ICU総合型選抜(AO入試)

ICU(国際基督教大学)の公式サイトで、2021年度のICU AO入試ではIELTS Indicator 及び TOEFL iBT Special Home Edition による成績証明書も認められることが告知されました(6月11日)。

追記:2021年度ICU一般入試B方式(外部英語試験利用型)でも上記のスコアが認められることが告知されました(7月2日)

早稲田の国際教養は5月22日の段階でTOEFL iBT Special Home Editionを今年度のAOに限り認める旨を発表していたので、状況に対応しつつ、他大学の動きにも合わせてきた感じでしょうか。

しかしながら、今現在英語試験のスコアを持っていない受験生が、会場試験を全く受けなくてよいのかどうかは各自で慎重に考えたいところ。例えば、TOEFLは元から個室受験で、現在では試験会場が元に戻っています。

(日本のTOEFL iBTテスト会場運営を行っているプロメトリック(株)のWebサイトより)

従来型の会場試験がある英検も、普通に会場試験が行われる状況になっています。

(日本英語検定協会WEBサイト 英検 実施状況より)

早稲田もそうですが、ICUのAOも、英語試験の自宅受験版を認めるのは特例という雰囲気で書かれており、今後他の入試では使えない可能性がもちろんあります。例えば来年2月のICUの一般入試B方式(外部英語試験利用型)でも自宅で受けた英語試験のスコアが使えるかは現段階では不明です。

(↑7月2日に2021年度のICU一般入試B方式でも使えることが告知されました)

もっとも、AO入試に出願する方はすでにTOEFL、英検などの英語外部試験の会場試験を受けていて、スコアを持っている人が多いはずなので、そのスコアの更新を目指す場合であれば、Home版を受けてみるというのはありかも知れません。

(7月2日更新:2021年度のICU入試では今のところAO 入試、一般入試B方式の両方でHome版のスコアが認められそうなので、外部英語試験の利用がICU入試専用という方はHome版だけでも大丈夫そう)

一般選抜,ICU入試日程

ICU(国際基督教大学)公式サイトでは例年5月末頃に試験日程が公表されていますが、今年度も発表になりました。2021年度のICU一般入試は2021年2月6日(土)に行われます。近年の傾向通り、2月第1週の土曜日が試験日になっていますね。

(5月末に公表されたICU一般入試A方式、B方式の募集人員、試験科目、入試日程 ICU Webサイト 入学者選抜制度、一般選抜より)

なお、A方式の募集人員に関しては、事前に予告があったように定員が、昨年度の270名から、今年度は240名になっています。2021年度入試では定員の厳格化等を踏まえて各私立大学・学部の一般入試の募集人員が減少しているケースが多く見られます。

ICUの一般入試の場合は2021年度入試の募集人員が240人に変更になる事を、2年前の2018年に告知していますが、翌年の2019年度入試の段階ですでに実際の合格者数を絞っていました。その点を踏まえると2021年度一般入試の合格者数に関してはあまり変化しないんではないかと思われます。

試験科目なども例年通りですね。

余談になりますが、各大学が公表する2021年度の募集人員は2018年から予告されていたものです。

2021年度入試は新カリキュラムの導入初年度の入試であり、また「大学入学共通テスト」が導入されることから、文科省は各大学に、2021 年度入学者選抜に関して、大学入学共通テストの活用予定も含め、2年程度前に予告することを求めていました(2018年6月)。よって各大学は2018年の段階で2021年の入試における変更点や、募集人員等を予告していました。その際、一連の入学定員の厳格化を踏まえて、特に難関私大は少なめの募集人員を予告した大学が多かったようです。

また、文科省の定員超過罰則強化によって、多くの私立大学では2018年の段階で入学者数を定員の110%未満に抑える事が必須になりました(ICUは4000人以下なので130%未満)。今のところ来年度(2021年度)はルールが据え置かれるようですが、2022年度以降にはさらに厳格化される可能性も残っています。

いずれにしても今年(2020年)になって各大学が急に募集人員を減らしたという話ではありませんし、今のところ厳格化ルールも据え置きで、ICUの定員充足率をみるとやや合格者を減らしすぎたかという状況なので、来年の募集人員に関してあまり心配しなくてもよいと思います。

(文部科学省Webサイト 平成31年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知)「別添」より)

ICU教養学部の定員充足率

 

 

 

 

一般選抜

ICU(国際基督教大学)の2021年度入試の変更点に関してはすでに過去のエントリーでも触れましたが、ここでは一般入試に着目してまとめておきたいと思います。結論から言うとほとんど変更はありません。

こちらは昨年度の入試説明会等で配られた、2021年度ICU教養学部入試変更に関するパンフレットです。

2021年度のICU一般入試に関しては以下のように書かれています。

 

