ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2020(11) ぷーのすけさん

1. お名前、プロフィール

<お名前>

ぷーのすけ

<プロフィール>

出身校:K高校→K大学(AO入試)
英語のレベル:英検二級(高1)→英検準一級(高3春)→TOEFL iBT79(大1秋)
趣味:バスケットボール、アルティメットフリスビー
学校が単位制であまり真面目に勉強していなかったので、高校の英数理社の知識はほとんど固まっていませんでした。

2. 受験形態

一般入試

3.予想得点

人文社会または自然科学得点 = 8割~9割
総合教養得点 = 8割
英語リスニング得点 = 6割~7割
英語リーディング得点 = 6割~7割

4.併願校

高二の夏にオープンキャンパスを通じてICUを知り、高二の冬にはAOでICUを受けようと決めました。ICUのAOではAO専門塾で夏中願書の添削をしてもらいましたが、評定と英語のスコアの両方が低かったこともあり落ちてしまいました。(評定:4.1 英語:英検準一級/TOEFL iBT60点程度)
AO・推薦では、その他に上智大学法学部法律学科とK大学総合政策学部を受け、K大学に合格しました。一般入試では、ICU(A方式)と慶應義塾大学総合政策学部を受けて両方落ち、結局K大学総合政策学部に入学しました。ちなみに、ICUの一般入試では120点ほどしか取れていませんでした。(合格最低点は146点くらい)
大学入学後は勉強のモチベーションをうまく保てずにいたのですが、秋頃にTOEFL iBTで79点を取ってギリギリA・B両方式で出願することができました。編入はICUしか考えていなかったのでICU対策に集中し、2020年度のA方式とB方式の一次選考に合格することができました。

5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

リベラルアーツや三年次からのメジャー選択、文理を問わずメジャー選択できること、ジェンダー・セクシュアリティ研究の専攻があること、広々としていて自然豊かなキャンパスに魅力を感じたことなどから、ICUを選びました。

6.ICUに期待するところ

ICUでは、考える力と外国語の運用能力を高められるような勉強ができたらいいなと考えています。
ICUで勉強したいことは、ジェンダー・セクシュアリティ研究です。他にも、入学後に興味を持った学問を深めていきたいです。

7.受験対策

a.願書

<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>

私がICUへの入学を強く志望する理由は、高度な批判的思考能力を養うためです。ICUでは実践的なクリティカルシンキングの場があり、それをサポートしあえる仲間がいると考えます。つまり、少人数での対話重視型の授業のみならず、高い問題意識を持ちつつ多様なバックグラウンドを持つ人たちと、場所や状況を問わず生まれる対話があるということです。そのような環境下で常に固定観念に疑問を抱き続け問題解決を目指すことが、批判的思考能力を伸ばすことにつながると私は考えます。そして、このような学びは私一人が高い問題意識を持っているだけでは得られない為、批判的思考能力を高めるのに適した環境であるICUへの入学を希望します。

<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>

私は人類学とジェンダー・セクシュアリティ研究の二つのメジャーを学びたいです。なぜなら、文化理解とジェンダー平等の問題について異文化の面と日常の面の両方から多角的に考えていくことができるからです。例えば、人類学での実践的なフィールドワークを通して文化間の共通点や違いを発見し続けることで、他文化への性差別を含む偏見や先入観をできるだけ減らして問題解決に取り組めると考えます。私は性的マイノリティをテーマとした高校でのSGH研究の一環として東京レインボープライドに参加した際に、文献調査を通じた予測とは全く異なった意見や場の雰囲気を感じ、現場に立つことで初めて得られる視点があることを学びました。また、単一のテーマに固執せず、そのテーマを取り巻く文化的背景まで視野を広げることの重要さも理解できました。

<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>

私は、一人一人に適した指導をすることが得意です。高校時に併設のインターナショナルスクールの小学生達に三線の演奏の指導を行った際には、日本語や英語が苦手な生徒や内向的な生徒など多様な生徒がいる中で、一人一人の手のサイズの違いやキャラクターの違いなどに合わせて全員が上達するまで個別に向き合い最適な指導を模索しました。指導中に生徒達から率直なリフレクションをもらうことで、自分自身の成長も実感できました。

a. 人文・社会科学

使った参考書…現代文キーワード読解、ナビゲーター世界史、蔭山のセンター政治・経済、蔭山のセンター倫理
出題傾向…人文・社会科学は世界史、倫理、政治経済の分野が出やすいと思います。2020年度はアテネと現代(アメリカ)の選挙制度についての出題だったと記憶しています。易化していました。
対策…上記の3科目を勉強していましたが、あまり細かい知識を頭に入れることができませんでした。しかし、近年の知識問題はすごく基礎的なことか対策しようのないことが聞かれがちだと思うので、学校で習った範囲の復習程度でいいと思います。(僕は社会科目の授業をほとんど取っていなかったので参考書を何周か読みました)読解は2、3冊参考書を買って少し勉強しましたが、あまり意味がなかったです。オンレクの過去問を解いて復習を時間をかけて行う方がいいと思います。

b. 総合教養(ATLAS)

使った参考書…ナビゲーター世界史、蔭山のセンター政治・経済、蔭山のセンター倫理etc

出題傾向…社会科目の知識に加え、理数科目の基礎知識がないと解けない問題もあります。2020年度は知識問題もPart4(自然科学分野)も簡単だったので、易化していると思います。

