学食・学生寮,ICU合格者インタビュー

tさんインタビュー3

ICU入試合格後の寮の申し込みとICU新々寮での生活について

(ICU(国際基督教大学)寮の申し込み)

ICU入試合格関連の書類に寮の案内があって、入寮の申し込みはWebでします。申し込みの締め切りは2月の下旬で、寮に入れるかどうかは3月1日に発表されました。

男子は女子に比べると部屋数が少ないため、やや入寮に際しての倍率が女子よりも高いかもしれません。

(ICU入寮の手続き)

3月末に入寮しました。

入寮日にはフロア長の上級生から設備の説明やフロアのルールなどのブリーフィングを受けました。

入寮した日も学食はやっていて食事には困りませんでした。

ベットのシーツはレンタル品で、入寮日から使えました。

(ICU入学後の印象、寮について)

ICUでは一番新しい新々寮に入寮しました。
現在はフロアに37人の男子が住んでいて、そのうち1年生は7人でした。

1年生は必ず上級生と2人部屋に入ります。
施設はきれいで住み心地は良いです。

新々寮は基本的にはフロアごとに鍵が決まっているので、
フロアが基本単位になります。

新々寮は1Fが共有のスペースになっていますが、
それ以外は自分の部屋のある階にのみアクセスできるようになっています。

(食事等に関して)

3月末に入居しましたが入居日から学食が開いていたので食事には困りませんでした。現在は昼食だけ学食で食べて、後は自炊するようにしています。

フロアのキッチンですが、朝の時間帯はそれほど混んでおらず、夜はやや混んでいるかなという印象です。

朝は授業が始まるタイミングがバラバラなのでキッチンはすいています。夕食の時間はみんな似たような時間になるため、少し混雑することもあります。

IHコンロは3口x2、計6口あるのでなんとかなります(笑)。

食費ですが、自分の場合は、昼食は学食、朝夜は自炊、たまに友人と外食したりする機会もあるので、約3万弱だと思います。

料理は今まで全くやったことがなかったのですが、料理本をみながら研究しています。
たまにですが、1年生同士2, 3人で食費を出し合って、料理経験者に教えてもらったりもしています。

(ICU近辺の買い物など)

食材の買い出しは、ICUの近所に業務用スーパーや、一人暮らし向けの24時間営業のスーパーなどがあるため、自転車さえあれば買い物は楽です。

自炊をするなら自転車は必須ですね。寮生の多くは自転車を持っていると思います。

自分は群馬から引っ越しの際にトラックに自転車を乗せてきました(笑)。

その他コンビニや薬局、ホームセンターも近くにあり、少し足を伸ばせばドンキホーテ等もあるため、生活に必要なものは一通り近隣での買い物で揃うと思います。

(ICU寮費や食費)

ICUの新々寮の寮費は約5万で、水道光熱費・インターネット代など込みなので安いと思います。

シーツのレンタル代は寮費に含まれているので、毎週、必要な分を貸し出してもらえます。

その他、洗濯機・乾燥機は1回100円です。

(ICUの寮のduty)

フロアのメンバーは順番にdutyと呼ばれる当番があります。
自分のフロアは40人弱なので、約40日に1度当番があるという感じです。

具体的な役割はキッチン周りを中心とした掃除で、
キッチンのゴミをゴミ捨て場に持って行って、シンクを片付け、床をモップで拭くといったものです。

実際にやってみると1時間かからないくらいの作業でした。

その他、トイレ、お風呂、リビングには清掃業者が入っていて、定期的に掃除してもらえます。居住スペースは各自が掃除することになっています。

(ICU寮のまとめ)

ICUの寮に入った印象ですが、大学内にあって、施設が新しくて住み心地がよいですし、なにより人間関係の面でとても恵まれていると思います。自分は一人暮らしの経験がなく、ICUに知り合いもいなかったので、東京に出てきてゼロからアパートで暮らす事になっていたらとても大変だったと思います。共同生活を通して交流も深まりますし、たくさんと新入生や上級生と知り合えたのはとてもよかったです。

-ありがとうございました

ICU新々寮(tさん撮影)

ICU合格者インタビュー

tさんインタビュー2

(併願校について)

オンレクを中心に、ICU入試の過去問はやれる範囲ですべてやりました。
最終的にはICUに特化した勉強をした形になりましたが、センター試験も受けることにしていたので、そこまで不安はありませんでした。

併願校としては慶應大学総合政策学部、中央大学国際経営学部など、英語・国語を中心に受験できる所を検討しました。この内、中大はICUよりも先に試験があり、この学部は今年創立の学部だったので、過去問等はなかったのですが、無事合格できました。中大国際経営学部はICUの併願に適していると思います。

(ICU入試を受験してみて)

ICU入試の出来映えとしては、総合教養と人文・社会はすごくよくできて、英語が難しかったという感想でした。

(総合教養 ATLAS)

ATLASはオンレクをやっていた頃から得意としていましたが、今年は比較的わかりやすい講義で、Part II以降の論文もしっかり読めば答えられるという問題が多かったと思います。

