ICU入試国際基督教大学入試合格体験記2020(20) ミールさん

3月 1, 2020

1. お名前、プロフィール

<お名前>

ミール

<プロフィール>

出身高校: 私立R高校
予備校: 駿台予備学校(現役時)
在籍大学: 私立K大学
趣味: 音楽ライブ
部活: 歴史部(高校)、児童ボランティアサークル(大学)
特技: なし

2. 受験形態

転編入学

3.予想得点

人文社会または自然科学得点 = 9割
総合教養得点 = 8割
英語リスニング得点 = 5割
英語リーディング得点 = 6割

(センター得点参考)
709点(2017年)

5. ICUに入るまでのいきさつ(どうやってICUを知ったか? なぜICUを選んだか ? など)

ICUのことは現役時から著名OGなどで知っていましたが、当時は「『教養』と称して入試でワインについて問う、帰国子女と皇族が通うIsolated Crazy Utopia」というイメージしかなく、受験には至りませんでした。
その後、現役で他大の商学部に進学しましたが、好きな歌手がOGだから受験しただけだったので、講義に出席しても集中できない日々が続き、再受験を考えるようになりました。
ICUを選んだのは、ジェンダー論を専攻できる、少人数授業の多い大学だからです。大学で得意だった科目は全部、ジェンダー課題を扱うか、講義型でないか、開講言語が英語かのどれかだったので、ここでなら頑張れると思いました。

6.ICUに期待するところ

ヲタクに人権があればいいなと思います。

7.受験対策

a.願書

<1.ICUを志望した動機または理由を述べてください。>

貴学でなら、自分が将来にわたって取り組みたい課題について思索や議論を深められると考えたからです。私は今後どのような人生を歩むにしても、自らが内面化してきたジェンダー観に自覚的になり、その望ましいあり方を真剣に考えていきたいと思っております。貴学では世界人権宣言の原則のもと、ジェンダー・セクシュアリティ研究をはじめとする問題解決型のメジャーがいくつも提供されているうえ、その授業の多くが対話による少人数制です。加えて、貴学の学生や卒業生には実際に様々な社会課題の解決を目指して奔走する方が少なくありません。これらのことから、貴学には様々な課題について学びを深めるのにふさわしい環境があると考えました。

<2.ICUで何を学んでみたいですか。あなた自身の希望をその理由も含め述べてださい。>

まずはリベラルアーツ英語プログラムを修めて貴学のバイリンガル環境に順応したいと思います。そして、以前より経験に基づく課題意識から関心を払ってきたジェンダーに関する学びを深めたいです。そのうえで、自分の価値観の差別的・加害的側面を見つめ直すことを目指します。知識をもとに内省を繰り返さねば、意図せぬ差別的言動や、課題に向き合ううえでの二次加害への加担をなくせないと思うからです。このほか、ジェンダー視点から歴史教育のあり方の再検討を試みる動きに意義を感じており、歴史学や教育学にも関心があります。さらに私はカトリック学校出身で、降誕劇やその題材である福音書に慣れ親しんできたため、貴学の視点からキリスト教思想を学び直すのも楽しみです。いずれにせよ専修分野を決めるまで自分に合う学びを探りたいと思います。

<3.学内外を問わず、技能、諸活動など自分の最も得意とすること、好んで行なって いることを述べてください。>

子どもに関わる活動に参加するのが好きです。これまで、実際に子どもをお預かりする子育て体験プログラムや、近隣地域の子ども向けに紙芝居を実演する児童ボランティアなどに積極的に参加してきました。当初は待機児童問題への関心から始めましたが、単純に子どもたちと触れ合うのが楽しいとも感じております。保護者などとは別の立場から子どもたちの成長過程に接することができるのはやりがいも大きいです。

a. 人文・社会科学

私が現役時に地歴公民で選択したのは日本史、倫理、政治・経済でした。そのため、最初に過去問を解いてみて世界史の知識不足を感じ、夏から秋にかけて世界史の通史を学習しました。それ以降はひたすらオンレクで過去問を推奨度順に進めました。

b. 総合教養(ATLAS)