<A方式>

A方式は募集人数が290名から240名に変わっています。
これは昨今の大学の定員厳格化を反映したものと考えられます。

*ちなみにICUの場合、2019年度の段階で実際の入試の合格者は厳格化が適用されはじめているので、合格者の人数は現在とあまり変わらないと思います。

<B方式>

英語外部試験を利用したB方式(A方式と併願可)。
利用できる英語外部試験にCambridge EnglishとGTEC CBTが追加されています。

<入試科目など>

ちなみに2015年度入試にATLAS(総合教養)が導入された際は、その旨が2013年に公表されていました。よって2021年度では入試科目・入試問題などの大きな変更はないと思います。

世の中いろいろな事が起こりますが、一般論として、理由を付けて勉強しない人よりは早めに勉強を始めた人が合格するのが大学入試だと思います。

お知らせ

2021年度ICU対策オンラインレクチャーのお知らせは下記URLをご参照ください。
https://icu.bucho.net/icu_onlinelecture/

英語対策,英語リスニング,一般選抜,ICU入試統計倍率偏差値

ICU学生新聞The Weekly GIANTS 2020年度入試特別号(2020年1月30日発行 9面)

検証 「迷ったらC」は本当?

<「Cが多い」は都市伝説?>

ICU入試に関する都市伝説の一つとして、選択肢Cが解答である問題が多いので「もし答えが分からなければCを選べ」ということがまことしやかにささやかれてきた(らしい)。今回はICU入試ではどの選択肢が解答として多いのかを検証してみたい。

<検証方法>

 ICUは他の大学と同じく、入試問題の解答を公開していないので、今回は筆者の運営するICU入試情報サイト、「BUCHO.NET」のオンラインレクチャーの過去20年分の解答例(2000年度~2019年度)を使用した。教科は英語リーディング、英語リスニング、人文・社会科学(2014年度まで人文科学)を検証した。自然科学は筆記問題を含むため、また総合教養(リベラルアーツ学習適正)は昨年度まで問題が非公開であったため、今回は検証を行っていない。

<科目別検証結果>

・英語リーディング

英語リーディングは2000年から2019年の間に計787問出題されており、最も多かったのは選択肢C(26.4%)で、最も少なかったのはD(23.5%)であった。

・英語リスニング

英語リスニングは過去20年間で計714問が出題されており、最も解答が多かった選択肢はD(26.5%)で、最も少なかったのはA(23.4%)であった。

・人文・社会科学(2014年度まで人文科学)

人文・社会科学は過去20年間で3教科のうち最も多い803問が出題されており、解答として最も多かった選択肢はC(26.3%)、最も少なかったのはA(23.9%)であった。

<検証結果の考察>

まず目を引くのは、英語リーディングと人文・社会科学では選択肢Cの解答が最も多かった事だ。出題者心理として、受験者が容易に答えを発見できないよう、A,B,C,Dの中では、後半かつ中程の選択肢であるCを解答にしたいというものがあるのかも知れない。一方、リスニングでは選択肢Dが最も多く、その割合は今回統計を取った中では最も大きかった(26.5%)。また、リスニングの選択肢Aは最も割合が少ない(23.4%)。ICU入試のリスニングの各選択肢はリーディングや人文・社会科学と比較すると、選択肢が短く、また内容がシンプルであるため、出題者としては選択肢Aを解答とすることにためらいを感じ、選択肢Dの解答を増やすことで、問題の難度を上げたいという狙いがあるのかも知れない。

<年度別の最多解答と最少解答のギャップ>

次に年度ごとに最も解答が多かった選択肢と、最も解答が少なかった選択肢の割合の差(ギャップ)を教科ごとに検証した。一例として2019年度の英語リーディングは36問のうち、最も解答が多かったのはCの11問(30.5%)、最も少なかったのはBの7問(19.4%)であった。この場合の最多解答と最少解答のギャップは30.5%-19.4%=11.1%となる。このように年度別に最多解答と最少解答のギャップを教科ごとに集計したのが以下の図1である。

図1でみられるように、概ねどの教科も5%から15%程度のギャップで推移している様子がうかがえる。過去20年間の年度別のギャップを平均すると、英語リーディングが約11%、英語リスニングが約9%、人文・社会科学が約10%であった。つまり、各教科とも特定の選択肢に解答が偏らないように一定の配慮がなされている様子が覗える。一方で、まれに20%を超えるギャップも計測されているので、プログラム等を用いて各選択肢が均等になるように作問している訳ではないと考えられる。

*ICU OBの筆者が運営するICU入試情報サイト、「BUCHO.NET」では、ICU合格体験記を募集しております(執筆者にはギフトカードを贈呈中!) 【BUCHO】

【https://icu.bucho.net】(「ICU BUCHO」で検索!)