今年はPart IVの自然科学が、去年のような天文学などを論じる"science"という感じではなくて、生物の実験の話で、理系でなくても論文を読んで論旨を追えば、論理的に答えられるという問題が多かったと思います。

もちろん理系バックグラウンドのある学生の方が有利ですが、文系の方も苦手意識を持たずにとりあえず文章を読んでみることが大事だと思いました。つまりPart IVもちゃんと論文を読めば本文から答えられる問題が増えたという印象です。

(人文・社会科学)

人文・社会科学も自分としては興味深く、理解しやすい「移民と言語」などに関する論文で、
論文読解が得意科目という事もあったと思いますが、よくできたと思います。

(英語)
英語リスニングは難しく、感じました。
英語リーディングは分量が多く、なんとか解き終えたという感じです。

英語リーディングは問題の掲載順通りに解きました。
Part1の読解をText1,2,3を順番に、解いた後、Part IIの空所補充をやりました。

時間はText1,2,3を20分未満で解いて、Part IIを時はじめた時は残り10分弱でした。

Part Iの読解は時間が厳しいので、分からない問題は積極的に飛ばす事を意識しました。
Part IIの穴埋めも長く考えないようにして、直感的に埋めるようにしました。

試験が終わっても英語の出来映えが合格発表までは気になって仕方がなかったです。

(ICU入試を振り返って)

自分の場合、ICU入試では総合教養(ATLAS)と自分・社会科学の2教科で稼いで、
英語は平均を確保する取るというイメージだったのですが、実際の試験でもその通りになったと思います。

ICUは帰国子女も多く、英語が得意な人が多いと思いますが、自分のように英語が平均くらいでも、得意な分野で得点を伸ばすことができれば、結果はついてくると思いました。

(入学後のICU生の印象)

実際に入学してみる大学というのは高校よりもといろんな人がいるなという感じがしました。

大学をやり直しで入ってきた方や、地元国立大学からトランスファーで入ってきた方とか、帰国子女も多いですね。

自分のELAのプログラムはストリーム3(1年間で終わる最も標準的なレベルのコース)なのですが、それでも英語の発音の明らかによい海外経験者がちらほらいます。

(ELAについて)

思っていた以上に課題が多いですね。
ICUのELAでは同じ授業が週に3回ある場合もあるのですが、課題があると1週間後ではなく、
2日後までにやってこいというものが多く、すぐにやらないと間に合わないという印象です。

(授業の履修について)

自分はELAのストリーム3にいるので、現在は週に9コマ(=週に9回の授業)ELAがあり、
その他は7と1/3単位まで授業を選択できます。

現在は取れる限り単位を履修するようにしていて、Gen(一般教養)1つ(3単位)、FDN(基礎科目)が一つ(3単位)、保健体育(1単位)、体育が1つ(1/3単位)です。

本年度の新入生に配布された履修の案内・卒業要件およびICUのバッグ

ICU合格者インタビュー

今回は2019年度にICUに合格したtさんにインタビューさせていただきました。
tさんは群馬県のご出身で、1年間の浪人を経て、BUCHO.NETのオンラインレクチャーを利用してICUに合格されました。

*インタビューは再構成されています。

(高校時代の様子)

高校は群馬県の公立校で、進学校でした。
県の特性として、公立高校でも共学ではなく男子校でした。

地元に国立の群馬大学があるのですが、群馬大学の学生で一番多いのが自分の高校のOBだそうです。よって、学校としては国公立への進学を学生に勧める雰囲気がありました。
授業も国立推しという感じで行われていました。
進学実績も私立大学より国公立大学の方が人数が多いという高校でした。

私大進学者が比較的少ないこともあり、ICUへの進学者は毎年1名いるかいないかという感じでした。

(予備校通学時の様子)

自分のクラスは約40人で、浪人したのは15人くらいだったと思います。
中には私立大学などに受かりながらもさらに上の大学を目指して浪人した学生もいました。

浪人中は半年ほど予備校に通っていました。

ちなみに群馬は関東地方ではあるのですが、一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)ほど、予備校の環境は整っていません。高崎市は群馬でも最も人口の多い市なのですが、主要な大手予備校はなく、あっても衛星校くらいであったため、私は隣県の埼玉の大宮のにある大手予備校まで一時間半ほどかけて通っていました。

更に余談になりますが、このように予備校が少ないこともあってか、高校では授業を集中して受ければ予備校に行かなくても国立大学に一応は進学できるという体制でカリキュラムが組まれていて、大学受験に向けた課題がとても多く出されました。実際には高3ぐらいでは塾や地元の予備校に行っていたクラスメイトは多かったようですが。

進学意欲の高い高校の同級生の影響などもあり、現役時代から医学部を志望していたので、予備校では医学部対策のコースをとってしました。

予備校だと常に成績が数値や順位が出てくる中で、理系科目が伸び悩み、このままでは明らかに国公立合格は1浪では厳しく、また、周りの国公立医学部を目指す学生は何年か浪人するのは普通という状況でした。私学の医学部ならチャンスがなくはないものの、兄弟が多い家族としては私学への進学や長く浪人を続けるのは経済的に厳しいく、一端リセットした方がよいという結論に9月頃いたりました。