地歴公民以外に理科の比較的高度な知識が問われますが、オンレクで過去問などを解く以外に特別な対策はしませんでした。私は現役時にセンター試験レベルの生物基礎と地学基礎を学習していたので、その内容だけ押さえて物理・化学の問題は鉛筆を転がしました。

c. 英語(リスニングを含む)

<リスニング>

とにかく解答時間が短いので、過去問で慣れました。聞き終えて、それから問題文と選択肢を読み、考えているうちに次の問題が始まり、次の問題も聞き漏らし、……というサイクルに入るのが一番まずいです。即断に徹し、時間内にわからなければ好きな数字を選べばいい、というよりそうするしかありません。そのうち、Part 1の内容にも見覚えが出てきますし、少しずつ問題文を読みながら聞けるようにもなりました。

<リーディング>

語彙力不足が往年の課題で、現役時もセンター試験は9割5分以上得点できましたが、個別試験で苦戦しました。今回もいきなり過去問を解き始めたところ、栄養学を批判する文章を称賛と読み違えたので、単語学習と並行して進めました。

d.その他受験に関するアドバイス(役立つ参考書、試験中に気をつけること、全般的な勉強法など)

予備知識のすべてを個別に参考書を用意して対策するのは難しいと思います。全部が第1章止まりになるか、何冊か触れずじまいになるでしょう。過去問演習を進め、参考書を追加するほうが効率的です。このとき何が必要になるかは人によって異なると思います。私の場合は世界史と英単語でした。
世界史はYouTubeチャンネル「Historia Mundi」の「世界史20話プロジェクト」を1周しました。その後、「スピードチェック(各話のまとめプリント)」と『時代と流れで覚える!世界史B用語』で復習しました。
英単語は『必携 英単語 LEAP』を中心に学習し、『話題別英単語 リンガメタリカ』で学術用語を補いました。特に前者は専用スマートフォン用アプリで一問一答テストができ便利です。英単語帳を終わらせたためしのない私でも継続して学習できました。
また、過去問演習にあたっては、月並みですが近年のもので時間配分を身につけるのが大切です。英語リーディングに関しては以下の記事が参考になります。

ICU英語リーディングの時間配分、制限時間以内に終わらせるには

8. 最後に一言

現役時の受験における最大の反省点は、過去問演習を疎かにしたことでした。今、高校生でオンレクに出会っている方は幸運です。自分が3年かけて気づいたことに現役の段階で気づける皆さんを羨ましく思います。どうか悔いのない受験をしてください。

とはいえ、私と同じく回り道をしている皆さんが「普通」じゃないからと気に病むことはありません。知らないだけで、レールを外れた進路を歩んでいる人はたくさんいます。最短経路は理想的ではありますが、「みんな」に当てはまるというのは幻想です。

(追加の質問 実際の試験(あるいは過去問演習)では、英語リーディングのPart 1 Text 1,2,3とPart 2はどのような時間配分で解きましたか?)

私はBUCHO.NETの記事を読んだ時点で、自然科学分野の文章は時間配分にかかわらず得点しにくいことがわかっていました。そのため、人文・社会科学分野の文章は20分、自然科学分野の文章とPart IIは10分を制限時間としました。
制限時間を守るには、記事にあるように1パラグラフ読むごとに解答し、すぐにわからない問題は一度飛ばすようにするのが大切です。
こうすれば、人文・社会科学分野の文章とPart IIは制限時間以内に見直しまで済ませられましたし、自然科学分野の文章もある程度の設問は根拠を持って回答できました。
ICUの入試全般にいえることですが、熟考しても間違う問題は間違うので、即答できない設問は勘に頼って構わないと思います。そのぶん他の設問の解答根拠を十分に検証するほうが得策です。