PDF版はこちら2020-wg-nyutoku-bucho

 

 

慶應SFC

姉妹サイトのKeioSFC.comでは2020年度慶應SFC合格体験記募集中です。

合格者の皆様は、ぜひ合格体験記をお寄せくださいませ。

https://icu.bucho.net/mail/sfcexp.html

お知らせ

2020年度ICU入試受験お疲れ様でした。
ぜひ皆様の合格体験記をお寄せくださいませ。
(ICU入学マニュアル、ギフト券プレゼント)

合格体験記は以下のURLからフォームでお送りいただけます。
https://icu.bucho.net/mail/exp01.html

また、以下のURLで2020年度国際基督教大学合格体験記の公開を開始いたしております。
https://icu.bucho.net/icu_exp

 

 

一般選抜

ICU国際基督教大学学生新聞The Weekly GIANTS(WG)のICU入試特別号が今年も発売されます。
WG OBのBUCHOのICU入試対策記事も掲載予定!
内容はICU入試の分析やアドバイスなど、ICU入試前日や当日に読める軽い読み物が中心

販売場所:ICU学内、ICU教会前を予定
販売予定価格:300円

発売する時間の目安:
2020年1月31日:9:00~14:00
2020年2月1日:7:30~14:00 ICU教会前(もしくは新D館前)
*荒天等により予告なく変更・中止される可能性があります。

一般選抜,ICU入試日程

2020年度ICU(国際基督教大学)一般入試の出願期間は以下の通りです。
高校調査書の入手と証明写真撮影を早めにして、ICU入試出願に備えましょう。

ICU一般入学試験 (転編入学試験を含む)

【Web出願期間】2020年1月6日(月)10:00 ~ 1月19日(日)23:59(日本時間)
【出願書類提出期限】2020年1月20日(月)当日消印有効(*)
*海外からの郵送の場合は締切日必着

2020年度 教養学部入学試験の出願期間について(一般/転編入/社会人/4月国際学生)

英語対策

ICU(国際基督教大学)入試英語リーディングの問題の頻出パターンの研究

過去のICU入試英語リーディングの入試問題20年分(20010-2019)の読解パート(Part I)の質問文をデータ化し、頻出の質問表現パターン、ベスト3を分析した。

<質問表現のパターン1 最頻出のWhich of the following

・質問文のフレーズで登場回数が多かったフレーズは、"Which of the following..?"のパターンであった。択一試験の特性上、様々な質問でこのフレーズが用いられている。
特に、Titleとしてふさわしい問題、Main Ideaを答える問題、underlined word(下線が引かれた単語)の意味を答える問題においてよく使われている。

Which of the following statements would the author most likely agree with?


Which of the following
illustrates the idea of rationalization expressed in the text?

The underlined word “they" in the first sentence of paragraph 3 refers to which of the following?

 

<質問表現のパターン2 According to X

・According to x, …?の質問文も頻出である。ICU入試の特徴として、According to Xの対象となるのは、ほとんどの場合、"the text/the passage", “the author/the writer", “paragraph x"である。

According to the passage, what is the possible significance of Witzel’s study?

According
to the text
, which scenario is the most likely to occur without the use of biomimicry?


According
to the writer
, under what conditions does peace usually occur?

According to paragraph 1, which of the following is true of capitalism?

<質問表現のパターン 3 underlined(下線部)に関する問題>

問題文中に引かれた下線部に関する問題も頻出。
ICU入試では以下のような特徴がある。

1.下線部はほとんどの場合、1つの単語に引かれている。フレーズ、イディオムなどに下線部が引かれていることはほとんどない。

2.難度の高い英単語の意味を、前後の文脈から、その意味を類推させる問題が最も多い(ほとんどの問題がこのパターン)

3.代名詞等(they, theirなど)に下線部が引かれている場合は、その語が指す対象を問われる(この出題パターンはあまり多くない)。

よって、ICU入試の英語で、リーディング本文に下線部がある場合は、ほとんどの場合、その単語の意味が問われているので、単語の意味を下線部の前後の文脈から類推して推測しておくようにしておくとよい。

Which of the following is the best definition of the underlined word “elusive" in paragraph 7?


The word “degeneration"
underlined in paragraph 3 is closest in meaning to which of the following?

The word “their" underlined in paragraph 2 refers to which of the following?

 

以上がリーディングで出題頻度の高い質問表現のパターンベスト3である。リスニングと比較すると、リーディングの質問表現はそこまで定型化されていない様子もうかがえる。(参考)ICU入試英語リスニング質問文-頻出表現の研究

一方で、ほとんどが典型的な英語リーディングのQuestionの範疇には収まっている。

Gallaudet UniversityのEnglish Centerは、英語の試験におけるQuestionのタイプを以下の5つに分類している。

1.COMPREHENSION(理解)、DETAIL QUESTIONS(細部の問題), FOLLOWING DIRECTIONS QUESTIONS(指示に従う問題,) MAIN IDEA QUESTIONS(主題の問題)、INFERENCE(推測)

Types of Reading Questions – Gallaudet University

ICUの入試も多くの問題がこれらのパターン内から出題されいる。ほとんどが内容理解の問題であり、語彙の問題が少数出題され、文法を直接問う問題などは読解問題であるPart Iではほとんど出題されない。文法問題は空所補充であるPart IIで出題されている。