そのような結論に至ってから、予備校は9月にはやめてしまいました。このあたりは精神的につらい時期でした。

(ICU受験を決めるまで)

予備校を辞めてからは一ヶ月間くらい勉強に手がつきませんでした。
志望校を選び直すところからリセットするため、志望校をゼロから選ぶところからはじめました。

本当に大学選びの初歩の初歩なのですが、全国の大学が紹介されている『大学受験案内』という本を熟読しました。この中で出てきたのがICUです。

ICUの紹介を見たときは直感的に「これだ!」という感じがしました。端的に言えばICUの授業カリキュラムと入学試験の内容の両方が、自分に合っているという感じがしたのです。

ゼロベースで志望校を見直した際に、大学の学問を知った上で、どのような学問の研究をするかを見極めたいという気持ちは明確だったので、入学時ではなく3年時で専攻を選べるICUのカリキュラムは魅力的でした。文系・理系の区分が明確ではなかった自分としても、文理の垣根無く勉強できるという点も魅力的でした。

また、ICUの試験科目も自分に合っていると思いました。

自分の強みを見直すと、予備校では理系のコースにいたにも関わらず、一番得意な科目は国語で、特に現代文の読解には以前から自信を持っていました。

英語は大得意ではないまでも苦手としていませんでした。

さらに、国立の対策を集中的にやってきた自分としては、ICUの試験科目の総合教養(ATLAS)は文理関係無く幅広く問われるということで、色々な科目の勉強をしてきた自分の強みが生かせる試験だなと思いました。

ICUからパンフレットを取り寄せ、ICUの入試問題も研究した上で、10月からはICU入試対策にシフトしまいた。その上でBUCHO.NETのオンレクで集中的にICUの過去問を解いていきました。

(宅浪でICU対策)

宅浪はきついのではないかと言われてることもあるのですが、自分の場合予備校を辞めて、ICUを志望校としてからは、受験勉強のゴールが明確になったという事もあり、以前より精神的には楽な気持ちで勉強に取り組めました。

宅浪をしている時は生活のルーティンを維持するように気をつけていました。
自分は元々朝方だったので、朝起きてから何を勉強して、どのタイミングで運動をするかという事を自分で決めて、極力それを守るようにしていました。

生活のパターンは以下のようなものでした。

朝5時起床、1時間半くらい英語の勉強、文法を中心に
7時朝飯後に散歩、家の近くにあるサイクリングロード30分くらい歩く(ほぼ毎日)

9時(土日は10時) 図書館が開館、家から自転車で10分、会館前に並ぶ。並んでいる際は単語帳を眺める。
図書館でお昼まで集中して勉強、過去問演習やその周辺知識など大事な部分をやる

昼12時以降に一旦家に帰って、ご飯を食べる

図書館に戻る(天候など場合によっては家で勉強する)

夕方まで勉強

夕方以降、夜は疲れてくるので、根を詰めないようにする。

勉強をする際は、英単語帳など、考えなくてよいものをやる。

夜11時前には寝る、翌朝5時に起きる。

(オンレクでのICUの過去問演習に関して)

入試を研究した上で、最終的にはICU入試対策としては、ICUの過去問の数をこなすのが一番よいと考え、BUCHO.NETのオンレクを受講した上でICUの過去問演習を徹底してやろうと意識しました。

10月、11月は1日に2科目分のICUの過去問をやりました。

やり方としては1日はICUの過去問演習をやり、その後2,3日かけてオンレクの解説を読み、場合によってはその論文に出てきた周辺知識を身につけるため、別の本や参考書を参照するようにしていました。

1日目 過去問2教科の演習(問題を解く、簡単な答え合わせ)

2,3日目 過去問の解説を読み込み、問題を研究、復習、英単語や用語を調べる、必要に応じてその他の参考書の内容を勉強する

ポイントは演習の見直しに時間をかけることと、あくまでも過去問をやりながら周辺知識を身につけることだと思いました。

受験が近づいてきた12月頃からは過去問の演習量を1日3教科に増やし、
さらに直前期には、実際の試験時間に合わせてICUの過去問を解くようにしていました。

9:30頃に人文・社会
11:20頃に総合教養(ATLAS)
(昼休み)
14:15頃に英語リスニング→英語リーディング

実際にやってみるとICUの入試まではお昼休みまでが長く、また、英語リスニングは昼食の直後にあるため、最後まで集中を維持しなければいけないなど、ICU入試のリズムが分かり、試験への適応が高まったと思います。

宅浪をやっている時期は目標が明確であったせいか生産的な感じがしていたし、ICUの入試問題もとても興味深いものが多く、演習をこなすほどに知的な発見があり、この時期は予備校通学時と比べても、充実した気持ちで勉強できていました。

 

ICU ELA Reader 2019

花見・桜,サークル

ICU(国際基督教大学)入試合格者の皆様、ICU入学おめでとうございます。

恒例のICU花見andサークル紹介です。

*花見は4月のICUのオリエンテーション期間に行われる、サークルによる新入生歓迎イベントです。2020年度以降にICU入試を受ける方もぜひ入学後のサークル選びの参考にして下さい。

