ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2019(12) Chawk Artistさんの場合

1. お名前、プロフィール

<お名前>

Chawk Artist

<プロフィール>

奈良県立郡山高校を卒業後、1浪して国立大学の併願校としてICUを受験しました。
浪人時は個別指導塾に週1回だけ通って学習方針を相談しつつ、その他の時間はほとんど自宅で勉強して過ごしました。趣味は映画鑑賞で、数えてみると浪人中に70本の映画を観ていました。
高校時代はきつい運動部1つに入る代わりに面白そうな文化部5つ(美術部、写真部、天文部、生物部、ESC)に所属していました。

2. 受験形態

一般入試

3.予想得点

人文社会得点 = 8割
総合教養得点 = 8割
英語リスニング得点 = 2割
英語リーディング得点 = 8割

(センター得点 参考)
合計790/900
英語筆記 192
リスニング 48
数学IA 84
数学IIB 81
国語 187
物理基礎 50
化学基礎 46
地理B 70
倫政 80

4.併願校

国公立前期:名古屋大学 情報学部 人間社会情報学科
国公立後期:筑波大学 情報学群 知識情報・図書館学類

センター利用:
早稲田大学 人間科学部 健康福祉学科
明治大学 情報コミュニケーション学部,国際日本学部
中央大学 国際情報学部

5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

役のときは理系のクラスに在籍していたのですが、どうしても数学が得意になれず、名古屋大学の理系数学に全く歯が立たず不合格になって以来純粋な理系としての未来に自信が持てなくなってしまったので、併願していた東京理科大学の入学を思い切って辞退して文転しました。その後、文系の受験校を探す過程でICUを見つけました。

6.ICUに期待するところ

文理の垣根を超えた勉強ができるので楽しみです。英語力も高める環境があると期待しています。

7.受験対策

a.願書

<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>

私の大学選びの4条件に合致したからです。【1.文理融合】私は理系クラスの生徒でした。しかし文系の学問にも興味があるので、文理融合学部で幅広く学びたいと思います。【2.英語力を大幅に伸ばせる】英語に興味があります。浪人決定を機に英会話を始め、現在は英検1級を目指しています。【3.大都市にある】地方や郊外の大学は機会損失が大きいと思います。【4.本当に進学したいと思える大学】昨年度、第一志望校に不合格となりましたが、やはり自分の気持ちに嘘をついてはならないと思い、充分に検討せずに選んだ滑り止めの大学への入学を辞退しました。その後、大学選びを一からやり直し、ICUを志望することを決意しました。

<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>

IT系の勉強が面白そうだと思います。しかし、本当にそれが自分に適しているかは分からないので、まずは偏見を排して文系の学問も理系の学問も幅広く試して、それから自分に適した学問を見つけたいと思います。様々な学問に挑戦できるところがICUの良い所だと思うので、それを十分に活用したいと思います。

<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>

絵を描くことが得意で、中高は美術部等に所属していました。高校ではユニークな顧問のもと、美術部の一員として様々な経験をしました。その中でも特に、”黒板アート”と呼ばれる大規模なチョークアート制作に取り組んだことが思い出深いです。(https://withnews.jp/article/f0161227000qq000000000000000W05e10101qq000014317A

a. 人文・社会科学

人文・社会科学について。センター試験用に倫理・政治経済を学んでいたので、それをそのまま生かすことができました。しかし、体感では歴史科目で学ぶ知識なんだろうなという出題が多かったので、これから社会の科目選択をする方は、特にこだわりがないのであれば倫政より日本史または世界史を選択するのが良いと思います。また、知識以外で意識したことは、当たり前かもしれませんが、1段落を読み終える毎に設問を確認し、その範囲に該当する設問を解くことです。

b. 総合教養(ATLAS)

講義用のメモ用紙には、講義の内容に沿って何に注目すれば良いかがある程度書いてあったので助かりました。隣の人が講義のリスニング中にずっとメモを取っていたのですが、全部をメモ用紙に書き切ろうと考えるより、大事だと思うポイントだけを抜き出して、そのほかの時間はしっかり講義を理解することに努めた方が効率的だと思いました。

c. 英語(リスニングを含む)

