A5 記者クラブの例を出して、現状では一般市民が入れるものではなく、マスコミの人たちしか入れないという事を答えました。

Q5-2 「あなたがもしジャーナリストになったり、新聞社等に入社して、記者クラブに入るとなったら、あなたはやはり入るだろうか?」

A5-2 実際に記者クラブに入らないと分からないこともあると思うし、そちら側の立場に立つことで分かることもあると思われるので、もしそういう機会があったら記者クラブに入ると思う、という風に答えました。

オンライン面接で使用したノートPCとイヤホンマイクのイメージ

(面接官の先生はしっかり応募書類を読んできているという印象ですね?)

はい、しっかり読んでくださっていたと思います。
質問もその場で作ったのではなく事前に書類を読んで作ってくださった印象でした。

(2名の先生は事前に打ち合わせをしてある印象でしたか?)

質問は2名の先生でそれぞれ完全に分かれていたので、打ち合わせはあったのかもしれませんね。役割分担があるようには感じました。

(面接中の雑談はあまりない感じですか?場を和ますような会話はありましたか?)

私の場合は雑談は全くなかったです。冒頭に「よろしくお願いします」という挨拶だけですぐに質問に入りました笑

(選抜試験のための面接という雰囲気ですね?)

はい、その通りだと思いました。

(面接を終えた感想はいかがでしたか?)

20分と短かったのですが、11月でも汗をかくぐらいで、すごく疲れました笑

面接は厳しい質問も多くてうまく答えられない部分もあったので、結果は微妙だと思っていました。特に面接官のうち1人の先生はかなり厳しめの指摘や質問ばかりだったのでこれは失敗したのかと思っていました。なので面接の次の日からは一般選抜の勉強を全力でしていました笑

(厳しめの指摘というのは具体的にはどんなものがありましたか?)

自分の発言のこことここは矛盾している、というような指摘があって、そこは厳しいなと思いました。

(次回に続きます)

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ICU入試総合型選抜合格者インタビュー豆もやしさん2

(引き続きICU入試(国際基督教大学入試)総合型選抜の提出書類の準備や対策に関して伺います。800文字の活動歴ですが、小論文に比べると活動歴は書きやすかったですか?)

いえ、書きにくかったです。
アンサンブル部でのリーダーとしての役割を中心に書いたのですが、
部長をやってはいたたものの、必ずしも部をうまくまとめていた訳ではなかったので、
リーダーとしての立場から書くのは難しかったです。

もちろん嘘は書いていないのですが、リーダーとしての活動を少し強調して書かなくてはいけない部分があったと思います。

また、小論文と一貫性を持って書くように意識しました。

活動歴では、部員の話をよく聞いて、メンバーで一緒に部活を作っていくという内容で、小論文でも対話や理解を重視する内容を書いて、提出する書類に一貫性を持たせるようにはしていました。

(ICUの総合型選抜では志望理由などを書く願書も提出しますが、そちらはいかがでしょう?)

そうですね、私は願書を書くのが一番大変でした。
小論文、活動歴は自分のやったことや考えた事を中心に書けばよいのですが、
願書はICUの特徴を理解した上で、ICUで学ぶびたいことをはっきりさせないとかけない内容があったからです。特に願書の最後の質問の「ICUの学生としてICUにどのように貢献できるか」、という所は最後まで悩みました。

(ICU入試総合型選抜の提出書類の小論文、活動歴、願書はどの順番で書いたかは覚えていますか?)

活動歴、小論文、願書の順番で書きました。

活動歴は字数も短く書くテーマが決まっているので、書きやすいと思ったからです。

次に留学の体験を中心に小論文を書きました。

そして最後にそれらの内容を踏まえて願書を書きました。

(評定平均は4.1で提出されていますね。これはちょうど出願資格を満たす成績なのでギリギリではあるのですが、高3で留学をされたということで、提出する成績は以前から分かっていたという事でしょうか?)

いえ、実は評定平均が4.1だというのは出願する時に先生に確認するまで知りませんでした笑 高3の成績を踏まえて4.3だと思っていました。私の場合は留学をした関係なのか、高2までの成績までの評定平均だったようで、結果的に4.1ギリギリになりました。

(推薦状2通に関して伺います。1通は担任の先生が、もう1通は英語スクールの先生が執筆されています。英語スクールの先生にお願いしたというのは何か理由があったのでしょうか?)

はい、そのスクールには中1ぐらいから通っていて、一番お世話になっていた先生だったので、私のキャラクターなどをよくわかっていてくださるかと思いました。

また、先生のお子さんもICUで学んでいて、ICUを受験することもその先生から勧めてもらったという経緯がありました。

ミシガンの高校、豆もやしさん提供

(引き続き二次面接の準備に関して伺いたいと思います。二次面接の準備は、1次試験が終了したタイミングで始めましたか?あるいは1次合格が決まってからでしょうか?)

二次試験の準備は1次に合格してから始めました。

1次試験に合格する自信は全くなくて、書類提出後は一般選抜の勉強をしていました。

評定平均がキリギリで、英語の試験も高くはなかったのと、
特に活動が平凡であるという点から総合型選抜は難しいかなと思っていました。

(受験年度では1次合格から1次試験から8日後と短めでした。どのような準備をされましたか?)

まずは願書を中心に応募書類をよく読み直すようにしました。願書に関しては覚えるくらい読みました。また、学校でも面接対策をしてもらいました。結果的にはそこで練習した質問は1個もでませんでしたが、練習にはなりました笑 

後は願書に関してはマインドマップを作りました。
自分の主張のこことこの箇所はつながっていて、
逆にこの箇所は主張が弱いので補強するなどもう一度再確認しました。