バスロータリー付近、今年はICUの入学式やオリエンテーションの時期に桜がちょうど満開になりましたね。

ICU学内的には4月入学生は「エイプリル」で、エイプリル向けのサークル勧誘イベントを「花見」と言います。

ちなみにセプテン(帰国生、国際生などの9月入学生)向けに9月の入学式後に行われるサークル勧誘イベントは「月見」と呼ばれています。9月はセプテンの勧誘に積極的な団体が参加するため、参加するサークルの構成が若干違いますね。

多数の部員が必要な団体競技の運動サークルなどは毎年熱心に勧誘を行っておられますね。

中古の教科書の回収や販売などを通して国際協力を行っているSTUDY FOR TWO。元々インカレサークルで、全国に活動が広がり、現在は一般社団法人になっているようです。

ICUでは2015年から活動していて、主たるメンバーは20名ほどで、学生から使い終えた教科書を寄付してもらって、それを後続の学年の学生に安く販売し、その利益を原資に発展途上国の子どもたちの教育支援を行うというものだそうです。

中古教科書の販売時は教科書が定価の5割引ぐらいで買えるそうなので、ICU新入生にとってもうれしいシステムですね。

ICUは学生数が少ないので他大学と比較すると活動規模はそこまで大きくないとのことでしたが、先行する京大などでは大々的に教科書の寄付と販売が行われているとか。

極真空手部。こちらも元々インカレサークルで、ICUでは4,5年前くらいから活動しているとか。主として週に2回、調布の極真空手の道場で稽古をするそうです。道場は自転車で15分ほど。活動メンバーは10名くらい。極真空手の道場に通うと、通常は月謝が1万円以上かかるところ、ICUの極真空手部に参加すれば3,240円の月謝で参加できるとか。さらに指導者には世界選手権のチャンピオンや現役のトップ選手もいるそうで、本格的な指導が受けられとのことでした。

ちなみに極真はフルコンタクトの格闘技で、セミコンタクト(寸止め)の空手道部(松濤館流、日本空手協会(JKA)所属)もICUにはあります。余談ながら2020年の東京オリンピックの空手は全日本空手道連盟(JKF)という団体が主催するということです(ややこしい)。

 

ランニングサークルのICU Runnners。週に3回ほどICU学内でランニングをしていて、メンバーは15人ほどだそうです。創立は8年前くらいとか。走力に合わせてグループでランニングをし、中には大会に出るメンバーもいるとか。陸上部もありますが、ランニングに特化したサークルで、しかも学内で活動できるので、ランニングをする知人がほしい人にはぴったりのサークルですね。

ボルダリング部。ICUでは2年半ほど前に、学長肝いりでICUのEジムにボルダリングの設備ができたですが、そのことをきっかけに創立された新しいサークル。メンバーは15人くらいで、週5で活動しているがスケジュールに合わせて好きな曜日に参加してほしいとの事でした。Eジムのボルダリング施設は初心者向けから上級者向けまで分かれているので、初心者でも問題なくできるそうです。ICU学内での練習を基本としながら、時には学外のボルダリング施設や、野外の岩場に遠征することもあるそうです。競技の特性上セプテンやOYRの方が多いのが特徴ですかね。どんどん宣伝してよいとのことで、メンバーの方にノリノリで写真撮影に応じていただきましたぞ。興味のある方はインスタグラム(icuboulderingclub)をチェックして下さいとのことです。

我らが学生新聞サークルThe Weekly GIANTS。4月新入生全員に新入生歓迎号を配布させていただきました。WGは創刊43年目のICUで唯一の学生新聞部で、現在は週1回、ICUの最新ニュースや授業情報などを満載した新聞を発行するとともに、Webでのニュース配信も行っています(http://weeklygiants.co/)。WGの冊子はICU本館の1階および、学食で配布されていますので、ぜひお手にとってご覧下さい。写真は本館に置いてあるWGの配布ポストです。従来は定期購読モデルでしたが、本館のメールボックスの部分撤去などの影響もあり、去年から無料配布モデルに転換してます。ちなみICUのメールボックス(メッセージボックス、通称メルボ)は学生向けの書類受けスペースで、従来は学生全員に与えられていましたが、書類の電子化等に伴い、2年生以降は希望者のみにメールボックスが与えられるようになっています。なお例年ICU入試の前日と当日にはICU入試情報を満載した「WG ICU入試特別号」を販売しておりますぞ。

WGのお花見では今年もICU入試対策オンレクを受講してICUに合格された皆様をはじめ、たくさんの新入生の方にご来場いただきました。来年度ICU入試を受ける皆様にも桜が咲きますように!