対策…過去問を解いて、読解問題を中心に復習をしていました。知識問題も間違えた問題の周辺知識をさらっと復習はしましたが、参考書に載っていないことも多く諦めました。自然科学分野も同様、知識がないと解けない問題は解答に目を通すだけでした。知識がなくても解ける問題(化学式、図形の問題など)は復習の際に早く解く練習を少ししました。

c. 英語(リスニングを含む)

<リスニング>

使った参考書…2020大学入試関正生が予想するFINAL時事英語、TOEFL関連、ICUの英語完全予想問題

出題傾向…いろんな分野の話が出ます。が、Part1・2は毎年同じような問題が出ています。2020年度は2018・2019年度と同じくらいの難易度だと感じました。(Part3の講義の話すスピードがだいぶ遅かったが、逆に聞き取りづらかった)

対策…Part1・2はTOEFL iTPの問題と過去問をできるだけやるといいと思います。リスニングが苦手な人はiTPの問題からはじめたり、空き時間は音楽を聴く代わりにリスニングをとりあえず流しておくといいと思います。僕は毎朝30分はウォーキングしながら間違えた過去問をとりあえず聞いてました。Part3対策として「2020大学入試関正生が予想するFINAL時事英語」を何周かしましたが、出題内容が違い、設問が簡単脱兎のでほとんど意味がなかったです。演習量を稼ぎたい人は、「ICUの英語完全予想問題」かTOEFL iBTのリスニング問題集に取り組むといいと思います。

<リーディング>

使った参考書…世界一わかりやすい英文法の授業、高三トップレベル英語<文法編>、関正生の英語長文ポラリス3、TOEFL関連、ICUの英語完全予想問題

出題傾向…800字くらいの長文三題と穴埋め長文が一題の合計四題で、去年と同じでした。難易度も同じくらいだったと思います。(少し読みやすかったかも)

対策…まずPart2の穴埋め長文は、過去問を繰り返すのが一番だと思います。文法がある程度終わったら難しい文法事項を暗記しなくてもある程度は取れると思います。前後関係から推測する問題も多いので、過去問が一番の演習材料だと思います。Part1の長文はある程度難しい単語をはやめからできるだけ覚えておくのがいいと思います。僕の場合はTOEFL対策用に「TOEFLテスト英単語3800」や「TOEFL英熟語700」などをやっていました。また、構文の知識がほとんどないため遅読でしたが、「関正生の英語長文ポラリス3」を音読したり、過去問やTOEFLの演習を行うことでなんとか11月-12月くらいにはオンレクでもいい点数を取れるようになりました。

d.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)

全体的な勉強としては、過去問の復習にしっかりと時間を充てながら、本番での自分なりの解き方を固めていくことが大事だと思います。僕はリスニングのマークをリーディングの時間にしたり、総合教養のPart4は問題文をほとんど読まずに先に終わらせてPart2・3の読解の時間に充てたり、リーディングや人文・社会科学、総合教養のPart2・3ではパラグラフのまとめを一言で横にメモするようにしていました。

直前期は、過去問を小冊子形式で印刷して解くのが個人的には楽しかったです。(実際に受験会場に持って行って本番前にお気に入りの年度の問題で予行練習するのがオススメ)

試験前の時間は、上記の方法でひたすら試験の予行練習をするのがオススメです。単語帳を見ている人がたくさんいましたが、単語は直前期に入る前に長期記憶として定着させておくべきだと思います。(実際に本番で二つほど出た語彙の問題は両方とも1ヶ月以上前に覚えた語彙でした)

試験中は、一問に時間をかけすぎないことと、目の前の問題に集中することが大事だと思います。なぜなら、僕が本番のリスニング(一番失敗した科目)で犯した大きな失敗はこの二つだからです。リスニングでは全体を通して確信を持って答えられた解答以外は引きずってしまっていました。特に、Part3の長い問題は解答時間も短く引きずりやすいので「リーディングの余った時間で再吟味しよう」と割り切ると良いと思います。しかしながら、引きずらない程度に目の前の終わっていない問題に集中することも大事だと思います。僕は、リスニングで次Partの説明をしている時に問題を解いていいか分からず、結局その間ぼーっとしてしまう羽目になりました。このような事態に陥らないようにするためには、もちろん指示を聞くことも大切ですが、指示されていないことについて考え込みすぎないようにすることが大事だと思います。この時間に解いたらダメと言われてないなら解こう、と思って集中しきれなかったのを後悔しています。

特に、リスニングの次Partの説明の時間は問題を解き切るチャンスなので活用するべきだと思います。(問題が解ききれた場合は、マークミスがないか確認する時間に充てるといいと思います)

8. 最後に一言

僕は文法知識が未だにあやふやで社会などの知識も全然詰め込むことができませんでしたが、B方式に出願するために行っていたTOEFLの勉強と人文・社会科学の文章を繰り返し読むことによる慣れでなんとか合格しました。

多分合否の分かれ目は英語だと思うので、ICU志望の人はやはり英語を重点的に勉強して欲しいです。特に転入本科生の人はELAのStreamによっては卒業時期が遅れてしまうかもしれないそうなので、英語はやってやりすぎることはないと思います。

最後に、受験会場では意外と多くの人達が赤本を見ているので、「オンレクで他の人たちより多くの過去問をこなしてきたこと」自体が自信につながるなと2回のICU受験を通して感じました。そういう意味でも、オンレクは本当にやっておいてよかったです。