ICU総合型選抜合格者インタビュー後編:面接・併願戦略・一般選抜との両立


(2027年度のICU総合型選抜では、二次面接はオンラインではなくICUの教室で行われる。写真提供 Mさん)
面接では、志望理由や小論文以外の話が多く出た
B:ここからはICU(国際基督教大学)総合型選抜の二次面接について伺います。実際の面接はどうでしたか。
Mさん:結果的には、志望動機や小論文の話はあまり出なくて、時事問題や国連の話が多かったです。
B:それは予想していましたか。
Mさん:もっと書類から聞かれると思っていました。もう少し調べておけばよかったなと思いました(笑)
B:書類に書いたことをそのまま聞かれるというより、そこから広げた質問が多かったわけですね。
Mさん:そうですね。自分が書いたことの周辺も含めて聞かれる感じでした。
質問を聞き返した場面もあった
B:一部の質問は聞き返したということでしたが、どのような場面でしたか。
Mさん:「異文化交流で何を学びたいですか」という質問があったのですが、そのときに、それは具体的に教科のことを聞かれているのか、それとももっと広い意味で聞かれているのかを確認しました。異文化交流というと範囲が広いので、確認した方がいいと思いました。
B:なるほど。たしかに、そのまま答えると広がりすぎる質問ですね。
Mさん:はい。質問の意図を確認してから答えた方が、自分としても話しやすかったです。
B:面接全体を通して、どんなところが見られていると感じましたか。
Mさん:書類で直接書いたことだけではなくて、そこから少し外れた部分や、時事に関わる部分も見られていたと思います。ちゃんと書類に書いたことが、自分の中の考えの土台になっているかどうか、というところです。
B:なるほど。
Mさん:オンライン面接だったので、もしかしたら、AIを使っていないかということも見ていたのかもしれないと思いました。即興的で少し抽象的な質問もあったので、その場で考えて答えられるかどうかを見ていたのかなと感じました。
2027年度からの会場面接は、地方受験生にはかなり影響がある
B:ちなみに、2027年度からICUの総合型選抜の二次試験はオンライン面接ではなく、会場面接になります。この変更についてはどう思いますか。
Mさん:地方の受験生には影響が大きいと思います。私はAIUの地域枠の総合型選抜も受けていて、その面接がICUの二次面接と同じ日だったんです(笑)。
B:かなり大変な日程ですね。
Mさん:はい。でも、私が受けた年はICUがオンライン面接で、しかも午前中に受けられたので、午後にAIUの面接会場に行くことができました。AIUの方はわりと長い試験だったので、ICUが対面だったら絶対に併願はできなかったと思います。
B:それはたまたまそうなったのですか?それとも最初から午前午後は決まっていた?
Mさん:ICUの二次試験は日程だけしか分かっていなくて、一次に合格してから、ICUが午前中の面接に決まって、AIUもたまたま午後だったので受けられたという形です。
B:なるほど、今後は日程が重複していたらもう受けられないというケースが増えそうですね。
Mさん:あると思います。特に地方受験生には日程の問題がかなり大きいと思います。
併願について
B:ちなみに、ICUのオンライン面接とAIUの対面面接では、どちらの方が受けやすかったですか。
Mさん:AIUの方がやりやすかったです。面接官が書類ベースで、「自己PRについてもう少し詳しく話してください」という感じで質問してくださったので、答えやすかったです。
B:併願して気づいたことはありますか。
Mさん:総合型選抜だと、似たような書類を出すこともあるのですが、それでも大学ごとに内容やテーマにしている活動は違いました。私の場合はICUとAIUでは提出した書類のテーマが微妙に違っていたので、面接のときに、うっかりと内容が混ざりそうになりました。
B:それは確かにありそうです。
Mさん:はい。総合型選抜を併願する人は、そのあたりをきちんと整理しておいた方がいいと思います。
ICU総合型選抜と一般選抜とのバランス
B:一般選抜とのバランスはどう考えていましたか。
Mさん:オンレクを受講してからICUの過去問をいくつか解いて、ある程度手応えがありました。なので、「一般もまったく無理ではない」と思えたことは大きかったです。
B:そのうえで、夏は総合型に寄せたわけですね。