大学院,ICU合格者インタビュー

ICU生SHIBATAKOさんの東大大学院受験対策(2/2)

(3)学習計画書 :学習計画書(研究計画とも)とは、大学院でどういう研究をするつもりであるということを記述する文章です(ただ先日GrasPPオフィスの職員さんと話したところ、進学後に学習の内容が変わることはよくあるみたいです)。前述の通りこれは口述試験で参照されるので大切です。ですが、試験でボロが出てしまわないよう、背伸びしないことも重要です。すなわち、今の自分の問題状況が何にあるか、この問題意識を持ちながらGraSPPで何をしたいか、GraSPPでの学びを終えたらどんなことをしたいかといったことを書くことができればいいかと思います。私は内容を誰かに見てもらうことはありませんでしたが、誰かに見てもらえるならそれに越したことはないと思います。私も、覚えている範囲では、これ以上のことを書いてはいないように思います。

ICUは学部の一般試験でも志望動機やICUで学びたい事を願書に記入しますので、この点においてICUは大学院の試験を先取りしている所があるかもしれません。

(4)面接試験:学習計画書がきちんとかけており、その内容を覚えていれば、面接は特に問題はないと思います。というのも、それさえ覚えていれば質問に関しても流ちょうに答えることができるからです。また、知らないことがあったときに面接官に聞き返しても大丈夫です。私は面接中に知らない人が書いた本のことを聞かれたのですが、「浅学で申し訳ないですが……それってなんですか……?」と聞いても合格することができました。ですので、リラックスして自分が進学して何をしたいかということを伝えることができれば問題ないのではと思います。
服装ですが、私はこの日のためにリクルートスーツを買いました。かばんは買わなかったので黒を基調とした小さめの肩掛け鞄で試験に臨みました。周囲はきちんとしたリクルートスーツとセットで買うような鞄を使っていましたが、合否とは関係ないと思われます。

(5)その他(成績証明書(GPA)、推薦状)
TOEFL以外の提出する成績の書類としては上記のように大学の成績証明書がありますが、私の場合はGPA(Grade Point Average、大学の評定平均で4.0が最高)が3.4くらいでした。また、大学院入試では指導教員等の推薦状などが必要な所もありますが、GrasPPの院試では推薦状は必要ありませんでした。

また、何よりも重要なのが時間の使い方だと思います。私の場合は入試対策を時系列順に説明すると以下の通りです。

3年生/夏休み前:入試を受験することを決める。入試の過去問を取り寄せる(これは受験を決めたらASAPでしてください。パラパラとめくって合格までの距離感を測りましょう)。
3年生/12月まで:TOEFL対策を行う。TOEFL92点が取れたのは12月のはじめくらい
4年生/7月まで:筆記試験の対策を行う。
4年生/8月:実際に過去問を解いてみる。私はしませんでしたが、頼れる先生がいるならば添削してもらうのがベストです
4年生/8月下旬:余裕があると思ったので試験に関係がありそうな本を読んだ。読んだのは『官のシステム』『内閣制度』を覚えている。いずれも東京大学出版会の「行政学叢書」シリーズ
4年生/9月:入試を受ける。面接までの時間は卒論に充てました。

時系列に並べると以上のようになります。重要なのは入試の過去問をなるべく早く取り寄せて、合格までに必要なモノを理解することです。そして、それを理解した上で予定を立てて、実行することです。他のGraSPP合格体験記では日々徹夜した、だとか、寝ても覚めても勉強したとかありますが、私の場合はバイトもしていましたし、試験とは全く関係ない(であろう)卒論の勉強もしていました。なにより重要なのは、入試に向けて何が足りてないかということと必要な水準を理解して、そこに到達するまでの予定を組み、対策をすることです。これさえできれば、入試直前に慌てる心配もなく合格することができると思います。

さて、私は「こういう進路でいきたい」と教授にお話しした時、必ず同じ言葉を返されました。「僕の知ってる学生はみんな合格してるし大丈夫だよ」といわれるのです。確かに大丈夫でしたが……。ですので、ICU生にとってGraSPPに関する限りでは東大院への進学は難しくないのではと思います。私は結局大学院に進学したOB/OGの訪問などはしませんでしたが、無事入試には合格できました。ですので、肩ひじ張らずにTake it Easyの精神で焦らず、当初に立てた計画を実行できれば恐れるべきものはないと思います。
また、ICU生にとって東大院への進学は珍しくなく、私の同じゼミ生でも何人かいいます。大学院を目指すICU生にとって、東大院への進学はよくある選択だと実感しています。

大学院,ICU合格者インタビュー

ICU生SHIBATAKOさんの東大大学院受験対策(1/2)

今回はICU(国際基督教大学)学内新聞サークルの後輩のSHIBATAKOさんに東大大学院受験の様子をご寄稿いただきました。

大学院入試はICU入試に通じる所があり、また、東大大学院はICU生の進学先でも最も人数が多い所の一つであるため、ぜひICU入試受験生の皆様も参考にして下さい。

***

こんにちは、ICU4年で、来年度より東京大学公共政策大学院(以下GraSPP)
へ進学予定のSHIBATAKOと申します。メジャーは政治学と公共政策のダブルメジャーで、卒論は政治学の教授のもとで書きました。

この記事では、私がICU生としてGraSPPの入学試験に合格するまでの経緯をお伝えしていきます。

まず、GraSPPへ進学しようと考えた経緯ですが、具体的に進路を決めたのは3年生の時の夏でした。ICUへ入学した際は就職を考えていましたが、ICUで学ぶうちに、自分が学術的な場で思ったよりも良くできることに気づき、その可能性を伸ばしてみたいと思い、大学院への進学を決めました。