<リスニング>

高校でESCに所属してALTが話すのを聞いていたくらいです。
高校3年生のときに受験したTOEICのリスニングで8割ほど得点できていたので、過去問を3年分ほど解いたほかには対策はしませんでした。過去問は7割以上は取れていたのですが、本番のテストでは前半も満足に出来ず、後半は全くと言って良いほど太刀打ちできませんでした。音質があまり良くなかったことと、話者の声の不明瞭さとその速さ(普段より速い気がしました)で圧倒されてしまいました。

<リーディング>

語数が多く、1,2問は解ききれませんでした。しかし、その数問を解くために自分のペースを崩すより、解ける問題を確実に取っていくことが大事だと思います。

d.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)

スタディサプリの英文法の講義はとても役に立つと思います。英文法を、暗記ではなく理解させてくれるので、負担も小さく効率も良いです。ネクステージなどの文法問題集は全くやりませんでしたがICUやセンター試験,国公立大学の2次試験を受験するのには問題ありませんでした。あのような参考書で細々したことを暗記するのは全くの時間の無駄です。

8. 最後に一言

寮の申込みについて。寮に入ることを希望する人は入試合格後に入寮申込みフォームに記入しなければならないのですが、その中に「第一希望の寮を選択した理由」を書く欄があります。
ICUには寮が沢山あって、新し目の寮などは違いが分かりにくかったので、どのような観点で選択すべきかICUに質問したところ、寮費の違い、個室かどうかの違い、施設(シャワーなのか、大風呂なのか)、建物の古さ、管理人さんの常駐、人数、寮の伝統を各寮の案内や「寮紹介」の文章から感じ取ってほしいという返事をいただきました。

・追加の質問

(仮面浪人しなかった理由とその感想、および、予備校には通わずに自宅で
勉強した理由とその感想を教えてください)

二兎を追う者は一兎をも得ず、と思ったからです。慣れない場所での一人暮らしをしながら理系の学生生活を送るというだけでも大変そうなのに、さらに受験勉強を満足にできるとは思えませんでした。そのまま東京R大学に入ってしまえば、なんだかんだ馴染んで安住してしまうか、逆に、やっぱりここは好きになれないから退学してもう一度やりなおそう、となるかのどちらかだろうと思いました。
進路選択を迫られた当時の自分には、大変失礼ながら「東京R大学は第一志望校に落ちた人が妥協して滑り止まる場所」というイメージがありました。志望していた段階ではMARCHや関関同立よりも輝いて見えたのに、いざ進学するかとなった瞬間に色あせてしまったのです。

結果的に入学辞退の選択は正解だったと思います。理系科目がそれほど得意ではなかったために文転したということも要因として挙げられるかもしれませんが、センター試験の得点は713点から790点まで向上し、大学別模試でもE判定から始めて学科別順位2位を取るレベルになりました。やれば伸びるものだと思いました。
もう一つこの選択をしたのが正解だったと思える理由が、滑り止めの大学に進んだ友達がセンター試験前になって「もう一度やりなおしたいなあ」と口々に言い出したことです。それを聞いたとき、やはり未練は簡単には断ち切れないのだと思いました。

予備校に通わなかったのは、一つには文系ならば予備校に通わなくても自習で事足りると考えたからで、もう一つ切実なのが、過敏性腸症候群(IBS)という症状のせいでしばしばお腹の調子が悪くなってしまうからです。ご飯を食べた後などはお腹にガスが溜まってゴロゴロいいだすので、長時間の拘束を伴う授業は精神的に良くないと考えました。この症状のせいで、中高生時代もかなりの時間を無駄なストレスにさらされながら過ごしました。そのため、浪人する際には集団授業スタイルの予備校は選択肢から外して、自宅学習が可能な自習中心の形態の塾を選びました。