Mさん:はい。夏休みは、総合型選抜8、一般2くらいの割合でした。まずは夏まで総合型選抜の準備に集中して、そのあと一般に切り替えようと思っていました。
B:一般対策も一応は続けていた。
Mさん:そうですね。オンレクでICUの一般選抜の過去問は定期的に解いていました。ただ、AIUの準備もあったので、本当に時間は足りなかったです。
ICU総合型選抜受験の不安への対応や準備
B:総合型選抜は準備期間が長いぶん、不安も大きいと思います。そこはどう対応していましたか。
Mさん:同じ高校にAIUの地域枠を受ける同学年の友達がいて、みんなで意見交換できたのが大きかったです。不安なことを話すだけでも少し軽くなりましたし、情報交換も役立ちました。
B:ICU受験生が少ない環境でも、総合型選抜を受験する仲間がいたのは大きかったわけですね。
Mさん:そうですね。ICUを受ける人が周りにいなくても、総合型選抜の人たちと一緒に準備するのはすごくいいことだと思います。その意味では他大学も併願してよかったと思っています。
B:受験全体を振り返って、合格につながった一番大きな要因は何だったと思いますか。
Mさん:まずは、絶対に総合型選抜で受かろうと思っていたことだと思います。その気持ちがあったから、総合型選抜にかける時間も変わりましたし、ある程度リスクを取ってそこにかけようと思えました。
B:気持ちの持ち方が、準備の量にもつながった。
Mさん:はい。あとは、さっきも言ったように、周りとのコミュニケーションもすごく大事でした。同時期に他大学の総合型選抜を受ける友達と意見交換できたのもよかったですし、先生方ともたくさん話しました。AIU出身の先生もいらっしゃったので、そういう方との対話も大きかったです。
B:一人で抱え込まなかったことが大きそうですね。
Mさん:そう思います。話すことで気持ちも落ち着きましたし、新しい視点も得られました。
自分なりの課題意識
B:入学してから、ICUの総合型選抜で入った人たちにはどんな印象を持ちましたか。
Mさん:本当にいろいろな人がいます。自分なりに解決したい課題を持っている人が多いという印象です。あとから知ったのですが、問題解決のための団体を立ち上げていたり、子どもたちのために活動していたりする人もいます。
B:課題意識を持っている人が多いということですね?
Mさん:そう思います。総合型選抜の人は何かしら自分のコアなものを持っている人が多いと思いました。活動の形は違っても、自分なりのテーマを持っている人が多いと感じました。
ICUに入って感じたこと
B:実際にICUに入学してみて、印象的だったことは何ですか。
Mさん:ELAですね、とにかく課題が多いです。課題だけで夜12時を過ぎることがよくあります。
B:特に大変なのは?
Mさん:RCA(Reading & Content Analysis)が大変です。でも、セクションメイトはすごくフラットな雰囲気で、英語のレベルが高い子ももちろんいるのですが、だからといって萎縮する感じではなくて、間違いも気にしすぎずにみんなが発言できています。
B:授業の雰囲気はどうですか。
Mさん:高校では、隣の人と話すといっても授業やテストの答え合わせくらいだったので、ICUみたいにディスカッションをして、正解のないことについて話し合うのはとても新鮮でした。
ICU総合型選抜、まずは自分を振り返るところから
B:最後に、これからICU総合型選抜に挑戦する人に向けて、まず最初にやるべきことを教えてください。
Mさん:まずは、自分の活動やこれまでの人生を振り返ることだと思います。私は学校行事にも参加していた方でしたが、それでも最初は「東京の高校の人はもっといろいろやっていそうだな」と思っていました。
B:たしかに、そういう不安は出てきますよね。
Mさん:でも、先生など自分のことをよく知っている人と話しているうちに、「これは自分にしかできなかった活動かもしれない」とか、「そこから自分が得てきたものがある」と気づけるようになりました。そういう振り返りの時間はすごく大事だと思います。
B:では、ICU総合型選抜を受けるべきかどうかは、どう判断したらよいでしょうか。
Mさん:振り返ってみたときに、自分の活動にある程度自信が持てるかどうかというのが一つの基準になると思います。不安な要素が大きいなら、一般選抜も考えながらがいいと思います。自分の活動に意味を見いだせるなら、ICUの総合型選抜に挑戦する価値はあると思います。
B:ありがとうございました!