数ある大学院の中でGraSPPを選んだ理由は、私の興味関心の方向性 と一致していたことがまず挙げられます。私は政策を通して社会にポジティブな影響を与えることに参画したいと思っていましたし、政治学・公共政策学を生涯の生業にしていけたいと考えていたのです。その点で政治学や公共政策の研究ができる大学院を目指すことにしました。

ここからが本題なのですが、以下ではGraSPPの入試の概要と私が行った試験対策についてお伝えします。

入試システムについてはGraSPPの公式サイトの入学案内のところに詳しく書かれていますが、概要は以下の通りです。

<一次試験>
1)学習計画書、出身大学の成績証明書などの提出書類の審査
2) TOEFLのスコア
3) 専門科目試験(筆記試験)

<二次試験>
口述試験(面接)

この内、一次試験の筆記試験は試験区分が5つ(法律・行政・政治・国際関係・経済学)あり、その中から1つの試験科目を選ぶことになります。募集要項に詳しく書かれていますが、必要な書類として注意が必要なものはTOEFL成績表と学習計画書になります。前者は準備までに試験を受けねばならず、早めの対応が必要でしょう。また、後者の学習計画書に関しては、二次試験の面接でそれをもとに面接官が質問してくるので、それを踏まえながら書くことが必要になるでしょう。その他、教務課にお願いしないと用意してもらえない書類(成績証明書・卒業(見込)証明書 )があります(GPAは提出時で3.4くらい)。教務課が閉室している時期と出願期限がかぶる可能性もあるので、これらも早めに用意することが望ましいです。教授からの推薦書にあたるものは必要ありません。

試験の大まかな流れですが、以下のようになります。まず、5月ごろに説明会があります。ここで試験に必要な出願書類などがもらえるので参加できるに越したことはありません。説明会では入退室は自由だと思われます。試験は専門試験科目(筆記試験)が九月の上旬(私の時は9/5)に行われ、口述試験が九月の下旬(私の時は9/21)に行われます。合格者発表は一週間後です。以上が試験の概要になります。

皆さんが受験するICUの教養学部の一般入試は他の私立大学と同じようにでは2月に入試があります。しかし、ほとんどの大学院は、学部より早いタイミングで試験が行われますので、早めに準備することが大切です。このあたりはICU入試で言うAOや推薦入試と一般入試の時期に似ているかもしれません。

ここからは、試験対策として行ったことを(1)英語対策(2)筆記試験対策(3)学習計画書(4)面接試験に分けてお伝えします。

(1)英語対策:英語はICU生にとってアドバンテージとすることが最も容易な科目です。というのも、ICUにはELAという必修の英語科目があるだけでなく、ELA修了後も多彩なE開講の授業により英語能力を伸ばしていける環境があるからです。また、英語はTOEFLスコアの提出のため他の試験と違いやり直しが何度でもできます。ICU入試の受験生にとっても、ICU入試はTOEFLに似ているため、ICU入試を突破してきた人にはとても有利だと思います。
私が行ったTOEFLへの対策としては以下のものが挙げられます。(1)E開講の授業を積極的に受講する。(2)ELAのTOEFL対策を受講する。(3)リスニング・スピーキングの練習をする。
TOEFL iBTにはリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4つのセクションがあり、これらのうちリーディングとリスニングはICUの日々の目まぐるしいアカデミックライフの中で磨くことができます。すなわち、E開講の授業を積極的に受講することで磨かれます。E開講でなくとも、授業で出される大量のReading課題をこなしていけば自然とリーディングセクション準備ができます。また、ライティングに関しても、学期末のレポートをELAで教わったことを忘れずに書くことを続ければ及第点には到達するでしょう。
また、ELAの授業にあるTOEFL対策を受講することも有効です。この授業ではTOEFLに対する基礎的な予備知識を得ることができます。この授業を終えた後にリスニングとライティングを自宅で練習すれば効果が上がると思います。この点に関しては根気強く継続して練習することが最も重要だと思われます。

私が提出したTOEFL iBTのスコアは「Reading 27/Listening 23/ Speaking 17/ Writing 25/ Total 92」でした。リーディングとライティングの点数で会話スキルの低さを埋め合わせた結果です。それでも最終合格者のTOEFL平均点 (公式サイトによると、「最終合格者のTOEFLスコア平均点 IBT 88.7点」)よりは高いので、私のような「会話系そこそこ、読み書き重点的に」という戦略で問題ないと思います。
最後に、TOEFLは早め早めに済ませた方が有利です。というのも、早めに終わらせると、それだけ専門科目への対策を早めに取り掛かることができるようになるからです。TOEFLは出願時には既にスコアが出た状態である必要があることに加えて、一次試験では高度な英語能力が求められる試験はありません。そのため、英語は早めに済ませた方が良いでしょう。

(2)筆記試験対策:これはICU生の間でも難易度が分かれるかもしれません。というのも、私のようなダブルメジャーで公共政策系の科目を取り続けた人と、いろんな科目を受講することで放浪している人の間には大きな差があるからです。ですが、取れば試験が有利になる科目や授業外で何をしたかという情報が、両者にとって価値あるものとなるでしょうから、これらについてお話します。
私は筆記試験を「行政」で受験しました。行政の科目は「政治・行政学」と「行政法」になります。「政治・行政学」に関係があるのは、もちろん政治メジャーと公共政策メジャーの授業です。この中で国内政治を扱うものが「政治・行政学」の試験科目と結びついていると思われます。「行政法」の試験科目については、ICUでは「行政法Ⅰ・Ⅱ」が開講されているのでこれらをとることが有効です。私はⅠ・Ⅱの両方を受講しました。
自習で便利な本は基本的な教科書です。私は「政治・行政学」ではNew Liberal Artsの『政治学』と西尾勝先生の『行政学』を中心に試験準備を行いました。読んだ分量としては、それぞれ3回以上読んだ記憶があります。これらを読む中で気を付けたのは以下の点です。まず、重要な用語について説明できるようになること。次に、現在争点となっていることがらと結びつけて説明できるようになることの二つです。
「行政法」では授業の教科書だった高橋滋先生の『行政法』と、神橋一彦先生の『行政救済法』ジュリストの『行政法判例百選』を用いました。これらは、「行政法Ⅰ・Ⅱ」で教科書として使ったものです。読んだ分量としては、こちらも3回くらいです。行政法は出題傾向が分かり易いので、出題されそうなところを重点的に。
また、問題の出され方には一定の傾向があります。これがわかるようになるには十分に勉強することが必要なのですが、それがわかるようになるまで勉強すれば、その傾向に従って学べば大丈夫でしょう。また、時事問題もよく提出される傾向にあるので、試験科目と関連があると思われるニュースには目を光らせておいてください。かといって、私は新聞を毎日読むようなことはできませんでした。SNSで見ていたくらいです。

また、これらの領域はICU入試では内容としては社会科学(人文・社会科学)の科目で出題されている領域に属するものが多く、ICU入試受験の段階でICU過去問の演習をしている人は、大学の入門レベルの知識は身についているかもしれません。

(次回に続きます)

お知らせ

2020年度向けICU入試受験対策オンラインレクチャーは3月30日に開講いたします。詳しくは下記URLをご参照下さいませ。
https://icu.bucho.net/icu_onlinelecture/

お知らせ,慶應SFC

姉妹サイトKEIOSFC.COMからのお知らせです。

2019年度SFC合格者の皆様へ

ぜひ来年度以降のSFC受験生のため、合格体験記をお寄せ下さいませ。寄稿者の皆様には図書カード(Amazonギフトカード)および入学後に役立つ小冊子「SFCのための英語学習法をお送りいたします)

https://icu.bucho.net/mail/sfcexp.html

一般選抜,お知らせ

BUCHO.NETでは皆様のICU合格体験記を募集いたしております。
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一般選抜,志願者数・受験者数

ICU学生新聞入試特別号 2019年度ICU一般入試受験者数及び傾向と対策

ICU学生新聞The Weekly GIANTS 2019年度入試特別号掲載記事(2019年2月1日発行号)

BUCHO.NETが執筆し、ICU学生新聞の入試特別号に掲載された、
2019年度の入試の志願者数の分析および入試対策法に関する記事です。

2019年度ICU一般入試志願者数及び傾向と対策

2019年度のICUの一般入試(A方式)志願者数は、1,254人(2019年1月26日時点)で、昨年度の志願者数1,451人から減少した。志願者数が減った背景には、私立大学定員厳格化により、受験生の安全志向が高まっている事と、一般入試以外の入試制度が積極的に活用されているという要因が考えられる。大手予備校の河合塾が2019年1月に公表した、進路担当の高校教員を対象としたアンケート調査では、大学受験生が難関校を受験する志向は弱まり、AO等を利用する志向が高まっているという調査結果が出ている。一例として、ICUと出願期間の近い慶應義塾大学も、2019年度は一般入試の志願者数が減少している(1月25日時点)。また、ICUでも、A方式以外の多くの方式では受験者数が増加している。更に、2019年度大学入試センター試験の受験者は576,830人で、前年度から5,841人減少し、特に地方の受験生の減少が顕著であった。このような状況下で、主要私立大学は一般入試の受験者数を増やすため、学部統一試験を導入するなど、一般入試の受験方式を増やすと同時に、複数日程での受験に対応している。例えば、2018年度に累計で約12万人の志願者を集めた明治大学の実志願者数は約6万1千人で、そのほとんどが、2方式以上の入試を学内で併願している(週刊朝日 2018年5月4日-11日号)。ICUは創立以来、単一学部制を取っており、現状では単一日程でしか一般入試を受験できない。他の私立大学を参考に、一般入試を複数の日程で受験可能な方式にするなど、柔軟な対応が迫られている。

<志願者数>

・ICU一般入試A方式の志願者数

・入試方式別の志願者数

<科目別の傾向と対策>

1. 英語 リーディングの出題文字数が増加

・英語リーディングの単語数(words)*

*単語数は問題文(本文)の単語数の合計で、設問や選択肢の単語数は含まない(以下他の教科も同じ)

・英語リーディングの問題数

英語リーディングは近年難度が高まっている科目である。出題される長文の文字数が非常に増えており、2018年度の英語リーディングでは合計で2,850 wordsを超える英文が出題された。昨年度から約250 words、一昨年度からは約1,250 wordsも文字数が増えている。2019年度のセンター試験の英語長文パート(第4,5,6問)の合計文字数が約1,750 wordsであることを考えると、ICUの英語リーディングでは、相当な速読力が求められる。

・英語リスニングの単語数(words)と放送時間

*放送時間には試験の指示や解答のための時間が含まれる

ICU入試では、英語リスニングも難度が高い科目である。2018年度の英語リスニングの単語数は全体で約2,680 wordsで、放送時間は約30分であった。英語リーディングに匹敵する分量の英文を聞き取る必要があるため、リスニングの演習は十分に行って試験に臨みたい。2019年度のセンター試験の英語リスニングの単語数は合計で約1,420 words、放送時間は約29分であったことを考えると、非常に長い英文を聞き、理解する能力が求めれている。また、センター試験の英語リスニングでは英文が2回読み上げられるのに対し、ICUの英語リスニングでは英文が1度しか読み上げられない。よって、聞き逃した英文は二度と聞くことができない。たとえ聞き逃した箇所があってもこだわらず、次の問題に進むことが重要である。

2. 総合教養(ATLAS 出題範囲の広い総合科目

・総合教養の各Partの論文の文字数と放送時間

総合教養(ATLAS)は4つのPartに分かれており、Part Iでは放送講義に直結した問題、Part IIからIVはそれぞれ講義に関連した人文科学、社会科学、自然科学の論文を読んで答える問題が出題される。試験前に配布される問題冊子はシールで閉じられており、講義の放送終了までは問題冊子の内容を見るはできないが、別途メモ用の冊子が配られるのでメモを取ることは可能である。講義は一度しか放送されないので、問題を解く際に講義の内容を思い出せるよう、メモを取る必要がある。試験時間は80分であるが、講義の放送時間は約15分なので、実質的な解答時間は約65分である。2018年度の出題では過去の問題と比較すると、若干論文の文字数が減少した。それでも人文・社会科学に匹敵するほどの文字数の論文が出題されているので、時間配分には十分に注意したい。また、総合教養は出題範囲が人文、社会、自然科学と広範囲に及ぶので、全ての問題に正解するのは困難である。文系であれば人文科学や社会科学、理系であれば自然科学のパートを重点的に解くなど、自分の専攻範囲に合わせて、取捨選択を意識することが重要である。

3A.人文・社会科学??問題数を確認

・人文・社会科学の論文の文字数と問題数

人文・社会科学の出題では、論文が約10,000文字、問題数40問の出題が定着していたが、昨年度の問題数は42問で、例年より多かった。人文・社会科学では年度によって問題数が異なる場合があるため、問題を解き始める前に全部で何問あるかを確認してから解きたい。文章量に関して、2019年度のセンター試験の国語第1問の論説文が約4,200文字、第2問の小説が約4,900文字であったので、文字数だけを見るとICUの人文・社会科学の文章量はさほど多くないように見える。しかし、センター試験の問題数は、論説文・小説を合わせて12問程度である一方で、ICUの人文・社会科学では内容理解を中心に40問以上出題されるので、問題数が非常に多い。仮に本文を25分で読んだとすると、残り時間は55分であるから、40問の出題の場合、1問あたり約1分20秒で解いていかなければならない。よって、各問題を素早く解いていく必要があると同時に、難問にこだわることなく、自分の解ける問題を見極めて解答を進めていくという意識が重要である。

3B.自然科学  筆記問題、計算問題に注意

自然科学では他の教科にはない筆記問題が導入されている。2018年度入試では物理で1問、化学で2問、生物で2問の筆記問題が出題された。また、数学は筆記問題がなかったものの、問題の大半が数値選択問題であった。よって数学は他教科と比較して解答に時間がかかることが予想される。また、全ての科目において、論文形式のリード文が問題の冒頭に登場する。理系の試験に出題される文章としては非常に長く、論文読解の要素もあるのがICUの自然科学の特徴である。なお、自然科学の4つの教科は一つの冊子に印刷され、試験時間中にこの内の2教科を選択する形式であるため、実際に各教科の問題を見てから解答する教科を決めることができる。よって、国立大学併願者などで、3つ以上の自然科学の科目を勉強している場合は、問題を見てから科目を選択するようにしたい。

<最後に>

 科目別対策で見てきたように、ICU入試は全般に出題される資料の分量が多く、出題範囲が非常に広いので、満点を狙う試験ではない。センター試験が高得点を目指す「ハイスコアゲーム」であるとすると、ICU入試は1問でも多くの正答を目指す「ロースコアゲーム」の要素が強い。全部の問題に正解することは困難であるから、取捨選択を意識して解答を進めたい。分からない問題や解答に時間のかかる問題は潔く飛ばし、確実に解ける問題に時間を使うべきである。科目別に見ると英語リーディングは出題される英文の量が増えており、難化傾向にある。英語の試験は最後に実施されるので、集中力を維持して試験に臨みたい。

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